ピラティスの呼吸法をマスターすると効果が劇的に高まる!コツややり方を伝授!

監修者

都築朋枝

カラダ改善トレーナー/ダイエットカウンセラー/パーソナルトレーナー/ ハタヨガインストラクター養成講座講師 /介護予防運動指導員/整体師/

【プロトレーナー解説】ピラティスの効果を劇的に高めるには「呼吸」が大事!ピラティスの呼吸の基本から、しっかりとインナーマッスルに働きかける呼吸のやり方とコツを紹介します!

ピラティスの「胸式ラテラル呼吸」とはどんなもの?

みなさんは呼吸法と聞くとまず、「腹式呼吸」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

ヨガの呼吸が身体にもよいと聞きますよね。
ヨガには色んな呼吸法がありますが、基本的には「腹式呼吸」を行います。息を吸うとお腹がふくらみ、吐くとへこんでいくのが特徴です。

この時に横隔膜が大きく上下して、内側から内臓を刺激します。そうすることで血流も良くなって、内臓の働きも活発になります。また、ゆったりとした呼吸によって、副交感神経が働き、リラックス効果も期待できます。

都築朋枝監修トレーナーからのアドバイス

カラダ改善トレーナー/ダイエットカウンセラー/パーソナルトレーナー/ ハタヨガインストラクター養成講座講師 /介護予防運動指導員/整体師/

腹式呼吸は自律神経のバランスを整えるのにも、とっても効果的な呼吸法なんですね。
では、ピラティスで行う呼吸をご存知でしょうか?

ピラティスでは「胸式ラテラル呼吸」という呼吸法を行います。ヨガとピラティスとの大きな違いのひとつは「呼吸」です。

人間は生まれてから死ぬまでの間、常に呼吸をしています。しかし、その呼吸を意識することは少ないですよね。
また、現代ではスマホやパソコンを使うことが増え、「呼吸筋」である肋骨の周りが硬く凝り固まってしまっている方が多いです。そうすると、呼吸が浅くなり、疲れやすくなったり、頭痛や肩凝り、腰痛など様々な不調につながってしまいます。

私も毎日のデスクワークで、姿勢も悪くなり肩こりがひどいんです!呼吸で改善できる方法を教えてください!

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カラダ改善トレーナー/ダイエットカウンセラー/パーソナルトレーナー/ ハタヨガインストラクター養成講座講師 /介護予防運動指導員/整体師/

1日中座ってばかりいると、体がカチコチになってしまいますよね。次は「呼吸筋」を使ってインナーマッスルを強化する呼吸のやり方を紹介します。

ピラティスの呼吸を練習してみましょう!

ピラティスの「胸式ラテラル呼吸」では、息を吸うときに腹圧をかけてお腹が膨らまないようにコントロールします。そうすることで、肋骨が左右に、そして後ろにも広がります。

息を吐くときは、横や後ろに広がった肋骨が中心に集まって閉じていくようなイメージで、肺の中の空気を全て吐き出します。

では実際に練習してみましょう。

以下の写真のように、マットの上に座ってみましょう。
実際には立った姿勢でも、椅子に座っていても、仰向けでも行うことができます。

立位、もくしくは座位で行う場合は、骨盤を床と垂直にし、仰臥位(仰向け)では骨盤を床と平行な姿勢をとります。

胸式ラテラル呼吸のやり方

1)【息を吐く】両手を胸の下に置いて、肋骨の動きを感じてみましょう。
  初めは口から息を全て吐き出し腹圧をかけます。
2)【息を吸う】次に息を吸うときは、なるべくお腹が膨らまないまま鼻から吸い込みます。
  初めは難しいと思いますので、息を吸うときもお腹をへこませるイメージで行ってみましょう。

3)【息を吐く】口から吐き出しお腹をさらにへこませます。
  この時に吐くことに必死になって、肩が前に出てきたり、力が入りやすいので、首から肩まわりの余分な力は抜いて行いましょう。

4)【息を吸う】吸おう吸おうと必死になって、肩が上に上がりやすいので、やはり首~肩まわりの余分な力は抜きながら吸い込みます。

5)【息を吐く】吐くときに肋骨に添えた手が中心に寄ってくるのを感じてみてください。

6)【息を吸う】吸うときに肋骨に添えた手が横へ広がっていくのを感じてみてください。

~慣れてきたら~

1)【息を吐く】吐くときに「骨盤底筋群」を意識します。
左右の座骨を寄せるイメージ、あるいはオシッコを我慢するイメージをしながら、それを上に向かって糸で引き上げていくような、上から髪の毛を1本引かれるようなイメージで行います。

2)【息を吸う】お腹は緩めず、おへそを背中の方に引き込む意識を持ったまま鼻から吸います。

3)【息を吐く】下からお水を吸い上げていくような、おへそも1cmくらい上に引き上げられるイメージ

4)【息を吸う】お腹が膨らまない分、肋骨が横にも後ろにも広がっていきます(後ろに壁があったら、背中で壁を押すイメージ)

何度か繰り返したら、自然呼吸に戻しましょう。

都築朋枝監修トレーナーからのアドバイス

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いかがでしたか?体が熱くなりましたか?この胸式ラテラル呼吸を行うだけでも、体幹部は全て起動して働くので、インナーマッスルのトレーニングになります。

真剣にやると結構キツイですね!これはバッチリ、インナーマッスルに効いている気がします!

ピラティスで強化できるインナーマッスル

都築朋枝監修トレーナーからのアドバイス

カラダ改善トレーナー/ダイエットカウンセラー/パーソナルトレーナー/ ハタヨガインストラクター養成講座講師 /介護予防運動指導員/整体師/

ここで、ピラティスで強化できる体幹の筋肉(インナーマッスル)についてお話したいと思います。

ピラティスで主に使う筋肉は、
・腹横筋
・多裂筋
・横隔膜
・骨盤底筋群

これらはいわゆる「体幹部」といわれる部分です。

腹横筋

「腹横筋」は、お腹の奥底をコルセット状に巻いている、コルセット筋とも言われる部分です。ギックリ腰やひどい腰痛の時に、コルセットをした経験のある方も多いのではないでしょうか?そのコルセットの代わりになる筋肉、つまり自前のコルセットを作りたいのです。

お腹のまわりは骨で守られていない部分なので、普段の偏った使い方や姿勢による影響を受けやすいのです。そしてパソコンやスマホを使う時などは、無意識に姿勢は崩れ、内臓が下垂したり、お腹のたるみにもつながります。このコルセット筋と呼ばれる部分を強化することで、骨盤まわりをしっかり守り、安定させてくれる効果があるんですよ!

多裂筋

次に、「多裂筋」は、背骨を深層部で支える大切な筋肉で、捻る動き、反る動き、側屈するのにも役割を担っています。
また、腰を安定させ、姿勢を維持している大切な筋肉なのです。

横隔膜

次に「横隔膜」は名前に”膜”とありますが、実際には薄い”膜”ではなく、厚く伸縮性のある筋肉です。この筋肉は呼吸や体幹部の安定性を作り出すとても力強い筋肉なのです。横隔膜は肋骨の下縁に沿って、ドーム状に位置しており、胸郭を下から支えている膜状の筋肉です。

“息を吸う”と横隔膜は収縮しながら下へ下がります。この時、肺は横や後ろへと広がり、空気が流れこんできます。
“息を吐く”と横隔膜は緩んで、上へ押しあげられます。この時、肺は小さくなります。

日常の生活でパソコンをよく使う方は、無意識で肩が前に出て胸を閉じやすいですね。すると呼吸が浅くなり、この横隔膜の動きも悪くなってしまいます。

骨盤底筋群

次に「骨盤底筋群」は、骨盤の一番底でハンモック状に位置していて、骨盤を安定させるために重要な役割を担っています。また、姿勢をキレイに保つ、内臓を支える、排尿・排便にも大いに関わっています。
そのため骨盤底筋群が弱くなると、尿もれや頻尿、便秘、内臓下垂にもつながる可能性が高くなるのです。

このように、体幹と呼ばれる部分は体を支える上でとても重要な役割を担っています。

体幹の筋肉が弱くなると色々なリスクがあるんですね。。。若さを保つためにも、これからしっかり鍛えようと思います!

都築朋枝監修トレーナーからのアドバイス

カラダ改善トレーナー/ダイエットカウンセラー/パーソナルトレーナー/ ハタヨガインストラクター養成講座講師 /介護予防運動指導員/整体師/

体幹の筋肉は年齢に関係なく強化することができるんです!実際に私が指導する生徒さんは80歳以上の方も何人かいらっしゃるんですよ!

80代ですか!ピラティスを続けていけばまだまだ長生きできそうですね!

体幹部を意識するとさらに効果が高まる!

都築朋枝監修トレーナーからのアドバイス

カラダ改善トレーナー/ダイエットカウンセラー/パーソナルトレーナー/ ハタヨガインストラクター養成講座講師 /介護予防運動指導員/整体師/

この体幹部を意識しながらもう一度「胸式ラテラル呼吸」を行ってみましょう。

次は仰臥位(仰向け)で骨盤を床と平行にして、脚も伸ばしてリラックスしましょう。

1)【息を吐く】手を胸の下に添え、口から息を吐き出します。
 この時におへそを背中へ引き込みながら、お腹のまわりにコルセットを巻くようなイメージをします。

2)【息を吸う】鼻から息を吸うときも、なるべくお腹は膨らまず、コルセットを巻いておきます。

3)【息を吐く】おへそが背中に近付きながら、横隔膜は上へ押し上げられます。

4)【息を吸う】横隔膜が下へ下がり肺が横や後ろにも広がるため、背中が膨らんで床(マット)を押すような感覚も感じられるでしょう。

5)【息を吐く】広がった肺は小さくなり、押した床に沈んでいくような感覚です。

6)【息を吸う】左右の座骨を寄せるイメージ、あるいはオシッコを我慢する力を入れてみましょう。 

7)【息を吐く】寄せた座骨を上へ(頭部の方へ)引き上げていくような、下から上へ一本の糸を引き上げていくようなイメージで吐いていきます。

途中、前ももに力が入りやすい方は足を揺らしてみたり、肩まわりが力みやすい方は、肩を上下に揺らしてみたりして、余分な力は抜いていきましょう。

都築朋枝監修トレーナーからのアドバイス

カラダ改善トレーナー/ダイエットカウンセラー/パーソナルトレーナー/ ハタヨガインストラクター養成講座講師 /介護予防運動指導員/整体師/

いかがでしょうか?体幹の筋群を意識しながら呼吸はできましたか? この呼吸は肺活量をアップするのにも効果的なんです。
実際に、私のピラティスのクラスに通われている50代の生徒さんは、健康診断の度に肺活量がアップしていて、病院の先生に「なにをしているんですか?」と聞かれたそうです。

ピラティスで肺活量が上がるとは、病院の先生もびっくりの効果ですね!

胸式呼吸は細胞レベルで若返る!

胸式呼吸を行うことで、肺全体を大きく使うことができ、肺活量を高めることができます。
深い胸式呼吸を行うと、横隔膜が上下に大きく動き、肺を横や後ろに広げたり縮めたりします。それにより、たくさんの酸素を吸い込み、それを体の隅々に送ることができます。体の隅々の細胞にまで酸素を与えることができれば、新陳代謝が活発になって、細胞レベルで若返り、疲れや不調知らずの健康な体をキープできますよ!

上記でもお話したように、この呼吸は座っていても、立っていても、寝ていても行うことができます。
例えば電車で通勤途中に、また仕事の休憩中椅子に座って、また起床時にベッドで行えば、交感神経が優位になることで頭がすっきりとして、一日を代謝の高い状態で過ごすことができます。
また、ウォーキングをする時や、エクササイズをするときに(例えばスクワットや腹筋など)を行う時にも、この呼吸を意識してみてください。ながら運動(ながら呼吸)にもなり、この呼吸をトレーニング中に使えば、運動の効果が劇的に高まります。

強度の高いトレーニングにもピラティスの呼吸が役立つ!

例えば、マシーンを使ってトレーニングされる方で、反動を使って持ち上げたり、体幹が不安定な中、トレーニングされている方も正直多く見受けられます。
この呼吸を使って体幹が安定した中でトレーニングをすることで、トレーニングの効果も上がりますし、怪我の防止にも大いに役立ちます。

都築朋枝監修トレーナーからのアドバイス

カラダ改善トレーナー/ダイエットカウンセラー/パーソナルトレーナー/ ハタヨガインストラクター養成講座講師 /介護予防運動指導員/整体師/

実際私はウエイトトレーニングなど、激しいトレーニングはやっていませんが、体脂肪は15%前後です。現在45歳ですが、年々元気になっています。
肉も魚もビールも大好きです!笑この呼吸をぜひマスターして、健康維持のために、さらにトレーニングやダイエットにもぜひ役立ててくださいね。

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