ヨガの三角のポーズのやり方のコツ、効果とは?【ヨガインストラクター解説】

監修者

多田羅 理恵

IHTA国際ホリスティック協会認定 ヨガインストラクター,APメディカルヨガインストラクター,ベビーヨガレッヂ取得,Studio Maria 登録ヨガ講師

三角のポーズは、サンスクリット語ではウッティッタ・トリコーナ・アーサナと言い、手足を伸ばして三角形に全身を広げたポーズのことです。ウッティッタは「伸ばした」、トリコーナは「三角」の意味。難易度は中級レベル。ウエストを引き締め腰痛を緩和し、疲労や便秘を解消する効果が期待できます。

三角のポーズのやり方・コツ

ヨガ教室で三角のポーズが上手く出来ませんでした…

多田羅 理恵監修トレーナーからのアドバイス

IHTA国際ホリスティック協会認定 ヨガインストラクター,APメディカルヨガインストラクター,ベビーヨガレッヂ取得,Studio Maria 登録ヨガ講師

三角のポーズの難易度は中級者向けなので初心者がいきなりやるには少し難しいかもしれませんね。まずは三角のポーズのやり方を解説します。

やり方その① 脚を大きく開いて立ち、両手を肩の高さに開く

両足を肩幅の2倍~2倍半に開きます。一方の足先を真横に向けて、もう片方を正面より少し内に向けます。(45度~60度くらい)両方の足の裏がしっかりとマットにつく位置で立ちましょう。
両腕を肩の高さに広げて、床と平行になるようにします。このときに手のひらは下向き。おへそと顔は正面に向くように立ちましょう。
骨盤が平行になるように意識をすることが大切です。頭は上に引っ張られるような感覚で、力が入りすぎて肩が上がらないように気をつけます。

肩が上がりやすい人は、一度肩を前から上、後ろに回してから首を長く保てるようにするのもポイントです。立ち姿勢だけでも、日頃の癖がでるものです。鏡があると姿勢が意識しやすくなるのでじっくりとこのポーズと向き合いたいという方には、足の向き・両腕の高さ・おへその向きなどを鏡で確認していくこともよいでしょう。姿勢を良くしようとしてありがちな、肋骨が開いて反り腰になることのないように気をつけましょう。

最後の完成形のポーズだけに目を向けるのではなく、スタートの時点から意識をするだけでずいぶんとポーズの深まりが変わります。ヨガの効果を最大限に引き出すために、準備段階から意識していきましょう!

やり方その② 上体のみをゆっくり真横にスライドさせます

骨盤を正面に向けたまま、吐く息とともに上体のみを真横にゆっくりスライドさせていきます。目線を変えず、スライドさせていく方の指先は遠くに引っ張られる意識をもって行いましょう。
手を遠くにのばそうとしてよくありがちな問題は、どんどん骨盤をずらしながら手を伸ばしていってしまうということです。これではお尻が引けてていってしまい身体が歪んでいくので、ここでは骨盤をずらすことなく、おへそが下にむかないようにすることがポイントになります。

そして上体が動いても、足裏の3点(親指の付け根、小指の付け根、かかと)でしっかりとマットを踏みましょう。この段階ではすでにお腹の力が必要なので、ついつい頑張りすぎて息が止まってしまうことのないよう、呼吸は忘れずに行います。体側が縮まってしまわないように注意しましょう。

やり方その③ 吐く息とともに手を足の方向に、反対の手は天井方向に倒します

吐く息とともに、背骨を伸ばしながら上体を倒していきます。常におへその向きは正面のままをキープし、指先は左右遠くに引っ張られる感覚で行います。手をつく場所をあらかじめ決めてしまうのはやめましょう。(人によって身体の硬さが違うため、身体が前かがみになったりしてポーズが崩れてしまうのを避けるためです)
自分の身体の体側が気持ちよく伸びるところで身体を止めて、手の位置は足のどこかににおいてしまうのではなく、常にお腹の力が抜けないように、少し浮かせているくらいで良いです。もし床に手がつくようであれば、足の内側か外側に手のひらをついてポーズを行います。

両手が一直線になるように伸ばしましょう。頭頂が引っ張られるようなイメージで、顔は天井に向け、頭を床方向に落とさないように気をつけましょう。三角のポーズでは、両体側の伸びを意識すること、上半身と胸を開きウエスト部分から背骨をねじる意識を持ちます。両足はどこも浮かないように、親指の付け根やかかとでしっかり床を押すようにします。このままポーズをとったまま5呼吸ゆっくりと行います。右が終わったら左も同じように行いましょう。

三角のポーズの効果効能とは?

多田羅 理恵監修トレーナーからのアドバイス

IHTA国際ホリスティック協会認定 ヨガインストラクター,APメディカルヨガインストラクター,ベビーヨガレッヂ取得,Studio Maria 登録ヨガ講師

やり方については理解できましたか?

はい!

多田羅 理恵監修トレーナーからのアドバイス

IHTA国際ホリスティック協会認定 ヨガインストラクター,APメディカルヨガインストラクター,ベビーヨガレッヂ取得,Studio Maria 登録ヨガ講師

それでは次は三角のポーズの効果について解説します。

三角のポーズは腰回りをしっかり伸ばすことで、腰痛緩和や疲労回復、ウエストやお尻の引き締め効果を得られます。腰を中心に、普段あまり使わない身体の側面の筋肉を刺激することで、骨盤・背骨・脇腹・関節の歪みを解消する効果もあります。

ポーズだけを見ていると簡単そうに見えますが、あまり無理をすると逆に腰を痛めてしまうことが考えられるので、あらかじめ手をつく位置を決めずに、身体を倒す角度や腰への負担のかかりかたをよく感じながら、無理のないレベルで始めましょう。初心者や不安のある方は、壁に背中をつけてサポートしながらゆっくり始めるのもいいです。壁を使うと背中の接地面を感じやすいので、前かがみになったり、お尻が突き出てしまうのを防ぐ効果もあります。

三角のポーズは、胸を開くことで深い呼吸ができるようになり、眠気や倦怠感を解消し、全身に活力を与えて元気にしてくれるポーズです。
また体幹を強化し、股関節の柔軟性も高めてくれます。普段あまり使わない体側をストレッチすることで、骨盤・背骨・わき関節の歪みを解消します。全身に活力を与えて、気持ちを安定させ元気にしてくれるポーズです。

さらに、腰痛だけでなく便秘の改善や血行促進などの効果が期待できるともいわれています。

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ヨガと他のスポーツとの大きな違い・・・これは人と比べたり競ったりするものではないということ。そう言われても気がついたら頑張ってしまい、インストラクターがモデルになっている完成系のポーズに近づきたいという思いが強すぎて、無理な体勢でポーズをとっている方をよく見かけます。

骨格も体型も柔軟性も人それぞれです。できることからゆっくりと、今の自分に合った無理のない範囲でポーズをとることが、結果的には身体を痛めることなく目指す完成系に近づく近道なのです。
綺麗にポーズをとりたい!と思うのは、皆同じ。とはいえ、ポーズの形ばかり気にしていると、ヨガ本来の目的である効果や、心の静寂を感じられなくなってしまいます。こうなってしまうと本末転倒ですので、あくまでも今の自分に合ったポーズを考え、無理なく楽しめるようにしましょう。

三角のポーズの注意点

三角のポーズをとっていて息苦しい・痛い・気持ちよさを感じないと思ったら、ポーズの取り方を見直してみましょう。そう感じる原因が必ずあります。お尻が後ろに突き出てしまうことで、上体が崩れ首がつまってしまって呼吸が浅くなって息苦しくなっていたり、前足に体重が乗りすぎて上体が崩れ、膝が過伸展してしまっていることによる痛みが考えられます。

膝を伸ばしすぎると、膝裏から大腿骨、お尻周りの筋肉に過剰に負担がかかるため、筋肉を痛めてしまう原因になります。特に、ポーズに慣れてきた方に多いのが、この過伸展による痛みです。大腿骨のハムストリングスを深く伸ばしすぎることは、効果も気持ちよさも半減させてしまいますので、痛すぎるところまではやらず、常に気持ちよさを感じるところでやめておくのがポイントです。

できないときはヨガプロップス(補助具)を使ってみて!

初心者の方や身体が硬い人は手の位置を気にしすぎるあまり、身体を前傾させながらポーズをとりがちです。そういうときにはヨガプロップスなどの補助具に片手をおいてポーズをとる方法を取り入れると、無理なく心地良い状態を保つことができます。
先ほども少し触れましたが、ポーズに慣れてきた方に多いのが、無理に伸ばしすぎて痛めてしまうというケース。特にこのポーズでは、太ももの裏のハムストリングスを深く伸ばしすぎる傾向があるため、臀部の筋肉を痛めてしまいます。この痛みが出てしまうと、ハムストリングスから膝裏の筋肉まで影響を与えてしまうため、三角のポーズだけでなく他のヨガのポーズもできなくなってしまいます。

多田羅 理恵監修トレーナーからのアドバイス

IHTA国際ホリスティック協会認定 ヨガインストラクター,APメディカルヨガインストラクター,ベビーヨガレッヂ取得,Studio Maria 登録ヨガ講師

ヨガそのものをお休みしなければいけない状態にならないために、慣れてきたころこそもう一度ポーズを見直す機会としてプロップスを活用し、正しい身体の位置をもう一度確認しながら、徐々にポーズを深めるようにしましょう!

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