「ダンベルショルダープレス」のやり方と効果をプロトレーナーが徹底解説!

監修者

松岡羊輔

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

【プロトレーナー解説】ダンベルショルダープレスなどダンベルでのトレーニングは動作の自由度が高いが、その分不安定でケガに繋がりやすいので注意が必要です。また姿勢が悪いと肩や腰に負担をかけてしまいます。特に正しい姿勢が大切なトレーニングですので基本をしっかり身に付けてください。

ダンベルショルダープレスで三角筋を鍛える!上半身の見た目が変わる!

温かくなり薄着になるに連れて、身体のラインが出るようになってきました。この時期だからこそ意識したいトレーニングのアドバイスは何かありますか?

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

そうですね、薄着になると身体のアウトラインが目に付きます。上半身ではポイントになるのが肩、三角筋ですね。男性では大きくて丸い三角筋があると広い肩幅からウエストにかけて迫力があるVシェイプを作る事が出来ます。

一方女性では丸みのある三角筋は小顔効果やウエストのくびれが強調された綺麗なボディラインが手に入ります。これからの季節、肩のトレーニングは必須ですね。やらない理由が見付からない肩のトレーニング、早速今日から始めましょう!

肩のトレーニングの重要性

今回、ダンベルショルダープレスを筆頭に肩(三角筋)のトレーニングを取り上げますが、肩関節は他の関節と比べると動かせる範囲が広く動きの自由度が高い関節です。しかしその反面、他の関節と比べると安定感ではやや劣る面もありますのでトレーニングにおいては特に正しいフォーム、正しい動作が特に重要になる部位でもあります。

また、肩関節はほとんどの上半身のトレーニングに関わります。大きくて厚みがある大胸筋を作るトレーニングでも、広い背中を作るトレーニングでも肩関節は関わりがあります。

ダンベルの特長って何?

今回取り上げるダンベルショルダープレスは肩の代表的トレーニングですが、ショルダープレスはダンベル、バーベル、マシンといろんな器具でトレーニング出来ます。それぞれの器具でのトレーニングに特長がありますのでまずはダンベルでのトレーニングの特長を確認しましょう。
それぞれの特長を説明致します。

ダンベル

最も自由度が高い器具です
左右別々にトレーニングしたり、動作中に捻り等バーベルやマシンでは出来ない動きを加えることが出来る
体格に関係なく誰でもトレーニング出来る
どのような軌道でもトレーニング出来る
細かな重量設定が可能

バーベル

両手でトレーニングするのでダンベルと比べるとバランスがとりやすい
ダンベル同様体格に関係なくトレーニング出来やすい
ダンベルほどの自由度はない
ある程度動作の軌道が自由に出来る
細かな重量設定が可能

マシン

動作の自由度はなく決められた軌道でのトレーニングになる
自由度が低い代わりに安定感がある
トレーニングの対象となっている筋肉を意識しやすい
マシンと体格が合っていないとトレーニングが難しくなる
広いスペースが必要
ウエイトスタック式マシンでは、予め設定されている重量しか選択出来ない

ダンベルでのトレーニングは両手でも片でも出来ますし、動作の途中で前腕を回旋する事が出来ます。一番自由度が高いトレーニング器具になります。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

何といってもこの自由度の高さがダンベルトレーニングの最大の特徴です。

一方、マシントレーニングでは両手同時にしか動かせないもの、片手ずつでも可能なもの等ありますが、動作の軌道が決められていてその軌道に沿った動作しか出来ません。その分トレーニングしたい筋肉に意識を集中出来ます。

ダンベルショルダープレスのフォームと動作

全ての筋トレのフォームに共通しますが、まず「姿勢」が大切です。
次に上半身のトレーニングで大切なのは、「肩甲骨のポジションや動かし方」です。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

この2点を抑えるとフォームはほぼ完成したと言っても過言ではありません。しかし、肩甲骨を適切なポジションに維持するのは意外と難しく感じる方が多いです。

肩甲骨を寄せて胸を張ろうとしているけど腰が反るだけで肩甲骨を上手く動かせない方は普段から猫背になっている可能性があります。

筋トレで最高の結果を得るためのカギは「姿勢」です。トレーニングの時だけ姿勢を良くしようとしても上手くいかないことが多いので、普段からしっかり胸を張る姿勢を意識しておきましょう。

ダンベルショルダープレスのフォーム

スタートポジション
・足は肩幅くらい(一番安定するスタンス)で立つ
・肩甲骨を寄せながら胸をはる
 この時腰が反る方はまず股関節前面や太ももの前(大腿四頭筋)のストレッチをして腰に負担をかけないようにしましょう。
・ダンベルを顔の横で、手のひらが前を向くようにする

フィニッシュポジション

・足幅、肩甲骨はそのまま
・ダンベルは頭の真上に来る
 肩甲骨が適切なポジションにないとダンベルを頭の真上に挙上する事が出来ません。
 無理に真上に挙上すると肩関節を傷めたり、腰痛になる事がありますので無理せず正しいフォームを作りましょう

ダンベルショルダープレスの動作

ダンベルの特長でも書きましたが、ダンベルのトレーニングは何といっても自由度が高いのでいろんな工夫が出来ます。その反面、重量を上げていくとマシンでのトレーニングと比べると安定感がなくなります。その事を良く理解してトレーニングしましょう。
ここでは最も基本となるダンベルショルダープレスの動作を解説致します。

・スタートポジションからそのまま頭上に向かってダンベルを挙上する
慣れるまでは左右のバランスが悪かったり挙上するタイミングが左右でバラバラになりがちなので、コントロールしやすい重量から始めましょう。

・胸をはった状態を保つ
スタートポジションでの肩甲骨を寄せた状態のまま挙上する。
肩甲骨が離れてしまうとダンベルを頭の真上に挙上する事が難しくなり、無理して頭上に挙げると肩関節を傷める事がありますので注意してください。

・スタートポジションに戻る
ダンベルをおろす際は力を抜くのではなく、ダンベルをコントロールしながらゆっくりとおろします。
力を抜いてスタートポジションまでダンベルを落とさないように注意してください。

三角筋をさらにレベルアップして鍛える!

ダンベルショルダープレスはトレーニング初心者では安定感がなくコントロールする事が難しいかもしれませんが、動作の習熟度や筋力に応じて徐々に負荷を上げていきましょう。

男性であれば15kg~20kgくらいまでは上に説明した方法で挙上できるようになると思います。しかし、丸くて大きな三角筋を作るには25kgや30kgでトレーニングするつもりで取組んでください。そのためにはただがむしゃらにダンベルショルダープレスだけ頑張るのではなく補助種目のトレーニングも大切になります。

25kgや30kgなど高重量で逞しい三角筋を作るための補助種目

ダンベルショルダープレスでは動作に関わる主要な筋肉だけでも、三角筋、上腕三頭筋、僧帽筋などがあります。この中でメインターゲットはもちろん三角筋です。
ダンベルショルダープレスは「多関節運動」と言って動作に複数の関節が関与する筋トレになります。そして動作に関与する関節が増える程、その筋トレ種目で使われる筋肉の数が増えます。

つまり、ダンベルショルダープレスではメインターゲットの三角筋以外の筋肉もトレーニングしている事になります。これは多関節運動の特長で、大きな負荷をかけてトレーニングする事が出来ます。

一方、一つの関節だけを動かしてトレーニングする「単関節運動」というものもあります。三角筋の筋トレ種目では、サイドレイズフロントレイズリアレイズがあります。

<サイドレイズ>

<リアレイズ>
これらの種目は三角筋だけをダイレクトにトレーニングしますが、動作に関与する筋肉が三角筋のみですのでショルダープレスほど負荷をかけることは出来ません。しかし、三角筋だけをダイレクトに刺激出来るトレーニングですので、是非ダンベルショルダープレスの補助種目として取り入れてください。

もっと上を目指すなら

もしアナタがスイカのような丸くて大きな三角筋を目指すなら、当然ダンベルショルダープレスの負荷も40kg、50kgと増えていく事でしょう。しかし、そのようなダンベルを頭上に挙上するにはダンベルショルダープレスやサイドレイズなどの補助種目だけでは足りません。さらに大切なトレーニングがあります。このトレーニングなしでは高重量のトレーニングは出来ないといっても過言ではありません。

そのトレーニングとは、

スクワット

え!?スクワットですか?

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

そうです皆さんご存知のスクワット、しかも高重量のスクワットです。

大きな三角筋を手に入れるためになぜスクワットが必要か?

この記事はダンベルショルダープレス、つまり三角筋のトレーニングについて書いています。スクワットは下半身のトレーニングですよね。なぜ関係があるのでしょうか?
実はダンベルショルダープレスとスクワットには、トレーニングする上で大切な共通点があります。その共通点とは「体幹」、体幹の安定性(強さ)です。

ダンベルショルダープレスで40kgのダンベルを使用するという事は、自分の頭上に80kgもの重量を挙上する事になります。当然肩関節の安定性も必要ですし、さらにその土台となる体幹が安定していないとトレーニング出来ません。
高重量のスクワットも体幹の安定性が不可欠です。

もしアナタが三角筋をさらに大きくしたいと思っているなら是非スクワットもレベルアップも忘れないでください。体幹を安定させるという点では、デッドリフトやベントロウなどもオススメです。

高重量のダンベルショルダープレスのコツ

高重量でダンベルショルダープレスをするときのコツを教えてください。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

わかりました!

三角筋の筋力が強くなり扱う重量が増すにつれて身体が受ける衝撃は大きくなります。どれだけスクワットなどで体幹を強化したとしてもその衝撃を無くすことは出来ません。そうなると腰、股関節、膝、足関節等はダイレクトに衝撃を受けてしまいます。
そこでこの衝撃から関節を守るために下半身の関節で上手く衝撃を吸収するようにしましょう。

挙上時
ごく僅かに股関節、膝、足関節を曲げたところから関節を伸ばしながらダンベルを挙上します。挙上時の最初の動きだしをほんの少しだけ補助するようなイメージです。
下半身の関節を動かしすぎると三角筋ではなく下半身のトレーニングになってしまいますので、くれぐれも極々わずかな動きに留めてください。

スタートポジションに戻す
ダンベルをゆっくりおろしてきて最後のところで股関節、膝、足関節をやわらかく使って衝撃を吸収します。
特に高重量のトレーニングではこの動作を使って関節がダイレクトに衝撃を受けないように意識してください。

松岡羊輔監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー、FSEMダイエットトレーナー、JCCAひめトレアドバンストインストラクター、JCCAベーシックインストラクター

三角筋のトレーニングは苦手な方が多いようですが、綺麗なプロポーションを作るためにも競技スポーツでの機能的な身体作りにも欠かせないトレーニングです。
是非今回の記事を参考にステップアップしてください。

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