【決定版】スクワットの回数や頻度は?何回やるのが効果的?

監修者

幸田 倫史

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

【プロトレーナー解説】スクワットの回数や頻度はトレーニングを行う目的によって変わります。また、スクワットの回数は他筋トレと少し違う場合もあるので意識が必要です。万能エクササイズであるスクワットの効果を十分に享受するためにも、正しいやり方を解説します。

スクワットで鍛えられる筋肉部位は?

スクワットのしゃがむ・立ち上がるという動作は意外なほど多くの筋肉を使います。太ももの前側にある大腿四頭筋、裏側のハムストリングス、お尻にある大臀筋、姿勢を支える脊柱起立筋、腹筋群を使います。
他にも手を前に伸ばした方法をすれば、腕の重さだけ背筋に負荷がかかるやり方や、相撲の四股踏みのように足幅を広くして行うワイドスタンススクワットなど、スクワットのバリエーションは数多くあります。それぞれの長所、短所を理解して2種目以上組み合わせてトレーニングするのが理想的だと思います。

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

これだけ多くの筋肉を使う種目は他にほとんどなく、スクワットが「キング・オブ・エクササイズ」呼ばれるのも納得です。

スクワットの回数・負荷は目的によって変わる

本題の「スクワットの回数」についてです。

スクワットに限らず、筋トレはダイエットが目的なのか、それとも筋肥大が目的なのか、筋力アップが目的(バーベルスクワットで扱える重量を上げたい等)なのかで回数や負荷、セット数が変わります。

ダイエットが目的の場合

回数は15〜20回を1セットとし、それを3セット以上行いましょう。

15〜20回やってしっかり疲労が来る負荷にすることが理想ですが、初心者や女性であれば、自重で行うスクワットでしっかり負荷がかけられますよ。
このくらいの負荷では遅筋と呼ばれる筋肉が動員され、身体が引き締まりやすくなります。

筋肥大が目的の場合

回数は8〜12回を1セットとし、それを3セット以上行いましょう。
セット間休憩は60〜90秒を目安にします。

8〜12回でかなり疲労がくる高負荷では、速筋という筋肉のサイズが大きくなる筋繊維が動員されます。
自重スクワットでは物足りないと感じてきたらダンベルやバーベルを使ってスクワットを行ってみてください。

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

休憩の長さも成長ホルモンを分泌させる上で重要になってきます。長すぎると疲労物質がなくなり、成長するためのストレスが減り効果が薄れてしまいます。

筋力アップが目的の場合

回数は6回未満ギリギリ行える重さで6回未満を1セットとし、それを3セット以上行いましょう。
セット間休憩は2〜3分と長めにします。

6回も上げられない超高負荷になると、筋肉の神経強化を狙い、筋力が引き出され、筋力アップにつながります。

スクワットの回数は「10回×3セット」で十分筋力がアップする

目的別の筋トレの回数について紹介しましたが、ことスクワットに関しては、初心者は深く考える必要はありません。先程紹介した内容は中級者以上向けと捉えてください。

初心者や女性は、まずは自重でスクワットを「10回×3セット」行いましょう。
これを週2〜3日継続するだけでグングン筋力はアップしていきます。(女性であれば引き締まっていきます)

というのも、スクワットとはもともと筋肉の量の多い「足」や「お尻」の筋肉を使うトレーニングです。ベンチプレスもそうですが、特にスクワットは、トレーニングを普通に進めていくだけで、筋力がどんどんアップしていく筋トレ種目なのです。
筋力アップの「頭打ち」は他の筋トレ種目と比べると、ずっと後に訪れます。

それまでは、特別な方法は取らずに、しっかりと基本的なトレーニングの進め方をするべきでしょう。

「10回×3セット」やればいいんですね!

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

はい。スクワットは自重でも十分に効果が高いので、回数や負荷を無理に上げようとしなくていいですよ。

中級者以上で重量を上げていく方法

筋トレを始めて半年や1年が経過するとスクワットを自重で行うだけでは物足りなくなってしまうでしょう。そうなったらダンベルやバーベルで重量を追加しましょう。

重量を上げていくやり方にもコツがあります。
重量を上げるタイミングは「3セット目も正しいフォームで目標回数できた時」です。

例えば、「この前1セット目が11回で終わったけど、今日、1セット目で12回できたから今日重さを上げよう」
これはNGです。

1セット目で12回以上できても12回で止める。
2セット目で12回以上できても12回で止める。
3セット目で初めて12回以上できるようなら重量を増やす。

これを守り、少しずつ確実に筋肉を鍛えていきましょう。

2セット目でなんとか12回できたとして、3セット目で9回で限界がきてしまった。そんな時は無理をせず最後にスタートポジションの位置までなんとか戻りその日は良しとしましょう。

回数をどんどん増やしていく「30日スクワットチャレンジ」

どうしても一人でスクワットするのは辛いという方にはゲーム感覚でトレーニングが楽しめる方法があるのをご存知ですか?

”スクワットチャレンジ”

海外を中心に流行した、リレー形式で自分のチャレンジが終わったら次の人を指名していくものになります。(しなくてもいいです)

ルールは簡単です。30日間スクワットをしていくだけです。
初日は50回そこから1日経過ごとに5〜10回ずつ回数を増やしていきます。そうして30日後に250回スクワットを行う、というトレーニングです。(250回までいかなくても5回ずつ増やしていくのでもOKです)

1日目:50回
2日目:55回
3日目:60回
4日目:休み
5日目:65回

このように3日間スクワットをし、1日休む、を繰り返していきます。

一気に行わなくても1日のうちで決められた回数を分割でも行えればいいのです。自体重のみで行うので慣れてしまえばさほどきつくないと思います、低負荷高回数になので長くできますね。

お友達と一緒に始めて励ましあいながらお互いに体が変わっていくことを実感していくのも楽しく続けられるのではないでしょうか?
小さな成功体験を毎日実感することができるので途中で諦めてしまう確率も低いみたいです。SNS等で人の頑張りが見えるのもいいですね。一人では無理!という方にオススメです。

筋肉痛のケアも大切に

スクワットをしたら終了、ではなくその後のケアも大切に行うことで回復が早くなったり、より効果的にトレーニングできますので覚えておきましょう。
スクワットで使う筋肉部位が超回復にかかる期間は48〜72時間程度ですが、ケアをせずに回復が遅れてしまうと、その次のトレーニングが億劫になってしまいますよね。

また、回数や負荷についても、「初心者は10回×3セットから」という話をしましたが、本当に運動初心者でこの回数が難しい場合は無理をしないでください。

筋トレをすると身体はダメージを受けます。筋肉に与える刺激が強すぎたり、頻度が多すぎると過度な疲労状態になります。

例えば、筋肉痛にも関わらず毎日限界までバーベルスクワットに挑戦するのは明らかにやり過ぎです。更には、疲労に適切に対処しないと多くの身体的、化学的変化を引き起こすオーバートレーニング症候群(何もしていなくても疲労感を感じる等の症状)を招く危険があります。

回数や頻度を守り、そしてしっかり筋トレ後のケアをしましょう。

簡単に筋肉痛の回復を促す方法を紹介します。

① 睡眠

休息において絶対必要なのが睡眠です。
睡眠不足はトレーニングへの耐久力を弱め、気分の疲れを感じやすくなり、さらにはトレーニングというストレスへの適応を促す生理的メカニズムにも負の影響を及ぼします。

睡眠中のホルモン分泌は回復に影響する最も重要な要素の一つです。結局のところ、睡眠の目的は体内の回復をもたらすということなのです。可能であれば1日8時間の睡眠をとるか、午後に20分程の睡眠を取り入れ、身体を回復させましょう。

② 栄養摂取
食事もしっかり三食食べ、タンパク質を多く取ること意識してみましょう。タンパク質は筋肉の修復するための材料となるだけではなく、皮膚や髪の毛、爪など体を作る大切な栄養となりますので普段より多めに取りたいですね。

激しいトレーニングをするスポーツ選手やアスリートなどは、練習だけではなくその後のケアやリカバリーも重要視している選手が多いです。

幸田 倫史監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者、JATI-ATI、AFAA-PC、AFAA-FDEC

スクワットの回数を中心に解説してきました。
やみくもにトレーニングの回数や強度を上げるだけではなく、トレーニングをしていない時の回復方法にも目を向け、トレーニングの三原則、運動、栄養、休息を忘れずに集中力の高い状態でトレーニングに臨めるよう心掛けてみましょう。

スクワットは本当に効果の高い筋トレです。ぜひ今回解説した内容を守って行っていきましょう!