三角筋の鍛え方11選!前部・中部・後部に分けた筋トレが効果的!?

監修者

佐々木大地

NSPAパーソナルトレーナー

【プロトレーナー解説】三角筋は前部・中部・後部と大きな筋肉で、それぞれ構造の性質が違うため、鍛え方にコツがあります。三角筋の構造と筋トレメニューを徹底解説します!

三角筋とは?どんな筋肉?

筋トレでベンチプレスなどを頑張っているのですが、なかなか逞しい上半身になりません…

佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

もしかしたら三角筋の鍛え方が足りないからかもしれませんね。

三角筋ですか?

佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

はい。ベンチプレスでも三角筋に刺激を入れることはできますが、やはりピンポイントで鍛えることは大切です。

三角筋は上腕骨の中央から肩関節を覆うようについています。鎖骨・肩峰・肩甲骨と大きく3つの部位に付着しているため、必然的に体積が非常に大きい部位となります。

また、肩関節の複雑な動きに多くの役割を果たします。

・筋肉が大きい
・様々な役割をする

以上の2点から、三角筋は前部・中部・後部に分けて様々な種目のトレーニングをする必要があります。

しかし、大きい筋肉だから力が強いかというとそうでもないです。

三角筋を鍛える上でのコツ

三角筋は大きな筋肉ですが、大きな力を発揮しない遅筋線維が多い筋肉です。なので無理に大きな負荷をかけてトレーニングをすることはNGです。

また、三角筋の前部・中部・後部それぞれで鍛え方の特徴が変わります。

・三角筋中部
ある程度重さがないと刺激が入らない

・三角筋前部、後部
重さは重くなくても刺激が入るが、大きな可動域を使わないと刺激が入りにくい

佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

三角筋は少し特殊な部位ですね。各種目ごとにおすすめの回数やセットの組み方に関して次から紹介します。

三角筋全体のボリュームを作るおすすめの筋トレ3種目

まず、三角筋全体を大きくするのに効果的な筋トレメニューを紹介します。

一般的にショルダープレスと呼ばれる筋トレ種目のバリエーションになります。三角筋だけでなく、上腕三頭筋僧帽筋など様々な筋肉が関与して行われる為、肩の筋トレの中では高重量を扱いやすい種目です。

シーテッドバーベルショルダープレス

肩の筋トレ種目の中で一番高重量を扱いやすい種目です。重さが重いので肩全体のサイズアップに効果的です。特に三角筋前部に刺激が入ります。肩の筋トレの日は出来るだけ最初に行いましょう。

<やり方>
1.75度程度のアジャストベンチをセットする

2.腹筋に力を入れて体をまっすぐに固定し、胸元までゆっくりとバーを下ろし、そのまま頭の上まで押し上げる

回数は8~12回程度反復出来る重さで、3セット行いましょう。

<注意点>
・両手の幅は肩幅より少し広くして、動作中に前腕が内側に折れて腕に刺激が逃げてしまわないようにしましょう。

スタンディングバーベルショルダープレス

バーベルショルダープレスを立って行うパターンです。不安定になるので扱える重量は落ちます。三角筋前部にしっかり刺激が入ります。

しかし肩だけでなく背面のインナーマッスルや僧帽筋中部・下部、前鋸筋などを刺激できる為、肩のケガ予防や肩関節の可動域向上に役立つ非常にメリットの大きい種目です。

<やり方>
1.両手の幅を肩幅よりも少し広くし、爪先に重心をかけて腹筋に力を入れた状態でバーを持つ

2.腹筋に力を入れて身体をまっすぐにする

3.脇を閉じた状態を維持してそのままバーを上に押し上げる

4.しっかり伸びきった所からゆっくりと元の位置に戻す

回数は10回以上反復できる重さで、3セット行いましょう。

<注意点>
・肘を開いてしまうとこの種目のメリットになる首・肩まわりのインナーマッスルの強化に繋がりませんので注意してください。

アーノルドプレス

<やり方>
1.リバースグリップでダンベルを肩の前に持つ

2.手首を回転させて肘を開きながらダンベルを持ち上げる

3.戻るときは逆の動きで重りを下ろしながら肘を閉じ、リバースグリップで肩の前に戻す

リバースグリップの時は三角筋前部に集中して刺激が入り、肘を開くにつれて三角筋中部にも刺激がいきわたるようになります。

高重量を扱う前提の種目ではなく、肩全体を万遍無く鍛える意味で行ってください。10回~20回程度と少し多めに反復出来るように重量を設定してください。

三角筋前部の筋トレメニューのおすすめ3種目

三角筋前部に集中的に刺激を入れることができる種目は、フロントレイズのバリエーションになります。この種目は重さを扱うよりも、動作中いかに刺激が逃げない様にコントロールするかが重要になってきます。

インクラインダンベルフロントレイズ

<やり方>
1.アジャストベンチを45~60度程度にセットする

2.シートに座ってダンベルを持ち、軽く胸を張る

3.肘を軽く曲げて前方にダンベルを振り上げる

<注意点>
・ダンベルを振り上げるときに手幅が広いまま真っすぐにダンベルを挙上してしまうと、三角筋前部から中部に刺激が移行してしまいます。
少し内側に絞り込むような形で行うと前部に刺激を集中できます。

佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

アジャストベンチがあれば自宅でもできるのでぜひチャレンジしてみてください!

ベントオーバーフロントレイズ

立位で体を前傾させるやり方もありますが、アジャストベンチがあれば是非そちらを活用して下さい。

<やり方>
1.30~45度程度にベンチをセットして、背もたれにうつ伏せになる

2.肩幅でダンベルを持ち、少し外側に開く様に意識しながらダンベルと肩が平行になるところ、あるいは腕と体が一直線になるところまでダンベルを挙上する

3.ゆっくりとダンベルを下ろし切る手前まで下ろす

<注意点>
・ダンベルを下ろしきってしまうと三角筋前部から刺激が抜けてしまいます。下ろし切らないで次の動作に移るようにしてください。

この種目は三角筋前部の最大収縮を狙った種目ですので、出来るだけ高く持ち上げるようにしましょう。

シーテッドプレートフロントレイズ

<やり方>
1.アジャストベンチを75~90度にセットする

2.バーベルに付けるプレートあるいはダンベルの重り部分を持って体の前に持つ
体幹部が固定されるように背もたれにしっかりと両肩を付けておきましょう

3.両手が自分の額の上にくるまでプレートをを持ち上げる

◯三角筋前部の筋トレの回数
フロントレイズ系の種目は基本的に高回数を狙って行います。15~20回程度を目安に重量を選択してください。

三角筋中部を様々な角度から刺激する筋トレメニュー3種目

三角筋中部は、大きな力を発揮しない遅筋繊維の割合が多い部位でありながら、筋繊維が羽状筋という、大きな力を発揮する構成にもなっています。

つまり、三角筋中部を鍛えるには
・高重量種目
・低重量で高回数

の2パターンが必要になります。

サイドレイズ

佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

ダンベルがあれば自宅でも行うことが出来る種目です。

<やり方>
1.少し前傾姿勢になり、手首を若干背屈させてダンベルを両手に持つ

2.ダンベルを身体から離れさせるように開いていく意識で持ち上げる
親指側を下に向けて小指が上を向くようにするとよいでしょう。

<注意点>
・ただダンベルをまっすぐ横に広げる動きにしてしまうと、三角筋前部の方に若干刺激が逃げます。少し前傾した姿勢で行うことで三角筋中部のみにしっかり刺激を集中させることが出来ます。

バーベルアップライトロウ

アップライトロウは三角筋中部を刺激する種目の中で、最も高重量を扱える筋トレ種目です。

<やり方>
1.両手を肩幅程度に開いてバーを握る

2.軽く胸を張るようにして上半身を少し前傾させる

3.指を引っ掛けるようなイメージで、必ず肘が先行して持ち上がるようにバーを持ち上げる

自分の胸くらいまでバーが上がっていれば三角筋は十分収縮していますよ。

ワンアームサイドレイズ

この筋トレ種目が一番三角筋中部をダイレクトに意識しやすい種目です。

<やり方>
1.片腕にダンベルを保持してアジャストベンチのシートを立て、身体を支える

2.通常サイドレイズと同じように、若干前傾して小指を上に向けるように意識してダンベルを体から離すように動かす

ダンベルを挙上する時に首を若干負荷をかけている側に傾けて僧帽筋を緩めることで、三角筋中部に刺激を入れたままより大きな可動域でのトレーニングが可能になります。

どの種目においてもピラミッド式に重量をどんどん重くさせながら行うようにすると複雑な構造をしている三角筋にもしっかり刺激を入れられるでしょう。

佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス

NSPAパーソナルトレーナー

ちなみに自分の場合はアセンディングピラミッドをよく行います。最初のウォームアップは100レップ出来る重量を選択し、そのあとは重りを2倍にして50レップ。更に2.5kgアップして40レップという流れで20レップになるまで重りを増やします。肩のような部位は極端なハイレップスで効果が出やすい方も多いはずですので、試してみる価値はあると思います。

三角筋後部も盛り上げる筋トレメニュー2つ

三角筋後部は背中のトレーニングを行う際にも使用されます。この部位が強くなってくると横から見た肩と背中の厚みが増し、背中の種目で肩が先に疲労してしまう事がなくなり運動に集中できるようになります。肩全体が盛り上がっていわゆるメロン肩というような形状に整えていくには欠かせない部位ですのでしっかり鍛えておきましょう。

ベントオーバーリアレイズ

やはり基本のダンベルリアレイズをしっかりマスターすることで、刺激の入ってくる感覚を覚えられるのでこれは欠かせません。自宅でも行うことができます。

<やり方>
1.ダンベルを持って身体を床と平行あるいは15度程度の角度になるよう身体を前傾させる
アジャストベンチがあれば30度程度にセットしてうつぶせに寄りかかると上体を固定しやすくなります。

2.肘を少し曲げた状態でダンベルを持ち、横方向に両腕を広げる

肘の向きを外側に向けると三角筋後部の動きに背中が若干参加してくるので重さを上げやすくなります。

回数は15~20回程度行えれば良いでしょう。

リアデルトマシン ショルダースクイーズ

この種目は、ダンベルではなくマシンで行うことで三角筋後部への刺激が動作全体でしっかり得られます。

<やり方>
1.ハンドルをリアデルトの2番にセットする

2.シートの横で外側を向くように立ち、腰を低くし、背骨をシートの側面に合わせるようにして体を固定する

3.ハンドルを持った時に肩とハンドルが平行になる位置に構える

4.腹筋に力を入れて体幹を固定した状態でハンドルを腕が体と一直線になるところまで開く

5.開ききった所で一瞬動きを止め、ゆっくり戻す

この種目は10~15回程度反復出来るように重さをセットして行ってください。他の種目と違ってすべての可動域で負荷がかかり、しっかり筋繊維が収縮するので、ある程度の重量をセットしてもしっかり刺激が入るはずです。

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