脊柱起立筋とはどんな筋肉?

脊柱起立筋は頚椎から骨盤にかけて、背骨に沿って走っている非常に細長い筋肉です。またこの筋肉は1つの筋肉で構成されているわけではなく、大小様々な筋肉をまとめた「棘筋」「腸肋筋」「最長筋」という3つの部位によって構成されています。

筋肉は大きくアウターマッスルとインナーマッスルに分類されますが、脊柱起立筋にはこの両方の性質を持った筋肉があるのも特徴の1つです。

脊柱起立筋は上下に非常に長い筋肉ですので、人間が二足歩行で生活する以上、ほぼ全ての動きに関わっているといっても過言ではないくらい、非常に多いな役割を持っています。

脊柱起立筋の作用

脊柱起立筋には多くの作用があります。例えば

・体幹の側屈や回旋
・姿勢の保持

などです。
脊柱起立筋が伸展すると上体を前屈する動きに繋がり、収縮すると上体を反る動きに繋がります。また、片側だけ収縮することで回旋運動をサポートします。

しかし現代人にとって最も重要で関心のある作用は2つ目の「姿勢の保持」ではないでしょうか?姿勢の保持が崩れることで(つまり猫背や反り腰など)肩こりや腰痛など様々な身体の不調をきたしてしまうからです。

背骨は直立している人間の体重を支えるため、骨盤から頚椎にかけてS字カーブのようになっています。脊柱起立筋はこのカーブを支える作用を担っていたり、立っている時や走っている時など様々な動作をしている時の、運動の安定性を確保してくれます。この筋肉が弱くなると、その分姿勢が不安定になってしまうのです。

脊柱起立筋が弱くなると腰痛の原因につながる?

脊柱起立筋が人の姿勢の保持でとても重要な役割を持っていることがわかりました。普段仕事などでデスクワークが多い方は、前傾姿勢が長時間続くことになります。脊柱起立筋は主に体を反らす時に働き、それによって背骨のカーブを支えています。

しかし、前傾姿勢が続いてこの筋肉が使われなくなることで、脊柱起立筋が弱くなったり柔軟性が失われて硬くなってしまうのです。

そうすると、背骨のS字カーブがなくなってしまったり、あるいは逆に姿勢を維持しようとこのカーブが極端になってしまいます。そうした体の変化の結果起きるのが「腰痛」です。

腰痛の原因は骨盤やその周辺の筋肉など、非常に多岐に渡ります。そうした数々の原因の1つとしてあげられるのが、脊柱起立筋が弱くなっている、硬くなっていることがあります。

脊柱起立筋を鍛えるトレーニングの中には、骨盤や背骨の矯正に関わっている他の筋肉を鍛えられる種目も多くあります。脊柱起立筋を鍛えることで、慢性的な腰の悩みを改善させるきっかけになるというわけです。

ちなみに、綺麗な姿勢を保持して腰痛の予防をするには脊柱起立筋だけのトレーニングでは足りません。上体を安定させるためには腰回りの腹筋や体幹などの筋肉もバランス良く鍛えることが大切ですので、脊柱起立筋ばかりを鍛えることはやめましょう。

懸垂は脊柱起立筋ではなく広背筋を鍛える

背中の鍛え方というのは様々なトレーニング方法がありますが、その中でも特に有名なのが「懸垂」でしょう。皆さんも、学校の部活動やスポーツテストで懸垂を経験した方は多いのではないでしょうか?

懸垂は、筋トレでは「チンニング」とも呼びます。そしてこの種目は、背中の中でも広背筋や僧帽筋の下部、大円筋といった筋肉が鍛えられます。

チンニングは鉄棒やバーなどを握り、肩甲骨を動かすことで体を上下に動かすトレーニングです。そして先ほど挙げた筋肉は、主にこの肩甲骨の挙動に大きく関連する筋肉が鍛えられ、背骨に関連する脊柱起立筋にはあまり刺激が入りません。

背中は非常に筋肉の種類が多く、その働きも変わってきます。そのため脊柱起立筋を鍛えるトレーニングでは、広背筋などへの刺激が入らないものも多いです。

もしも全体的に広がりの背中を作りたい、背筋力を総合的に高めたいという場合は、今回紹介するトレーニング以外に懸垂も取り入れていくようにしましょう。

脊柱起立筋の鍛え方4つ

①バックエクステンション


「バックエクステンション」は、自重トレーニングで脊柱起立筋を鍛えられる代表的な種目の1つです。道具も必要ないので、自宅で簡単に実践できます。

バックエクステンションはうつ伏せになって行います。両手を後頭部で組む人がいますが、動作の邪魔になるので両耳の後ろに添えるだけでも十分です。この状態から、脊柱起立筋の収縮を感じながら腰を反らして上半身を持ち上げましょう。

上半身を反らしたところで静止して、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。この時上半身は床につけず、少し浮かせたところから一連の動作を繰り返すようにしましょう。

脊柱起立筋の注意点は、腰を反らしすぎないところです。脊柱起立筋を大きく動かうと上半身を大きく持ち上げようとする人も多いのですが、そうすると腰への負担が強くなるだけでなく、下半身が動いたり反動がついたりとかえって脊柱起立筋への刺激が逃げてしまいます。

このトレーニングは基本的にスロートレーニングの要領で、ゆっくりとした挙動を基本に行うようにしましょう。

バックエクステンションは10回3セットを目安に行います。

【バックエクステンションをもっと詳しく知りたい方はこちら】

②ハンドトゥーストレッチ


「ハンドトゥーストレッチ」は脊柱起立筋のほか、姿勢を維持させるために腹横筋などお腹まわりの筋肉も刺激することができる自重トレーニングです。

このトレーニングは腕立て伏せのように、うつ伏せになってつま先と両手で体を支えた状態がスタートポジションになります。この時、手足は肩幅よりもやや広くした状態でスタンバイしましょう。そうしたら、背筋を伸ばしたまま片足をゆっくり持ち上げていきましょう。

ポイントとしては、足はお尻よりも高い位置まで持ち上げるという点です。この時に大臀筋や脊柱起立筋が収縮されるのを意識してください。足を持ち上げたら静止して、ゆっくりと足を下ろしてください。足は床につけず、ギリギリの位置まで下げてまた持ち上げるようにします。

このトレーニングは、足以外が動かないよう姿勢をしっかり維持させることが重要です。

ハンドトゥーストレッチは、左右10回3セットを目安に行いましょう。

両手両足を伸ばした状態で行うのが難しいという方は、例えば肘をついて行う「エルボートゥーストレッチ」や膝をついて行う「ニートゥーストレッチ」などの筋トレメニューに変えて行うといいでしょう。このように、強度を手軽に調整できるのがこのトレーニングのメリットです。

【ハンドトゥーストレッチをもっと詳しく知りたい方はこちら】

③デッドリフト


デッドリフトは筋トレのBIG3に数えられるほどのメジャーな種目で、脊柱起立筋を中心にハムストリングスや大臀筋などの体の背面の筋肉を幅広く鍛えることができます。このトレーニングは基本的にバーベルを使うことが多いのですが、ダンベルでも実践可能です。

ダンベルで行う場合、直立してダンベルを持った状態がスタートポジションになります。ダンベルは体の脇ではなく、太ももの前で持つようにしましょう。

スタートポジションの姿勢になったらお尻を後ろに突き出す動きに連動して、膝を曲げて上半身を前傾させていきます。この時、太ももの裏からお尻、背中にかけてがストレッチしていくのを感じながら行いましょう。

だいたい股関節が30度くらいになるまで体を倒したら、静止してゆっくりと元の姿勢に戻りましょう。動作中、ダンベルは体から離さずに太ももからふくらはぎを沿わせるように動かします。

デッドリフトで気をつけるのは腰です。運動中に背中を丸めてしまうと腰痛やギックリ腰の原因になってしまいます。運動中は背筋を伸ばした状態を維持するのを忘れないようにしましょう。

デッドリフトは10回3セットを目安に行ってください。

【デッドリフトをもっと詳しく知りたい方はこちら】

④スクワット


こちらも筋トレ種目BIG3の1つ、「スクワット」です。スクワットは主に下半身を鍛える筋トレですので、あまり脊柱起立筋は意識することはないかもしれません。しかし、腰を落とした際など動作中は常に背筋を伸ばして行うためには脊柱起立筋は使います。

ただ、自重で行うスクワットではあまり脊柱起立筋を鍛えることはできません。バーベルを背負っておこなう「バックスクワット」では、重いバーベルを担いだ状態で背筋をしっかりと真っ直ぐな状態に保持する必要があり、ここで脊柱起立筋を大いに使うのです。

バックスクワットは初心者には難しいかもしれませんが、無理のない重さから行ってみてください。以下にやり方を解説します。

パワーラックなどにバーベルを設置し、その真下に身体を置きます。そのまま両手でバーベルを持ち、バーベルを首の付根に置きましょう。あとは通常のスクワットとやり方は同じです。

腹筋に力を入れて背筋を伸ばしたまま、腰を落とします。重心は足裏全体にかかるようにし、膝がつま先より前に出過ぎないようにしましょう。
お尻の筋肉を意識しすぎて後ろに重心が行き過ぎるとバランスを崩して倒れてしまう危険もあるので注意してください。

まずは10回3セット行える重さで行いましょう。

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脊柱起立筋を鍛えて安定感のある体づくりをしよう!

脊柱起立筋の役割や鍛え方を解説してきました。この筋肉は日常生活やスポーツにおいて、体の姿勢の保持や安定性を高めてくれるとても大切な役割があります。普段猫背気味だったり腰痛を抱えているという方は、今回紹介したトレーニングでこの筋肉を鍛え、安定感のある体づくりにチャレンジしてみてください。

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