腹筋はもともと割れている!?シックスパックのメカニズム

小学校や中学校の理科・保健体育の授業で、筋肉がむき出しになっている人体図を見たことはありませんか?あの図を見れば、もともと人の腹筋は6つや8つに分けられていることがよくわかります。このように、腹筋というのは割れているのが自然な状態なのです。

なぜ腹筋が割れているのかというと、筋肉に走っている「腱」がその要因となっています。この腱がスジのように伸びて筋肉を押し付けていて、表面に凸凹を作っているというわけです。ちょうどヒモに縛り付けられているハムのような状態を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。

ちなみに、人それぞれ個性があるのと同じように、腹筋の形も様々です。シックスパックやエイトパックのように腹筋の割れる数は人によって異なります。また、マンガやアニメで見るように筋肉がぎゅうぎゅうに詰まっている人もいれば、腱が大きい関係でおへそを中心に少しくぼみがある人もいるなど、その形状も全く異なるのです。

シックスパックで必要な2つの秘訣その1:腹筋の肥大化

素のままでも腹筋が割れているということはわかりました。

ではなぜ、現時点でそのお腹にシックスパックがないのでしょうか?シックスパックを作るにはどうすればいいのでしょうか?実はシックスパックを作る上で、欠かすことのできない2つの秘訣があるのです。その内の1つが「腹筋の肥大化」です。

上腕二頭筋を鍛えて立派な力こぶを作るには、ダンベルカールなどの筋トレが不可欠です。それと同様に、シックスパックを作るのにも筋トレが欠かせない秘訣となります。しかし、ただ単に腹筋運動を毎日100回と繰り返しても、シックスパックにはなかなかたどり着きません。

そこで大切なポイントとなるのが筋肉の「肥大化」です。筋トレというのは「低負荷でたくさん行う」のと「高負荷で集中して行う」のとで目的が大きく異なります。筋肉を太く大きくするには、後者の高負荷というのが大きなポイントとなるのです。

このポイントはシックスパックを作る上でも大切になります。毎日100回を繰り返し行うのではなく、フォームや動きに意識して、10回やるのが精一杯くらいの高負荷を1〜2日おきに行うという筋トレの方が、腹筋を大きくするには欠かせない要素となるのです。

シックスパックを作る筋トレは「多角的」に腹筋を攻める!

腹筋を肥大化させるための筋トレの重要性はすでに紹介した通りですが、それと同じく腹筋を鍛える上で大切なポイントがあります。それは「腹筋を多角的に攻める」という点です。

例えば下半身のトレーニングを考えた時、次のような部位に分けることができます。

・太ももの表側、裏側、内側、外側
・お尻
・ふくらはぎ

これらを1つのトレーニングだけで全部鍛えるのは到底無理です。スクワットやカーフレイズ、ヒップレイズといったように、複数の筋トレを行うこととなります。

これと同様に、腹筋も1つのトレーニングではなくそれぞれの部位で考えて筋トレをした方が高い効果を発揮することができます。

ちなみに、本記事では腹筋を下記の4つに分けて考えてみようと思います。

・腹直筋(正面にある腹筋)の上部
・腹直筋の下部
・腹斜筋(脇腹に当たる筋肉)
・腹横筋(お腹周りをコルセットのように覆っている筋肉)

腹横筋などインナーマッスルと呼ばれる部位の筋肉は、猫背やそれに伴う肩こりなど、慢性的な体の悩みにも大きな効果を発揮してくれる重要な筋肉でもあります。

次に紹介する5つのトレーニングを取り入れることで、この4部位の筋肉を満遍なく鍛えることができます。

シックスパックを作るオススメ筋トレ①クランチ

クランチでは主に「腹直筋の上部」を鍛えることができます。

仰向けになった状態で足はベンチやベッドに乗せた状態がクランチのスタートポジションです。この時、ひざが90度に曲がっているくらいがベストです。そして両手ですが、耳の後ろにそえるか胸の前で組みましょう。後頭部で組むと腕の筋肉で体を起こしてしまいます。

この状態で体を起こすわけですが、注目すべきは「体の起こし方」と「どのくらいまで体を起こすか」の2点です。

まず「体の起こし方」ですが、腹筋を上手に収縮させるために「頭→首→背骨」の順に「体を丸める」ように動くのがポイントです。腰から起こそうとすると体を痛めてしまいます。

そして「どのくらいまで体を起こすか」ですが、肩甲骨が床から離れるかどうかくらいの位置がベストです。これ以上体を起こすと腹筋への負荷が逃げてしまうほか、腰を痛めやすくなります。

10〜15回の3セットが目安で「ゆっくりと行う」「息を吐きながら状態を起こし、吸いながら戻る」「体を戻す時に背中を完全につけない(負荷を逃がさない)」「負荷が軽い場合は胸元に重い本や水の入れたペットボトル、ダンベルなどを抱えて行う」といったポイントで行うと良いでしょう。

シックスパックを作るオススメ筋トレ②プランク

プランクは「腹筋全体」と「腹直筋」を鍛えることができます。

腹筋トレーニングの代表格は間違いなくクランチですが、これから筋トレを始める初心者の方には「プランク」をおすすめします。その理由として、手軽さと負荷の大きさ、効果の高さがあります。

プランクはうつ伏せの状態でスタートします。そして両ひじ、両足のつま先を支えにして体を起こして、その状態をキープするだけです。ちなみにひじとつま先は肩幅程度に開くと良いでしょう。そして、かかとから背筋までが一直線になるよう体勢を維持してください。

中島 健 監修トレーナーからアドバイス

NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)

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少し背中を丸めると、お腹に力を入れやすくなります

やり方としてはたったこれだけなのですが、この体勢を維持するのが想像をはるかに超えて辛いと思うことでしょう。目安は60秒の3セットですが、初めのうちは20秒程度しか耐えられない人もいます。

そういう時には無理をせず、まずは20秒の2セット程度から始めて徐々に30秒、40秒と時間を伸ばせるようにしていきます。60秒が自然とこなせるようになっている頃には、体幹がかなり鍛えられて見た目にも変化が生まれていることでしょう。

シックスパックを作るオススメ筋トレ③ヒールタッチクランチ

ヒールタッチクランチでは「腹直筋の上部」「腹斜筋」「腹横筋」を鍛えることができます。

ヒールタッチクランチはその名の通り、「かかとにタッチをするクランチ」です。まず仰向けの状態になり、膝を90度程度に曲げます。この時、両手は両足の横に自然とつけた体勢になりましょう。

そしてそこから、肩甲骨が浮く程度に体を起こします。そしてその状態を維持しつつ、体の起こしている部分を左右にスライドさせましょう。両手は伸ばした状態にし、右にスライドさせたら右手で右足のかかとを、左にスライドさせたら左手で左足のかかとをそれぞれタッチするように動かします。

体を常に浮かせ、そして腹筋の力で体をスライドさせるので、やや負荷が高く難易度の高いトレーニングです。初めて行うと腕や胸、あるいは他の部分の筋肉を動かしてしまいがちなので、ゆっくりと体を動かしながら、まずはこの動きに慣れるのに専念すると良いでしょう。

この運動も左右で各10回の3セットを目安に実施しましょう。

シックスパックを作るオススメ筋トレ④レッグレイズ

レッグレイズは「腹筋の下部」を鍛えます。この部分はおろそかになりがちな場所ですが、ポッコリとした下っ腹の解消に必要なだけでなく、キレイなシックスパックを作るのに欠かせない部分でもあります。

こちらもクランチ同様、運動部や吹奏楽部に所属していた方には「足上げ腹筋」という名前で馴染みがあるかもしれません。レッグレイズのスタートポジションは仰向けで、この状態のまま足だけを上げるというトレーニングです。

注意点は2つあります。まず「手の位置」です。レッグレイズは足をあげた際腰に負担がかかり、腰痛の原因になる場合があります。それを防ぐため、両手はそれぞれお尻の下に敷くように起き、腰を補助してあげましょう。

2つ目の注意点は「足のあげ方」です。レッグレイズは両足を地面と垂直になる位置まであげますが、完全な垂直になると腹筋への負荷が逃げてしまいます。そのためより厳しく追い込みたいという人は、足が垂直になるやや手前を意識するようにしましょう。

10回を3セット行うのが目安ですが、負荷が軽いと感じた場合は足首に巻くタイプの重りをつけるといった応用が可能です。

シックスパックを作るオススメ筋トレ⑤リバーストランクツイスト

リバーストランクツイストは「腹斜筋」を集中して攻めます。くびれのあるメリハリの効いたウエストラインに欠かせない筋肉です。

リバーストランクツイストはまず仰向けになり、そこから両足を持ち上げます。地面と垂直になるまで足をあげますが、膝は多少曲げていても構いません。そして両手は体を支えるために、横に大きく広げて起きましょう。

そして両足を揃えたままで、足を左右に大きく倒しましょう。この時肩や背中が地面から離れると負荷が逃げるので注意してください。倒した足の重みを腹筋で感じながら左右に倒します。

これを左右に10往復の3セットで行います。なおリバーストランクツイストは腰に負担がかかりやすいトレーニングなので、腰に不安のある方は別のトレーニングを行うようにしてください。

シックスパックで必要な2つの秘訣その2:皮下脂肪の燃焼

上であげた5つのトレーニングで腹筋がどんどん強くなっているのに、シックスパックにならない!という方は、シックスパックを作るためのもう1つの秘訣を試す必要があります。それは「皮下脂肪の燃焼」です。

例えばプロレスラーや力士などを見ると割れた腹筋をしていない人ばかりが目立ちますが、決して彼らの腹筋が肥大化していない訳ではありません。彼らは強靭な肉体をしていますが、その皮下脂肪によって筋肉が隠れているのです。

やや極端な例を紹介しましたが、筋肉があるのにシックスパックになっていない人は、お腹の脂肪で隠れてしまっているパターンがほとんどというわけです。そのため、筋トレで腹筋を鍛えるのと同時並行で、今度は脂肪の燃焼も狙っていく必要があります。

ちなみに、割れた腹筋が見え始めるのは、体脂肪率が10%以下あたりからと言われています。これは男性の事例なので、女性であれば20%以下でも割れた腹筋が見えてくるかもしれません。

皮下脂肪を減らしてシックスパックを作る2つのポイント

皮下脂肪を減らしてシックスパックを作るためには、次の2つのポイントが重要です。

食生活の改善

食生活の改善は「摂取カロリー<消費カロリー」の状態を作るのが目的です。しかし極端な食事制限を行ってしまうと体がエネルギー不足になることで、筋肉を分解してエネルギーに使おうとしてしまいます。

そのため「体づくりに欠かせないタンパク質をしっかり摂る」「炭水化物は完全にカットせず、普段食べている量を見直す」「3食中1食をサプリメントに置き換えてカロリーを調整する」といったポイントを意識しながら取り組むといいでしょう。

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有酸素運動

脂肪燃焼と聞いてすぐ思い浮かぶのが「有酸素運動」ですよね。しかし普段からランニングなどをしている人はともかく、いきなり5kmも10kmも走らなくてはいけないのは大変です。

しかし、脂肪燃焼を目的とした有酸素運動はそれほどハードに行う必要はありません。脂肪燃焼に効率的な有酸素運動というのは、「最大心拍数の50%〜65%」と言われています。これは人にもよりますが、だいたい「やや息が上がっているけど、会話や周りの景色を楽しむ余裕がある」くらいの状態です。

この状態にはちょっとした早歩き程度のウォーキングでもなれます。そのため始めのうちは、早めのウォーキングで30分程度を目標にするといいでしょう。

シックスパック作りは健康な体への第一歩でもある

シックスパックは理想的な体型の代表とも言える存在です。それを手にいれるには「適度な運動」と「適切な食生活」という2つが大切なのですが、シックスパック作りは「健康な体づくり」とイコールな感じがしませんか?

ご紹介したポイントを参考にして、見た目だけではない様々な魅力があるシックスパックを手に入れましょう。

中島 健 監修トレーナーからアドバイス

NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)

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腹筋はもともと皆割れていますので、シックスパックを作ることは夢のような話ではありません。正しいトレーニングと食事管理を継続し、男性は体脂肪率10%、女性は体脂肪率20%以下を目指しましょう。

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