筋トレの順番が知りたい!筋肉が喜ぶ優先すべきの順番とは?

監修者

宮崎 隆一

NESTA-PFT(NESTA公認パーソナルフィットネストレーナー)

筋トレ種目の順番って何からやればいいんだろう?と迷ってしまいがちです。筋トレの効果を効率よく発揮するためには、ある決められた順番で筋トレを行うとより良い効果を得ることができます。筋肉が喜ぶ筋トレの順番をまとめました。

筋トレの順番の大前提は「多くの筋肉を使うメニューから」

ベンチプレス
筋トレを行うとき、どの部位から始めていますか?実は、筋トレをするときは適当な順番で行うより大きな筋肉から鍛えていくことで効果が高くなるのです。
体にある大きな筋肉とは以下の部位があります。

・胸
・背中
・脚
・お腹
主にこの4つが大筋群と呼ばれる筋肉です。トレーニングを行うときは上記の部位から鍛えていくと良いでしょう。

大筋群から鍛える理由①エネルギーを多く消費する

大筋群は筋肉が大きい分、小さい筋肉に比べて筋トレ時に使うエネルギーの量も多くなります。小さい筋肉からトレーニングをするとそこでエネルギーを消費してしまい、いざ大筋群を鍛えるときに十分な力を発揮できなくなるのです。

大筋群から鍛える理由②小さい筋肉も一緒に鍛えられる

筋トレをするとき、メインで使う筋肉以外にも筋肉は使われています。
例えば、ベンチプレスならメインは胸の大胸筋を使いますが、同時に腕の上腕三頭筋と肩の三角筋も鍛えることができるのです。もちろん単体で鍛えるよりは効果は少なくなりますが、大筋群のトレーニングでたくさんの筋肉を鍛えることもできます。

これは、腕や胸、肩や背中、そして下半身といった体の様々な部位を鍛える時に行なってほしいトレーニング方法です。

「より多くの筋肉を鍛えられるメニューから順番に鍛える」ことで効率的に筋トレの効果を高めるのです。

【筋トレの順番応用】動かす関節の動きも関係する?

大きな筋肉を使う種目から鍛えることは効果的ですが、筋トレの順番の決め方はそれだけではありません。実はその種目で「動かす関節の数」も筋トレの順序に関係します。

多関節運動

関節をまたいだ筋肉を使うトレーニングは「多関節運動」と言い、名前の通り2つ以上の関節を動かす運動を指します。つまり、同時に2つ以上の筋肉を鍛えられるのが特長です。

多関節運動の1つである『スクワット』は大腿四頭筋、ハムストリングス、大臀筋という3つの筋肉と股関節、膝関節を使うため、おこなうには体力が必要になります。

そのため、トレーニングを始めて体力を使ってしまった後ではしっかりとおこなうことが難しいので、スクワットなどの多くの筋肉を使う筋トレは始めのうちにおこなうといいでしょう。

なぜ複数の関節を動かす多関節運動から順番に鍛えると、効率的に筋肉を鍛えられるのでしょうか。

例えば背中の広背筋と呼ばれる場所を鍛える筋トレの代表例である「懸垂」「ラットプルダウン」といった種目では、広背筋だけでなく指の筋肉、そして前腕や肩といった多くの筋肉も連動して使うこととなります。

このような多関節運動は、補助的に使われる関節まわりの筋肉も同時に鍛えられるため、効率的なのです。

単関節運動

単関節運動は1つの関節のみが動く運動のことを指します。
例えば、腕を鍛えるアームカール肘関節のみを動かし、上腕二頭筋を鍛えるトレーニングです。単関節運動は鍛えたい筋肉をピンポイントで鍛えることができるメリットがあります。

しかし、単関節運動から行ってしまうと、以下のようなデメリットがあります。

『先に前腕を鍛え、その後ベンチプレスをすると、目標の筋肉(大胸筋)よりも先に前腕のほうが先に悲鳴を上げてしまい、思うようにトレーニングができない』

もし前腕を鍛えたい場合の順番としては、

①ベンチプレスで前腕筋含め、大きな筋肉を鍛え、
②リストカールなどの前腕筋をピンポイントで鍛える
という順番がいいでしょう。

小さい筋肉はいつ鍛える?

前述の通り、多関節運動で大筋群を鍛えることで小さい筋肉は同時に鍛えられていきます。筋トレ初心者の方は、今日は胸と腕をやって、明日は肩と背中、そして明後日は下半身といったように、体の各部位を細かく分けてトレーニングをおこなうことで様々な部位を鍛えることができます。

筋トレに慣れてきたら、単関節運動も取り入れていきましょう。

基本的には多関節→単関節の順番でベンチプレスがメインであれば、同時に動く上腕三頭筋や三角筋のトレーニングを行うようにすると良いでしょう。

宮崎 隆一監修トレーナーからのアドバイス

NESTA-PFT(NESTA公認パーソナルフィットネストレーナー)

筋トレ上級者になると、例えば腕でも個別の筋肉別にトレーニングをおこないますが、初心者であれば、全体の筋肉自体がまだ発達していないため、胸のトレーニングばかりをやっているだけで、腕も同時にしっかり鍛えられているということはあるのです。

大きい筋肉を鍛えるための代表的メニュー2つ

ここでは大きい筋肉を鍛えるトレーニングを紹介します。

スクワット

まず下半身は「スクワット」。大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋を使うトレーニングで筋トレ初心者は、はじめはこの種目だけでも下半身のトレーニングとしては完璧十分と言えます。
自重トレーニングでも効果は高いので女性の方にもおすすめのトレーニングです。

⑴足を肩幅より少し広めに開き、足の爪先は少し外側に向ける
⑵股関節を曲げ、お尻を真下に落とすイメージでお尻を後ろに突き出しながらつま先より前に膝が出ないように膝を曲げる
⑶膝を軽く曲げたところまで立ち上がります。

ベンチプレス

上半身のトレーニングは、胸を鍛える「ベンチプレス」です。
大胸筋・上腕三頭筋・三角筋を鍛えるトレーニングで、上半身を鍛えるためには欠かせない種目になります。

やり方
⑴ベンチに仰向けになって寝る
⑵バーベルを肩幅の1.5倍分ほど外側を握る
⑶ラックからバーベルを外して、ゆっくりと胸に下ろす
⑷勢いをつけずに素早くバーベルを持ち上げる
⑸ゆっくりと腕を伸ばし、元に戻していく
その他にも背中を鍛える「デッドリフト」などが挙げられます。それ以外にも先ほどした「懸垂」や、肩を鍛える「ショルダープレス」などが代表的です。

特にスクワット・ベンチプレス・デッドリフトはBIG3とも呼ばれるほどメジャーな種目なので、まずはこの3つだけを重点的に鍛えるだけでも大きな効果が得られるでしょう。

理想的な順番の筋トレで体を鍛え上げよう

筋トレというと単に重い重量をガシガシ扱ってるだけに見えますが、上級者ともなると全身をくまなく鍛え上げるためにかなり頭を悩ませるような、知的な運動でもあるのです。

初心者の方は、まずは今回ご紹介した基礎知識を参考に、筋トレBIG3と呼ばれるような代表的な筋トレの正しいやり方を覚え、おこなってみてください。