下半身の筋肉は全身の7割を占める

人の体を上半身と下半身とに分けた時、どちらの方が筋肉量が多くなるかご存知でしょうか。

その割合を比べてみると、実は下半身の筋肉量が7割ほどになるのです。また、身体中の筋肉の中で最も大きい筋肉は太ももの筋肉でもあります。

しかも、上半身の筋肉と比べて下半身の筋肉は老化が早かったり、あるいは使わないとすぐ衰えたりしてしまうのです。こうしたことからも、日々の運動で下半身を鍛えておくことがとても大事だとわかります。

スクワット15回の消費カロリーは腹筋500回分?

そんな下半身を鍛える筋トレの代表格でもある「スクワット」。最近では「スクワットチャレンジ」という名前のダイエットが流行りましたね。

そもそも、ダイエットにスクワットが良いと言われるようになった理由は、その消費カロリーに注目が集まったためです。現在でも一部のWebサイトでは、「腹筋500回分のカロリーが、スクワットならたった15回で消費できる」という情報が掲載されていることがあります。

しかし、これは全くのデタラメで、実はスクワットの消費カロリーはそれほど高いものではありません。

スクワットで使う筋肉とは?

スクワットがダイエットに効果的と言われる理由は、スクワットは誰でも行える気軽な運動であり、大腿四頭筋や大臀筋などの下半身の大きな筋肉を効果的に刺激する事ができるためです。

大きな筋肉を発達させることで代謝を上げることができ、脂肪を燃焼させやすい(=痩せやすい)身体を作ることができるというわけです。

スクワットの効果を得るために|やり方を忠実に!


ジムに行かなくても自宅でできるのが嬉しいスクワットですが、実際にはどのような方法でやるのがいいのでしょうか。

そこで、一般的なやり方のスクワットをご紹介します。

スクワットのやり方

①両足を肩幅くらいに構えて立ちます。腕は身体前面でクロスするか、地面と水平にまっすぐ前に伸ばしましょう。これがスクワットのスタートポジションとなります。

②そのまま腰をゆっくりと落としていきます。背中が曲がらないように、膝の角度が90度〜お尻が膝と同じ高さになるまで下げましょう。最下点までしゃがんだら、元に戻します。

スクワットのやり方はこれだけです。非常にシンプルですが、いくつか注意点があるので以下に説明します。

スクワットのやり方の注意点

スクワットの動作中に腰が丸まってしまうと腰を痛める要因になるため、最初は自分がスクワットをしている様子を鏡で横から見るなどして、フォームを確認してください。

腰を落としたときの体の重心も大切です。動作中の足の重心は、足の中心におきましょう。
つま先重心になりすぎると大腿四頭筋に負荷が集中し、大臀筋(お尻の筋肉)やハムストリングス(太もも裏の筋肉)に負荷をかけられません。また、膝に負荷が強くかかるため膝を痛める要因にもなってしまいます。

かかと重心になりすぎると、フォームが崩れてお尻から上がってしまい、これもまた腰に負担がかかる要因になってしまいます。

これらを意識するために、しゃがんだ際に膝が足のつま先より前に出過ぎないようにするといいでしょう。

スクワットの効果① ダイエット

スクワット自体に消費カロリーがそこまで見込めるものではないことは前述しました。スクワットに限らず、筋トレ自体は行っている時間も短いですし(例えばスクワットを10回×3セット行ってもトータルで使う時間はほんの数分)、その短い時間中に高い消費カロリーが見込めないことは特に驚くことではないでしょう。

しかし、スクワットには高いダイエット効果が期待できるのです。
一時期「スクワットチャレンジ」という言葉が流行ったように、スクワットのダイエット効果は高いです。その理由は次の2つです。

①スクワットのように複数の関節にまたがって負荷をかけられるエクササイズのことを「多関節運動」と呼び、その特徴は単独の種目で多くの筋肉に負荷をかけることができることです。

多くの筋肉に負荷を与えれば、その分だけ使うエネルギーが増えるため消費カロリーは高くなるのです。また、筋肉量が増えれば代謝も上がり、太りにくい身体になります。

スクワットで鍛えられる筋肉(大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス)は身体の中でも大きな筋肉であるため、筋肉量を増やすには効果的です。


②もう1つの理由は、EPOC効果といい、こちらがスクワットの効果の本命でしょう。
EPOC効果とは、日本語で「運動後過剰酸素消費量」といい、筋トレなどの運動をしたあとに身体が通常よりも酸素を必要とする状態のことを言います。

筋トレを行うと筋繊維が傷つくため、身体はその修復をしたり、筋肉を動かすエネルギーであるATPや糖質が枯渇している状態であるためその再合成を行うなど、体内のあちこちでメンテナンス作業にエネルギーを使います。

このエネルギーに酸素が多量に使われ、脂肪が燃焼されるという仕組みなのです。このEPOC効果の状態は運動後数時間続き、運動強度が高いほどその効果は高くなります。

つまり、スクワットのような高強度な筋トレは高いEPOC効果が期待でき、より脂肪燃焼されるのです。

スクワットの効果② 腹筋も割れる

まるで彫刻ではないかと思うほど見事に割れた腹筋の持ち主たちを一度はジムで見かけたことがあるでしょう。
彼らにどのくらい腹筋運動をしているのか聞いてみると、「腹筋?そんなものしてないよ?」と答える人も少なくないのです。

なぜ彼らは腹筋運動をしなくても腹筋がバキバキに割れているのでしょうか?
その理由は、腹筋が割れるメカニズムにあり、スクワットが大きく関係しているのです。

腹筋は真ん中に白線というものがあり、そこを挟んで左右に分かれています。また上下にも分かれており、腹筋はもともと割れた構造をしています。それなのに割れた腹筋が見えない理由は、腹筋が十分に肥大化されていないか、脂肪が腹筋の上に乗っているため見えない、かのどちらかです。

そのため、腹筋を割るためには「腹筋を肥大化すること」「体脂肪を落とすこと」の2点になります。

前者の腹筋を肥大化するためには腹筋を直接鍛えることも効果的ですが、スクワットを行うことはこの2点どちらの効果も享受することができるのです!

前述したようにスクワットは多関節運動であったり、EPOC効果など高い脂肪燃焼効果を期待できるため、お腹まわりの脂肪を落とすには効果的です。

しかし、スクワットで腹筋を割るほどの効果を得るためには、自重でおこなうスクワットではなく、ダンベルやバーベルを持って行うさらに高強度なスクワットがいいでしょう。

例えば、スクワットで重いバーベルを担ぎながら姿勢を保持するためには体幹の内圧を保つ必要があり、腹筋にしっかりと力を入れなければなりません。よって、高強度なバーベルスクワットは腹筋の筋肥大も、お腹まわりの脂肪を落とす効果もあり、腹筋を割るには非常に効果的な筋トレなのです。

「腹筋を割りたい!」と思っている方は、通常の腹筋運動に追加してウエイトを追加したスクワットにもぜひチャレンジしてください。

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スクワットの効果③ 姿勢改善などの健康維持

スクワットは大臀筋(お尻の筋肉)を鍛えることができます。実はお尻の筋肉を鍛えることは姿勢改善に非常に意味のあることなのです。

お尻の筋肉は骨盤を支える役目を果たすため、鍛えることで上半身がスッとまっすぐに伸びてくれるのです。
猫背など、姿勢が悪いと肩こりや腰痛など様々な悪影響を身体に及ぼしてしまいます。

スクワットでしっかりお尻の筋肉を鍛えましょう。
やり方は前述しましたが、動作中の身体の重心を足の中心に置くこと(つま先重心になりすぎないこと)です。そうすることでしっかりと大臀筋に刺激を与えることができます。

ワイドスタンス・スクワットとは?内転筋を鍛える!


ここからはスクワットのバリエーションを紹介します。それぞれやり方や使う筋肉が違うため、その効果が変わります。
通常のスクワットは別に、自身が求める効果があるものをぜひ実践してください。

まずは『ワイドスタンス・スクワット』です。

通常のスクワットよりもかなり広めに足を広げ、つま先は自然と外を向くようにします。それ以外は普段のスクワットと同じです。

このワイドスタンスのスクワットは、太ももの内側にも大きな刺激をかけることができます。この部分を内転筋と呼ぶのですが、ここは美脚やO脚改善には欠かせない大切な筋肉なのです。ここを鍛えることで、より美しいプロポーションを作ることができます。

ブルガリアン・スクワットとは?大臀筋を鍛える!


立った状態で後ろにベンチ(ベッドや椅子で代用可能)を置き、そこに片足を乗せ、反対の足で行う『ブルガリアン・スクワット』です。

前に出した足の大臀筋を集中的に鍛えられる筋トレ種目です。

ブルガリアンスクワットを行う時には、以下のポイントが重要です。

・ベンチに乗せる足は可動域を確保するために、なるべく足の甲だけを乗せる。
・しゃがんだ際に前の足の膝がつま先より前に出過ぎないようにする。
・しゃがむときは背筋は伸ばしたままにしておく。
・しゃがむ時にバランスが崩れがちになるので、腹筋などに力を入れて支える。
・負荷を高めたい場合は両手にダンベルを持つ。

ブルガリアンスクワットは大臀筋にかなり高強度の刺激が入ります。ダンベルを持って負荷を上げてもいいでのですが、まずは3〜5kgなど軽い重量から始めると良いでしょう。

片足で行うという特性上、バランス感覚が求められるため、体幹も鍛えることができます。
また、左右の筋力に差がある場合にそのバランスを整えるために行うこともできます。

ベンチ・スクワットとは?初心者向け!


『ベンチ・スクワット』とは、その名の通りベンチを使用してしゃがむ際にベンチや椅子などに座るやり方です。

初心者で筋力が弱かったり、足首が硬いなどの理由でしっかり腰を落とせない方は、スクワットの効果を享受することができません。そんな方に役立つのがこの『ベンチ・スクワット』です。

腰をしっかり落としたところにベンチがあるので、動作中に崩れる心配がありません。
しかし、ただ座ってしまうと効果がありません。基本的なスクワットのやり方を意識して、座る直前までしっかりとお尻を突き出すようにゆっくり鍛える筋肉に刺激を与えていることを意識しながらしゃがむ動作を行いましょう。

それ以外に、以下のようなポイントに気をつけるといいでしょう。

・ベンチや椅子には浅く腰掛けるようにする(可動域を増やすため)
・ベンチに腰掛ける瞬間、空気椅子を作るように「タメ」を作るようにする。

これだけで強度が大きく変わるのでオススメです。

シシースクワットとは?最強のスクワット!


最高難度の自重スクワットがこの『シシースクワット』です。
足は肩幅に開き、まっすぐ立った状態がスタートポジションになります。

その状態のまま、膝を前に突き出すようにして体を下ろします。このときちょうど体が後傾がちになり、つま先立ちになりますが、身体のバランスを崩しやすいのではじめのうちは壁などに手をつけて身体を支えながら行いましょう。

シシースクワットで体が後ろに倒れるような姿勢になる時は、なるべく膝から上半身はまっすぐになるか、あるいは後ろに体が反らないように注意してください。腰を痛めてしまう場合があります。

大腿四頭筋がメインに鍛えられる筋トレです。
かなり上級者向けの筋トレですので、初・中級者は特に行う必要はありません。

スクワットの効果が出る回数

スクワットに限らず、筋トレは目的によって回数や負荷、インターバルを調整します。

一般的に筋肥大が目的である場合、8〜12回ギリギリで行うことのできる負荷を1セットとし、それを3セット行うことが効果的です。セット間インターバルは60秒としましょう。

スクワットにおいても基本的にそれは同じです。スクワットを行う目的がダイエット効果であるなら、まずはしっかり筋肉を息絶える必要があります。

初心者であれば通常のスクワットでも正しいフォームで10回×3セット行うことは簡単ではないでしょう。そのため、筋トレを普段あまりしない方は、まずは『10回×3セット』行ってください。

それでは物足りなくなってきたら、ダンベルやバーベルなどの負荷を追加して行ったりしてみてください。

スクワットの効果についてまとめ

スクワットの効果についてまとめると以下になります。

●鍛えられる筋肉は、大腿四頭筋・大臀筋・ハムストリングス。
●スクワット自体に高い消費カロリーがあるわけではない。大きな筋肉を鍛えることができ、長い目で見れば代謝アップにつながる。
●筋トレ後のEPOC効果により短期的に高い消費カロリーが見込める。
●バーベルスクワットなど、高強度なスクワットを行うと腹筋も十分鍛えられる。
●姿勢改善に効果的。
●スクワットの回数は初心者はまずは『10回×3セット』行う。

以上、筋トレ種目BIG3の1つ、スクワットの効果について解説しました。

BIG3の中では唯一器具なしで行うことができるという、手軽さのメリットがありながらその効果は絶大です。
理想のボディを目指す上では欠かせない筋トレ種目です。ぜひ行ってください。

佐藤 誠 監修トレーナーからアドバイス

健康運動実践指導者 タイ政府公認タイ伝統医療協会認定タイ古式マッサージセラピスト

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数あるトレーニング種目の中で、1つしか選ぶことができないなら間違いなくスクワット!!初心者〜上級者、男子も女子も黙ってスクワット!!

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