「ダイエットするから禁酒しなければいけない」は嘘!アルコールとの付き合い方

監修者

大場友梨

LaxmiYOGAインストラクター基礎科修了・シニアヨガ講座修了 フードコーディネーター・食生活アドバイザー資格取得  アナトミック骨盤ヨガWS受講

【プロトレーナー解説】一般的には「ダイエット=禁酒」と思い込みがち。本当にアルコールはダメなのか、うまくお酒と付き合いながらダイエットすることは不可能なのか?まずはアルコールを摂取した時に体への影響を再確認。ダイエットを妨げないよう飲酒するには、どうしたらよいのかお伝えします。

ダイエットだから禁酒!と思う前に|アルコールを摂取するとは?

ダイエット中はやっぱり禁酒にすべきなんでしょうか?

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

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絶対にダメ!なんてことはありませんよ!むしろ飲めないことがストレスになってしまう方がかえってダイエット失敗につながってしまいます。

そうなんですね!よかったです。

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

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ダイエット中のお酒との付き合い方について見ていきましょう。

そもそもお酒ってナニ?

主には、水とアルコールそして各種の他の原料を含む発酵飲料です。発酵作用により、ある種の酒は独特の風味を持ちます。
お酒の種類によって違いますが、赤ワインならポリフェノール・日本酒ならアミノ酸などの物質が加わりますが、割合としては微々たる量です。

お酒の栄養素

アルコールの熱量は1g につき7kcalです。お酒は低カロリーと言えます。このことからエンプティーカロリーと言われています。つまり体内に蓄積されることはなく、カロリー内に脂質などの栄養素が含まれていないので“エンプティ(空っぽの)カロリー”と呼ばれています。

アルコール分解の流れ

胃および小腸上部で飲酒後1~2時間でほぼ吸収され、吸収とともに分解も速やかに開始されます。
アルコール分解の最初のステップは主に肝臓で行なわれ、その後筋肉で吸収。アルコール脱水素酵素という酵素によりアセトアルデヒドに変化し、アセトアルデヒド脱水素酵素により、酢酸に分解されて血中に流れ出し、水と二酸化炭素に分解されて対外へ排出されます。

アルコールを分解するのに内臓は総動員で大忙しになります。

その他の影響

利尿作用による脱水・血糖値が低下して食欲が増進されます。また脳の神経伝達や記憶細胞・ホルモンに影響があります。

適量なら、リラックスする・気分の高揚・感情が豊かになる・血流がよくなり代謝が上がるなど。
飲みすぎると記憶が曖昧・集中力の低下・眠気が襲うなど酩酊した状態になります。

ダイエット中は禁酒すべきか?お酒の糖質とカロリーを知る

ダイエットとお酒の考え方

◉消費カロリー>摂取カロリー
色々なダイエット方法がありますが、これは鉄則です。

◉巷で話題の「糖質制限ダイエット」とは?
炭水化物などの糖質を極端に制限することで以下の効果があります。

食事で糖質を取ると血糖値が上がり、インシュリンが分泌されます。インシュリンの分泌を抑えることで、利用されなかった糖質を脂肪の蓄積を抑えることができます。体内の糖質が枯渇すると、体脂肪をエネルギーにするよう変換され、通常の生活でも常に体脂肪を燃やしている状態になります。

代表的なお酒の糖質とカロリー(100ml当たり)

ビール(淡色) 3.1g 40kcal
黒ビール 5g 63kcal
白ワイン 2g 73kcal
ロゼワイン 4g 77kcal
日本酒(本醸造酒)4.5g 107kcal
焼酎(甲類)0g 206kcal
緑茶ハイ 0.42g 83kcal
紹興酒 5.1g 127kcal
梅酒 20.7g 156kcal
ウィスキー 0g 237kcal
ブランデー 0g 148kcal
ウォッカ 0g 240kcal
カルーアミルク 20.9g 205kcal

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

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原材料や製造方法や飲み方で随分アルコールの栄養分に違いがありますね。

どんなお酒を飲むべき?痩せない原因のお酒を飲んでませんか?

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

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では、ダイエット中に飲むならどんなお酒がいいでしょうか?紹介します。

蒸留酒である焼酎・ブランデー・ウイスキー・ウォッカなどはダイエット向きです。アルコールのカロリーのみです。また、アルコール度数が高いので少ない量で満足できます。
ウィスキーを炭酸水で割ったハイボールはこれからの季節はおいしいですね。

ウォッカ自体は糖質が0gですが、飲み方に気を付けましょう。
主にカクテルに使われることが多くオレンジジュースで割ったスクリュードライバーやジンジャーエールなどで割ったモスコミュールはジュースの糖質が加わりますのでNGですね。

ダイエット中は気を付けて飲みたいお酒

ビール・日本酒・ワインなどの醸造酒です。
カロリーは蒸留酒に比べると低いのですが、糖質があるので完全なエンプティー(空の)カロリーとは言えません。

◉日本で最も消費量の高いビール
ビールはビールでも比較的色の濃いビールは原料である麦の成分を残している傾向があるので糖質もカロリーも高いので注意しましょう。ゴクゴクとたくさん飲んでしまうので飲む量に気を付ける必要があります。

更に、食欲増進効果があるので一緒に食べるおつまみを食べ過ぎてしまう傾向があるので気を付けましょう。

◉適量なら日本酒
他のお酒と同じ量で比べると、糖質もカロリーも高いですがたくさん飲めるようなお酒ではないです。
アミノ酸やビタミンB6も含まれているので、肌や髪がキレイになったり代謝アップにつながる効果もあります。

◉ワインは厳選して
赤白ワインは概ねOKですが、ロゼワインやスパークリングワイン、スウィートワインは糖質・カロリー共にアップします。
よく見極めましょう。

これは痩せない!ダイエットにはNGなお酒

カクテルや梅酒などのリキュール類、甘いお酒は控えましょう。
酎ハイなど希釈して飲むお酒は割る飲み物にも気を付ける必要があります。水やお湯やお茶など糖質の低いもので割って飲みましょう。ジュースや牛乳など栄養がある飲み物で割るのはダイエットに向いていません。

水分による体重の増減はあるかもしれませんが、飲み物や飲み方・量を守ればアルコールでダイエット効果が妨げられるということは考えづらいです。

どのくらい飲んで良いの?

ダイエットにはお酒を飲むときも糖質とカロリーが関係していることが分かりましたね。だからお酒も含めて、一日に摂取する食事量を考える必要があります。
体質や日々の運動量やダイエット方法によって個人差がありますが、ここでは平均的な成人の方で考えます。

◉ダイエット向きな摂取糖質・カロリー
男性の場合 100g 1800~2000kcal 
女性の場合  70g  1500~1300kcal

単純に考えると1回の食事では糖質量20~30g、カロリーは500~650kcal程度にする必要があります。お酒だけを飲むのであれば、ビールなら800ml、ワインなら500ml程度です。

実際は美味しいおつまみや複数のお酒を楽しむこともあるのでかなり制限されます。

やっぱりダイエット中はお酒は控えるべきなんですね…。

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

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完全に控える必要はありませんよ!しっかり「計画的に飲む」ことをしましょう。

計画的な量とはどのくらいでしょうか?お酒が好きな方には物足りないかも…と思う量です。

1日で糖質やカロリーがオーバーしないようにお酒を楽しむのが基本ですが、どうしてもオーバーしてしまうこともあると思います。そんな時は飲む日の前後1日分の計3日で調整します。
前日や後日に食べる量を控えて、思い切りお酒を楽しむのもよいと思います。

おつまみや飲み方でひと工夫、そして一番大切なこと

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

LaxmiYOGAインストラクター基礎科修了・シニアヨガ講座修了 フードコーディネーター・食生活アドバイザー資格取得  アナトミック骨盤ヨガWS受講

家でお酒を飲む場合に気をつけるべきことを解説します。

家でお酒を飲むときはひと工夫しましょう。
「糖質0」「カロリーオフ」などの表記があるものを選ぶようにします。
糖質の場合100g当たり5g以下のものは「糖質0」と表記してよいとされており完全な0ではないので気を付けましょう。

おつまみは厳選する

お酒の種類にもよりますが、おつまみ選びは大切です。
これはダイエットの基本ですが、カロリーをセーブするために揚げ物や油の多い肉魚は避け、糖質量を抑えたいので炭水化物やスイーツは控えましょう。
おつまみはどうしても塩分が多いものが多く、美味しいと感じますがむくみの原因になります。

また、冷たいものばかりでなく温かい食べ物も摂るようにして、アルコール分解で大忙しの内臓を冷やさないようにします。

大場友梨監修トレーナーからのアドバイス

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ダイエット中のお酒との付き合い方ですが、一番大切なことはコレです!

『理性を失わない!』

ご存知のようにアルコールを摂取すると脳にも影響し、気持ちが大きくなったり理性を欠くことがあります。ゆっくりとチェイサーも含みつつ、自分の身体を変化を感じながら適正量のアルコールとおつまみに留めること。
そして誰かと飲むときおひとりの時も楽しい時間を過ごすことを大切にしましょう。

確かに理性を失ってしまうと知らない間に飲みすぎたり食べ過ぎたりしてしまいますよね…。

お酒を飲むとむくみが!ケア方法について

ダイエットにむくみは大敵

お酒を飲むと身体や顔が「むくむ」ということをよく聞きます。主に顔・脚に自覚症状がある方が多いと思いますが、内臓もむくみます。
むくみを放っておくと血流が悪くなって身体が冷えむくみが増進し、ますますダイエットには不向きな身体になってしまいます。

アルコールによるむくみのメカニズム

お酒を飲むことで利尿作用があると先に記載しました。排尿を抑えている「抗利尿ホルモン」の働きを抑えてしまうためです。

普段より多く排尿することでは脱水状態になります。喉が渇いて、水分やビールなどのアルコールをガブガブ飲むことで、結果的に水分の過剰摂取となりむくんでしまうことになります。
むくみを引き起こすのは余分な水分です!!

これが血管の外に出ることでむくみが起こりやすくなるのです。

その後体内の組織や細胞に運ばれれ細胞の排泄した老廃物や二酸化炭素を回収しながら心臓に到達して再度血液となり体中を巡ります。

ところが全身の血流が悪くなってしまうと、このめぐりがスムーズに行われなくなってしまいます。血管の外に出てしまった組織液が体を巡らずたまった状態になってしまうため、むくみが起こるのです。

また、お酒を飲むと血管が膨張してきます。するとその影響で血管から水分が出やすくなってしまうのです。この余分な水分がむくみを引き起こす原因を作ります。

むくまないようにするにはどうしたらいい?対策方法について

お酒を飲むときその後に気を付けるべきことです。

◉飲む前に水分補給する
アルコール分解のために必要な水分(水200ml程度)を事前に摂っておくことで水分を取りすぎないようにできます。

◉飲むスピード
一度にたくさんのアルコールを体内に入れず、水分を取りすぎないようにします。
一気飲みをしないでゆっくりとお酒を楽しみましょう。
水やお茶などチェイサーを準備して交互に飲むようにするとよいですね。

◉おつまみに気を付ける
やはり水分の取りすぎに注意する必要があります。
塩分の多いおつまみを避けることと、塩分(ナトリウム)の排出を促す「カリウム」を多く含むおつまみを食べるとよいです。
パセリやほうれん草、さつまいも、山芋、大豆、海藻やアボカドやバナナなどです。
海藻サラダなどがおススメです。

◉お風呂で代謝を高める
冷たいお酒ばかり飲むと体が冷えて代謝が下がります。入浴で体を温めて代謝を高め水分を排出しやすい身体にします。
入る前に水分補給をしてから、ぬるめのお風呂に20分ほど浸かるとよいと思います。
また、シャワーで水とお湯を交互に足にかけて血管が収縮弛緩を繰り返して血流がよくなります。

◉よく寝る
睡眠不足になると体の機能回復も遅れてしまって、むくみが改善されにくくなります。
更に足先を壁にもたれ掛けるようにして、足先の老廃物を流しておきましょう。

お酒を飲んだ後は、内臓が疲れています。とにかく身体を休めてあげることが大切です。

むくんでしまったらセルフケア

次の日むくみの症状があったら行いましょう。対策方法を解説します。

顔のむくみ

ツボ押しをして老廃物を押し流します。3~5秒を5回程度、痛気持ちいい力加減で押します。

①百会(ひゃくえ) 場所:耳の先から頭頂に伸ばしたラインと眉間の中心がぶつかる点
万能なツボでむくみだけでなく頭がすっきりし顔色がよくなる。

②攅竹(さんちく) 場所:眉毛の中央
瞼のむくみや眼精疲労に効く。

③承泣(しょうきゅう) 場所:真っすぐ前を見たときに瞳孔の真下
眼の下のたるみを改善、まぶたのむくみ

④迎香(げいこう) 場所:両小鼻の上横
皮膚を潤沢にする作用、顔面分の皮膚の乾燥、顔面むくみ、にきび、吹き出物、皺の改善
最後に首筋を鎖骨を摩り脇の下を親指で押してリンパ節を刺激する。

脚のむくみ

〇ふくらはぎのツボ押し

足首に親指を添え、押しながら少しずつ上にずらし膝の裏側まで老廃物を押し上げる。
上記のツボを押すように意識する。
また足首に戻って2~3回繰り返す。

○クラウンチャアーサナ(鷺のポーズ)

膝裏を伸ばし更に老廃物を押し上げる。

○ヴィパリタカラニ(壁に脚を上げるポーズ)

腰の下に低めの枕やクッションを置き足先を壁にもたれ掛かけてリラックスし、5~15分ステイします。
脚を下すときは腰を壁から少しずつ離し、ゆっくりと足を下します。
腰を痛めないように気を付けて。

こんな風にお酒を飲むときに気を付けることを守り、ケアを怠らなければダイエット中でもお酒は飲めます!
お酒の予定があるときは予め準備をし、事後のケアをする手間を惜しまず楽しく飲みましょう!!

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