上腕三頭筋(腕の裏)を鍛える筋トレ種目「トライセプスエクステンション」。機能解剖学的なトライセプスエクステンションのやり方・フォーム、最大の効果を出すポイントを解説します。この記事を参考にカッコいい二の腕を手に入れて欲しいと思います。
トライアセプスエクステンションで鍛えられる部位と効果
トライセプスエクステンションで鍛えられる筋肉の部位とは?
二の腕だけを効率よく鍛えたいのですが、何かオススメのトレーニングはありますか?
島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス
健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター
二の腕を鍛えるトレーニングは数多ありますが、比較的やりやすく、トレーニング初心者から上級者まで行えるライイングトライセプスエクステンションをご紹介します。
なぜ三頭筋かというと「長頭」「外側頭」「内側頭」の三つに分けられていて「上腕三頭筋」はその総称なのです。
つまり肩の位置をどこに持ってくるかで「長頭」の効かせ方が変わってくるのです。
そして「長頭」は「上腕三頭筋」の中でも一番大きな部位ですので、「長頭」を鍛えることは腕を太くするのに大切なのです。逆に腕を太くしたくない方は「長頭」ではなく「外側頭」「内側頭」を鍛えられるポジショニングが良いかと思います。
【プロトレーナー解説】上腕三頭筋は、二の腕と呼ばれる部位(上腕の裏側の筋肉)です。この筋肉の働きとスポーツなどでの展開、目的別の筋トレメニュー、男性・女性のトレーニング効果の違い、適切な重量・回数・セット数を解説します。
トライセプスエクステンションで得られる効果とは?
つまり、ベンチプレスや腕立て伏せの補助筋として使われたり、格闘技でのラウンドで相手を押さえつける力、相撲やラグビーなど相手を押す動作において強くなります。
もちろんボディーメイクにおいて二の腕を太くしたり、引き締たりすることも可能です。
ちなみにボクシングやフェンシングなどスピードが重要な場合、気をつけて欲しいのは「筋トレでスピード」はつかないという点です。
筋トレは筋力、筋肥大、筋持久力は上がりますがスピードはつきません。スピードは負荷をかけない(重りをつけない)状態でいかに早い動作を行えるかでつきます。ダンベルを持ってシャドーボクシングするのはナンセンスなのです。
トライセプスエクステンションのやり方、正しいフォーム
トライセプスエクステンションのフォーム
今回紹介するのはライイングトライセプスエクステンションの正しい方法です。
ライイングとは「寝た」状態を指すので、ベンチの上に仰向けに寝て行います。
①ベンチに仰向けで寝る
②手幅はバーベルを肩幅で持ち、天井に向かって真っ直ぐ腕を伸ばしましょう
③肘をやや外側に開きながら肘を曲げます。
※この時、肘の位置が変わらないように固定する。
④バーが頭に当たりそうになったら戻します。
トライセプスエクステンションのフォームのポイント
ポイントはゆっくり肘を伸ばしきることです。勢いをつけると骨支持で肘を伸ばすことになり肘を痛めてしまう恐れがありますが、肘を伸ばしきるところだけゆっくり筋肉を使って伸ばしてあげれば問題ありません。
②肘が外に開くのが問題なし
よく肘は外に開いてはダメと聞くことがありますが、機能解剖学上、手のひらを天井に向けたまま曲げれば必ず肘は外に開きます。かなり手首の関節が柔らかくないと出来ない芸当です。
③EZバーの使用をオススメ
同じ考えで、ダンベルにして小指を上にして行うのも良いのですが、ダンベル自体の構造上、バーと同じ肘の角度まで下げると頭にぶつかりますし、挙げたときにダンベルに腕を持っていかれる恐れがあるので初心者はやめた方がいいと思います。
トライセプスエクステンションとフレンチプレスとの違い
フレンチプレスは立った状態または、座った状態で行います。腕を万歳をした状態から肘の曲げ伸ばしを行いますが、そのポジションがライイングトライセプスエクステンションと異なるため、刺激の入り方が違うのです。
なぜかと言いますと「長頭」は他の二つと違って肩の動きにも関係していると言いました。
万歳している状態というのは「長頭」が非常に伸ばされた状態にありますが、さらに肘を曲げるともっと伸ばされます。そしてそこから動かすことになるので、フレンチプレスは「長頭が一番伸ばされた状態から縮める二の腕のトレーニング」になるのです。
「長頭」は二の腕の筋肉の中でも一番大きな筋肉ですので、二の腕を逞しく太くしたい方にとってフレンチプレスはマストなトレーニングです。
さらに上腕三頭筋は「羽状筋」といい高重量で強い負荷をかけると「筋肥大しやすい」ので、腕を太くしたい人は高重量でフレンチプレスをすることをオススメします。
しかし、肩関節が硬い方やトレーニング初心者はフォームが定まらないと、余計なところに力が入ってフォームが崩れ怪我をする恐れがあるので、気をつけましょう。
トライセプスエクステンションを行うと肘が痛くなる理由と対処法
筆者もトライセプスエクステンションやベンチプレスで肘を痛めたことがあります。
ではなぜ痛くなるのでしょうか?
下記の原因が考えられます。
1.高重量を無理に扱った
2.一気に肘を伸ばした
3.無理に肘を閉めて行った
4.肘を固定して動かさなかった
これらの注意点は立っても、座っても、寝ていても同じことが言えますのでフォームに気をつけてトレーニングしましょう。
トライセプスエクステンションの目的別重量、回数、セット数、スピード
●筋肥大
高負荷、6回〜12回、3〜5セット、コントロール出来るスピード(2秒で伸ばして2秒で曲げるくらい)
●引き締め
低負荷、15回〜20回、2〜3セット、コントロール出来るスピード(2秒で伸ばして2秒で曲げるくらい)
ただし、回数が多すぎると(50回とか100回)それは「ただの肘の曲げ伸ばし運動」であって、筋肉をつけるトレーニングにはなってこないので気をつけてください。筋肉をつけるには無酸素運動であって、長く続けられる有酸素運動ではありません。
トライセプスエクステンションのバリエーション
フレンチプレス(マシン・ダンベル)
前述でもあった通り、立つか座って行います。フリーウエイトではWバーを使うと手首への負担が軽減されます。マシンもあります。
トライセプスプレスダウン(ケーブル・マシン)
腕が下がっているので「外側頭」「内側頭」狙いでトレーニング終盤の追い込みに向いてます。
ディップス(自重)
基本的には自分の体重を扱うので、体重があればあるだけキツくなります。プラスでウエイトを腰にぶら下げて行うことも可能です。
上腕三頭筋と一緒に大胸筋や小胸筋にも働くため、胸トレの最後に入れるのもオススメします。
自分の体を扱うという意味では、個人的に全アスリートにやってもらいたいトレーニングの一つと考えております。
島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス
健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター
ダイエットも、ボディメイクも、競技能力向上も、健康維持の方も、自分の目的に合わせて必要な筋トレを取り入れて、怪我なくフィットネスライフをお楽しみください。
【プロトレーナー解説】ダンベルフレンチプレスとは腕を太くする為に重要な上腕三頭筋の重要な種目の1つです。ダンベルフレンチプレスのやり方・フォーム、最適な回数・重量を解説します。また、ダンベルフレンチプレスのバリエーションとして、4つの筋トレメニューを紹介します。