【プロトレーナー解説】腹筋ローラーは腹筋を鍛えるのに抜群の効果がありますが、回数や頻度はどのくらいが適切なのでしょうか?腹筋が割れるメカニズム、腹筋ローラーの効果、そして使い方を解説します。
腹筋を割るには?腹筋ローラーはなぜ効果的なの?
腹筋ローラーで腹筋は割れますか?
小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス
日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。
腹筋ローラーは強烈に腹筋を刺激するので効果的ですよ。しかし、「腹筋を割る」ためにはまずは腹筋が割れるメカニズムを知らないと非効率になってしまいます。一緒に見ていきましょう。
腹筋が割れるメカニズム
多くの人が腹筋を割るアプローチを間違えがちなので、まずはここをしっかり押さえましょう。
腹筋を割るためには
①お腹まわりの脂肪を落とす
②腹筋を鍛えて筋肥大させる
①はダイエットですね。これは一般的に筋トレだけでは難しく、食事制限などで摂取カロリーを減らすことが最も効果的な方法になります。
小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス
日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。
「腹筋はキッチンで作られる」という言葉があるくらいです。
腹筋ローラーは膝コロなど初心者でも始めやすい上に、徐々に強度レベルを上げていき、立ちコロをにまでなるとかなり強度は高めです。誰でも腹筋を鍛えられる超おすすめグッズなのです!
その理由は、腹筋ローラーはシックスパックに代表される腹直筋だけでなく、腹斜筋や、ぽっこりお腹を引き締めるインナーマッスル腹横筋、そして腕の筋肉や広背筋・脊柱起立筋など全身の筋肉を鍛えることができるからです。
全身の筋肉を使えばその分消費カロリーも増える、というメカニズムです。
腹筋ローラーの回数や頻度はどのくらいがベストか?
腹筋に限らず、最も筋肉が筋肥大する回数・セット数は
「10回ギリギリで行える負荷で10回×3セット以上」
になります。
8〜12回程度が限界の負荷で腹筋ローラーをやりましょう。初心者であれば膝コロ(やり方は後ほど解説します)や壁コロ、上級者であれば立ちコロなどで負荷を調節しながら10回程度ギリギリで行えるやり方で行ってください。
「3セット以上」行う理由は、筋肉の動員率に秘密があります。
筋トレをしても1セット目から目標の筋肉(筋繊維)が全て刺激されるわけではないのです。
1セット目:30〜50%
2セット目:50〜70%
3セット目:70〜90%
小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス
日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。
セット間のインターバルは1分程度にしましょう。休みすぎるとまた筋肉の動員率が少なくなってしまいます。
頻度について|週何回やればいいの?
超回復とは、筋肉に負荷を与えることで傷つく筋繊維が修復し、前より少しだけ強くなる現象です。超回復を待たず、筋肉痛が残った状態でその部位の筋肉を追い込んでしまうと、逆に筋肉が弱まってしまう可能性もあるので注意しましょう。
超回復にかかる期間は、一般的に48〜72時間かかります。腹筋部位の超回復は少し短く、24〜48時間です。
なので、腹筋ローラーを行う際も少なくとも1日以上は空け、週に2〜3日程度がいいでしょう。
週に2〜3日を何ヶ月続ければどのくらいで効果が出ますか?
小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス
日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。
その人が過去に運動をしていたか、などにもよるのですが、全くの初心者であっても3ヶ月継続すればかなり筋肉はついているでしょう。
誰もが一度は挑戦したことのあるであろう筋トレ。しかし、なかなか続かないのが現実ですよね。成果が出るまで3ヶ月?半年?どのくらいの時間がかかるのでしょうか?3ヶ月や半年筋トレを行っているのに成果がいまいち出ない、という方のために筋肉がつくメカニズムと効果的な鍛え方を紹介します。
基本的な腹筋ローラーの使い方
小川 雄翔監修トレーナーからのアドバイス
日本トレーニング指導者協会の資格(JATI-ATI)保持者。パーソナルトレーナーとして科学的根拠に基づいた指導が得意。
では基本的な腹筋ローラーの使い方を最後に解説します。
膝コロ
<膝コロのやり方>
1.膝を床につけます。両膝の間隔は腰幅程度にします。
2.お腹に力を入れて背中を丸めます。
3.背筋を丸める意識を持ったまま、腹筋ローラーを限界まで前に転がします。
4.腹筋の力で元の位置に戻ります。
・両膝の間隔を広げ過ぎると腰にかかる負荷が高くなり過ぎてしまう可能性があります。腰痛の原因になります。
・背中を常に丸める意識を持つことで腹筋に刺激が与えられます。
腕を伸ばしきるまで腹筋ローラーを前に出した膝コロで、連続で20回できるようになったら、立ちコロに挑戦できる準備ができたと言えるでしょう。
立ちコロ
<立ちコロのやり方>
1.両足を腰幅に開き、立った状態で前屈し、腹筋ローラーを構えます。(膝が曲がってもOKです)
2.背中を常に丸める意識を持ったまま、腹筋ローラーを限界まで前に転がします。
3.腹筋の力で元の位置に戻ります。
壁コロ
膝コロを行いながら、自分が戻ってこれる限界の位置に壁を立て、壁に向かって膝コロを行いましょう。
その他、腹筋ローラーの使い方については以下の記事に紹介してあります。ぜひ参考にしてください。
腹筋ローラーの基本動作は意外と知らない方も多いでしょう。なんとなくやっているフォームだとケガをする事も多いです。腹筋ローラーの正しいやり方と効果を解説します。
腹筋ローラーの回数や頻度についてまとめ
●腹筋ローラーは腹筋だけでなく全身の筋肉を強烈に鍛えることができる
●回数は10回ギリギリ行える負荷で3セット以上
●頻度は週に2〜3日
●筋肉痛が残っている場合は無理にトレーニングしない
腹筋ローラーが効果的な理由の1つにエキセントリック収縮(筋肉が引き伸ばされながら力を発揮すること)のトレーニングだから、ということがあります。
通常の腹筋運動は腹筋の筋繊維が縮みながら刺激されます(コンセントリック収縮)が、腹筋ローラーは腹筋の筋繊維が引き伸ばされながら刺激されます。
エキセントリック収縮は、より刺激が強くなり筋肉が成長しやすいので、腹筋ローラーはまさに効果的と言えるでしょう。
価格も1000円程度で購入でき、家でも行えるのでぜひ1つ購入してみてください。
【プロトレーナー解説】皆さまおなじみの腹筋ローラー(アブローラー)ですが、腹筋だけでなく様々な部位を鍛えられます。今回は意外と知らない腹筋ローラーの基本をおさらいして、背筋など腹筋以外をを鍛えるバリエーションをご紹介させて頂きます。