デッドリフトで鍛えられる筋肉部位

編集部

最近、筋トレを始めたのですが、デッドリフトは危険だけど効果が高い種目と聞いたことがあります。デッドリフトは具体的にどういう種目なのでしょうか。

又吉 孝昭 監修トレーナーからアドバイス

パーソナルトレーニングスタジオSCOPE代表 M.Ed(修士:健康スポーツ教育学)、全米公認S&Cスペシャリスト(CSCS*D),全米公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT*D)、NSCA認定検定員、健康運動指導士、保健体育科教員専修免許状、保健体育科教員一種免許状

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デッドリフトは、筋トレの中でも特に効果の高い種目である「BIG3」のスクワット、ベンチプレスに並ぶメニューの一つです。怪我のリスクも高い反面、正しく行えば絶大な効果を得ることができますよ。それではまず、デッドリフトで鍛えられる筋肉の部位と効果から解説していきます。

デッドリフトで鍛えられる筋肉部位

姿勢保持筋である背筋下部(脊柱起立筋)、お尻(大臀筋)、ももの裏(ハムストリングス)をなど身体後面の筋群(ポステリアチェーン)を効果的に鍛える非常に優れたエクササイズです。

◯背筋下部(脊柱起立筋)

◯お尻(大臀筋)

◯ももの裏(ハムストリングス)

デッドリフトを行うことで得られる効果

効果1:美しい姿勢

姿勢を保持するために必要な背筋お尻腿の裏などの身体後面の筋群を効率的に鍛えれます。

人の身体は重心線は「やや前」になっているため、この身体後面の筋群が強くないと姿勢を維持することはできません。

姿勢の悪さによる肩こり、腰痛に繋がることだけでなく、姿勢が悪いことによる「見た目の若さ」にも大きく関わります。

効果2:下肢機能アップ

歳を重ねると「立つ」「座る」「歩く」などの日常生活においても身体後面の筋肉(膝関節伸展筋群)の動員が小さくなり身体前面の筋肉(股関節屈曲筋群)がより動員されることが研究で分かってきているので、合理的に素早く下肢機能を改善させるためにも身体後面の筋肉を強く意識すべきです。

特にスポーツ選手はスプリントやジャンプなどのパワー動作において最大速度や最大パワーを発揮させるために身体後面の筋力向上は極めて重要です。

効果3:腿の裏(ハムストリングス)の柔軟性向上

ハムストリングスなどの股関節周囲の筋肉は人間の身体の中で硬くなりやすい筋肉と言われています。膝をやや曲げて行うルーマニアンデッドリフトなどで下ろす際、ももの裏の筋肉(ハムストリングス)を伸ばす意識を持つことで硬くなりやすい筋肉の柔軟性向上も期待できます。

効果4:ヒップアップ効果と脚長効果

動作の中で膝が前に出て腿の前(大腿四頭筋)が常に緊張しているタイプの人は足が太くなりやすいと言われています。

その動きのパターンを変えるために身体の後面に刺激を入れるデッドリフトは最適です。

股関節を伸ばす筋肉(股関節屈曲筋群)であるお尻の筋肉(大臀筋)を刺激できるのでヒップアップ効果が期待できます。

ヒップが上がれば脚が断然長く見えるので脚長効果も期待できます。

最近、多くのモデルさんや女優さんがデッドリフトを導入している風景を見るのはこのためだと思われます。

効果5:成長ホルモン分泌アップで脂肪燃焼効率アップ

大きい筋肉を使った、複数の関節を使用する運動は成長ホルモンの分泌を高めます。

スクワットと同じようにデッドリフトも成長ホルモン分泌と高めるエクササイズの一つです。

さらにウエイトを重くして行うことにより平常時の何倍もの成長ホルモンが分泌されます。

この成長ホルモンは脂肪分解を活発にしてくれるホルモンでもあるので、エクササイズによって脂肪の燃焼率を上げる素晴らしいエクササイズです。

効果6:女性には嬉しい背骨や脚の骨密度アップ

姿勢を保持しながら脊柱(背骨)に負荷をかけれる運動(専門的にはストラクチュラルエクササイズと言います)なので下肢だけでなく、背骨の骨密度もアップする。

背骨の骨密度が低いと「いつも間にか骨折」と呼ばれている圧迫骨折が高齢になると起こってきます。

骨粗鬆症は男女比が1:9と圧倒的に女性に多いので、女性にとってこのエクササイズは見た目を良くするだけでなく、健康にも大きく関わっています。

デッッドリフトのやり方

ここでは主に行われている2種目のデッドリフトについて解説します。

デッドリフト(スタンダード)

スタンダードなデッドリフトです。


①足幅は肩幅よりやや広めにしてバーをオルタネイティッドグリップ(バーの握りを交互にする)で持つ
②バーベルを下から胸を張った上体のまま膝と股関節を使って持ち上げる。上体の角度を保ったまま挙上するのがポイントです。ここでお尻から上がってしまうと腰が曲がりやすくなってしまうので注意しましょう!
③腰が曲がらないように注意しましょう


ルーマニアンデッドリフト

膝をやや曲げた状態をキープしたまま、股関節を曲げ伸ばしする最近デッドリフトの中でもよく行われている種目です。

スタンダードなデッドリフトとの違いは上体の倒れ方と膝の使い方です。それにより背筋、お尻、ももの裏などの刺激がより一層強くなります。その分、フォームがしっかりしないと腰部に大きな負担をかけることになります。


①足幅は肩幅よりやや広めにしてバーをオルタネイティッドグリップ(バーの握りを交互にする)で持つ
②バーを持ち上げた状態から膝をやや曲げた状態をキープし、上体を前に倒す(お尻を後ろに引く)。
 ここで膝が曲がりすぎてはスタンダードなデッドリフトになってしまうので気を付けましょう!
③ハムストリングスの伸びを十分に感じられたら起き上がってくる。


デッドリフトの注意点と効果を出すのに必要な期間

デッドリフトの注意点

①下降時、腰が反ったり曲がったりしない

腰椎はStability Joint(動きの中で安定していなければいけない関節)なので、動作中で腰が反ったり曲がったりする動きは絶対にしてはいけません。特に身体が前傾するデッドリフトのようなエクササイズでは腰が曲がりやすいのでしっかり胸を張って脊柱をまっすぐに保つように行いましょう。自己流で行うより、ジム内のインストラクターなどにフォームをチェックしてもらってください。

②バーが身体から離れない

バーが身体から離れると腰部の負担が増えます。常にバーは身体の近い部分を通るように行いましょう。

③フォームをしっかり身につけてから重量を重くする
誤ったフォームでの実施は腰部傷害を招くので、導入時はウッドバー(木の棒)やパイプなど軽いバーを利用して行うと正しいフォームを身につけやすい。

トレーニングの効果が出る期間

週1回なら3ヶ月から4ヶ月、週2〜3回なら2ヶ月くらいで効果が出てくると思います。まずは正しいフォームをしっかり覚えて、徐々に重りを上げていきましょう!

デッドリフトのバリエーション

ストレートレッグデッドリフト

膝を伸ばしたまま行うデッドリフトでハムストリングスに強烈に刺激が入るエクササイズです。

ハスムトリングスが硬い人は下ろす際にしっかり筋肉の伸びを感じることで鍛えるだけでなく柔軟性の向上も期待できます。

シングルレッグデッドリフト

片脚で行うデッドリフト。

片脚で体をコントロールするので、難易度が高いエクササイズです。
片脚での安定力を高めたい上級者向けのトレーニングです。

また、動きをコントロールすることで軽い重りや自体重でも十分トレーニングになる種目です。

スモウスタイルデッドリフト

足幅を広くしてつま先と膝をやや外向きにして行うデッドリフト。

身体を前傾する姿勢になるとどうしても腰が曲がってしまう方や股関節が硬い人にオススメのデッドリフトです。

ダンベルデッドリフトでもバーベルデッドリフトと同じ効果が得られるか?

基本的には同じ動きなので同じ効果は得られます。ただバーベルの方が両手で持つこともできるので安定することと高重量が持てますので、アスリートなど負荷を大きくしたい場合にはバーベルがいいと思います。

又吉 孝昭 監修トレーナーからアドバイス

パーソナルトレーニングスタジオSCOPE代表 M.Ed(修士:健康スポーツ教育学)、全米公認S&Cスペシャリスト(CSCS*D),全米公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT*D)、NSCA認定検定員、健康運動指導士、保健体育科教員専修免許状、保健体育科教員一種免許状

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いかがでしたか?デッドリフトは姿勢改善や運動機能アップだけでなくヒップアップ、骨密度アップなども期待できるスーパーエクササイズ!ぜひ日々のトレーニングの中の一つとして行いたいエクササイズです。

(参考文献)
1.Chris Beardsley,Bret Contrereras,The Increasing Role of the Hip Extensor Musclature With heavier Compound Lower-Body Movements and More Explosive Sport Actions.Strength&Conditioning Journal Volume36,Number2,page49-55,2014
2.Bret M.Contreras,Jhon B,Cronin,Bred J.Schoenfeld,Roy J.Nates,Gui Tiryaki Sonmez,Are All Hip Extention Exercises 3.Created Equql? Strength&Conditioning Journal Volume35,Number2,page49-55,2013
4.Chris Beardsley,Lower Body Resistance Training for the Elderly Population,Performance training Querterly Volume1,Number2,page12-15,2015
5.Thomas R Baechle,ストレングストレーニング&コンディショニング第3版,ブックハウスHD,2010
6.NSCAジャパン レベルアッププログラムレベル1講習会テキスト,2016,NSCAジャパン
7.Zatsiorsky VM.Science and Practice of Strength Training.Champsign IL:Human Kinetics,34-43,1995
8.Strength&Conditioning Journal NSCA Japan デッドリフトエクササイズ Vol.24,No7,p14-19,2017

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