腸腰筋とは?どこにある筋肉なのか?

腸腰筋は正しくは「腸腰筋群」と呼び、「大腰筋」「腸骨筋」「小腰筋」という3つの筋肉の総称をさしています。筋肉の名称の通り、腸と腰に深い関わりがあり、骨盤を中心に背骨や大腿骨(太ももの骨)など、体の支えとなっている場所にある筋肉でもあるのです。

ちなみに、「小腰筋」というのは大腰筋からの分束であり、実は約半数の人にはない筋肉なのだとか。そのため、大抵の人は腸腰筋群とは、大腰筋・腸骨筋の2つの筋肉から構成されていると考えていいでしょう。

ヒトの身体を大きく分けるとしたら上半身と下半身になりますが、腸腰筋群はまさに上半身と下半身を分ける場合の中間、連結部にある筋肉であるため、人体の重要な運動に役割を果たします。その中でも最も重要な役割は股関節の屈曲に関わる動きです。その他、姿勢の維持にも重要な役割を果たします。

宮城島大樹 監修トレーナーからアドバイス

NESTA PFT 食コンディショニングアドバイザー

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日本人は腸腰筋が海外の方よりも面積が狭い方が多いといわれています。
だからこそ猫背になりやすいとも言われているので積極的にトレーニングをしていきましょう!

腸腰筋のトレーニングで得られるメリットはたくさんある!

腸腰筋群の働きは前述したとおり、主に「股関節の屈曲」「姿勢の維持」の2つです。腸腰筋のトレーニングの紹介の前に、腸腰筋がどのようにそれぞれの動きに作用し、鍛えることでどのようなメリットをもたらすかを解説します。

腸腰筋が股関節に作用する働きについて

股関節を動かすときというのは歩いたり走ったり、足を動かす動作です。腸腰筋はこの動作に大きな役割を果たします。

具体的には足を前方に動かす動作(ランニングやジャンプなど)には大腰筋が作用します。そして足を上げる動作(坂を登ったり自転車など)には腸骨筋が作用します。
※厳密には足を前方に動かすといっても、股関節の屈曲角度が小さい動きには大腰筋よりも腸骨筋が作用します。

【参考文献】

大腰筋と腸骨筋は共に、この股関節の屈曲に関して作用する筋肉の中でも最も強い筋肉です。これらを鍛えることで、年配の方であれば歩行能力の向上、比較的若い方であってもスポーツで走る能力など、激しい下半身の動きも向上します。

次章から紹介するトレーニングメニュー以外にも、普段ランニング(大腰筋)や自転車(腸骨筋)通勤などを日課とするだけで腸腰筋は鍛えられます。ぜひ習慣化してください。実際、学術的にも腸腰筋群の働きを計測するためには自転車エルゴメーターという器具を使用するくらいです。

腸腰筋が姿勢の維持に作用する働きについて

腸腰筋は骨盤の位置の調整にも役立ちます。腸腰筋は股関節に付着している筋肉であるため、脊柱動物であるヒトの脊柱の始点である股関節とくっついているという事実だけで腸腰筋が姿勢維持に重要な筋肉であることが想像できるでしょう。

腸腰筋の姿勢維持の作用をイメージしやすい例の1つに「股関節と腰椎の分離」という作用があります。

もし股関節の動きと腰椎の動きが分離・独立されていないと、ランニングなどの激しい股関節以下の動きをすると上半身もそれにつられてグラグラ揺れてしまいます。激しい下半身の動きにつられることなく上半身の姿勢を維持するために、腸腰筋(特に大腰筋)が作用するのです。マラソン選手にとっては特に重要な筋肉といえます。

その他、実生活の上では猫背など姿勢が改善が期待できます。姿勢が良くなれば腰痛・肩こりなどの症状も改善されます。


腸腰筋の働きを解説してきましたが、次章からはそんな腸腰筋の鍛え方を、3つご紹介します。

宮城島大樹 監修トレーナーからアドバイス

NESTA PFT 食コンディショニングアドバイザー

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腸腰筋が強すぎると骨盤が前傾して反り腰になり、これもまた腰痛の原因になります。近年ヒールを履く方が多いので基本的に腸腰筋は最初から強く、どちらかというと臀筋群やハムストを鍛えたほうがいい場合のほうがいいです。
なので腰が丸くなってしまっている方には腸腰筋のトレーニングは効果的です。

そんな腸腰筋の鍛え方を、3つご紹介します。

腸腰筋の鍛え方① レッグレイズ


まず1つ目は、腹筋、特に腹直筋の下部を鍛えられるトレーニングの「レッグレイズ」です。
学校や部活などでは「足上げ腹筋」という言葉で聞いたことがある人がいるかもしれませんね。腸腰筋の鍛え方としては比較的メジャーな種目でもあります。

仰向けになり、両足をまっすぐ伸ばしたまま天井の方へ持ち上げます。これがスタートポジションとなります。そのまま膝を曲げないように足を元の位置の少し手前(地面につく直前)まで下ろします。この時腰に大きな負担がかかるので、腰痛持ちの方や初心者・女性は両手はお尻に敷くようにして腰を補助してあげるといいでしょう。

ゆっくり10回×3セット行いましょう。

腸腰筋の鍛え方② バイシクルクランチ


2つ目のトレーニングは「バイシクルクランチ」です。
バイシクルクランチでは腸腰筋の他、脇腹にある腹斜筋や腹筋のインナーマッスルにあたる腹横筋という部分を鍛えることができます。

バイシクルクランチもスタートポジションは仰向けですが、両膝は立てて両手は耳の後ろに添えるように置きます。この状態で息を吐きながら、腹筋の収縮に合わせて左肘と右膝をつけるようにして体をひねりましょう。肘と膝が最も近づいた状態で3秒静止し、そして今度は逆の肘・膝をつけるように体をひねります。

肘につけない方の足は、体のバランスを取るために膝を伸ばすようにします。つい早く行いがちになる種目ですが、あくまでゆっくりとした動作を基本としてください。

比較的高強度のトレーニングですが、10回×3セットを目標に行いましょう。

腸腰筋の鍛え方③ニートゥエルボー


「ニートゥエルボー」は立ったまま行うトレーニングで、腸腰筋の他に腹直筋・腹斜筋をそれぞれ鍛えることができる種目です。スタートポジションは立った状態で、足は肩幅に開き、両手は後頭部で組みます。

この状態から、右足を腰の上まで大きく持ち上げ、体をひねり右膝と左肘をつけるように動かします。反対も同様の動きを繰り返しましょう。下を向いてしまうと背中が丸まり、腰を痛めたり腸腰筋への負荷がなくなったりしてしまいます。背筋をしっかり伸ばして行うことを意識してトレーニングしてください。

腹筋の鍛え方を変えるだけで腸腰筋に大きな刺激が加わる

腸腰筋の鍛え方を具体的なトレーニングで紹介しましたが、実はこの3種目に限らず、ほとんどのトレーニングが腹筋と密接な関係にあります。(外腹斜筋は大腰筋と連動性があります)腸腰筋は体幹に近いので、これらのトレーニングと非常に相性が良いのです。

腸腰筋は体質を大きく改善することができるほどのポテンシャルがある種目です。普段のトレーニングに加えて、理想的な体づくりを目指してください!

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