スクワットの絶大な効果とやり方とは?これぞ筋トレの王道!

監修者

佐藤 誠

健康運動実践指導者 タイ政府公認タイ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト

【プロトレーナー解説】スクワットは筋トレ種目BIG3の1つであり、その効果は絶大です。ダイエットや筋力アップ、身体の不調改善など様々です。そんなスクワットですが、正しいやり方をしないと効果が半減してしまう可能性もあります。正しいやり方や効果について解説します。

スクワットの効果がすごい理由

スクワットってダイエット効果などいろんな効果があるって聞きますが何がそんなにすごいんでしょうか?

佐藤 誠監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者
タイ政府公認タイ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト

理由は様々ですが、その理由の1つに動員される筋肉量が多いという特徴があります。まずはスクワットで使う筋肉について見ていきましょう。

下半身には全身の筋肉の約7割が集中しており、スクワットはこれらほぼ全ての筋肉を一度に鍛えることができるのです!
なのでダイエット効果だけでなく、様々な効果がスクワットには秘められています。

佐藤 誠監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者
タイ政府公認タイ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト

これがスクワットが「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれる所以ですね!

スクワット15回の消費カロリーは腹筋500回分?

そんな下半身を鍛える筋トレの代表格でもある「スクワット」。最近では「スクワットチャレンジ」という名前のダイエットが流行りましたね。

そもそも、ダイエットにスクワットが良いと言われるようになった理由は、その消費カロリーに注目が集まったためです。現在でも一部のWebサイトでは、「腹筋500回分のカロリーが、スクワットならたった15回で消費できる」という情報が掲載されていることがあります。

しかし、これは全くのデタラメで、実はスクワットの消費カロリーはそれほど高いものではありません。

スクワットで使う筋肉とは?

スクワットがダイエットに効果的と言われる理由は、スクワットは誰でも行える気軽な運動であり、大腿四頭筋や大臀筋などの下半身の大きな筋肉を効果的に刺激する事ができるためです。

大きな筋肉を発達させることで基礎代謝を上げることができ、脂肪を燃焼させやすい(=痩せやすい)身体を作ることができるというわけです。

スクワットのやり方|効果を最大限得るために

スクワットのやり方はシンプルに見えて実は奥深く、やり方を間違えると効果が半減してしまいます。

正しいやり方をご紹介します。

スクワットのやり方

①両足を肩幅くらい(か少し広め)に構えて立つ
②背中が曲がったり反ったりしない位置まで腰をゆっくりと落とす
③最下点までしゃがんだら、一気に元に戻る

スクワットのやり方はこれだけです。非常にシンプルですが、いくつか注意点があるので以下に説明します。

スクワットのやり方の注意点

・腰が丸まらない
スクワットの動作中に腰が丸まってしまうと腰を痛める要因になるため、最初は自分がスクワットをしている様子を鏡で横から見るなどして、フォームを確認してください。

・膝が前に出過ぎない
膝が前に出過ぎてつま先重心になりすぎると大腿四頭筋に負荷が集中し、大臀筋(お尻の筋肉)やハムストリングス(太もも裏の筋肉)に負荷をかけられません。また、膝に負荷が強くかかるため膝を痛める要因にもなってしまいます。
かかと重心になりすぎると、フォームが崩れてお尻から上がってしまい、これもまた腰に負担がかかる要因になってしまいます。

効果が表れるのはいつから?

佐藤 誠監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者
タイ政府公認タイ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト

ダイエットを目的としている人は効果がいつから表れるのか気になるところでしょう。効果が表れるまでの期間について解説します。

筋肉がつきやすいかどうかは個人差があります。生まれつき速筋繊維が多い人は比較的早く筋肉がつきやすいですが、そういった人でも普段筋トレや運動をしていないのであれば、週2回の筋トレであればしっかりと筋肉がつくまで2〜3ヶ月ほどはかかるでしょう。じっくり焦らずに筋トレを継続することが重要です。

スクワットのすごい効果3つ

① ダイエット効果

スクワット自体に消費カロリーがそこまで見込めるものではないことは前述しました。スクワットに限らず、筋トレ自体は行っている時間も短いですし(例えばスクワットを10回×3セット行ってもトータルで使う時間はほんの数分)、その短い時間中に高い消費カロリーが見込めないことは特に驚くことではないでしょう。

しかし、スクワットには高いダイエット効果が期待できるのです。その理由は次の2つです。

①全身の筋力が増えることによる基礎代謝アップ
スクワットで鍛えられる筋肉(大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス)は身体の中でもトップクラスに大きな筋肉なので、体全体の筋肉量を増やすには効果的です。そして筋肉量が増えれば代謝も上がり、太りにくい身体になるのです!

基礎代謝は1日の消費カロリーの約7割を占めるので、基礎代謝を上げることが重要なのはイメージできますね。

実際、筋肉をつけることがどのくらい基礎代謝に影響するのでしょうか?
厚生労働省が発表している数字によると、基礎代謝の内訳は以下のようになります。

臓器・組織 比率
骨格筋 22%
脂肪組織 4%
肝臓 21%
20%
心臓 9%
腎臓 8%
その他 16%
【参考文献】
加齢とエネルギー代謝(e-ヘルスネット)

この図を見ると分かるように、自分でコントロール可能なものは脂肪組織と骨格筋のみです。骨格筋だけで基礎代謝の22%を占めるので、筋肉をつけることがダイエットのためにとても効果的なのです。

おぉー!こうやって見るとやっぱりスクワットの効果はすごいんですね!

佐藤 誠監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者
タイ政府公認タイ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト

そうです、スクワットはすごいのです!(笑)
実際、スクワットは筋トレ種目BIG3の1つと言われるほどその効果の高さは認められているのです。BIG3の中で唯一自重で行えるのも大きな魅力ですね。

②EPOC効果による脂肪燃焼効果
こちらがスクワットの効果の本命でしょう。
EPOC効果とは、日本語で「運動後過剰酸素消費量」といい、筋トレなどの運動をしたあとに身体が通常よりも酸素を必要とする状態のことを言います。

筋トレを行うと筋繊維が傷つくため、身体はその修復などにエネルギーを使います。このエネルギーに酸素が多量に使われ、脂肪が燃焼されるという仕組みなのです。

このEPOC効果の状態は運動後数時間続き、運動強度が高いほどその効果は高くなります。つまり、スクワットのような高強度な筋トレは高いEPOC効果が期待でき、より脂肪燃焼されるのです。

② 腹筋も割れる

まるで彫刻ではないかと思うほど見事に割れた腹筋の持ち主たちを一度はジムで見かけたことがあるでしょう。
彼らにどのくらい腹筋運動をしているのか聞いてみると、「腹筋?そんなものしてないよ?」と答える人も少なくないのです。

なぜ彼らは腹筋運動をしなくても腹筋がバキバキに割れているのでしょうか?
その理由は、腹筋が割れるメカニズムにあり、スクワットが大きく関係しているのです。

腹筋を割るには

・腹筋を筋肥大させる
・お腹まわりの体脂肪を落とす

の2点が必要ですが、スクワットはどちらの効果も享受することができるのです!

前述したようにスクワットはEPOC効果など高い脂肪燃焼効果を期待できるため、お腹まわりの脂肪を落とすには効果的です。

しかし、スクワットで腹筋を割るほどの効果を得るためには、自重でおこなうスクワットではなく、ダンベルやバーベルを持って行うさらに高強度なスクワットがいいでしょう。

例えば、スクワットで重いバーベルを担ぎながら姿勢を保持するためには体幹の内圧を保つ必要があり、腹筋にしっかりと力を入れなければなりません。よって、高強度なバーベルスクワットは腹筋の筋肥大も、お腹まわりの脂肪を落とす効果もあり、腹筋を割るには非常に効果的な筋トレなのです。

「腹筋を割りたい!」と思っている方は、通常の腹筋運動に追加してウエイトを追加したスクワットにもぜひチャレンジしてください。

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③ 姿勢改善などの健康維持

スクワットは大臀筋(お尻の筋肉)を鍛えることができます。実はお尻の筋肉を鍛えることは猫背などの姿勢改善に非常に意味のあることなのです。

お尻の筋肉は骨盤を支える役目を果たすため、鍛えることで上半身がスッとまっすぐに伸びてくれるのです。

その他様々なスクワットのバリエーション4つ!

ここからはスクワットのバリエーションを紹介します。それぞれ使う筋肉が違うため、その効果が変わります。
通常のスクワットは別に、自身が求める効果があるものをぜひ実践してください。

ワイドスタンス・スクワットとは?内転筋を鍛える!

まずは『ワイドスタンス・スクワット』です。

通常のスクワットよりもかなり広めに足を広げ、つま先は自然と外を向くようにします。それ以外は普段のスクワットと同じです。

<効く筋肉部位>
・太もも内側(内転筋)

<効果>
・O脚改善や太ももの引き締め

ブルガリアン・スクワットとは?大臀筋を鍛える!

前に出した足の大臀筋を集中的に鍛えられる『ブルガリアン・スクワット』です。

<やり方>
①片足の甲をベンチに乗せ、前の足は自然な位置き置き、少しつま先をその側に向ける
②しゃがんだ際に前の足の膝がつま先より前に出過ぎないように注意して、腰を落とす

<効く筋肉部位>
・お尻(大臀筋)

<効果>
・ヒップアップ、体幹強化、左右の筋力差のバランスを整える

ベンチ・スクワットとは?初心者向け!

初心者で筋力が弱かったり、足首が硬いなどの理由でしっかり腰を落とせない方は、スクワットの効果を享受することができません。そんな方に役立つのがこの『ベンチ・スクワット』です。

<やり方>
①ベンチの前でスクワットを行う
②座る直前までしっかりとお尻を突き出すように、ゆっくりしゃがむ
③ベンチに座る際は浅く腰掛ける

<効く筋肉部位>
・大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス(スクワットと同じ)

<効果>
スクワットと同じ

シシースクワットとは?最強のスクワット!

最高難度の自重スクワットがこの『シシースクワット』です。

<やり方>
①足は肩幅より少し広く取り直立する
②上半身は伸ばしたまま、膝を前に突き出すようにして体を下ろす

このときちょうど体が後傾がちになり、つま先立ちになりますが、身体のバランスを崩しやすいのではじめのうちは壁などに手をつけて身体を支えながら行いましょう。

<効く筋肉部位>
・大腿四頭筋がメイン

壁など手で支えずに行うことができたらかなりカッコいいですよ。

スクワットの効果が出る回数

スクワットに限らず、筋トレは目的によって回数や負荷、インターバルを調整します。

一般的に筋肥大が目的である場合、8〜12回ギリギリで行うことのできる負荷を1セットとし、それを3セット行うことが効果的です。セット間インターバルは60秒としましょう。

スクワットにおいても基本的にそれは同じです。スクワットを行う目的がダイエット効果であるなら、まずはしっかり筋肉を鍛える必要があります。

初心者であれば通常のスクワットでも正しいフォームで10回×3セット行うことは簡単ではないでしょう。そのため、筋トレを普段あまりしない方は、まずは『10回×3セット』行ってください。

それでは物足りなくなってきたら、ダンベルやバーベルなどの負荷を追加して行ったりしてみてください。

佐藤 誠監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者
タイ政府公認タイ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト

数あるトレーニング種目の中で、1つしか選ぶことができないなら間違いなくスクワット!!初心者〜上級者、男子も女子も黙ってスクワット!!

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