ぎっくり腰の予防方法とは?原因を知り正しく対策しよう!

監修者

安藤 実花

理学療法士、ヨガインストラクター、アロマ検定1級

【専門家解説】ぎっくり腰の原因は、背中の筋肉の硬さだけではない!色々な原因があっての腰痛症状です。自分に思い当たる原因を知り、生活の中で気を付けることのできる姿勢、続けられる運動などを分かりやすく解説していきます。

ぎっくり腰の予防のために今の自分と向き合うことが大事

安藤 実花監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士、ヨガインストラクター、アロマ検定1級

この記事を見ているほとんどの方は、「今までに1度は、ぎっくり腰になったことがある。」という痛み経験していると思います。

改めてぎっくり腰と聞かれると「何だろう?」と思う方も多いと思いますし、痛みの正体(どういう病態のものか)を知ると安心することも多いのでまず、解説していきます。

ぎっくり腰の正体

ぎっくり腰と言うのはあだ名みたいなもので、本名は、「急性腰痛症」と言います。その名の通り、急な腰の痛みがあります。姿勢を変えた瞬間や重量物を持ち上げた際に痛みが起きる時が多いです。椎間関節(上の腰椎と下の腰椎が重なっている部分)の捻挫・筋肉損傷・筋膜性の炎症などを総称した症状を指します。

急激な疼痛はありますが、軟部組織(骨格以外の腱・靭帯・筋膜・脂肪組織・皮膚の結合組織と血管・神経などの末梢神経組織の総称)の修復が進むと軽減してきます。(症状によりますが数日~2週間ほど。)
この症状を繰り返して、椎間板に負荷がかかり、突出して神経を圧迫してしまうのが良く耳にする、「腰椎椎間板ヘルニア」です。

「腰痛を甘く見てはいけない。」というのは、腰痛には色々な病気やケガの予兆が隠れているという事です。

腰痛は、男女共に加齢をしていくと発症率が多い(70代以降になると脊椎自体に硬さが出てくるので発症しにくい。)ですが、女性に関しては、産前産後のホルモンのバランスや妊娠中に大きくなるお腹とのバランスをとるために気付かず姿勢が崩れ、出産後は、子育て中の抱っこや授乳の仕方により、発症することがあります。出産時、痛みがあっても特に何もせず(子育て真っただ中だと自分にかける時間がなかなかないという点もある。)に10年、20年後になにかのきっかけで症状が出てくるケースが多いので、痛みがある時は、しっかり休むことと適切な時期にケアをしていくことが重要です。

痛みは、怖い!と思いますが痛みを感じる事は、自分の体が壊れる前に出してくれている大切なお知らせなので、今度、痛みに遭遇してしまった時は、自分の行動を少し振り返ってもらうことも良いと思います。おおまかな原因を知ることで、ただ漠然と不安に思っていたことが改善されるので知ることって大事ですね。

次の項目では、腰痛の原因部位を少し掘り下げて話していきます。

腰痛の人は股関節が硬い?

腰痛の原因は、さまざまですが今回は、腰椎と股関節、それを繋ぐ骨盤に着目して解説していきます。

腰椎・骨盤・股関節の関係は、密接

腰椎・骨盤・股関節は、関連して動いています。骨盤が後ろに傾く(後傾)と背中が丸まります。(腰椎屈曲)。逆に骨盤が前に傾く(前傾)と背中が伸びます(腰椎伸展)。座位でこの動きをやると分かりやすいと思います。
腰椎屈曲位の状態を継続していると椎間板への負担が増し、腰痛症状を誘発させます。

デスクワークなどしている人は、いわゆる猫背のような姿勢での作業を長時間しないことが大切です。PCに自分が近づくのでなく、機械の位置を変えるなど工夫していくことも大事です。

そしてなぜ股関節が硬い人が腰痛に繋がるのかと言うのは、解剖学的に腰椎・骨盤に付着している筋肉が非常に多く、重要な血管が近くにあることが大きく関係しています。股関節が硬く動きに制限が出るということは、その代償を骨盤や腰椎で担うようになり、周囲の血液循環が低下し、ストレスに対する修復も遅れてきます。

人の身体は、恒常性(常に一定な状態)を保てるようにできていますが不良姿勢のようなストレス状態が続くと歪が出てきて、痛みとなります。腰痛は、股関節だけが全てでないですが腰痛の人で股関節の柔軟性がある方は、経験上、非常に稀だと感じています。

自分は、腰痛持ち、そして運動不足で身体(特に股関節が硬い・・)と実感している方は、次に説明するセルフケアをお家で取り入れることをお勧めします。

自宅でできる腰痛改善運動|ヨガ

(今回は、ヨガ編)腰痛ってなぜなるのか?と言う点は、ご理解いただけましたでしょうか?ここから3日坊主でもできるお家で簡単!セルフyogaを3ポーズお伝えします。
就寝時と起床時、寝る流れと起きる流れに沿って行ってもらえばOKです!

お布団でできる、毎日のヨガポーズ

①猫が伸びるポーズ
四つ這いスタートです。四つ這いは、肩関節の真下に手首・股関節の真下に膝のお皿が来るように姿勢を取ります。
ここからお尻の位置は、動かさずに手だけ前に伸ばしていきます。伸ばし切ったらおでこを布団につけて呼吸しながらキープします。この状態で腰が痛い方は、四つ這いからお尻を踵につけるようにするポーズ、チャイルドポーズに変えてもOKです。

②胎児のポーズ

次に仰向けになります。ここから両膝を抱えます。腰が痛ければ片足ずつ抱えても大丈夫です。

③ワニのポーズ(簡単バージョン)

仰向けの姿勢から両膝を立てて左右どちらかに倒します。倒した方にて、全身の力を抜いて、呼吸を続けます。左右行います。

就寝時は、①→②→③、起床時は、③→②→①の順で深呼吸して10秒ほどキープしてみてください。

安藤 実花監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士、ヨガインストラクター、アロマ検定1級

どうでしょうか?できそうですか?まずは、3日!できそうなら1週間、2週間と習慣化してみて下さい。セルフケアの習慣化のポイントは、「簡単・楽しく」です!

はい!やってみます!

腰痛予防にオススメなグッズ

安藤 実花監修トレーナーからのアドバイス

理学療法士、ヨガインストラクター、アロマ検定1級

腰痛についての知識理解、家で簡単にできるセルフケアを学んだところで最後に私のオススメの腰痛予防グッズをお伝えします。

<腰痛予防に最適なグッズベスト3>

①バランスポール

バランスポールお風呂上がりのストレッチの一環で使用する道具にバランスポールはおすすめです。初めての方は、急に大きなポールで行うのでなく、ハーフポールやバスタオルなどを使うのが良いです。バスタオルであれば、細長く巻きます。

少しだけポールないし、タオルの上にお尻を乗っけてそのまま背骨のラインに当たるようにゆっくり仰向けになります。姿勢を取れたら力を抜いて左右にコロコロ転がります。両腕の力を抜いて胸郭を広げて深呼吸すると上半身からリラックスできます。

もう一つ利点がありまして、バランスを取りながら呼吸をすることでインナーマッスルを使う筋トレにもなっています。一石二鳥な道具です。スポーツ店などで取り扱いが多いと思います。

②アロマエッセンシャルオイル

腰痛症状は、外傷性の原因もあれば、精神的な原因があると言います。どちらの状態でも、アロマエッセンシャルオイルは、使うことが可能ですが特に疲労の蓄積や原因が思い浮かばない(そこは、自分自身の行動を振り返る良い機会で腰痛が出現しているかもしれないのでゆっくり休むことが大事です。)、後者の原因の場合に植物の力を使いながらケアをすることが大事です。

忙しく、暑い日が続くとシャワーで済ませがちな入浴タイムにお好きな香りをセレクトしてアロマバスにして温まる、就寝時に空間にディフューザー(機械を使って、空気中に散布)することで癒し効果が期待できます。香りは、脳に到達するまでに約0.2秒かかります。痛みのスピードが0.5秒と言われているのでそれよりも早く感じ取ることができる嗅覚。アロマエッセンシャルオイルを使って、緊張状態の脳をリラックスさせていくこともお勧めします。
(アロマエッセンシャルオイルを使用するにあたって必ず、用法用量を確認の上、詳しい方に聞きながら安全に取り入れていくことをお勧めします。)

③コルセットやトコちゃんベルト

・コルセットは、予防で使うというよりは、ぎっくり腰による急性的な痛みの時に使用して下さい。腹圧をコルセットで上げて腰椎を安定させる目的がありますが予防の意味を込めて使うことは、あまりおすすめできません。

前の項で話しているようにお家でのストレッチなどを習慣化させて、もしもの時に使うことがお勧めです。ぎっくり腰を起こした時は、安静にすることと時期をみて少しずつ動いていくことが大事です。この時に体の使い方など相談できる方がいると尚良いと思います。

・トコちゃんベルトは、コルセットとまた違います。(画像を入れたい。)妊婦さん用のベルトで妊娠時特有のホルモンの関係で骨盤周囲の靭帯が緩むことで痛みが出ることがあるので初期から産後に使うことが可能です。知っておくと便利です。
このように私のお勧めする腰痛予防グッズを書きましたが世の中には、沢山良いものがあると思いますので「自分の心と体は、自分で守る。」と言う事を念頭に腰痛に悩まない、素敵な日々を過ごしていきましょう。

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