背筋で腰痛になったら鍛え方が間違っている!?正しい方法を伝授!

監修者

松井 薫

■ 国士舘大学 体育学部 体育学科卒 体育学士 ■ 日本医学柔整鍼灸専門学校卒 柔道整復専門士 ■ NESTA-PFT および NESTA-PFT検定官 ■ 柔道整復師(医療系国家資格) ■ 国際資格NESTA日本支部 設立参画理事。 ■ 国士舘大学 理工学研究所 特別研究員

【プロトレーナー監修】背筋を鍛えていたら腰が痛くなった…。こんな経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?理由は一概にトレーニング方法が間違っているだけとは言えません。腰痛の原因から正しいトレーニング方法まで解説します。

腰痛のパターンと改善方法

腰痛にはいくつかのパターンがあります。トレーニングが原因で腰痛になる場合や生まれつきの骨格に偏りがあり腰痛を引き起こしているなどです。

どちらの場合も、正しく背筋をトレーニングで鍛える事で腰痛を克服できるのでまず腰痛の詳しい原因を突き止めましょう。腰痛を引き起こす主な原因を以下に挙げます。

・間違った背筋の鍛え方をしている
・生まれつきの骨格(腰痛になりやすい)
・姿勢が悪い
・偏ったトレーニングにより背筋と腹筋のバランスに問題がある
・一定の動作の繰り返しにより身体(特に腰周り)に負荷が集中してる(立っている、座っている時間が長い、同じ姿勢で長時間いるなど)
・筋肉がしっかりと支えきれない程、体重が重い
殿筋群(お尻の筋肉)が弱く背筋トレーニングに耐えられない

松井 薫監修トレーナーからのアドバイス

■ 国士舘大学 体育学部 体育学科卒 体育学士 ■ 日本医学柔整鍼灸専門学校卒 柔道整復専門士 ■ NESTA-PFT および NESTA-PFT検定官 ■ 柔道整復師(医療系国家資格) ■ 国際資格NESTA日本支部 設立参画理事。 ■ 国士舘大学 理工学研究所 特別研究員

背筋トレーニングに耐えられない殿筋群の弱さも原因の1つです。

どれも腰に負担が掛かる事が原因である事が分かるでしょう。つまり、腰痛を改善する為には腰に掛かる負担を小さくする事、もしくは負担に耐えられるように身体を強化する事が大切です。

上に挙げたように腰痛の原因は様々ですが、腰痛は背筋が本来持っている可動域を取り戻す事(柔軟性の向上)や、大きな負荷にも耐えられるように強化する事が2つの重要なポイントです。

もちろん腰痛の原因である姿勢の改善や、一定の動作の繰り返しなどを減少する事も行う事が必要ですが、この2つに要点を置いて取り組む事で腰痛をなくし、より素晴らしい身体と生活が手に入るでしょう。

松井 薫監修トレーナーからのアドバイス

■ 国士舘大学 体育学部 体育学科卒 体育学士 ■ 日本医学柔整鍼灸専門学校卒 柔道整復専門士 ■ NESTA-PFT および NESTA-PFT検定官 ■ 柔道整復師(医療系国家資格) ■ 国際資格NESTA日本支部 設立参画理事。 ■ 国士舘大学 理工学研究所 特別研究員

ちなみに腰痛は放っておくと慢性化しかねませんし、悪化するとヘルニア等に繋がりかねませんので早めに対処、対策を打つことが大切です。

背筋で腰を痛めないために大切なこと

可動域を取り戻す

歳を取って姿勢が悪くなったり、腰に負荷が掛かり続ける事は血流を悪化させます。また、それによって筋肉の収縮性が失われ、動作が自然と小さくなるでしょう。

これが日常化すると、腰周りは固くなり、背筋の可動域が大幅に小さくなってしまいます。もともと背筋は他の部位の筋肉に比べて可動域が小さい特徴があります。もともと小さな可動域をさらに制限してしまうと、日常生活での動作にも負担になりかねません。

可動域をしっかりと確保する事は腰痛予防、腰痛の改善にも欠かせません。本来、人間の背筋がもつ可動域を取り戻す事はダイナミックな動きを可能にしてくれますし、より背筋の動く範囲が広がれば、血流が良くなり、柔軟性が上がりより背筋の可動域が高められる良いサイクルに入る事ができるでしょう。

腰を痛めない背筋の鍛え方を行う

背筋を強化する方法は沢山あります。自宅で簡単に行える基本的な背筋運動から、ジムで100kgを超えるデッドリフトなどで鍛え上げる事も可能です。

どの鍛え方をするにしても、大きな可動域を利用して鍛えましょう。そして背筋の収縮のみによって動作を行う事が何よりも大切なポイントです。

シンプルで常識的な事ですが、この2つをしっかりと守ってトレーニングを行ている方はかなり少ないのが現実です。動作に勢いをつけてしまったり、本来の目的である背筋以外の筋肉を収縮させていたりするケースがかなり多いので、意識的に背筋のみの収縮で動作を行うようにして下さい。

この2つの事を守って背筋を鍛えれば、必ずしも大きなダンベルや負荷を利用しなくても効果的で効率良く背筋のトレーニングが可能になるでしょう。勿論、腰痛の改善や撃退にも繋がります。

松井 薫監修トレーナーからのアドバイス

■ 国士舘大学 体育学部 体育学科卒 体育学士 ■ 日本医学柔整鍼灸専門学校卒 柔道整復専門士 ■ NESTA-PFT および NESTA-PFT検定官 ■ 柔道整復師(医療系国家資格) ■ 国際資格NESTA日本支部 設立参画理事。 ■ 国士舘大学 理工学研究所 特別研究員

背筋は正しく行わないと、無駄な負荷が腰に掛かり腰痛のきっかけになったり悪化を促すので、正しく鍛える事が重要です。

腹筋と背筋のバランスを整える

背筋の動作は反動を使うと背筋の力を使わないのでトレーニングの効率が悪いだけでなく、腰を痛めることもあるので気を付けましょう。

背筋にしっかりと負荷が掛かっている事を確認し、自分の体の動きをコントロールするようにして下さい。特にデッドリフトなどの大きな負荷が掛かっている場合は腰痛を引き起こす原因になりかねません。

また、左右平等に持ち上げることで、左右のバランスを保ちながら鍛えられるでしょう。左右のバランスが微妙に崩れるだけでも腰痛に発展する可能性があるので、背筋のフォームなどに癖がある場合は、出来る限り綺麗なフォームで取り組むよう心がけて下さいね。

更に、背筋を鍛えたら腹筋も鍛えることで身体の前後のバランスを保つ事も大切です。

腹筋と背筋の理想の比率は1 : 1.75です。腹筋と背筋は大きさや長さが微妙に異なり、背筋の方が大きく長いため、このような比率が理想になるのです。腹筋運動を20回やるのであれば背筋運動は35回行うといいでしょう。

腰を鍛える筋トレ

① 基本的な背筋運動

背筋運動は、小学校の体育の時間に誰もが経験しているはずです。しかし、正しいフォームで身体に無駄な負荷が掛からずに、筋肉に効率的に負荷を掛ける技術が身に付いている方は少ないようです。

多くの方は動作の反動を利用したり、可動域を生かし切れていないまま背筋運動を行っています。ゆっくりと呼吸をしながら、動作と呼吸を同時にコントロールする事も重要なポイントです。

①うつぶせになって寝転がり、両手両足を軽く広げましょう。
両手を前へ両足を後ろへ、できる限り遠くに引き伸ばしましょう。自然と手足の指がピンと伸びた状態になるはずです。
手の指先から足の指先までが一つの線で結ばれているようなイメージをする事が出来たら完璧です。

②ゆっくりと息を吸い込みながら、体を反らせましょう。背筋の収縮で体が持ち上がる限界のところまで動作を続けます。
この時に両手&両足が地面から離れて宙に浮きますが、手足を上げるのではなく、背筋が収縮する事で胴体が反った状態になる事で手足が自然と上がるようにして下さい。

必要以上に手足を高く上げる必要はなく、背筋の可動域を最大限に収縮させる事に集中しましょう。手を上げるのは背筋のトレーニングではありません。肩や腕の筋肉を使うので、背筋のトレーニングにはなりません。

③体が反りきった状態になったら、今度は息を吐きながらゆっくりと身体を下ろして下さい。
この動作も背筋の収縮をコントロールしながら行うように心がけて下さい。
呼吸と背筋の動作を共に意識する事で、動作をスムーズに行えるようになるはずです。

② ダイアゴナルバランス

違ったバリエーションで背筋を鍛える為のお薦めメニューです。

①まず地面の上でよつんばいになって下さい。背筋を伸ばして、腕は肩の真下に、膝の角度は90度である事を確認しましょう。
お腹と背中周りの筋肉に意識を集中させてドローインの状態を作るとより効果的にトレーニングに取り組めるでしょう。

②右腕と左足を同時に持ち上げていきます。
右手の指先と左足の指先が一直線になるように、身体からより遠くに引き延ばす様なイメージを持ちながらこの動作を行って下さい。
息はゆっくりと吐き出しながら行います。

ただ腕と脚を上げるのではなく、しっかりと背筋を収縮させる事に意味があります。背筋が収縮する事で、肩甲骨が内側に引き寄せられ、肩が上がるのでその動作の延長で腕が上に上がる仕組みです。

また、背筋が収縮する際にお尻周りの筋肉が連動して縮まるので、お尻が閉まって腿裏の筋肉が引っ張られて足が持ち上げられます。初めのうちは少し難しく感じるかもしれませんが、継続するうちに体で覚える事ができるでしょう。

③息を吸い込みながら、右手左足を下ろして①の状態に戻していきます。
この時も背筋の収縮に意識を集中させて、動作をコントロールしながら取り組んで下さい。

④今度は左手と右足で同様の動作を繰り返して下さい。
これを20回×3セット程行いましょう。

腰痛を防ぐ背筋への意識の持ち方

これは基本的な解剖学ですが、筋肉は骨と繋がっていて、筋肉が収縮する事で、骨格が引っ張られる事により、身体の動作が可能になります。

骨盤(骨格)を意識して生活する、トレーニングを行うと背筋や腹筋の性格な位置や動きが何となく分かるような感覚が手に入るでしょう。

背筋の動作が感覚的に理解できるようになると左右のズレや筋肉緊張を察知できるようになるので、身体のバランスを整えて改善する事が自然と出来るようになるでしょう。自然と歪みも改善されてます。歪みの改善は姿勢の改善に繋がり、姿勢の改善にはイメージアップは勿論、便秘改善によるダイエット効果など沢山の効果が期待できます。

背筋は自分の背後にあり見る事の出来ない筋肉ですので、骨盤の動きを意識する事で感覚的に背筋を理解できるようになると、さらに効果的に筋トレに取り組めるようになるでしょう。毎日の生活の一部やトレーニングの動作の最中に意識的に骨盤を意識してみてください。

腰痛を防ぐための背筋の鍛え方に関するまとめ

●腰痛の原因は間違った背筋トレーニング、生まれつきの骨格、悪い姿勢など腰に負担が掛かる事。
●腰痛の改善方法に大切なのは背筋の柔軟性を高めて可動域を大きくする事、大きな負荷に耐えられるように正しく鍛える事の2つ。
●背筋は正しいフォームで行う。勢いは使わない。また、腕や足の筋肉を使わない事がポイント。また、おいきな可動域を確保して取り組む事も重要。
●骨盤の動きを意識して、身体の背後にあり目に見えない背筋の筋トレを効果的にする。

世界中で多くの人が患う腰痛になるのは絶対に防がなければなりません。
今回紹介した背筋の鍛え方や柔軟性を大切に守り、腰痛知らずの人生を送りましょう。

松井 薫監修トレーナーからのアドバイス

■ 国士舘大学 体育学部 体育学科卒 体育学士 ■ 日本医学柔整鍼灸専門学校卒 柔道整復専門士 ■ NESTA-PFT および NESTA-PFT検定官 ■ 柔道整復師(医療系国家資格) ■ 国際資格NESTA日本支部 設立参画理事。 ■ 国士舘大学 理工学研究所 特別研究員

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