プレスダウンで上腕三頭筋を鍛え抜くためのフォームとコツ

監修者

島津 鉄平

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

二の腕(上腕三頭筋)を鍛えることが出来るプレスダウンという種目を解説!目的(太くしたいか、太くしたくないか)に応じたトレーニングの正しいやり方(負荷、回数、レスト時間など)を覚えることで理想的な腕を手に入れることが出来ます。

プレスダウンとはどんなトレーニング?部位と効果を解説!

この前、二の腕を鍛えようとケーブルマシンを使ったプレスダウンをやってきました!…けど、ちゃんと正しいフォームで出来ているか不安ですし、アタッチメントを色々変えられるようなんですが、何を使ったら良いのかイマイチ分かりませんでした…詳しく教えて頂けますか?

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

素晴らしい取り組みですね!では、先ずは基本的な所から解説しますね。

プレスダウンで鍛えられる筋肉部位

プレスダウンで鍛えられるのは二の腕です。
二の腕とは「上腕三頭筋」のことを言います。
女性は筋肉を付けて綺麗な二の腕を作り、男性は太く逞しい腕を作る場合、上腕三頭筋の筋肉をしっかり付けることが大切です。

上腕三頭筋は三つの筋肉の総称で、「長頭」「外側頭」「内側頭」から構成されています。

◯長頭の作用
長頭は肘の曲げ伸ばしと、肩の動きに関与しています。

◯外側頭・内側頭の作用
外側頭と内側頭は肘の曲げ伸ばしのみ関与しています。

それぞれアタッチメントの選択や肘の角度によって効かせられる部位が変わりますが、詳しくは後ほどご説明します。

この上腕三頭筋は肘を曲げた状態から、真っ直ぐ伸ばした時に収縮されますが、ただ伸ばせば良いのではなく。腕や肘の位置、伸ばす方向によって効果が変わります。

上腕三頭筋トレーンングでプレスダウンをおすすめする理由

上腕三頭筋のトレーニングは様々ありますが、プレスダウンは初心者でもやりやすく、また、トレーニング中上級者でも上腕三頭筋トレーニングの追い込み種目としてやり易い種目です。

プレスダウンの正しいやり方・フォームのポイント

プレスダウンのやり方・フォーム

1.ケーブルの位置を頭の高さまであげます。※アタッチメントはロープタイプのモノを使用。
2.一歩下がりロープの先を持ちます。
3.足を閉じ、背筋を伸ばして骨盤をやや前傾させます。
4.体側に肘を固定し、肘の角度が90°くらいで止めます。※スタートポジション。
5.腰の外側へ広げるように肘を伸ばします。※肘を伸ばしきる。※フィニッシュ。
6.ゆっくりとスタートポジションに戻す。

プレスダウンのポイント

・重すぎる重量を扱ってフォームが崩れないようにすること
重すぎる重量を使ってしまうと、肘を伸ばすときに体重を乗せてグチャグチャなフォームになってしまいます。これでは上腕三頭筋を使っていることにならないので、いつまでたってもカッコいい腕になれません。
高重量を使うことはとても大切ですが、狙った部位に適切に刺激を与えなければ筋肉は成長しません。

・脇を締めたまま行うこと

長頭は脇を締めていく動作にも使われますので、脇を締めたままプレスをすることで、長頭への刺激を高められます。

・勢い任せにしない

・呼吸が大事

呼吸は止めなければ良いのですが…オススメとしては、スタートポジションで大きく息を吸い、止めたままフィニッシュまでもっていきます。ゆっくり吐きながらスタートポジションに戻すようにするとフォームが崩れにくく大きな力も出せます。

プレスダウンで使うアタッチメントの種類

ロープアタッチメント

先ほどの説明でも少し触れましたが、長頭を効かせる時に使います。
可動域が広く回旋動作を入れることが出来るので、最大収縮で上腕三頭筋に効かせることが出来ます。
たまに閉じたまま使っている場合もありますが、閉じてしまい肘が胸の前に出てしまったままプレスダウンをしてしまうと、大胸筋を使ってしまうので、純粋な上腕三頭筋トレーニングになりませんので気をつけてください。

シングルロープアタッチメント

ロープアタッチメントの片手バージョンです。同じく可動域が広く回線動作を入れることが出来るので、最大限上腕三頭筋に効かせることが出来ます。

Vバーアタッチメント

こちらも脇を締めてプレスダウンが出来るで長頭を狙ったトレーニングが出来ます。

ストレートバーアタッチメント

少し広めに持って、あえて脇を締めないフォームにすることで、長頭ではなく外側頭と内側頭をメインに効かせるプレスダウンが出来ます。
オーバーグリップ(順手)で握るのが基本ですが、アンダーグリップ(逆手)で握り脇を締めることで長頭をメインに効かせることも可能です。

様々なアタッチメントがありますが、基本的には長頭を狙うようにトレーニングしていった方が最大限効果が得られると思います。
正しいフォームと正しいアタッチメントの使い方を覚えてカッコいい二の腕を作りましょう。

上腕三頭筋の目的別重量設定

筋肥大を目指す場合の最適な重量・回数

上腕三頭筋は羽状筋と呼ばれる種類の筋肉です。
羽状筋の特徴として、収縮する距離が短く遅いが強い力を出せる。ということ挙げられますので、この筋肉に対する負荷の掛け方として高重量、低回数が筋肥大には適していると言われています。
4〜8回がやっとこさ出来る高重量でセッティングして行う事で十分な筋肥大が期待できると思います。

女性におすすめの重量・回数

しかし、これは筋肉を大きくする!という点にフォーカスしていますので、女性の皆さんはお気をつけください。
腕のサイズをあまり変えすにトレーニングするには逆に低負荷、高回数で行いましょう。
30回くらい一気に連続で行える重量で30回以上行うことをお勧めします。

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

余談ですが…ベンチプレスで120kgもの高重量を挙げているのに、肥大するのは上腕三頭筋ばかりで大胸筋が成長しないといった悩みを受ける事があります。
上腕三頭筋は羽状筋なので高重量のベンチプレスで肥大するのは必然です。しかし、大胸筋は平行筋の分類に入ります。平行筋の特徴は収縮する距離が長くスピードが早いという事が挙げられますので、中負荷、高回数で素早く行う事が平行筋に刺激を入れるコツになります。
つまり、高重量でゆっくりと8回くらいやっているベンチプレスは実はあまり大胸筋には効いておらず、上腕三頭筋に効いていたという事になるのです。

上腕三頭筋を鍛える他の種目との違いを解説

上腕三頭筋を鍛える種目は他にも沢山あります。その中から大きく違うものを抜粋して解説します。
まず簡単に上腕三頭筋の長頭について触れます。
この筋肉は肩の後ろから肘の先まで伸びている長く太い筋肉になります。肘を背中側へ引いたり、横に広げた腕を体につける作用があります。きをつけをしたり、腕を体の後ろで組むときに使われます。万歳するときは長頭が最大限伸びた状態にもなります。

キックバック

この種目はダンベルを使います。体を前傾させ、肘を背中側に引いた状態で肘の伸展(伸ばす)をします。肘が背中側にあるということは、すでに長頭が使われているので、内側頭と外側頭を使って肘の伸展をしていることになります。

フレンチプレス

この種目はダンベルやバーを使います。立位または座位で万歳をして、肘の位置がずれないように肘位の屈曲(曲げる)伸展をします。万歳しているということは長頭が最大限伸展しています。この状態から肘の曲げ伸ばしをするということは長頭を一番使っているということになります。

トライセプスエクステンション

この種目はダンベルやバーを使います。ベンチに仰向けになり前ならえをします。そのまま肘が動かないように肘の屈曲伸展(曲げ伸ばし)をします。長頭の収縮ポジションとしては中間位に当たる場所なので、主に内側頭と外側頭をメインに狙った種目です。しかし脇を閉じれば長頭が…脇を開けば内側頭と外側頭がメインに使われるようになります。

最後に

上腕三頭筋は脇の締め開けで効かせる部位が変わります。しかし、一番大きな長頭を狙ってトレーニングをするのがカッコいい腕を作る近道だと思いますので、基本的にはどの種目も脇を締めて行うようにするのが良いと思います。