上半身を鍛えるうえで忘れてはいけないのが、背筋のトレーニングです。「男は背中で語るもの」なんてよく言われるように、たくましい後ろ姿を手に入れるためには必要不可欠です。そこで今回は、背筋の中でももっとも大きい広背筋を鍛える『ワンハンドローイング』について詳しく解説します。
背中の筋肉を鍛える事の重要性!
澤原 魁門監修トレーナーからのアドバイス
・NESTA公認PFT・日本ボディビル連盟公認指導員・2017年メンズフィジーク日本大会準優勝
背中の筋肉は自分では見えないので、意識するのがとても難しく、また成果が出ているのか確認しにくいため鍛えるのがどうしても疎かになってしまいがちな部位だと思います。
トレーニング初心者の方は、成果が目に見えて比較的分かりやすい体の前面である胸ばかり鍛える傾向があります。
背中の筋肉はとても強く、姿勢に大きな影響を与えます。
例えば椅子に座った時に体の力を抜けば自然と背中は丸まってきますよね。このように背中の筋肉は背筋を伸ばすだけでも使われるんです。このため背中をしっかり鍛えてあげる事がを重要となってきます。
腹筋ばかり鍛えて背筋を鍛えることを忘れていませんか?ヒトの身体の構造は対になっており、腹筋と背筋はまさに互いに対を成すもの。両方を鍛えることの重要性を詳しく解説します。
背中を鍛えることで基礎代謝が上がり痩せやすい体になる
ウエストが細くみえ、体のラインにメリハリが出る
逆三角形
実年齢より若く見られる
年をとれば少しずつですが腰が曲がってきます。これは筋力が弱ってくるのがとても大きく関係しています。そのため、背中を鍛えることで姿勢が良くなり実年齢より若く見られます。
背中を鍛える事でこんなにも沢山のメリットがあるんですね!でも私は澤原さんが最初にいってたように目に見えて成果がわかりづらいので背中のトレーニングはほとんどしてきませんでした。
澤原 魁門監修トレーナーからのアドバイス
・NESTA公認PFT・日本ボディビル連盟公認指導員・2017年メンズフィジーク日本大会準優勝
そうですよね。そういう方は沢山います。あとは意識がとてもしづらい。トレーニングの仕方がわからない、難しい。という方がいらっしゃいます。
でも背中を鍛えることでこれだけメリットがあるなんて知らなかったので、これを気に鍛えてみようかなと思いました!
澤原 魁門監修トレーナーからのアドバイス
・NESTA公認PFT・日本ボディビル連盟公認指導員・2017年メンズフィジーク日本大会準優勝
背中って自分が思っている以上に意外と見られてるので是非鍛えてください!では今日は背中のトレーニング種目であるワンハンドローイングを紹介しますね。
ワンハンドローイングとは
ワンハンドローイングの特徴
この種目は主に広背筋をターゲットに鍛える種目です。
ベントオーバーロウなどのバーベル種目は両手で行うので背中を意識しづらいのですが、このワンハンドローイングは片手で行う種目なのでより背中を意識しやすくなります。また可動域を大きくとれるのがワンハンドローイングの特徴です。
また、片側ずつ動作を行うため、左右で筋肉量に差がある方や、身体のゆがみがあるという方にはワンハンドローイングの方が意識もしやすく、より広背筋にしっかり負荷をのせトレーニングすることができるのでオススメです。
一方で、最初から高重量を扱ったり、正しいフォームや動作への意識を習得していないと、負荷が腕の筋肉へ逃げてしまい背中に効かせられないことがよくあります。効率よく成果を出すためには、正しいフォームと正しい重量で行うことがより大切になってくる種目です。
またワンハンドローイングは広背筋だけでなく、僧帽筋の中部から下部も鍛えることができます。
広背筋を鍛えることで背中の広がりが増し、僧帽筋の中部や下部を鍛えることで厚みが増します。自分の足りないところを狙って効率よくトレーニングしていきましょう。
ワンハンドローイングのやり方・回数・セット数・休憩時間について
胸を張り背筋をまっすぐ伸ばしダンベルをもちます。ダンベルを持つ手の平の向きは、前ならえする時の向きと同じです。
この動作を繰り返します。
回数は、初心者の方であれば軽い重さで20回を3〜5セット行い、セット間の休憩は30秒〜1分程度取るようにしましょう。
ある程度トレーニング経験がある方であれば10〜15回を行える重さを目安に3〜5セット行い、セット間の休憩を1分〜2分程度取るようにしましょう。徐々に重さに慣れてくれば、重さを増やしていき8〜15回が限界の重さでトレーニングを行うようにしましょう。
この際、フォームが絶対に崩れないように重量の設定を行うようにしてください。
そして気合いが入りすぎて休憩時間が短くなりすぎることがないようにしましょう。しっかり筋肉が回復してから次のセットを始めるようにしてください。
筋トレとインターバル(休憩)には、実は密接な関係性があります。それは筋肉を大きくしたい、引き締まった筋肉を手に入れたい、といった筋トレをする目的だけでなく、種目によっても変わります。インターバル1つで効果が劇的に変わるので詳しく解説します。
ワンハンドローイングのコツと注意点
私もワンハンドローイングをやったことがあるんですけど、効いているのか分かりづらくて難しかったです。
澤原 魁門監修トレーナーからのアドバイス
・NESTA公認PFT・日本ボディビル連盟公認指導員・2017年メンズフィジーク日本大会準優勝
確かにフォームやちょっとしたコツを抑えておくことがとても大事な種目ですね
そのコツとか注意することがあれば教えてください!
澤原 魁門監修トレーナーからのアドバイス
・NESTA公認PFT・日本ボディビル連盟公認指導員・2017年メンズフィジーク日本大会準優勝
分かりました。ではワンハンドローイング を行う際のコツと注意点を説明しますね
動作のコツ
実際の動作では、ダンベルを降ろすときは肘を完全に伸ばすのではなく、肘が少しまがった前ならえの状態になります。
引き上げた状態ではおへそのラインぐらいに腕がくるようにします。引き上げる時は、肘を脇腹に擦り付けるような感じで、ゆるやかな円を描く様な軌道で上げてくるといいと思います。
ダンベルの角度は、バーが体とほぼ平行になるように保って下さい
呼吸の仕方
呼吸を意識して行うことで収縮やストレッチをより意識することができ、トレーニング効果を高めることができるのでとても大事です!
グリップの握りのコツ
サムレスグリップで握ると腕に力が入りにくく、ターゲットである背中の筋肉に効率よく効かす事ができる一方で、ダンベルを落としてしまう危険性もあるため最初はサムアラウンドグリップでトレーニングを行うようにしましょう。
高重量のダンベルを使う場合は背中の筋肉が疲労する前に握力が無くなって握れなくなってしまう事が多いので、トレーニング用のリスストラップを使うことをお勧めします。
※サムアラウンドとサムレスの違い
サムは親指のことを言います。サムアラウンドでは4本指でバーを握り、そこにさらに親指をバーに巻きつけて握ります。サムレスグリップは、親指を除いた4本の指でバーを支え、親指は人差し指の隣に添えるだけの形となります。
視線
視線は前方から斜め前ぐらいを見るようにして下さい。真下を見てしまうと背中が丸くなり収縮を意識しづらくなり背中を効率よく鍛えられなくなります。
この視線は動作を行う上で常に意識して行なうようにしてください。
広背筋を意識する
ワンハンドローイングの場合は、広背筋がメインターゲットとなるので、背中を使って引き上げてきます。
動作中は「広背筋を鍛えているんだ!」と意識して行うようにしてみてください。
動作に集中してしまう人は腕で引き上げてしまいがちですが、広背筋を意識することで背中を使って正しい動作で引き上げることができるようになってきます。
重量設定
これだと背中の筋肉ではなく、腕の筋肉や体幹などであげているため思った以上に効果が期待できません。先ほど説明した、回数が無理なく行える重量のダンベルを選び、ゆっくりと丁寧に動作を行うようにしましょう。
澤原 魁門監修トレーナーからのアドバイス
・NESTA公認PFT・日本ボディビル連盟公認指導員・2017年メンズフィジーク日本大会準優勝
重量が重ければ筋肉を鍛えられるというわけでは無いということを忘れないで下さい!
はい、まずは10〜15回をギリギリで行える重量ですね!
対象筋である広背筋に効かすためには、体は床と平行なままを保って終始動作を行うようにして下さい。
収縮とストレッチ
ワンハンドローイングでいうとダンベルを降ろす場面です。
急にダンベルを降ろすのではなく、重りを背中で感じながら3秒ほどかけて丁寧に降ろす事を意識しましょう。
こう見るとコツや注意する点が結構あるんですね。
澤原 魁門監修トレーナーからのアドバイス
・NESTA公認PFT・日本ボディビル連盟公認指導員・2017年メンズフィジーク日本大会準優勝
そうですね。どのトレーニングもそうですが、知れば知るほど意識しなければいけないことが沢山でてきます。
今までのトレーニングでは、ただ動作を行うことに集中していたような気がします。
澤原 魁門監修トレーナーからのアドバイス
・NESTA公認PFT・日本ボディビル連盟公認指導員・2017年メンズフィジーク日本大会準優勝
最初はそれでいいと思いますが、少しずつ余裕が出てきたら鍛えている部位を意識して行うようにすることから始めて見ましょう!それだけで効果は全然違ってきますよ!
ワンハンドローイング以外の広背筋を鍛える種目
バーベルベントオーバーローイング
両手で行うので片手で行うより重量を扱うことができ、より負荷をかけることができます。
また両手で行うので片手で行うワンハンドローイングより短時間でトレーニングを終わらすことができます。
懸垂
初心者の方には、なかなかハードルが高いかもしれませんが誰かに足を持ってもらい補助をしてもらうか、台に乗り懸垂を行い「これ以上あがらない!」という所から自分の足で少し補助を加えて行うやり方がお勧めです。
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デッドリフト
背中の筋肉だけでなく、足の筋肉や体幹など全身の筋肉を鍛えられるので効率が良いです。
しかし、効率がいい反面フォームが難しく腰の怪我をすることがよくあるので注意して行うようにして下さい。
紹介したフリーウェイトで行う種目は一度に複数の筋肉を鍛えられるのがメリットですが、フォームや動作が難しい、怪我がマシンに比べて多いのがデメリットです。
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【プロトレーナー解説】デッドリフトで腰を痛める人は少なくありません。正しい鍛え方とポイントについて解説します。デッドリフトは全身の総動員する数少ないトレーニングとして、是非とも取り入れて頂きたい種目の一つです。しかし、知識もなしに行えばケガをする危険性が非常に高い種目なのでぜひマスターしましょう!
澤原 魁門監修トレーナーからのアドバイス
・NESTA公認PFT・日本ボディビル連盟公認指導員・2017年メンズフィジーク日本大会準優勝
この他にもマシンを使えばもっと効率よく背中を鍛えることができるので是非試してみてください。
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