【決定版】上腕三頭筋の筋トレメニュー8選!バーベル・ダンベル・自重メニュー

監修者

佐藤公治

ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。

【プロトレーナー解説】上腕三頭筋は、二の腕と呼ばれる部位(上腕の裏側の筋肉)です。この筋肉の働きとスポーツなどでの展開、目的別の筋トレメニュー、男性・女性のトレーニング効果の違い、適切な重量・回数・セット数を解説します。

上腕三頭筋の構造と動き|鍛えることで得られる効果

上腕三頭筋とはどんな筋肉で、どのような働きをするのですか?

佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス

ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。

上腕三頭筋は上腕の裏側にある筋肉で、主に肘関節を伸ばす働きをします。

上腕三頭筋の構造

上腕三頭筋長頭・内側頭・外側頭の3つの筋頭(両端で共通の腱につながっている)をもつ筋肉で、上腕の裏側全体を形作っています。
(ボディビルダーのようによく発達すると、それぞれの筋頭を見分けることができます)

内側頭
内側頭は上腕裏側の内側部、肘のごく近くに位置しています。

外側頭
外側頭は上腕裏側の外側部に位置しており、負荷が大きくなると関与するようになります。

長頭
長頭は上腕の上方、内側頭と外側頭の間に位置し、肩関節と肘関節の両方に続いています。肘筋は小さくて見るのがやや難しくなりますが、肘関節部分に位置する筋肉で、肘関節をロックする動作において主要な役割をはたしています。

上腕三頭筋を鍛えることで得られる効果①|スポーツへの展開

肘関節の伸展は、テニスやバトミントンといったラケット・スポーツのオーバーヘッド・ショット、バレーボールのスパイク、バスケットボールのパスなどで見られる腕を進展させる動作で重要となります。

また、砲丸投げやフットボールのプッシュ動作、体操競技の逆立ち、棒高跳びでバーをクリアするときの最後のプッシュオフなどの動作にも役立ちます。
さらに、腕の伸展を伴うスローイング動作ヒッティング動作、ボクシングや格闘技のパンチを打つ動作などにおいても重要となります。

上腕三頭筋を鍛えることで得られる効果②|腕を太くする、または引き締める

腕の筋肉というと、力こぶ(上腕二頭筋)の印象が強いのですが、上腕三頭筋を鍛えることも腕を太くするのに役立つのでしょうか?

佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス

ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。

じつは上腕三頭筋は、二頭筋より大きな筋肉です(三頭筋のほうがその名の通り筋頭が多く、上腕の筋肉量の約3分の2を占めています)。ですので、上腕二頭筋とともに三頭筋もトレーニングすることが、腕のサイズアップに効果的です。

女性が腕を引き締めたい場合には、男性とは別のトレーニングが必要なのでしょうか?

男性も女性も、基本的に筋繊維の構造は同じで、トレーニングのやり方そのものに違いはありません。
ただ女性の場合、男性と比べて先天的に上半身の筋肉が小さく、テストステロン(筋肉をつくる男性ホルモン)の1日の生成量が、男性は5~10mg、女性は0.1mgといわれています。ですので、同じトレーニングをしても「男性のような腕になる」ことはありません。

上腕三頭筋の基本の筋トレ種目2選

三腕三頭筋を鍛えるには、どのような筋トレメニューがあるのですか?

佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス

ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。

最も基本的なものは、上腕を頭上に上げて、肘を伸ばすエクササイズになります。

上腕三頭筋に効くトレーニングとは?

上腕三頭筋の内側頭と外側頭は上腕骨を起点とし、前腕の骨の一つである尺骨に付着しています。最も大きな長頭は肩甲骨を起点とし、上腕骨の後ろを通って、尺骨に付着しています。
したがって、内側頭と外側頭は肘関節の動きによってのみ稼働し、一方、長頭は肘と肩関節によって稼働します。

つまり、上腕三頭筋の長頭を完全にストレッチさせるためには、フレンチプレストライセプスエクステンションといった上腕を頭上へ持ち上げて行うエクササイズがとくにオススメととなります。

①トライセプスエクステンション

<やり方>
1.ウェイトを持ってベンチに仰向けになり、上腕を天井に向けた姿勢を保ちます。
2.肘を内側に引き寄せて(横に張り出さないように)肘を曲げ、額近くに下ろして上腕三頭筋をストレッチさせてから、肘を伸ばし、腕が完全に伸展するまで上げていきます。
 上腕を頭側に約45度傾けると、長頭をさらにストレッチすることができます。

②フレンチプレス

<やり方>
1.立つまたはベンチに座って上半身を起こした姿勢になります。
2.片手(または両手)で、上腕を頭の横で構え、曲げた肘を頭上へ向かって完全に伸展させる動作を行います。

トライセプスエクステンションとフレンチプレスは、バーベル、ダンベル、ケーブル(ワイヤーを引くマシン)で行うことができ、ゴムチューブを抵抗として使うこともできます。

上腕三頭筋の引き締めに効く筋トレ種目2選

腕の引き締めに効果的な筋トレメニューはありますか?

佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス

ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。

上腕を体側につける、もしくはやや後方に引いて、肘を伸ばすエクササイズが効果的です。

上腕三頭筋のシェイプを高めるエクササイズ

上腕三頭筋の内側頭と外側頭を最大限に働かせるには、鍛える側の上腕を体幹よりもわずかに高く持ち上げた姿勢で肘の曲げ伸ばしを行うと行うと効果的です。

長頭は肩関節に交差しているので、前傾した姿勢で上腕を体幹より上げると、その姿勢を保つために働きます。その結果、この姿勢で肘を伸展させると内側頭と外側頭の働きがより大きくなります。

①トライセプスキックバック

<やり方>
1.上体を前に倒し、肘を約90度に曲げてダンベルを持ちます。(上腕が体幹よりやや上になり、前腕が上体と上腕にほぼ直角となる姿勢)
2.このスタートポジションから、後方へ向かって肘を完全に伸ばし、上腕三頭筋を引き締め、コントロールした動作でスタートポジションに戻します。

トライセプスキックバックはダンベルのほか、ケーブルやゴムチューブで行うこともできます。
応用として、肘関節を伸ばしながら手首を回内する(手のひらが上に向くように回す)方法をとることもできます。(これにより、外側頭をより強く働かせることができます)

②トライセプスプレスダウン

ケーブルを使った、上腕三頭筋の人気の高いエクササイズです。

<やり方>
1.ケーブルスタックに正面向きに立ち、ハイプーリー(上部の滑車)に取り付けたハンドルを握って行います。上腕を体側につけ、スタートポジションでは肘を約90度に曲げ、前腕が床と平行(またはやや上)になるようにします。
2.ここからハンドルを押し下げ、腕がほぼ真っ直ぐになるまで肘を伸ばします。上腕三頭筋を強く絞り込み、コントロールした動作でスタートポジションに戻ります。

ケーブルマシンでは、真っ直ぐのストレートバー、カーブのついたVバー(またはEZバー、手首に負担がかかりづらくなります)など、色々な種類のハンドルが使えます。ロープハンドルやワンハンドハンドルでは、腕を伸ばす際に手首を回内させ、上腕三頭筋の外側頭をより働かせることができます。

上腕腕三頭筋の筋肉量アップと自重筋トレ種目4選

腕をより太くする筋トレメニューは?また、自重で行える筋トレメニューはありますか?

佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス

ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。

筋力・筋肉量のアップには、2つ以上の関節が動くコンパウンド種目が効果的。自重トレーニングにはプッシュアップ(腕立て伏せ)のバリエーションがあります。

エクササイズは通常2つのタイプ、「アイソレーション種目」と「コンパウンド種目(複合種目ともいいます)」に分けられます。

アイソレーション種目
アイソレーション種目は、稼働する関節がひとつで、筋肉の細部を整えるのに有効です。(上腕三頭筋の場合、肘関節のみが稼働するエクササイズ。上述の①~④がアイソレーション種目になります)

コンパウンド種目
これに対し、コンパウンド種目は2つ以上の関節が稼働するエクササイズで、より多くの筋肉群が動員され、そのぶん重いウェイトを扱うことができ、筋力・筋肉量のアップにより効果的です。

上腕三頭筋の場合、クローズグリップベンチプレスプッシュアップがコンパウンド種目になります。
肩と肘関節が稼働するエクササイズで、上腕三頭筋だけでなく三角筋(肩の筋肉)の前部と胸筋にも負荷がかかります。

①クローズグリップベンチプレス

通常のベンチプレス(主に大胸筋が働きます)よりも手の幅を狭く(肩幅程度に)すると、胸筋ではなく上腕三頭筋を主として働かせることができます。
クローズグリップベンチプレスはバーベル、ダンベルでも行うことができますが、スミスマシン(バーベルを固定したマシン)で行うと、動作中ウェイトを安定させる必要がなく、使用重量を増やすことができます。

②ナロープッシュアップ

ナロープッシュアップは、通常のプッシュアップを、わきを絞めて肩幅か、(肩関節に問題がない場合)胸の下で、両手で三角形をつくって行うようにします。クローズグリップベンチプレスと似た動作になりますが、体幹部の安定性がより強化されます。

③ヒンズープッシュアップ

またレスリング選手が行うヒンズープッシュアップも、上腕三頭筋に効果があります。
肩幅に手をつき、足を大きく広げ、腰を高く上げます(腕が耳の横に来るように、横から見ると体が山型の形になるようにします)。
ここから肘を曲げ、頭を起こして上体を弓なりにして、肘を伸ばしていきます。腰を高く上げスタートポジションに戻り、繰り返します。
難易度の高い種目ですが、上腕三頭筋のほか三角筋(肩の筋肉)や大胸筋にも効果があり、上体や股関節などの柔軟性も養われます。

④リバースプッシュアップ(ベンチディップス)

自重エクササイズの中で、比較的女性にも行いやすいエクササイズです。
座った姿勢から両手を後ろにつき腰を上げ、上体を起こして肘の曲げ伸ばしを行います。両手をベンチに乗せる、さらに足もベンチに乗せると強度を高めることができます。

上腕三頭筋のプログラムの組み方|回数・セット・頻度

上腕三頭筋のトレーニングの、適切な重量や回数、セット数、頻度はどのくらいでしょうか?

佐藤公治監修トレーナーからのアドバイス

ティップネス明大前にてパーソナルトレーニング活動中。NSCA認定パーソナルトレーナー、日本ストレッチング協会認定ストレッチングインストラクター。

目的によって違います。

◯筋肉の引き締め
筋肉をつけ引き締めるには、8~12回の反復ができるウェイトが適切です。

◯筋力アップ
これを基準にして、筋力アップする場合には(クローズグリップベンチプレスなどで)ウェイトを重くして6~10回、

◯筋持久力アップ
筋持久力をアップする場合にはややウェイトを軽めにして12回以上にするなど、ときおり変化を加えることも有効です。

セット数はトレーニング経験にもよりますが、初心者の場合、基本種目を1~2種目行って合計3~6セット、経験者は2~3種目で合計6~9セットくらいが目安となります。上腕三頭筋は胸や肩のトレーニングでも使われているので、プログラム全体を考慮して、オーバーワークにならないよう週1~2回くらいの頻度が目安となります。