朝?夜?ランニングをやる効果が高いのはどっち?

監修者

沖 和彦

NESTA ハートレートスペシャリスト

ここ数年で朝や夜(夕方)にランニングをしている人をよく見かけるようになりました。趣味で走る方や健康目的、ダイエットで走る方など様々ですが、実際はどんな効果があるのでしょうか。朝型と夜型での効果の違いを紹介します。

朝のランニング効果

朝のランニング効果には、主に次の2つがあります。

①目を覚まさせ、生活リズムを整える
②脂肪燃焼効果が昼や夜よりも高い

①については、ランニングに限らず運動をすると交感神経が刺激されます。交感神経をしっかり覚ますことにより、体内の内臓の活動も活発になり、脳も活性化され、1日のスタートがしっかり切れます。「これから身体が活動モードに入りますよ」というスイッチが入るようなものです。

②の脂肪燃焼効果についてですが、有酸素運動は運動開始後約20分間は、脂肪より糖質が優先的にエネルギーとして燃焼されます。20分経過後あたりからだんだん脂肪が燃焼される割合が高くなってくるのです。

もちろん、痩せるために燃やさなければいけないのは「脂肪」。朝のランニングは脂肪を燃やすのに非常に効率的なのです。

日本人は1日の摂取カロリーの約半分を糖質から摂取します。これは言い換えれば、生活をしている上でそれだけ糖質がエネルギーとして使われているため、食事で摂取する必要があるということです。

夕食を食べた後、朝まで食事を摂らないため絶食状態が続きます。つまり、朝方は体内で糖質の貯蔵量が非常に少なくなっています。

この状態でランニングをすると、本来最初に優先的に消費する糖質が通常より少ないため、脂肪の燃焼効率が俄然高くなる、という理屈なのです。

朝のランニングは「ゆっくり走る」

朝のランニングはゆっくり走りましょう。なぜなら、まだ身体が起ききっていないため昼や夜ほど身体が動かないためです。無理に速く走ろうとすると怪我をする危険もあります。

また、ゆっくり走るということはダイエットに効果的です。
脂肪を燃焼させるためには心拍数が1つ重要な要因になり、速く走り心拍数が高くなりすぎると脂肪よりも糖質を優先的に消費してしまいます。

そのため、朝はダイエット効果のためにもゆっくり走りましょう。スピードの目安は「人と話しながら走れる速さ」です。

夜のランニング効果

夜のランニングには朝ほどの脂肪燃焼効果は期待できませんが、次の2つの効果が期待できます。

①高強度ランニングができる
②熟睡効果

①は、身体は朝と違い十分起きているため、高強度のランニングをすることが可能です。距離やランニングタイムを上げたい、といった意識の高いランナーは朝ではなく昼や夜に行ってください。

冒頭に朝ほどの脂肪燃焼効果が期待できない、と述べましたが、それは「同じペースで同じ時間・同じ距離を走った場合」の話です。
ランニングペースが速いと脂肪より糖質が優先的に消費されるのですが、10km以上など長い距離・時間を走るとゆっくり同じ距離を走った場合より脂肪の燃焼量が多くなります。

夜のランニングも実はダイエット効果が期待できるのです。

②についてですが、11日の疲れが十分でないと、熟睡することができません。睡眠でしっかり疲れを取ることは、次の日の活動のための必須条件です。ランニングをした後の適度な疲労は、熟睡を促してくれます。

ただし、ランニングは遅くとも寝る2時間前までには終わらせておきましょう。

ランニングをすると当然交感神経が活発になるので、ランニング直後は身体が興奮し、寝ることは難しいです。身体が落ち着いて、かつ適度な疲労を感じて寝れるようになるにはランニングを終えてから2時間程度はかかるのです。

夜ランニングをする時間は注意しましょう。

沖 和彦監修トレーナーからのアドバイス

NESTA ハートレートスペシャリスト

ランニング後に入浴する場合は高温を避けましょう。(42度以下)またそのあとに食事でタンパク質が良いと思いとる場合でも、消化吸収の良いものをとりましょう。入浴も、食事も間違うと良質な睡眠の妨げ、そして肝臓の不調(機能低下)に陥り、健康を保てなくなります(だるさや疲れが蓄積されます)

ランニングの注意点は?

朝と夜では体の温まり具合や疲れ具合が違います。

朝にランニングをする場合は、体がしっかり目覚めていないのでケガにつながる恐れがあります。また、起きてすぐなので筋肉が硬いため準備運動なしで行うとパフォーマンスが低下してしまいます。水分補給をして、しっかりと準備運動してからランニングするようにしましょう。

一方、夜のランニングは一日の疲れが蓄積しているため、こちらもまた思わぬケガをする恐れがあります。また、過度なランニングをしてしまうと疲れが溜まり過ぎて翌朝体が重くなってしまうことがあります。

疲れて帰宅した後ですのでランニングを持続しづらいという点にも注意が必要です。過度に行わず、短時間から行いましょう。

結局朝と夜どっちが効果は高いの?

ランニングする目的によります。

朝は血中の糖質が低く、体が糖質を使えないと判断し、脂肪からエネルギーを消費すると言われており、朝方のほうが脂肪燃焼効率が良いとされています。

しかし、夜にランニングを行っても脂肪は燃焼されます。

ランニングは継続が大切ですから、朝か夜かにとらわれずに持続することを意識しましょう。

継続することが何よりも大切です。無理のないペースではじめてみてください。
どうしても疲れてしまう、という人はウォーキングと同じペースでいいのでまずは軽くジョギングをしてみてください。

歩くスピードと同じでも走ることにより動員される筋肉量が増えるため、その消費カロリーは約1.6倍にもなるのです!
これをLSD(Long Slow Distance)法といいます。詳しくは以下の記事を参考にしてください。

沖 和彦監修トレーナーからのアドバイス

NESTA ハートレートスペシャリスト

時速6.0〜8.0kmのスロージョギングでも少ない時間や距離でも歩行よりも効果があるのです。

自分にあった時間帯で継続してランニングをしよう

ランニングには様々な効果と目的があり、朝と夜では効果が違います。自分が求めている効果や目的にあった時間帯を選びましょう。

また、毎日の継続が大事です。初めからは毎日、長時間のランニングは難しいと思います。

まずは、30分程度で週2〜3回からはじめてみて、ランニングが習慣化されてから日数を増やしたり、走る距離を伸ばしたりしてみてはいかがでしょうか。

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