背中の筋トレ!プルオーバーの効果・種目・フォームを徹底解説!

監修者

原田 直生

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

【プロトレーナー解説】皆さんはプルオーバーの効果をご存知ですか?猫背姿勢や姿勢不良からくる腰痛・肩こり改善、テニスやゴルフなどのパフォーマンスを高めるなど多大な効果がある筋トレ、プルオーバーの効果や種類を徹底的に解説します!魅せれる背中を作りたい方は必見です!

背中の筋トレ、プルオーバーとは?

最近トレーニングメニューにプルオーバーを入れたんですが…

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

背中のトレーニングですね!すごく良いと思います!

それがイマイチやり方がわからず…苦戦中です。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

なるほど。では今回はプルオーバーの効果とフォームを解説していきましょう

プルオーバーで作る逆三角形ボディ

よく両肩からウエストにかけてキュッと締まっているカラダを「逆三角形」と表現します。男女問わず、逆三角形というのはシルエットが綺麗に見える理想的なカラダとされています。
この逆三角形に必要となるのが背中にある広背筋です。広背筋はウエストのくびれの位置(腸骨稜)から上腕にかけて広く付いています。
「寸胴体型」と「逆三角形」への分かれ道は、広背筋が引き締まっているかどうかで大きく左右されてしまうのです。

そこで広背筋のトレーニングとしてよく取り入れられる筋トレメニューがプルオーバー。ベンチに仰向けになり両手をバンザイしたり、戻したり…というトレーニング風景を見たことがあるかと思います。実はプルオーバーは広背筋の停止部を最も引き伸ばした位置(最大伸張位)からトレーニングが出来る数少ない優れた種目なんです!

なるほど〜。苦戦している場合ではないですね…

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

では次にプルオーバーのフォームについて解説します!

プルオーバーの正しいフォームを徹底解説

プルオーバー基本姿勢

①まずはベンチ台に仰向けになります。
(できるだけ足が浮かない高さのベンチ台で行ってください)
②次に両肩甲骨をしっかりと寄せ胸を張ります。
(肩甲骨を寄せる動作で肩がすくまないよう、首は長く保っておいてください)
③両足裏でしっかりと地面を踏み、お腹を凹ませるように力を入れておきます。
(腰とベンチとの隙間に手のひら1枚分が入る空間を開けておいてください)
④最後に寄せた背中・張った胸を崩さないよう両手を天井へ伸ばします。
(上手にできていれば、脇で体温計を挟んでいるような感覚が出ます!)

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

基本姿勢の②・③は動作中でも継続的に意識して下さい!

プルオーバー動作姿勢

①息を吸いながら両腕が耳の横までくるように4秒間かけてバンザイをします。
(動作スピードが早いとケガのリスクが高くなります。ゆっくりと4秒を数えましょう)

②息を吐きながら両手を天井へ2秒間かけて戻します。
(肩の真上に手が来たらフィニッシュポジションとなります)
まずは繰り返し10回行ってみましょう。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

プルオーバーは広背筋の停止部を最大伸張位まで引き伸ばせるトレーニングです。ですが大きな可動域で動かせる反面、関節へかかる負担も考えなくてはなりません。

特にプルオーバーでは手が頭よりも高く上がる「オーバーヘッドポジション」まで肩関節を動かすため、しっかりとしたフォームで行わなければ肩関節脱臼のリスクが高まります。

脱臼をしないためにも絶対にやってはいけないこと

①肩関節内旋位でのバンザイ動作
「手の甲側から」バンザイをするのと「親指側から」バンザイをするのとではどちらが腕を挙げやすいですか…?多くの人は「親指側から」のはずだと思います。

解剖学的に解説すると肩関節内旋位(手の甲側から)ではバンザイをしていく際に上腕骨と肩甲骨とで詰りが生じ可動域に制限が出ます。そうすると広背筋とは別に肩の関節そのものに負荷がかかり、関節が耐えきれない場合は脱臼してしまう恐れがあります。
プルオーバーを行う際は、必ず肩関節外旋位で(親指側から)バンザイを行って下さい。

②過剰な負荷設定
ただでさえオーバーヘッドポジションという肩にとっては不安定な状況になるため、過剰に重たい重量を扱うと耐えきれず脱臼する恐れがあります。
プルオーバーを取り入れる際は扱う重量を下げ、まずはフォーム習得に時間をかけて行って下さい。

プルオーバーの種類と使い分け

なるほど、フォームはわかりました!ですがカラダが硬いのか…全然バンザイ出来ません(;_;)

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

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ではベントアームプルオーバーはいかがですか??

弁当…アーム…?!

ベントアームプルオーバー

一般的なプルオーバーでは、肘をしっかりと伸ばした状態でバンザイを行います。ですが中には柔軟性の問題で腕が耳の横までいかない人も。。
そんな方々にオススメな筋トレメニューがこのベントアームプルオーバーです!肘をあらかじめ90度に曲げておき、肘の角度90度を保ったまま肘でバンザイをするというもの。これだと肩周りの柔軟性がない人でも大きな可動域でトレーニングを行うことが出来るため、しっかりと広背筋へ刺激を入れることができます!

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

注意点は脇を締めておくこと。脇が開いている=肘が外へ開いているとバンザイした時に肩関節の内旋が入ってしまいます。

バーベルオーバーとダンベルプルオーバーの違い

バーベルを使うメリットは何と言っても重量をかけられること。ですがバーベルを使ったプルオーバーでは必然的に肩関節の内旋が入ってしまいます。
そこでアルファベットの「W」のような形をしたEZバーを使うことをオススメします。

EZバーは握る場所によって肩関節の外旋ポジションをつくれるため、肩に無理なく重さを調整することが可能です。

ダンベルプルオーバーは1つのダンベルを両サイドから持ち行います。ダンベルだと肩にかかる負担を出来るだけ減らすことができ、軽い重さで手軽に取り入れやすいです。
ですがトレーニング環境によってはダンベルの重さに限界があるため、重量が不十分になることも。。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

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フォームを習得するまではダンベルを、慣れてきたらEZバーを使ったバーベルプルオーバーを取り入れてみましょう

プルオーバー(マシントレーニング)

トレーニンングジムによってはプルオーバーのマシンが入っていることもあります。マシンを使ったトレーニングはダンベル・バーベルなどを使うフリーウエイトトレーニングと比べ安定した軌道で行えるためケガのリスクが低いです。
肩に既往歴がある方でマシンが使える環境にある人はぜひオススメします。

ケーブルを使ったプルオーバー

ダンベルやバーベルを使った通常のプルオーバーだと、バンザイしたオーバーヘッドポジションから両手を天井に戻した約90度の範囲のみのトレーニングとなってしまいます。
ですがケーブルを使ったプルーバーの場合は立位姿勢で行うためバンザイから「気をつけ」の位置まで動かすことが出来るため、より大きな可動域でトレーニングが可能です。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

マシンもケーブルも、トレーニング環境に左右されてしまうことがデメリットですね…

プルオーバーを上手に使えばウォーミングアップにも!?

いかがでしたか?逆三角形の綺麗なシルエット作りのためにもプルオーバーは欠かせません!!ですがそれだけではなく、実は様々なトレーニング種目の前に行うウォーミングアップとしてもプルオーバーは優れています。

プルオーバーを行うと腹圧が高まり、胸が引き上がった良い姿勢を作ることができます。この姿勢というのはベンチプレスやスクワット、デッドリフトなどのメイン種目を行う姿勢と同じです。
「ボディメイクが目的じゃない!」という方々でも、軽い重量でウォーミングアップとして行うことで肩周りの動きが良くなることはもちろん、その他のトレーニング効果がグンッと高まります!!ご自身のトレーニング環境や肩周りの柔軟性などを考慮した上でプルオーバーをチャレンジしてみてください!

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

パーソナルトレーニングの指導の際もプルオーバーは積極的に取り入れています。ボディライン作りが目的の方々はもちろんですが、肩コリで悩んでいる方、猫背姿勢や姿勢不良からくる腰痛で悩んでいる方々、テニスやゴルフなどのパフォーマンスを高めたい方々にもプルオーバーは大活躍しています!皆さんもご自身のトレーニングメニューにプルオーバーを加えてみてはいかがでしょうか(^ ^)

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