【決定版】スクワットで使う筋肉部位と鍛え方を徹底解説!

監修者

新木田 康二

NESTA-PFT NESTA-DBS 加圧トレーニングインストラクター 日本加圧トレーニング学会正会員 RRR認定美姿勢・美脚スペシャリスト JCCA (財)日本コアコンディショニング協会認定ベーシックインストラクター 日本ダイエット健康協会認定ダイエットインストラクター パワープレートベーシックトレーナー TRX® Suspension Training Course 他多数

【プロトレーナー解説】スクワットで鍛えられる筋肉はやり方ひとつで様々です。スクワットはシンプルですが、筋トレ種目BIG3の1つであり、非常に奥が深いトレーニングです。そんなスクワットで鍛えられる筋肉の様々なバリエーションや鍛え方を紹介します。

スクワットで使う筋肉部位はどこ?

スクワットは効果が高いと効いたのですがどこの筋肉に効くのですか?

新木田 康二監修トレーナーからのアドバイス

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スクワットは筋トレ種目BIG3の1つに分類されるほどその効果は高いです。鍛えられる筋肉を見ていきましょう。

スクワットは下半身の筋トレの代表格です。やり方次第で外側広筋、内側広筋、大腿直筋、中間広筋からなる大腿四頭筋(腿前の筋肉)、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋からなるハムストリング(腿裏の筋肉)、大臀筋(お尻の筋肉)を中心に下半身の様々な部位を鍛える事が可能です。

スクワットの立ち上がる動作では、大腿四頭筋が収縮して、大きなパワーを生み出し、スクワットの動作のパワー源になります。また、身体を下ろしていく、筋肉が伸びている状態でも大きな負荷が掛かるのでエキセントリック収縮(後ほど詳しく解説)としても働きます。

この3つの筋肉グループ(腿前、腿裏、お尻)がスクワットで主に鍛えられる筋肉ですが、他にも腓腹筋とヒラメ筋からなる下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)や腹直筋(シックスパック)、腹斜筋(腹部両脇にある筋肉)を始めとする腹筋や腸腰筋、腹横筋などといった腹部のインナーマッスルにも負荷が掛かります。

様々な筋肉に効くんですね!

脊柱起立筋も鍛えられる

更に背中にある脊柱起立筋も、地味ですがとても大切な役割を果たしています。脊柱起立筋は幾つかの筋肉によって成り立つ、背中を縦に長く走行する筋肉です。この筋肉には身体の前後左右のバランスを司る役割があります。

そのため、上半身のブレを無くす為にこの脊柱起立筋が働くわけです。特に重いウェイトを抱えた状態での脊柱起立筋の役割は重要です。ウェイトの上げ下げは下半身の筋肉で行いますが、この脊柱起立筋が上半身に安定感をもたらしています。

スクワットの最中には背中に動作はありません。つまり、脊柱起立筋は伸び縮みしている訳ではありません。しかし、アイソメトリクスと呼ばれる方法で脊柱起立筋は働きます。アイソメトリクスとは、動作のない筋肉の働き方の内の一つで、とても簡単な例が、壁に腰と背中を付けて、膝を曲げて椅子のない状態で座っている姿勢を保つ「空気椅子」です。

スクワットでは、大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋を中心に下半身から腹筋や背筋、インナーマッスル、脊柱起立筋までを鍛えることの出来るオールマイティーなメニューなのです。

スクワットで体幹トレーニング

新木田 康二監修トレーナーからのアドバイス

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バーベルを使って行う「バーベルスクワット」(バックスクワット)は更に効果が高いです!その理由を解説します。

自重で行うスクワットには体幹を鍛える効果はそれほど高くはありませんが、バーベルを利用してウエイトを背負ってでスクワットをする場合は、体幹を鍛える効果は絶大です。高重量のバーベルを背負いつつ、体幹をしっかり保持する必要があるからです。

身体の様々な動作をスムーズに行えるように、安定感を与えるのがインナーマッスル(体幹)の役割ですので、高重量を扱うスクワットをすることは、体幹を初め、腹筋群などを同時に鍛える事が可能になるのです。

よく、ボディービルダーがバキバキの腹筋をしていますが、彼らに腹筋トレーニングをどのくらいやっているのか?と聞くと、まれに「ほとんどやっていない」と答える方がいます。それだけスクワットでも腹筋が鍛えられているということです。

もちろん、高重量のバーベルを背負ったスクワットは初心者がいきなりひとりでやるには危険ですので、まずは筋トレ初心者の方は通常のスクワットや他の筋トレ、クランチなどで腹筋も鍛えていくのがいいかもしれません。

スクワットで腹筋を鍛えることができるメカニズムについては、以下の記事をぜひ参考にしてください。

スクワットに変化をつけて筋肥大を狙おう!

筋肉に対する刺激は、筋肥大を促します。メニューのバリエーションが非常に豊富なスクワットですが、実はそのほとんどが高重量向けのものではありません。高重量を扱うスクワットはどうしても単調化してしまいやすく、異なる刺激を筋肉に与える事が簡単ではありません。しかしちょっとした変化を付ける工夫をする事で、筋肉に与える刺激を微妙に調整できるでしょう。

ベンチプレスの際のグリップの幅の調整のように、足の立幅や足首の角度を調節しましょう。まず、足の幅を大きく開いて行うスクワットでは 大臀筋や内転筋により大きな刺激を与える事が可能になるでしょう。反対に足の幅を狭めたスクワットでは、特に大腿四頭筋や中臀筋に大きな負荷を掛ける事ができるでしょう。

また、蟹股になり、足首の角度を大きく開いてスクワットに取り組めば、内転筋(太もも内側)に大きな負荷を与えられるでしょうし、かかとに体重を乗せたスクワットではハムストリングに大きな刺激を加えます。

同じメニューの同じ動作でも、微妙に変化を加えるだけで、身体に異なる刺激を与える事が可能になります。ちょっとした工夫を凝らすだけで長期的には大きな違いを生み出しかねませんので、楽しく工夫しながらウェイトトレーニングに取り組む事を心がけては如何でしょうか?

新木田 康二監修トレーナーからのアドバイス

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しかし、まずは正しいスクワットのフォームを習得することが第一です。フォームについて紹介します。

スクワットのフォーム

スクワットはフォームが非常に大切です。間違ったフォームで行うと、鍛えたい部位に的確に刺激が与えられなくなってしまいます。せっかくスクワットをするならその恩恵をしっかり受け取りましょう。

注意することは「膝の向き」、「腰を丸まらない」、「重心の置き方」の3つです。

膝の向き

スクワットをするときは「膝を固定すること」とよく言われますが、膝を全く動かさないと重心が後ろに傾きすぎて倒れてしまいます。動作時は膝はやや前後する程度が適切です。

ただし、膝が足のつま先より過度に前に出過ぎてしまったり、しゃがんだ際に内側に入ったりすると膝を痛める危険があります。注意しましょう。

腰を丸めない

しゃがんだ際に腰が丸まってしまうと腰を痛める危険があります。

スクワットは深くしゃがむ分だけ可動域が広くなるため、より筋肉に刺激を与えられるのですが、深くしゃがむと腰が丸まりがちです。鏡で自分のフォームを横から見て、腰が丸まらない高さまで腰を落とすようにしましょう。

重心

スクワットでしゃがんだ際に重心は足裏全体にかかるようにしましょう。目的により重心位置は異なりますが、基本的にはつま先やかかとに偏りすぎないようにしてください。

特にバーベルを担いだ際にはこれは重要になります。かかと重心になりすぎるとバーベルを担いだまま後ろに倒れてしまいます。しっかりと足裏全体に重心がかかるようにしましょう。

筋肉痛がこないからといって心配は無用!

スクワットを始めて最初のうちは筋肉痛になったのですが、最近は筋肉痛にならなくなりました。ちゃんと鍛えられているか心配です…。

新木田 康二監修トレーナーからのアドバイス

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スクワットに限らず筋肉は刺激に慣れてくると筋肉痛になりにくくなりますよ。

そうなんですね!

新木田 康二監修トレーナーからのアドバイス

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はい。しかし筋肉痛にならなくても筋肉はしっかり成長しているので心配しないでください。

新木田 康二監修トレーナーからのアドバイス

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それでももっと負荷を高めたい方のためのスクワットのやり方を紹介します。

「エキセントリック収縮」という言葉をご存知でしょうか?

エキセントリック収縮とは、筋肉が引き伸ばされる動作での収縮の事で、伸張性収縮やネガティブ収縮ともよばれます。筋肉が縮む事で力を生み出す一般的な収縮(コンセントリック収縮)の反対の動作で、筋肉が伸びていく際に力を生み出す収縮です。

高重量を扱ったスクワットでは、ウェイトを支えるだけでも筋肉に大きな負荷が掛かります。
ゆっくりとウェイトを動かす事で、エキセントリック収縮を実践に利用可能です。スクワットの際にゆっくりと身体を下ろして行く事で、大腿四頭筋がエキセントリック収縮しますし、ゆっくりと持ち上げる事でハムストリング及び大臀筋がエキセントリック収縮します。

エキセントリック収縮はコンセントリック収縮に比べ等尺性最大筋力の1.5倍程度(1RM筋力の1.6~1.7倍程度)大きな負荷を扱える特徴がありますので、筋肉に大きな刺激を与えて筋肥大を促す事ができるでしょう。繰り返すようですが、伸張性収縮する動作に時間をかけることがエキセントリック収縮を利用する際のポイントです。

伸張性収縮を重点的に行うと、筋繊維のダメージが大きくなるので、筋肉痛が起こりやすく、回復により長い時間が必要になるでしょう。超回復を促す為にもオーバートレーニングにならないように注意して行って下さい。また、エキセントリック収縮の効果を最大限に引き出す大きな負荷でのトレーニングは、どうしても補助が必要になる難点もあるでしょう。これに関しては、トレーナーや周囲の人に助けてもらう事で解決して下さい。

更に、筋肥大に重点を置きすぎると、筋肉の太さの割にうまく使えず発揮できる筋力が小さくなってしまう可能性も指摘できます。エキセントリック収縮の筋トレはコンセントリック収縮の筋トレとバランス良く行うことが大切で、これから紹介するExplosive法がお薦めです。

上級者向けスクワットの方法

先ほど解説したエキセントリック収縮の反対であるコンセントリック収縮の極端なバージョンを取り入れた筋トレ法です。

0から100、静止した状態から筋肉を一瞬にして収縮させて最大の力を生み出す事が最大のポイントです。そして100から0、動作を一気に一発で受け止める筋力が求められます。

ゆっくりと一連の動作でウェイトを受け止めるのではなく、全ウェイトを一瞬でに受け止めて下さい。一気にウェイトを持ち上げ、一瞬で止めるようにして全ウェイトを受け止めましょう。

すると、バーベルは持ち上げるのでなく、爆発的の力によって中に打ち上げられ、バーベルが一番高く持ち上がった状態を下半身で一発でキャッチする2つの動作になるはずです。

ウェイトは大きな負荷を使うのではなく、最大ウェイトの2割~6割程を利用します。他のトレーニング法やエキセントリック収縮に比べて、実際にスポーツや日常生活で活用されやすい、「機能的なカラダ」を手に入れる事が可能でしょう。

ジャンピングスクワット

エクスプローシブ法の代表的なスクワットがジャンピングスクワットです。

エクスプローシブ法を利用すると、しゃがんだストレッチポジションから強い負荷がかかります。高重量は危険なので軽めな負荷からはじめ、可能な限り高く飛び上がりましょう。そうする事で筋力向上も狙えます。

また、高く飛び上がってから身体を下ろして行く動作も可能な限り素早く行いましょう。身体が下がり切った時に全ウェイトを一瞬で受け止めて、素早く飛び上がる事でエクスプローシブ法の良さを体感できるはずですよ。

スクワットで使う筋肉と鍛え方に関するまとめ

●スクワットでは、大腿四頭筋、ハムストリング、大臀筋を中心に下半身から腹筋や背筋、インナーマッスル、脊柱起立筋まで全身を鍛えられるオールマイティーなメニュー
●特に高重量バーベルを背負って行うスクワットでは安定感をもたらす為にインナーマッスルも鍛えられる
●膝の向きはつま先方向、重心は足裏全体にし、腰が丸まらないようにする
●筋肉が引き伸ばされた状態で筋肉が力を生み出すエキセントリック収縮は高重量でゆっくりと行う事で筋肥大を促す
●ジャンピングスクワットがエクスプローシブ法を利用した筋力向上の為のスクワットでお薦め

新木田 康二監修トレーナーからのアドバイス

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スクワットはちょっとしたコツで効果を高めたり、鍛える筋肉を変えることができます。
キング・オブ・エクササイズと呼ばれるスクワットの効果をぜひ体感するために、スクワットで鍛えられる筋肉と、正しいやり方を習得しましょう。

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