ヨガの椅子のポーズの効果とやり方とは?【ヨガインストラクター解説】

監修者

大場友梨

LaxmiYOGAインストラクター基礎科修了・シニアヨガ講座修了 フードコーディネーター・食生活アドバイザー資格取得  アナトミック骨盤ヨガWS受講

ヨガのレッスンではよく登場する椅子のポーズ(チェアポーズ・ウトカターサナ)。正しく行っているのか、どんな効果があり、どうすると効果が高まるのか?ヨガインストラクターが正しいやり方やバリエーション、効果を徹底解説します!

ヨガの「椅子のポーズ」って?

先日ヨガのレッスンで「椅子のポーズ」をしたのですが、体の形がインストラクターさんのようになりません。やり方があっているのかよくわからなくて。

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

LaxmiYOGAインストラクター基礎科修了・シニアヨガ講座修了 フードコーディネーター・食生活アドバイザー資格取得  アナトミック骨盤ヨガWS受講

パワー系のヨガレッスンでは頻繁に登場するアーサナ(ポーズ)ですね。正しいやり方で行うことで身体によい効果が得られますので詳しく解説しますね。

椅子のポーズの概要と効果

その名の通り、見えないイスに座るようなポージングを作るヨガのアーサナです。

英語ではチェアポーズ、サンスクリット語ではウトカターサナと言います。
サンスクリット語の「ウトカ」は力強いという意味です。椅子のポーズをキープするには強靭な脚力が必要なことを表しています。

筋肉トレーニングで言うスクワットとも似ていますが、全身に効果が得られます。とてもシンプルなアーサナですが、全身のいたる部位に効果があり、筋力アップやダイエット・肩凝りや冷え性の改善など多くの方に当てはまる悩みを解消できます。

誰でもできるの?

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

LaxmiYOGAインストラクター基礎科修了・シニアヨガ講座修了 フードコーディネーター・食生活アドバイザー資格取得  アナトミック骨盤ヨガWS受講

老若男女どなたでも行うことができます。

女性や体力や筋力に自信がない方も行うことができる強度の低い「優しいバージョン」や強度を高めたい方向けのやり方、別の効果を加える「バリエーション」もご紹介します。

場所を取るような大きな動きではないので、マットがなくてもスポーツウェアでなくてもできるのも椅子のポーズのイイところです。オフィスやおうちで簡単に行えますね。
ただ、間違ったやり方をすると効果が得られなかったり、逆に身体を痛めてしまうことにもなるのでポイントをしっかりおさえてから行ってください。椅子のポーズをマスターして、強くしなやかで健やかな身体づくりを目指しましょう!

椅子のポーズの正しいやり方 (◉動作に合わせる呼吸)

まず、アーサナに入る前に呼吸を整え、意識を内側に向けて集中しましょう。
呼吸は胸式呼吸で行います。
※息を吸ったときに胸・脇腹・背中が膨らむ呼吸法。
1、下半身は足の内側を揃えて、内くるぶし・膝の内側・内腿を合わせお腹に力を入れて引き上げる。  
上半身は背骨を真っ直ぐに積上げて肩の力は抜き、山のポーズ(タダーサナ)で立つ。(◉呼吸を繰り返す)
<ポイント>
・重心を身体の中心ライン(足を揃えたときの足の親指のライン)に置き内側体重にする

2、胸の前で合掌する。(◉吐く)

<ポイント>
・親指同士を絡めて合掌が離れないようにする
・肩の力は抜き、胸を広げる

3、後ろ遠くの椅子に腰かけるように膝を曲げながら腰を下す。(◉吐く)  
<ポイント>
・前屈みにならないよう上に伸びるイメージを持つ
・膝同士を押し合うように
・お腹に力を入れたままにする
・腰痛の原因になるので反り腰にならないように

・膝がつま先より前に出ないように 

4、合掌を頭上に持ち上げる。(◉吸う)

<ポイント>
・目線は真っ直ぐ前      
・頭上の手先とお尻の先端の骨である尾骨を引き合うようなイメージ
・足の裏全体で床を踏みしめる

5、このまま30秒以上キープする。(◉呼吸を繰り返す)

6、合掌を胸元に下す。(◉吐く)

7、膝を伸ばし(◉吸う)、合掌を解く。(◉吐く)

椅子のポーズのバリエーション

正しいやり方の時と同様に胸式呼吸で行います。

優しいバージョン

1、足の内側のラインは平行にし、拳1個分ほど間隔を開けて立ち、背骨は真っ直ぐに積上げる。(◉呼吸を繰り返す)
<ポイント>
・足の間を開けることで安定する
・膝の間隔も拳1個分開けたままキープする

2、背骨は真っ直ぐのまま、少し膝を曲げ腰を下ろす。(◉吐く)
<ポイント>
・正しいやり方と同じようにお腹に力を入れる
・膝の伸縮の深さを加減することで強度を調節することができる
(※腰を深く落とす→強度高い 浅く落とす→強度低い)
・このままのキープでも十分効果的です!

3-1、両手を肩の高さに伸ばす。(◉吸う)
<ポイント>
・このままのキープでOK!

3-2、胸の前で合掌する。(◉吐く)
<ポイント>
・このままのキープでOK!さらに続ける方は4へ

4、合掌を解き、手の平は内側にし頭の上に腕を伸ばす(◉吸う)
<ポイント>
・腕を持ち上げてキープすることで脇腹の伸びが軽減する

5、このまま20~30秒キープ(◉呼吸を繰り返す)

6、胸の前で合掌(◉吐く)

7、膝を伸ばし(◉吸う)、合掌を解く。(◉吐く)

もっと知りたいバリエーション!ねじりを加えた椅子のポーズのバリエーション

ねじった椅子のポーズ(パリヴリッタ ウトカタ アーサナ)

正しいやり方3の膝を曲げ腰を下したところまでは同じなのでその続きから。
強度を高めたい方は腰の位置を更に低く落とす。

1、合掌をした右肘を左膝の外側に掛けて腰をねじる。(◉吐く)

<ポイント>
・背骨を真っ直ぐにしたまま上半身を下し、肘膝を押し合い腰のねじりを深める。
・腰をねじったことで膝が前後にずれないように両膝を揃えたまま
・腰の位置は上がらないよう下げたときの位置のまま   

2、合掌を解き腕を上下に広げる。(◉吐く)

<ポイント>
・胸を大きく開くことように心掛ける
・目線は上の手先に向ける

3、胸の前で合掌し(◉吐く)、ねじりを解き身体を正面に戻す(◉吸う)

4、反対側も同様に行う。
<ポイント>
・一度膝を伸ばしてから反対側を行ってもよい

5、膝を伸ばし(◉吸う)、合掌を解く。(◉吐く)  

慣れてきたらキープ時間を長くする・腰の落とし具合を変えてみるなどして、その時々の体調や体力に合わせて行いましょう。

気になる身体への効果は?

全身に効果があり、アーサナに集中することでメンタル面にも影響があります。効果は以下の通りこんなにたくさんあります。

<上半身>
・肩凝りの改善
・肩・胸のストレッチ
・胸筋の強化
・二の腕の引き締め
・背骨の強化
・体幹の強化
・お腹・脇腹の引き締め
・ねじった椅子のポーズ 体の側面(腹斜筋)の引き締め

<下半身>
・ヒップアップ
・太もも全体の強化
・内腿(内転筋)の強化
・O脚改善
・ふくらはぎの強化
・アキレス腱のストレッチ
・足首の柔軟・強化
・偏平足の改善

<体全体>
・全身の代謝アップ
・姿勢の改善
・全身ダイエット
・デトックス
・血行の促進
・ねじった椅子のポーズ 便秘や消化不良の改善

<メンタル>
・集中力アップ
・気分を前向きにする
・自信が持つことができる

はじめのうちは、ただ辛いだけで効果を実感するまで時間が掛かるかもしれません。
アーサナの最中は呼吸に心を向けて集中し、自身の身体の変化を楽しみましょう。定期的に何度もやり続けることでコツを掴み、これらの効果を実感できるようになるはずです。

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

LaxmiYOGAインストラクター基礎科修了・シニアヨガ講座修了 フードコーディネーター・食生活アドバイザー資格取得  アナトミック骨盤ヨガWS受講

また、アーサナを行った後の爽快感も得られ、とっても気持ちいいです。
はじめは優しいバージョンからはじめ、徐々にキープ時間を長く取ったり足幅を狭くしたりしながら強度を高めてこれらの効果から強いしなやかな心身を手に入れましょう!!

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