忙しいビジネスマンの方や体力に自信のない初心者の方にオススメな筋トレの方法に「分割法」というやり方があります。分割法がなぜいいのか、そのメカニズムを解説します。ぜひご自身のトレーニングに取り入れてみてください。
筋トレの分割法とは?
そうすることで、各部位を集中的に鍛えることができ、効果的に筋肉に負荷をかけることができます。1日に全身の筋肉を鍛えることができるのであれば、それはそれでいいのですが、初心者には体力的に難しいです。
ある部位をメインに鍛えていても、その他の部位もサブで負荷がかかっています。そのサブの部位をまた本格的に鍛えるとなるとかなりの体力が必要になることは想像できるでしょう。
また、1日に全身を鍛えるとなると時間もその分かかります。
宮城島大樹監修トレーナーからのアドバイス
NESTA PFT
食コンディショニングアドバイザー
忙しいビジネスマンであまり時間が取れない、という方にとってもスプリットルーティンはおすすめです。
超回復と分割法の関係
筋肉は筋トレをすると傷がつき、回復させるために時間がかかります。
部位にもよりますが、一般的に24〜72時間かかると言われており、その回復期間中に、傷ついている筋肉にさらに負荷をかけてしまうと、回復がうまく行われず、かえって筋肉が弱くなってしまう可能性もあるのです。これではせっかくのトレーニングが無駄になってしまいます。
つまり、筋トレはこの筋肉の超回復を待って行う必要があるのですが、それでは中2〜3日待たなければなりません。
そこで分割法の出番です。
筋トレは傷ついている部分以外の筋肉は使用しても問題がないので、今日は腕、明日は足、のように使う部位を分ければ、超回復期間を有効に使用でき、かつ各部位に集中した効果の高い筋トレができるというわけです。このように、分割法には様々なメリットがあります。
筋トレをする上で誰もが一度は聞いたことがある用語に、「超回復」があります。筋肉の成長、筋肥大では欠かせない要素なわけですが、超回復は単に筋トレをすればいいという単純なものではありません。そこには、体内で分泌される様々なホルモンが関係していたのです。
上半身と下半身に分けて2分割メニューの例
具体的なメニューの組み方は、一週間に4日トレーニングを行うとして、
・1日目 オフ
・2日目 上半身(胸・肩・腕・背中)
・3日目 下半身(大腿四頭筋・ハムストリングスなど)
・4日目 オフ
・5日目 オフ
・6日目 上半身
・7日目 下半身
というようなものになります。筋トレを2分割することで、このように2日連続でトレーニングを行っても、問題なく筋肉を回復させることができます。また、ポイントとして、上記の例のように、同じ部位をトレーニングするまでの期間は、超回復が完了するまで、72時間空けておくのがベストです。
3分割メニューの例
これらの押す、引くのトレーニングに、下半身のトレーニングを加えて、3分割しトレーニングを行っていきます。具体的なメニュー例は、
・1日目 上半身の押すトレーニング
・2日目 上半身の引くトレーニング
・3日目 下半身
・4日目 オフ
・5日目 上半身の押すトレーニング
・6日目 上半身の引くトレーニング
・7日目 オフ
※腹筋はどこに組み込んでも可
というようなものです。押すトレーニング、引くトレーニングは、主に同じ筋群を使用することが多く、2日連続して同じ力の入れ方のトレーニングを行ってしまうと、翌日に疲労が残ってしまいます。それを回避するために、この分割方法は有効なのです。
注意点として、筋肉の部位で分ける場合と同様、同じ部位のトレーニングまでには、72時間の間隔をあけましょう。
初心者の分割法の注意点
大きな筋肉からトレーニングを行う
大胸筋などの大筋群を鍛えようとするとき、腕などの体肢筋が疲れ切っている状態では、100%の力を発揮することはできません。なぜなら、大筋群を鍛えるとき、少なからず体肢筋など、小筋群が使われることになるからです。
そのため、トレーニングは必ず大きな筋肉から小さな筋肉、という順番で行ってください。
強度は高めに設定する
スプリットトレーニングの利点は、鍛えたい筋肉を集中して鍛えられることです。そのために、1日の種目数を減らしているわけですから、負荷は強めに設定しましょう。
通常、ウエイトトレーニングを行う場合、レップ数は10回の3セットが基本と言われていますが、分割法を使った場合レップ数は10~15回、セット数は3~6回と、多めに設定してください。そうすることで、分割法の利点を最大限生かすことができます。
不得意分野を把握し、メニュー後方に組み込む
筋トレでも得意分野、不得意分野があります。
例えば、胸の筋肉は十分に鍛えられていて、ベンチプレスは楽しくできるけど、足の筋肉は弱くて、鍛えるのが億劫、というような場合です。もし、その不得意で、弱い部分の筋トレをメニュー前方に持ってきてしまうと、体力も気力も消耗し、後のトレーニングが辛くなってしまいます。
そのため、自分の中で不得意である部分をしっかり把握し、メニュー後方に組み込みましょう。もちろん、大筋群から小筋群という、トレーニングの大きな流れは崩さないように意識してください。
筋トレ種目の順番って何からやればいいんだろう?と迷ってしまいがちです。筋トレの効果を効率よく発揮するためには、ある決められた順番で筋トレを行うとより良い効果を得ることができます。筋肉が喜ぶ筋トレの順番をまとめました。
初心者におすすめ分割法の例
分割法は、通常の筋トレよりも高い負荷で筋肉にダメージを与えるものです。そのため、初心者がいきなり分割法お使ってトレーニングを行うのは、筋力的にも厳しいですし、けがの危険性もあります。まずは、この方法で、全身の筋肉をバランスよく鍛えていくことが重要です。
この方法は、1日に全身全ての筋肉を鍛えなくてはならないので、筋トレ種目は1つの筋肉に対して1つ、多くても2つに設定しましょう。回数は、本来の分割法よりも少なめで、1レップ10回を3セット行うのがいいでしょう。もし、この方法に慣れてきて、効果が頭打ちになったと感じたら、まずは上半身、下半身で2分割する方法から始めるのがおすすめです。
筋トレ分割法はどんな方にもオススメ!
週1回のジム通いで効果が出ない、と悩んでいる方は、まずは全身トレーニングの分割法から始めてみてはいかがでしょうか。きっと、今までの筋トレが信じられないくらいの効果が出るはずです。
それに慣れたら、2分割、3分割とランクを上げていきましょう。そうなってくると、ジムに通う回数も増えるので、ご自身のスケジュール管理にも気を付けてください。分割法で、理想の体を手に入れましょう!
宮城島大樹監修トレーナーからのアドバイス
NESTA PFT
食コンディショニングアドバイザー
分割法をすることで結果として1週間のトレーニング量が増えます!そうなると体の変化も大きくでるのでぜひやってみてくださいね!
【プロトレーナー解説】筋トレをすると必ず起こるのが「筋肉痛」です。筋肉痛でも筋トレをしていいのでしょうか?それとも休むべきなのでしょうか?ここでは、筋肉痛のメカニズムや、筋トレと超回復の関係、筋トレ後の筋肉痛を抑える方法などについて解説します。