懸垂ができない人が鍛えるべき筋肉とトレーニングとは?

監修者

原田 直生

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

なぜ懸垂ができないのか?どんなトレーニングをしたらできるようになるのか…。そんな悩めるあなたへ懸垂ができるようになるまでのステップをレベルに応じてご紹介!!さらに手頃な懸垂の補助器具をご紹介します!

懸垂ができない理由はひとつじゃない?!

懸垂に挑戦してるんですがなかなか出来ません。。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

そうでしたか。懸垂できるとカッコイイですよね(^ ^)

どうして懸垂できないのか教えてください!どこの筋肉を鍛えたらいいですか?

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

わかりました!では今回は懸垂について解説していきましょう!!

懸垂は「チンニング」とも呼ばれ、背中の筋肉を鍛える自重トレーニングの代表的な存在です。ですが…自分の体重が丸々そのまま負荷となるため、十分な筋力がないと難しい種目でもあります。
成人男性の平均回数が8回以上、女性で1〜3回しかできないと言われているくらい難易度が高い懸垂ですが…あなたは何回できますか??

今回は懸垂ができない人・苦手な人がどこの筋肉をトレーニングすべきなのか、そして懸垂ができるようになるまでのステップをご紹介していきます!

懸垂ができない理由とは?!

そもそもなぜ懸垂ができないのか…その原因をいくつかの要素に分けて見ていきましょう。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

懸垂にも様々な種類があるため一概には言えませんが…今回は最もベーシックな「手の幅が肩幅程度で行うパターン」での分析を行います!

【懸垂ができない原因①:握力が弱いため】
自分の体重を両手の握る力で支えることができなければ…懸垂どころではありませんよね。
単純計算ですが、体重60kgの人であれば左右それぞれ30kg握力が必要となるわけです。特に女性が懸垂を苦手とする理由はこの握力の問題が大きいです。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

あくまでも単純計算です。細かく言えば懸垂では握る(コンセントリック)力よりも握った力がほどけないよう耐える(エキセントリック)力の方が必要とされるため、握力測定だけでは図れません。

【懸垂ができない原因②:引きつける腕の筋力が弱いため】
握る力は十分にあっても、今度は肘を曲げカラダを引きつけることが必要となります。その動作を行う筋肉が腕の筋肉です。

様々な種類や方法がありますが、全般に共通して言えることは「肘は曲がらないといけない」ということ。
肘が曲がるということは力こぶの筋肉でもある上腕二頭筋や上腕筋などが力を発揮しなくてはなりません。それらの筋肉が弱ければカラダを上げることは難しいでしょう。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

特に手のひらを自分側に向けた状態でバーを握る「逆手」で行う懸垂では、この上腕二頭筋の関与がとても大きくなります!

【懸垂ができない原因③:背中の筋肉が弱いため】
そもそもは背中のトレーニングとして行うことが多い懸垂ですので、背面の筋肉が弱いと難しくなってしまいます。
特に胸やアゴがバーに近づくところまでカラダを引き上げるには背筋の広背筋・下部僧帽筋・大円筋の筋力が必要となります。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

背中が丸々ようなカラダの表面を連動させる懸垂でも、背中側にある大円筋はしっかりと働かなくてはいけません。

懸垂のためのレベル別トレーニング!

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

と言うことで、それぞれの要素のトレーニングをご紹介します!!

握力を強化する筋トレ

握力を鍛える方法としてよく使われるのが、ダンベルを持って手首だけを曲げる「リストカール」ですが、今回は「握る力」よりも「握った力がほどけないように耐える力」が重要となるため今回はリストカールは補助種目とし、「ぶら下がる」トレーニングを行いましょう。

見た目はとてもシンプルですが…ぶら下がっている状態を維持しようとする力が「ほどけないように耐える」力となります。
懸垂バーや鉄棒などで20秒ぶら下がったままキープをし、徐々に60秒キープまで時間を伸ばしていきましょう。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

懸垂を10回行う時間が約60秒です。60秒間キープできる場合は懸垂をする上で握力の問題はないでしょう。

肘を曲げる力を強化する筋トレ

肘を曲げる役目を持つ上腕二頭筋と上腕筋のトレーニングとしてバーベルアームカールを行いましょう!
今回は「懸垂をするために」と言う条件がありますので少し特殊なやり方を行います。

扱うバーベルは自分の体重の50〜80%の重さで行います。体重60kgだと30〜48kg前後の重さです。これだけ重いとバーを持ち上げることは難しいでしょうが、今回はハーフ(肘90度)までの可動域で大丈夫です。

【基本姿勢】
①体重の50〜80%のバーベルを両手で持ち直立する
②手の幅は肩幅程度にし、脇をしめ肘をカラダに固定する

【動作姿勢】
①肘の角度が90度になるところまでバーを持ち上げ、下ろす
※基本姿勢が崩れないこと、カラダが後ろへ仰け反らないよう気をつけること
動作スピードは速くても構いませんので回数を10回行いましょう。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

かなり高重量を扱うこととなりますので十分にお気をつけください。

背中を強化する筋トレ

トレーニング環境によって左右されてしまいますが…もしもラットプルダウンと言う筋トレマシンがあるならば積極的に活用しましょう!
これも理論上は体重と同じ重りをつけてトレーニングできれば懸垂もできるはずです。

しかしラットプルダウンマシンがない場合はスクワットラックにバーを掛け鉄棒のようし、カラダを斜めに傾けた状態の懸垂を行いましょう。

【基本姿勢】
①バーを握りカラダを斜めに倒す
②倒した姿勢は頭からカカトまでを一直線にしお腹に力を入れておく

【動作姿勢】
①胸をバーに近づけるように引きつける
※基本姿勢を崩さないように注意しましょう
回数は10回からスタートし、なれてきたら20回まで行いましょう。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

握り方は順手・逆手どちらでも大丈夫です!どちらの握り方で懸垂をしたいかによって使い分けましょう!

懸垂をするためのオススメ補助器具をご紹介!

懸垂ができるまでの道のりが見えてきました!

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

それぞれの要素をトレーニングして頑張ってみてください!最後に懸垂の補助器具をご紹介しますね!ご参考までにどうぞ。

懸垂をサポートする補助器具

【チューブ】

様々なタイプのものがありますが、懸垂をする上では長めのチューブを選びましょう!

・チューブを端をそれぞれ左右の握る位置に巻きつけます。
・弛んだチューブの中央に自分のカラダをセットし懸垂を行います。

チューブの伸縮性がサポートとなり懸垂がしやすくなるはずです。

懸垂のイメージをつけるためにも重要なトレーニングとなりますのでぜひチャレンジしてみましょう!

【パワーグリップグローブ】

プルやローイングといった背中で引くようなトレーニング種目の際によく用いられるグローブです。

「ベロ」と呼ばれる部分をバーへと巻きつけることで握力を極力使わずに行うことができます。
握力が弱くてバーにぶら下がることが耐えられない方はもちろん、握る力を入れない分、背中へ効かせやすくなる効果もあります。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

手首部分がしっかりと固定されていないと最大限の効果を発揮しませんのでサイズ選びにはご注意ください!

まとめ

いかがでしたか??今回はベーシックな「手の幅が肩幅程度で行う懸垂」で話を進めてきましたが、懸垂にもたくさんの種類があります。

「順手」「逆手」でも使う筋肉が変わってきますし、手の幅がワイドになることでもまた変わります。

「懸垂をしたい!」という目標ならば今回のような段階を追ったトレーニングをお勧めしますが、「背中に効かせたい!」ならば難易度は上がりますが手の幅ワイドをお勧めします。
ご自身の懸垂の目的に合わせてメニューを組んでみましょう!!

自宅で懸垂も可能です!自作の懸垂バーを作るにはこちらの記事をご覧ください!