大殿筋の機能・作用とは?

編集部

カッコいいお尻を手に入れたいのですが、どんな筋トレをすればいいんでしょうか?

佐々木大地 監修トレーナーからアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

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お!お尻を鍛えたいというのは目の付けどころがいいですね。お尻はまずは大殿筋というお尻の大きな筋肉を鍛えましょう!
まずは大殿筋の作用や特徴から解説します。

大殿筋はgluteus maximus(グルティアス マキシマス)と言ってギリシャ語由来の言葉です。グルティアスは殿筋、マキシマスは最大を意味します。glut(グルート)と省略される場合が多いです。

大きな特徴としては、単一の筋肉として人体で最大のサイズの筋肉であるということがあげられます。当然発揮する力も強い筋肉です。深部に中殿筋、更にその下に小殿筋が位置しています。

起始は腸骨翼の殿筋面、仙骨・尾骨の外側縁、仙結節靭帯、胸腰筋膜と幅広く付着しています。そこから大腿骨の殿筋粗面に停止部があり、更に大腿筋膜の外側部で腸脛靭帯に移ります。

支配神経は下殿神経となっており、主な働きとして股関節の伸展(特に屈曲位から)、外旋、股関節の外転、内転です。

股関節の伸展は階段や傾斜の強い坂道を上る時の動作やスクワットなどの座位からの起立動作に移る動きなどが分かりやすいでしょう。走る動作の際にはハムストリングスと共に体を前方に運ぶ為、強く働きます。

股関節の外転とは股関節から脚全体を外向きに捻る動きの事です。スクワットで足を外側に向けて開いたワイドスタンスを取ると大殿筋を強く収縮させることができます。股関節の外転とは直立姿勢で片足を外側に開く動作の事です。よく床に横向きで寝転がり脚を上部に持ち上げて開くエクササイズがあると思いますが、あの動作がまさにこの股関節の外転のトレーニングになります。マシンのトレーニングでいえばアウターサイがこれに当てはまるでしょう。

内転はその逆で、開いた脚を閉じる動作になります。股関節が外旋(膝が外側に向いている)状態で脚を閉じる動作を行うと非常に強い収縮を感じられます。これらの機能を踏まえて臀部のトレーニングを行うことが出来ればフリーウエイトでも自重でも効果的なトレーニングが出来るでしょう。

本格的に大殿筋を鍛える前に覚えておきたい動作!ヒップヒンジ

佐々木大地 監修トレーナーからアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

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大殿筋の作用を理解したところで、実際に鍛え方についてですが、まず鍛えるために超重要な動作について解説します。この動作が出来なければお尻を鍛えることは難しいといっても過言ではないでしょう。

編集部

え!?そんなに重要なことがあるんですか!?

ヒップヒンジとは直立姿勢(股関節伸展位)から背筋をまっすぐに伸ばす、あるいは胸を張ったままお尻を後ろに突き出す動作(股関節屈曲)の事です。これがある程度できていないとスクワット系の動作やデッドリフト系の動作で膝中心の動作になったり、背中が丸まってしまったりしてしまいますので、膝や腰を痛めてしまいます。ヒップヒンジが苦手な方は、この動きの習得を優先した方が良いでしょう。

具体的な練習の種目としてまずはグッドモーニングルーマニアンデッドリフトの練習をオススメします。

佐々木大地 監修トレーナーからアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

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これらの種目については次章で詳しく解説します!

この2つの種目はヒップヒンジの動きを単体で行う種目となります。ハムストリングス・大殿筋・脊柱起立筋群・僧帽筋などに刺激が入ります。通常のスクワットやデッドリフトよりもかなりアイソレーション(単関節)種目に近い種目ですので、高重量を扱う必要はありません。グッドモーニングの方がバーをグリップする必要がなく、よりやりやすいかもしれません。

また、グッドモーニングであれば重りを持たなくても練習することができます。単純に胸を張る動作が難しい場合は脊柱起立筋群から僧帽筋にかけての筋力不足、腹筋・肋間筋などの体幹前面の柔軟性低下などの要因が考えられますので、上半身のストレッチやトレーニングと並行して進めながら胸を張る動作を行わなくても効かせることが出来るヒップスラスト・レッグプレス・ヒップアブダクションなどの筋トレを行いましょう。

大殿筋オススメ筋トレメニュー6つ

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ここからは具体的に大臀筋を鍛える筋トレメニューを紹介していきます。

①導入編 グッドモーニング

バックスクワットと同様に首の後ろにバーを担いで、肩甲骨を寄せて胸を張ります。この状態からお尻を後ろに突き出してハムストリングスにストレッチがかかるまで上半身を倒していくのですが、この時に膝を完全に真っすぐ伸ばし切ってしまっていると膝の関節や腱を痛めてしまう事があります。スタートポジションで軽く膝を緩めておきましょう。

どれだけ柔軟性があっても上半身の角度は平行になるまででとどめておきましょう。バーを保持する事が出来なくなってしまいますし、ストレッチが強すぎるとコンディションによっては肉離れなどケガの危険性が出てきます。基本的にゆっくりとした動作で丁寧に行います。

10~15回程度反復出来るように行ってください。

自重で行う場合は両手を頭の後ろで組み、背中に力を入れてしっかり肩甲骨を寄せるようにしてみましょう。

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ポイント:上半身を倒そうという意識で行うと背中が丸まってしまったりフォームが崩れます。お尻の高さが変わらないように真っすぐ後ろに動かすこと。お尻が下がると膝関節が動き出してしまうのでスクワットの動作になってしまいます。

②導入編 ルーマニアンデッドリフト

基本的な動作やポイント、鍛えられる部位はグッドモーニングと同じです。バーを両手で保持するので若干力のかかり方が変わってきます。

まず、腰幅で直立し、バーを両手でグリップします。肩甲骨をしっかり寄せて胸を張り、膝を若干緩めた状態にして上半身を倒していきます。この時グッドモーニングと同じように上体を倒す意識よりもお尻を後ろに突き出し、下げないように意識を持って行わないとフォームを崩しやすいです。

また、広背筋を使ってバーを自分に近づけておくようにすることで、背中が丸まりにくくなります。十分にストレッチを感じられる程度にバーを下ろすようにしましょう。基本的にゆっくりとした動作で丁寧に行います。10~15回程度反復出来るように行ってください。ルーマニアンデッドリフトの方がグッドモーニングよりも習得が難しい種目ですが、どちらも並行して練習することで、ヒップヒンジの動作をマスターできるでしょう。

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次からはジムでも自宅でもできるシンプルな筋トレメニューを紹介します。

③ヒップスラスト

ヒップスラストは他のスクワットやデッドリフトのバリエーションでは鍛えられない股関節伸展時のトルク強化に役立ちます。デッドリフトやスクワットに加えてヒップスラストを行うことにより、大殿筋に関してはほぼ完璧に鍛えられるといっても過言ではないでしょう。

通常ベンチに肩を乗せた姿勢で仰向けに構えますが、床に仰向けになった状態でも大丈夫です。多少可動域は減りますが、より安定したフォームで出来るでしょう。自宅にソファなどクッションがあって体を乗せられるものがあればそちらを使ってください。

脚は腰幅から肩幅くらいで90度になるようにします。より収縮感が強くなるように微調整してください。バーベルを股関節の前に乗せて、骨盤を前傾させお尻を下げた状態を作ります。自宅で行う場合は自重でもOKです。そこからお尻を締めるように床を蹴り上げて骨盤を突き出しながら、最後は骨盤を後傾させるように意識してください。

動作中に大腿四頭筋に刺激が入ってしまう場合は重りを軽くするか、膝の角度が狭すぎるので調整しましょう。少なくとも10回はできる負荷で行いたい種目です。この種目は大殿筋の上部に負荷をかけられる数少ない筋トレ種目です。ヒップアップや足を長く見せる効果が期待できます。

④ワイドスタンススクワット

自重でも行えるワイドスタンススクワットです。スクワットをワイドスタンスにして行うことで、上半身が倒れにくくなり、フォームが安定します。内転筋も参加してくるのでO脚の改善なども期待できます。スクワット系の動作は主に大殿筋下部に効果が期待できます。お尻と脚の境目をきれいに作るにはうってつけの種目です。

脚幅を通常の1.5倍程度に開いてつま先は稼働域にもよりますが、45度程度開いてスタンスをとってください。膝を左右に開くようにしゃがみ込みながら太ももが床と平行になる程度まで下ろすようにしましょう。この時骨盤をしっかり前傾させるようにしてください。おそらく内ももやお尻にストレッチがかかってこれ以上しゃがみ込めなくなると思います。そこからコントロールしながら立ち上がります。

上手く脚幅やつま先の向きが調整出来ていると、しゃがみ切ったところで膝の角度が90度くらいになり、脛が床から垂直になっているはずです。もしできていなければ脚の位置を調整しなおしてください。8回~12回程度反復できる負荷に設定できていればいいでしょう。

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バーベルを持って行う時に上半身を立てすぎていると腰を痛める危険がありますので注意しまてください。

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最後に上級バリエーションを2つ紹介します。

⑤上級編 ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットはジムでも自宅でも行うことが可能です。ボトムでもトップでも大殿筋に刺激を入れることが出来て、片足で行う種目なので左右差の改善にも役立つ非常に優秀な種目です。スクワットが苦手な骨格の方はこの種目をメインセットに取り入れるのもありでしょう。

まずベンチ台に足の甲を乗せます。ベンチ台がなければ自分の膝くらいの高さになる椅子等を活用してください。もう片方の脚は前方に大きく踏み込みます。膝の角度が90度くらいになるようにしゃがんでみた時、膝が足甲の垂直上に収まるように調整してください。

この時角材や1㎏程度のダンベルでつま先を高くし、かかとに重心をかけるようにすると大殿筋に刺激が入りやすくなります。なければ足の指を反らせて広げるようにするとかかとに重心を乗せやすくなります。ここから実際にしゃがんでいくのですが、この時に上半身を前傾させてお尻を後ろに引くイメージを動作を行うようにすると大殿筋に刺激を入れやすくなります。立ち上がる時は上半身を起こして骨盤を後傾させるイメージで動作しましょう。

大体10~15回程度反復できるように負荷を調節してください。

⑥上級編 クロスランジ

クロスランジは片足を後ろに踏み込むリバースランジの派生です。少々マニアックですが、大殿筋から中殿筋辺りをストレッチする刺激を入れることができる珍しい種目ですのでお尻にこだわったトレーニングを行う場合は是非とも取り入れたい種目です。

まず両足をそろえた姿勢で軽く膝を緩めておきます。リバースランジであればそのまま片足を後ろに踏み出していくのですが、クロスランジの場合は踏み足を後ろで交差させるように踏み出します。この時出来るだけ胸を正面に向けたまま前足に体重をしっかり載せておくようにします。

基本的に軸になる前足の臀部を鍛える種目ですので、踏み足に体重を乗せると負荷が逃げてしまいます。自分の頭を軸足の垂直上にキープするようにしましょう。身体の前で両手を組み、腕を前に向けるようにすると良いでしょう。軸足斜めに倒れた時、臀部にしっかりストレッチがかかっているかどうか確かめながら行ってください。

戻しの動作の時に踏み込み足を完全に戻さずに軸足の後ろに添えるような形で止めるようにすると負荷が逃げにくくなります。

大殿筋の筋トレが上手くいかない場合に考えられること

編集部

大殿筋の筋トレって奥が深いんですね!自分も早速やってみます。

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それはいい心がけですね。しかしもし上記の筋トレメニューを行ってもうまく大殿筋が発達しないという場合は以下の原因が考えられますので、注意して行ってください。

①胸郭の柔軟性低下
②ハムストリングスや脊柱起立筋群の筋力不足
③重心の掛け方が違う、又は動作中に変化してしまう為、狙いを外してしまっている

①胸郭の柔軟性低下が原因の場合の対処方法

①が原因の場合は分かりやすくヒップヒンジが出来ないはずです。本来であれば胸を正面に向けたままでもある程度骨盤を前傾させることが出来ますが、肋間筋や腹筋群の柔軟性が低下していると特に胸郭を反らせて胸を張ることが出来なくなってしまいます。

ヒップヒンジが上手くできないとスクワット系の動作を行う際に上半身全体を前傾させるしかなくなりますので背中や腰に刺激が集中します。これを改善するにはストレッチポールやフォームローラーを使用して体幹前面のストレッチを行うようにすると良いです。

床に座った状態で横向きに置いたポールに背中の中央から少し上(みぞおちの裏あたり)を当てて仰向けに寝転がります。この時両手で首を支えて負担がかからないようにしてください。そのまま肘と頭を床に着けるように体を反らせていきます。しっかり反らせたらお腹をへこませて肺を大きく広げるように深呼吸を繰り返しましょう。この姿勢でも腹筋が柔らかくなったり肋骨が大きく動く様に呼吸ができるようになれば柔軟性の課題は十分にクリアできているでしょう。

②ハムストリングスや脊柱起立筋群の筋力不足の場合の対処方法

②の原因は多関節種目でよくみられる光景です。複数の関節・筋肉を使用する種目においては、仮にフォームが完璧だとしても弱い部位が優先的に刺激が入ってしまう事があります。複数の種目でかつ似たような動きの種目で同じ事が起こる場合は単純に刺激が弱い部位に流れていると思ってよいでしょう。

たとえばマシンチェストプレスとベンチプレスとバーベルショルダープレスを行っていてすべての種目で三頭筋が先にオールアウト(疲れてできない状態)してしまう。これは明らかに三頭筋の筋力不足と思ってよいと思います。その場合は三頭筋を強化する事で結果的に他の部位への刺激を強化する事になります。

上腕三頭筋の鍛え方については以下の記事を参考にしてください。

大殿筋に刺激が入りにくい場合も同じく弱い部位を強化する種目を行いたいですが、これに関しては導入編で紹介したグッドモーニングやルーマニアンデッドリフトが良い種目ですのでしっかりやりこんで強化して下さい。

③重心の掛け方が違う、又は動作中に変化してしまう為、狙いを外してしまっている場合の対処方法

③は見落としがちですが、かなり重要なファクターを占めています。重心のコントロール次第で様々な種目の刺激をコントロールできます。分かりやすいのはスクワットです。大腿四頭筋を狙う場合は爪先に重心を置きます。脚が膝から曲がりだすようになって四頭筋への刺激が強くなるはずです。

かかと重心にすると股関節から動き出しますので、股関節周りの筋肉への刺激が強くなります。この為、大殿筋にフォーカスする場合はかかと重心で行うのが良いですが、通常のバックスクワットであえてそれを行う必要はないでしょう。ワイドスクワットやブルガリアンスクワットなど今回紹介しているような最初から大殿筋をメインターゲットにしている種目で行うようにしてください。

佐々木大地 監修トレーナーからアドバイス

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下半身のトレーニングはシンプルな種目が多いので重さを扱いやすいですから、しっかりやりこめば誰でも効果が出ます。成長が早い分、細かいポイントを疎かにしてしまうと自分の理想と違う体系に成長してしまう可能性が高いです。まずはフォーム重視でしっかり基本をマスターしたら少しずつ負荷を増やしつつ細かいポイントを修正していきましょう。

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