筋トレメニューの組み方|ジムや自宅でできる1週間の例を部位別に紹介

監修者

宮城島大樹

NESTA PFT 食コンディショニングアドバイザー

筋トレメニューを組み立てることは筋トレの効果を出すために非常に重要です。とは言ってもジムか自宅か、または男性か女性か、初心者か上級者かで組み方は変わります。それぞれの1週間の筋トレメニューの組み方を詳しく紹介します。

筋トレメニューは1週間で考えると良い

これから筋トレを始めようと思っている方も、普段から筋トレをしている方も、「筋トレメニューの組み方」には頭を悩ますことが多いでしょう。

まずは何から始めれば良いのか?果たしてどのくらいやればいいのか?筋トレメニューにはどんなものがあるのか?
こういった悩みを解決するために、本記事では以下の観点で筋トレメニューを紹介します。

ジムで行うか、自宅で行うか

ジムに行けば筋トレのバリエーションはもちろん増えます。多様な器具を使いこなせば、自宅で行うより効率は間違いなく良いでしょう。

しかし、自宅で行う筋トレが無意味というわけでは決してありません。自重の筋トレも十分効果はありますし、むしろ初心者の方であれば、いきなり器具を使うよりもまずは自重で行い基礎体力をつけることから始めても良いでしょう。

宮城島大樹監修トレーナーからのアドバイス

NESTA PFT
食コンディショニングアドバイザー

正しい動作を身に着けるために自己流での自宅トレでは身に着けることはできません。間違ったフォームでやり続けることで逆効果や悪化の可能性を考えると初心者こそジムに行ききちんとした指導を受けましょう。

初心者か中級者以上か(男性か女性か)

ボディービルダーのようなよっぽどの上級者でない限り、筋トレは毎日は行わないでしょう。週2〜4日で十分鍛えることは可能です。

週に筋トレをする日程が同じであっても、初心者か上級者かで筋トレメニューの組み方は変わります。

1週間の筋トレメニューを作ろう!

まずは1週間の筋トレメニューを作りましょう。1ヶ月の筋トレメニューを作っても、仕事などの予定でなかなか計画通りにトレーニングをすることは難しいです。

全身を鍛えることを目標に考えても、1週間という長さは十分足りる期間です。また、1週間は普段の生活パターンを決める大きな軸であるため、1週間で筋トレメニューを作り、それを繰り返す、というのはとても理にかなっているのです。

筋トレメニューの組み方|スプリット・ルーティン

筋肉の成長には「超回復」というものがあり、やみくもに毎日筋トレをすればいい、というものではありません。「筋肉の回復を待ってからまた鍛える」ことが大事です。超回復に必要な期間は、運動強度や部位によって変化しますが、大体2〜3日間です。

超回復については以下の記事をぜひ参考にしてください。

つまり、同じ部位の筋トレをするには数日待つ必要があるため、例えば週に3日間筋トレをする場合は「部位を分けてトレーニングする」のが効率的です。

この「部位を分ける」筋トレ方法のことを「スプリット・ルーティン」といい、スプリット・ルーティンのやり方も初心者と上級者で変わります。

鍛える部位の分け方

仮に週3日筋トレをするとしましょう。

初心者はまだ体力がないため、1日で全身を鍛えるのは控えたほうがいいです。フォームが崩れ、ダンベルなどを持っている場合は怪我につながる場合があるためです。
よって、初心者の方は筋トレを「上半身」の日と「下半身」の日に分けて行いましょう。

上半身の中で腕や腹筋、背筋などバリエーションを持つことで、しっかりメニューを組み立てることができます。

中級者以上の方はさらに細かく、「上半身の押す力」、「上半身の引く力」、「下半身」の3つに分けてトレーニングを行いましょう。

おそらく、中級者以上の方であれば1日に上半身と下半身の両方を鍛えることが可能です。超回復を考慮すると、1日にそれだけの筋肉を鍛えると同じメニューを週に何度もこなすのは難しくなります。

そこで、上半身を「押す力」と「引く力」に分けるのです。
実はこの考え方は非常に重要で、胸筋の見た目ばかりを気にしてベンチプレスのような押す力ばかりを鍛えていると、引く力との差がどんどん開き、身体のバランスが悪くなってしまうのです。

身体には腹筋と背筋のように対をなす拮抗筋があり、このバランスが崩れると怪我をしやすくなってしまいます。

中級者以上の方は押す力と引く力も意識して筋トレメニューを組みましょう。

筋トレメニューの組み方一覧

以下から具体的な筋トレメニューを紹介します。
自分が当てはまる筋トレメニューを選んで見てください。

筋トレメニュー① 初心者の週2日

筋トレメニュー② 初心者の週3日

筋トレメニュー③ 中級者の週2日

筋トレメニュー④ 中級者の週3日

筋トレメニュー⑤ 中級者の週4日

筋トレメニュー① 初心者の週2日

初心者で週2日筋トレをする場合は、全体のトレーニング量を増やしたほうが成長が早いため、どちらも全身トレーニングを行ったほうがいいです。

自宅で行う筋トレの場合

上半身
[胸]プッシュアップひざ立てプッシュアップダンベルベンチプレスダンベルフライ
[肩]サイドレイズショルダープレスアップライトローイング
[背中]バックエクステンション
[上腕二頭筋]ダンベルカール
[上腕三頭筋]ワイドスタンス・プッシュアップ

下半身
[脚]スクワットワイドスタンス・スクワットステーショナリー・ランジ
[尻]スクワットヒップブリッジアブダクションヘビー・サイドブリッジ

特にやるべき種目(自宅)

上の筋トレメニューを各部位1種目づつからまずは始めましょう。

下半身は脚と尻で分けることができますが、スクワットはどちらも鍛えることができるためオススメです。
同じスクワットでも「ワイドスタンス・スクワット」は内転筋という太ももの内側を鍛えることができるので、O脚の改善などに役立ちますよ。

ジムで行う筋トレの場合

上半身
[胸]ダンベルベンチプレス、バタフライ
[肩]サイドレイズ、ショルダープレス(マシン)
[背中]ラットプルダウン
[上腕二頭筋]ダンベルカール、バーベルカール
[上腕三頭筋]トライセプスキックバックリバースプッシュアップ(ディップス)

下半身
[脚]スクワット(ダンベルorバーベル)、レッグプレス
[尻]スクワット(ダンベルorバーベル)

特にやるべき種目(ジム)

こちらも各部位1種目ずつ行うことから初めてください。

また、ジムで行う場合はぜひ軽重量からバーベルを使ってみてください。
スミスマシンを使えば、怪我の危険が少なく、バーベルを使ってベンチプレスやスクワットを行うことが出来るため、これらもぜひ行ってください。

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筋トレメニュー② 初心者の週3日

初心者で週3日筋トレをする場合は、以下の2通りにしましょう。
①上半身、下半身、上半身を繰り返す
②上半身、下半身、全身

①も②も実施する筋トレメニューは上記の「初心者の週2日」で紹介したメニューと同じです。

全身を鍛える場合は、「重い重量を扱える種目」から行ってください。
重い重量の方が筋トレの効果は当然高くなります。そのため、一番重い重量を扱える筋トレ種目からやることによって、筋トレの効果を最大限に享受することができるのです。

例えば胸や腕を鍛えるためにベンチプレスは非常に効果的なトレーニングですが、他の小さな種目(例えばプッシュアップ)を先にしてしまうと、もちろんベンチプレスで挙上できる重量は小さくなってしまいます。これは非常にもったいないです。

また、筋肉が疲れた状態で高重量を扱うのは怪我につながり危険です。

全身を鍛える場合は、重い重量を扱える種目から順番に行っていきましょう。

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筋トレメニュー③ 中級者の週2日

中級者以上で週2日筋トレをする場合の筋トレメニューの組み方は以下の2つです。

①1日は上半身を鍛え、もう1日は下半身
②両日とも全身を鍛える

自宅で行う筋トレの場合

上半身
[胸]ダンベルベンチプレスダンベルフライ
[肩]サイドレイズショルダープレスリアデルトレイズ
[背中]プルオーバーダンベルシュラッグ
[上腕二頭筋]オルタネイト・ダンベルカール
[上腕三頭筋]ワイドスタンス・プッシュアップリバースプッシュアップ(ディップス)

下半身
[脚]スクワットワイドスタンス・スクワットオルタネイト・サイドランジ
[尻]スクワットヒップブリッジヘビー・サイドブリッジ

特にやるべき種目(自宅)

上半身と下半身で鍛える日を分ける場合は、上記のトレーニングで各部位2種目行うようにしましょう。
上半身と下半身を同じ日に鍛える場合(全身)は、各部位を1種目ずつ以上行いましょう。

ジムで行う筋トレの場合

上半身
[胸]ベンチプレス(バーベル)、バタフライ、
[肩]サイドレイズ、ショルダープレス(マシン)
[背中]ラットプルダウン、ワンハンドローイング
[上腕二頭筋]ダンベルカール、バーベルカール
[上腕三頭筋]リバースプッシュアップフレンチプレス、トライセプス・プレスダウン

下半身
[脚]スクワット(バーベル)、レッグプレス(マシン)、レッグカール(マシン)
[尻]スクワット(バーベル)

特にやるべき種目(ジム)

ジムで筋トレをする場合も自宅で行う場合と同じです。
ただし、ジムでは高重量を扱いがちですので、怪我のないように「重い重量から行い、だんたん重量を軽くしていく」というルールを守ってください。

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筋トレメニュー④ 中級者の週3日

中級者以上で週3日筋トレをする場合は、筋トレメニューを「上半身の押す力」、「上半身の引く力」、「下半身」の3つにわけましょう。

自宅で行う筋トレの場合

上半身の押す力は、上記の「中級者の週2日」で紹介した上半身と同じです。これに加え、上半身の引く力も鍛える必要があります。

上半身の引く力で鍛えるべき筋肉は主に背筋です。
しかし、自宅で行える引く力の筋トレは懸垂プルオーバーくらいです。なかなか懸垂を自宅でできる環境はないかもしれませんので、できればジムで鍛えてください。

下半身も上記の「中級者の週2日」と同じです。

ジムで行う筋トレの場合

上半身の押す力、下半身は上記の「中級者の週2日」と同じです。

上半身の引く力の筋トレは
[背中]ラットプルダウン、ローイング、プルオーバー

を行いましょう。

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筋トレメニュー⑤ 中級者の週4日

中級者以上の週4日の筋トレメニューはバリエーションが様々です。

上半身と下半身を分けてもいいですし、全身を鍛える日や、部位別に分ける日が1週間のうちに混在していてもいいでしょう。

筋トレメニューは基本的に上記「中級者の週2日」で紹介した内容で、いろいろやってみてください。

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筋トレの回数はどのくらい?

筋トレの回数は、筋肉の付け方の目的によって変わります。

筋肥大を起こすためには、8〜10回ぎりぎり持ち上げられる重さ(これを8〜10RMといいます)で3セット以上行ってください。
筋肥大をさせるということは、筋肉が大きな力を出す必要があるため、高重量を扱う必要があります。

しかし、重くすれば重くするだけいいというわけではないので注意しましょう。
例えば1〜3RM(1〜3回ぎりぎり持ち上げられる重さ)という超重量でトレーニングをすると、筋肥大ではなく、筋力がアップするという神経系のレベルアップが起こりやすくなります。

このトレーニング方法は特定のスポーツ選手には適していますが、一般の方にはあまり適さないでしょう。

あまり筋肉を大きくしたくないという方は、15〜20RMで3セット行ってください。
この負荷であれば、大きな力を発揮する必要が無いため遅筋が動員されます。遅筋を鍛えることは身体の引き締めに最適なのです。

筋トレの回数についてまとめると以下の通りです。

●筋力アップ:5RM以下×3セット
●筋肥大:8〜10RM×3セット以上
●筋持久力アップ(身体の引き締め):15〜20RM×3セット

宮城島大樹監修トレーナーからのアドバイス

NESTA PFT
食コンディショニングアドバイザー

その他、きれいなフォームでトレーニングをやることが強度設定と同じくらい大切です。

見た目をカッコよくするには結局食事が大切

筋肉質な引き締まった体型に憧れる方は多いと思いますが、そういった体型になるためには筋トレで筋肉を大きくするだけでなく、体についた余分な体脂肪を落とす必要もあります。

前者の筋肉を大きくするには本記事で紹介した筋トレメニューを8RMで3セット以上行ってください。着実に筋肉は成長していきます。

後者の体脂肪を落とすには、実は筋トレだけでは難しいです。
その理由は、筋トレ自体の消費カロリーはそこまで高くないからです。身体に余分な脂肪がつく理由はたった1つです。「摂取カロリーが運動や基礎代謝による消費カロリーより多い」ことが原因です。

筋トレを行い身体の筋肉量を増やすと基礎代謝が上がり、1日の消費カロリーは増えます。つまり、太りにくい身体になります。
しかし、それでも食べすぎてしまっては意味がありません。筋トレだけでは消費するカロリーは少ないですし、基礎代謝が格段に上がるかというと、そうでもありません。

体脂肪を落とすためには結局「食事のコントロール」になるのです。
栄養素には気をつけながら食事の量をコントロールしていけば効率良く体脂肪は落ちます。体脂肪1kgを落とすには約7200kcal消費する必要がありますが、これはおにぎり1個分のカロリー(約250kcal)を減らして1ヶ月生活すれば達成することができるのです。

引き締まった身体を手に入れるためには食事のコントロールを行いましょう。

1週間の筋トレメニューを組むことで効率がアップする

初心者〜中級者以上の筋トレメニューの組み方を紹介しました。

上半身と下半身の組み合わせや、上半身を押す力と引く力に分ける、といったやり方はボディービルダーのような超上級者でも使う手法です。

扱う重量や負荷こそ違うものの、しっかりと基本に忠実にトレーニングを始めて下さい。
週2日の筋トレでも、継続していけば3ヶ月〜半年で体つきは見違えるように変わりますよ!

宮城島大樹監修トレーナーからのアドバイス

NESTA PFT
食コンディショニングアドバイザー

初心者であるからこそ逆に言えば間違ったフォームが身についていない状態であるといえます。
どんなトレーニング効果が出せるかはこの段階から正しいトレーニングをすることが大切なのでぜひトレーナーから正しい指導を受けるようにしてくださいね!

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