【プロトレーナー監修】スクワットは下半身を鍛える種目の代表であり、気軽に取り組めます。しかし、スクワットをしていると膝が痛い…という悩みを抱えている人も少なくありません。そんな悩みを持っている方に、スクワットで膝を痛める原因や正しいフォームのコツを解説します!
スクワットで膝を痛める4つの原因
・重心
・しゃがむ時の動作
・膝の向き
・しゃがみ方
この4つの原因を解説するとともに、痛みを回避するために必要な対策をそれぞれで解説していきましょう。
スクワットで膝を痛める原因と対策① 重心
バーを担いでスクワットを行う場合は、バーを首の後ろに担ぐので、バランスを取りやすいように少し重心が前に傾きがちでも問題ありません。
しかし、極端に前かがみになった姿勢は体の前面、特に膝への負担が大きくなってしまうのです。膝の関節の強度は全身の中ではある方ですが、常に負担がかかっている関節であり、力を強く発揮できる筋肉で覆われているため、スクワット等で過度な負担をかけやすいので痛めやすいのです。
自重トレーニングを行う方はもちろんですが、バーベルを使ったフリーウェイトのトレーニングをする方は特に注意が必要です。自重よりはるかに重い負荷が膝に集中してしまうため、さらにケガのリスクは高くなります。
基本的に、スクワットは重心は足裏全体にかかるように意識します。
スクワット時は、「お尻が後ろに突き出る」「背筋を伸ばしたままやや前傾気味に傾く」「バーベルは常に体の重心の真上になるように構える」などの姿勢の調節を行うことで、下半身にバランスよく負荷がかかるようにするのが大きなポイントです。
また、同じように重心が左右の足のどちらかに偏ってしまうのもケガの原因になるのでご注意ください。
谷 俊治監修トレーナーからのアドバイス
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)認定パーソナルフィットネストレーナー EBFA(Evidence Based Fitness Academy)認定ベアフットトレーニングスペシャリストLevel1-2 日本コアコンディショニング協会(jcca)ベーシックインストラクター 中学・高等学校教諭第一種免許(保健体育) BSACオーシャンダイバープラス
脛骨(すね)の角度と、体幹部の角度が平行」を目安に上半身を前傾させて行うと、重心も真ん中にまとまりやすいですし、下半身にバランスよく負荷をかけやすいですよ。
スクワットで膝を痛める原因と対策② しゃがむ時の動作
膝優先でスクワットをするとどうなるかというと、先ほど伝えた重心が前に偏りがちになります。そうすると、結果として前かがみ気味になることで膝への負担が増えてしまうのです。また、しゃがむ時だけでなく元のポジションに戻る時も、膝関節を意識すると大きな負担がかかってしまいます。
スクワットでしゃがむ時の動作では、背筋を伸ばしたまま、股関節を中心に動かすように意識します。そして立ち上がる際は、大臀筋に刺激を感じられることを目標に置いたうえで、大腿四頭筋やハムストリングスにも効きます。
スクワットの動作の基本は太ももとお尻、股関節そして腰周りであることを強く意識してください。それによって、結果として膝を使ってしまう誤ったフォームを改善することができるようになります。
スクワットで膝を痛める原因と対策③ 膝の向き
スクワットというのは、端的に言うと体の上下動です。まっすぐ上下に動いているのに膝が違う角度を向いてしまうと言うのは、一直線に伸びている柱に対して、途中でくの字に柱が折れ曲がっているようなものです。そんな柱を支柱に使っても、耐久性が低く折れ曲がっているところから柱は崩れてしまいます。
これと同じことが膝でも起きます。まっすぐかかるはずの負荷の角度が変わる結果、膝に変な負担がかかってしまうことになるのです。膝関節は股関節などとは異なり、基本的に上下に曲げるシンプルな動きをする関節です。そこに左右の負荷が加わると、関節痛をはじめとした痛みに直結します。
スクワットの正しいフォームは、つま先と膝の向きが一致している点にあります。この向きを揃えることで、安定した姿勢で上下動が可能になるのです。
スクワットで膝を痛める原因と対策④ しゃがみ方
それに対して、完全に膝を曲げてギリギリまで腰を下ろすと言う方法も存在します。これを「フルスクワット」と言います。
この言葉を一見すると、フルスクワットの方がどこか効果が高いように思えますよね。確かにフルスクワットを行うことで、筋肉の可動域を最大限に発揮することができるようになります。大臀筋にしっかりストレッチすることができるので、より筋肉を刺激することができるようになるのです。
スクワットのバリエーションについては以下の記事に紹介してありますので、ぜひ参考にしてください。
【プロトレーナー解説】スクワットは筋トレ種目BIG3の1つであり、その効果は絶大です。ダイエットや筋力アップ、身体の不調改善など様々です。そんなスクワットですが、正しいやり方をしないと効果が半減してしまう可能性もあります。正しいやり方や効果について解説します。
スクワットで膝を痛めないためのいくつかのポイント
反動がつくようなスピードでトレーニングをしない
スクワットに限らず、トレーニングでは持ち上げる動作は素早く、元のポジションに戻す時はゆっくりと行うのが基本です。ただし、素早く行う動作はその分関節への負担も増えますし、反動を使うとトレーニング効果も薄れてしまいます。
膝への負担を軽減するために、スクワットの動作は例えば「3秒かけてゆっくりしゃがみ、2秒かけて立ち上がる」と言った緩急をつけつつも、全体的に丁寧な動作を心がけるようにしましょう。
体幹に力を入れる
トレーニング中、重心だけじゃなく上半身が動いてしまうと、その分姿勢を調整するために下半身に負担がかかります。そうすると当然、膝への負担も増えてしまうわけです。それを防ぐには、腹筋など体幹部分もしっかりと力を入れてトレーニングをするようにしましょう。
谷 俊治監修トレーナーからのアドバイス
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)認定パーソナルフィットネストレーナー EBFA(Evidence Based Fitness Academy)認定ベアフットトレーニングスペシャリストLevel1-2 日本コアコンディショニング協会(jcca)ベーシックインストラクター 中学・高等学校教諭第一種免許(保健体育) BSACオーシャンダイバープラス
追加でポイントを挙げますと、バックスクワットの場合はバーをしっかりと肩に押し付けるように脇を締めながら握ると、体幹部の力が入りやすくなりより効果的かつ安全に実施できますよ。
スポーツに限らず日常生活で酷使されていくひざにトラブルを抱えている人は意外にもたくさんいます。最近ではスポーツ用品メーカーに限らず、医療品メーカーからもひざサポーターが販売されていますが、どんな種類のサポーターを選べばいいのでしょうか?その種類や選び方のコツをご紹介します。
膝を痛めない方法を覚えて効果的なスクワットを行おう!
しかし、スクワットはそうしたケガの予防をして行うことができれば、非常に高いトレーニング効果を発揮してくれる種目でもあります。今回紹介した様々なケガの原因や注意点を参考にしつつ、ぜひスクワットを行なって下半身を効率的に鍛えていきましょう。
谷 俊治監修トレーナーからのアドバイス
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)認定パーソナルフィットネストレーナー EBFA(Evidence Based Fitness Academy)認定ベアフットトレーニングスペシャリストLevel1-2 日本コアコンディショニング協会(jcca)ベーシックインストラクター 中学・高等学校教諭第一種免許(保健体育) BSACオーシャンダイバープラス
スクワットは別名『KING OF EXERCISE』とも呼ばれています。それほど効果が高くダイエット目的の方も体力向上が目的の方も、姿勢改善をしたい方も取り入れるべきエクササイズです。しかし、頑張っている途中で体を痛めてしまっては本末転倒ですよね。何よりも続けることが体に変化をもたらすために重要なので、焦らずじっくりとフォームを固めながら取り組んでいきましょう!
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