【プロトレーナー解説】デッドリフトで腰を痛める人は少なくありません。正しい鍛え方とポイントについて解説します。デッドリフトは全身の総動員する数少ないトレーニングとして、是非とも取り入れて頂きたい種目の一つです。しかし、知識もなしに行えばケガをする危険性が非常に高い種目なのでぜひマスターしましょう!
基本のデッドリフトをおさらい
デッドリフトは非常に効果的な筋トレと聞いたのでやったことがあるのですが、腰を痛めてしまった経験があります..
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
デッドリフトで腰痛になってしまう方は少なくありません。正しい鍛え方をすればデッドリフトほど優秀な種目はないのでとてももったいないです。
まずはデッドリフトの基本のからおさらいしましょう。
基本のナロウデッドリフト フォームのポイント
②グリッピング:動作の邪魔をしない程度て幅を調整してグリップします。肩幅より少し広いくらいでも良いでしょう。
【プロトレーナー監修】背筋を鍛えていたら腰が痛くなった…。こんな経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?理由は一概にトレーニング方法が間違っているだけとは言えません。腰痛の原因から正しいトレーニング方法まで解説します。
ポジション別 デッドリフトで腰を痛める要因
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
ここからは前述の動作ポイントに合わせて腰を痛める要因と改善の仕方を解説します。
①セッティングで腰を痛める原因
バーを高めにセットするほどハムストリングスや殿筋群の活動が減り、脊柱起立筋群やその他背筋へダイレクトに刺激が伝わるようになるでしょう。床からのデッドリフトが苦手な方は床からのデッドリフトは10回程度反復できる軽めの重量で行い、バーの高さを膝くらいからスタートするラックプルなどの種目で背中をまっすぐにキープするために必要な筋肉を強化するのも一つの手です。
②グリッピングで腰を痛める原因
③スタートポジションのセッティングで腰を痛める原因
④動作スタートで腰を痛める原因
⑤フィニッシュポジションで腰を痛める原因
爪先体重で骨盤が前傾していると、このフィニッシュポジションでのフォームが特に危ないです。かかとで踏ん張る癖を付けましょう。多少前傾しった状態を残してバーを体に引き付けるように肩甲骨を寄せるようにすると背中全体に刺激がのって効かせるデッドリフトが出来るでしょう。
⑥バーを下ろす動作で腰を痛める原因
この動作をヒップヒンジといいます。基本的に膝を動かさずに胸を正面に向けたまま、お尻をまっすぐ後ろに突き出していけばOKです。自然とバーが下に下がっていきます。大体バーが膝を超えて下に下がってきたときにハムストリングスのストレッチを感じるはずですので、そこから少しずつ膝を曲げて更にバーを下ろしてください。
ハムストリングスに全く力が入っていない、ストレッチもかからない状態では膝が先行して曲がりだしますのでバーを上手く下ろせなくなりますし、背中が丸くなります。ヒップヒンジの動作をしっかりマスターして正しくデッドリフトを行いましょう。
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
基本的にデッドリフトはヒップヒンジを正確に行う事が最重要です。お尻をまっすぐ後ろに突き出して、まっすぐ戻す。この繰り返しが正確に出来れば特にケガをする危険が多い種目ではなくなります。デッドリフトが正確に出来ない方は、ルーマニアンデッドリフトやグッドモーニング、ヒップスラストなどのヒップヒンジの動作に特化した種目を取り入れるのも良いでしょう。
腰痛の原因|フォームの乱れだけじゃない?
①練習頻度が高い
体幹部の疲労は同じように追い込んでも体にかかるストレスが高い事や、腕や脚は比較的高頻度になっても普通に生活していれば強制的に動かされる筋肉ですので、代謝循環が早く、回復が追い付きやすいのではないかと分析します。この辺は現場の方が先行している分野なので正確な情報は今後の待ちたいところですが、少なくとも中級者以上のデッドリフトに関しては高頻度になってもあまり成果は得られないのではないかと思います。
週に1回から多くてもサブのトレーニング種目で2回までくらいをオススメします。もちろんこれは年齢・性別・体力・熟練度などの条件で、回復力が皆さん異なりますので一概には言えません。
初心者はデッドリフトのやり過ぎは禁物なんですね!
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
はい。ただでさえデッドリフトで使用される筋肉は多くのフリーウェイト種目で使われますので、そういう意味でもデッドリフトでしっかり追い込むのは週に1度で十分かと思います。
②柔軟性のが足りない
腰椎・胸郭またはハムストリングスの柔軟性低下により、そもそも理想的なフォームを取ることが出来ない事も多いです。柔軟性が要因の場合は長期的なアプローチが必要です。
ハムストリングスの柔軟性が低い場合はヒップヒンジの動作でお尻が下がってしまいますので分かりやすいです。胸郭や腰椎が極端に硬い場合、デッドリフトで疲労が蓄積してすぐに痛みが出る事もあります。硬く癒着している筋膜や筋肉そのものが傷んでしまい、酷い筋肉痛のような症状が出る事もしばしば。体幹をひねるストレッチやフォームローラーなどを使った腹筋のストレッチ、下肢筋群の筋膜リリースなどを行うようにしましょう。
【専門家解説】股関節の付け根が、脚を上げると痛い。股関節を深く曲げると、詰まる感じがする。この痛みは何なんだろうと疑問に思ったことはありませんか?その痛みの原因や対処法をお伝えします。
③ウォーミングアップが足りない
150㎏程度でメインセットを組む場合は60㎏→100㎏→130㎏といった具合に行います。この時オールアウトするような回数を行ってしまうとウォーミングアップを超えてしまい、メインセットでの出力低下が起こります。これだけやれば十分に神経系が高められてより力を発揮しやすくなります。これだけでも20~30分程度かかると思いますが、ケガの予防とパフォーマンスアップを考えると、むしろ必ずやるべき過程ではないでしょうか?
④そもそもデッドリフトが原因ではない?
睡眠不足や慢性疲労、ストレスやそれに伴う血行不良、内臓系疾患など例を挙げればきりがないですが、それほど腰痛はさまざまな要因が絡んできますので一概に「コレ」という答えは専門の医者でも出せない事が多いのが現実です。
通常のデッドリフトによる腰痛が怖い人にオススメの種目
①ワイドスタンスデッドリフト
背中を立てた状態で腰を落とすことが出来てなおかつ可動域が狭くなります。動かす範囲が狭くなれば同然ケガのリスクは下がります。スクワットの要素も入ってきますので、内転筋群や殿筋群の筋力が弱い方は逆に記録が落ちるかもしれません。
②ハーフデッドリフト(ラックプル)
ストレッチの動作が入らなくなるのでデッドリフト特有のケガに関してはリスクを大幅に減らすことが出来ます。背中全体の厚みを付ける種目として非常に効果的です。可動域が狭いのでかなりの高重量を扱う事が可能になります。それに伴って別の問題が出てきます。まずリストストラップを使用しないと握力が全く持たなくなります。そして高重量を扱うので頻度と強度を考えないと腰に限らず肩や首、背骨など様々な部位に負担がかかります。体が重りにつぶされないように考えて重量を選択する必要がありますので、実施の際は軽めの重量から少しずつ調整していきましょう。
トップサイドデッドリフト(ラックプル)のやり方については、以下の記事に詳しく解説してあります。ぜひ参考にしてください。
分厚い背中を作るには必須の種目! ハーフデッドリフトの効果と注意点をプロのトレーナーが徹底解説! デッドリフトのプログラムの組みかた、バリエーションなどの紹介もします
佐々木大地監修トレーナーからのアドバイス
NSPAパーソナルトレーナー
以下の記事でも同じようなコメントをしておりますが、人間の体は千差万別で見様見真似は危険です。必ず知識と経験のあるトレーナーに師事して素直にその方の知識を吸収してトレーニングに臨んでください。自分一人で考えてやるよりもずっと効率的で自分に合った正しいフォームが作れます。自分の限界に挑むときも、安全に無理のない様行ってください。ケガをしてしまえば元も子もないですから。
大腿四頭筋は人体において最も大きい複合筋となります。意外と、この筋肉の正しい機能と鍛え方を知っている方は少ないかもしれません。日常生活やスポーツなどのあらゆる場面で使用されるとても重要な筋肉であり、ダイエットの際はこの筋肉が大きな味方となってくれます。