太らないためには低炭水化物?低カロリー?効果的なのはどっち?

ダイエットで有名なのはカロリー制限ダイエットですが、最近、糖質制限(低炭水化物)ダイエットも話題です。
結局、どちらのダイエットが効果的なのでしょうか?
そこで、双方のダイエットの違いを比べながら、どちらのダイエットがよりやせやすいのか検証しました。
ぜひ、ご参考ください。

カロリー制限ダイエットのメリット・デメリット

カロリー制限ダイエットと糖質制限ダイエットでは、どっちがよりやせやすいのでしょうか?
2つのダイエットの違いを比較してみました。

カロリー制限ダイエットの仕組み

カロリーダイエットとは、消費カロリー(基礎代謝+活動)よりも摂取カロリー(飲食)を低くしようというダイエット法のこと。
カロリー(kcal)とは、体を活動させるエネルギーの量をいいます。
飲食によって摂取するカロリーが、基礎代謝や運動などで消費するカロリーよりも低いことで体重が減るというのが、カロリー制限ダイエットのメカニズムです。

食事kcal-運動kcal=痩せるor太る
摂取カロリーが消費カロリーを下回った時に、体内に蓄積されたエネルギー(脂肪)を燃やしてエネルギーに変化されます。
逆に、消費カロリーよりも摂取カロリーが上回った場合、余ったエネルギーは脂肪となり肥満の原因なります。

例えば、1日の消費カロリーが1800kcalで、摂取カロリーが1300kcalだったとすると、500kcal分の脂肪が燃焼されます。
脂肪1g=9kcalで体脂肪のうち80%が脂肪、20%が水分なので、500kcalで燃焼できるのは500kcal÷(9kcal×0.8)=69.44…で約69.4g。

たったそれだけ?と思うかもしれませんが、これが毎日続けられれば約2週間で1kgの脂肪を減らす換算です。
さらに運動などで消費カロリーを増やすほど、または摂取カロリーを減らすほど、減量効果は早いということになります。
あくまで理論上の数値ですが、カロリー制限をして「摂取カロリー<消費カロリー」の状態をキープすればやせられるのです。
(ただ、やせていくと基礎代謝が下がるので、次第にカロリー制限の効果は落ちていきます。)

カロリー制限ダイエットのメリット

カロリー制限ダイエットのメリットは、次のようなものがあります。

メリット①|食べられる範囲が広い
カロリー制限のメリットは、あらかじめ決めた摂取カロリーの上限の範囲であれば、食べられる食品に制限がないことです。
糖質制限ダイエットでは、白米や食パンなどの主食、ドーナツやどら焼きなどのスイーツは糖質が高く食べてはいけない、食べるのを控えるべきNG食品となります。
一方、カロリー制限ダイエットでは、設定した摂取カロリーをオーバーしなければ、好きなものを食べてOKなのです。
スイーツでもラーメンでも、好物を諦める必要はありません。
その代わりに、ほかでの飲食のカロリーを減らして調整していけばOKというわけです。
また、カロリー計算に慣れていけば、スムーズに食べ物を選ぶことができるようになります。

メリット②|歴史が長く安全性が高い
カロリー制限ダイエットは糖質制限ダイエットより歴史が長く、栄養バランスを良くし、必要なカロリーを摂っていれば、すでに安全性が証明されており、安心して実践できる減量法です。

カロリー制限ダイエットのデメリット

デメリットとしては、飲食物のカロリーをいちいち調べて計算するのが面倒だということでしょう。
最近は、多くのコンビニ商品やファミリーレストランなどのメニュー表にカロリーが表記されており、計算が比較的楽になってきています。

カロリー制限ダイエットは、ダイエットの効果を分かりやすく計算できているので、これが減量の原理原則のように思えます。
しかし、これは飲食したもの全部がエネルギーとして蓄積され脂肪となる前提の話です。
飲食によって摂った栄養素は、体内で消化され別の物質に変わりますが、全部が全部、吸収されてしまうわけではありません。
油物を食べたら、そのままお腹に脂肪が付いてしまうのではなく、多くは便として排出されるのです。
一方、糖質の場合は摂った分すべてが吸収され、エネルギーとして最優先に使われます。
この考え方が糖質制限ダイエットなのです。

糖質制限ダイエットのメリット・デメリット

糖質制限(低GI)ダイエットの仕組み

糖質制限ダイエットとは、糖質(炭水化物-食物繊維)を含む食品、高GI値(糖に変わりやすい)食品を摂る量を抑えることで、食後の血糖値の上昇をゆるやかにし、肥満ホルモンと呼ばれる「インスリン」の分泌を抑えることでやせられるというものです。
インスリンは、おもに食後、血液中の糖の濃度(血糖)が上がったとき、それを下げるために分泌されます、
ほかにも脂肪を蓄えたり、脂肪の分解を抑える働きもするので、分泌量が増えすぎると肥満の要因になってしまうのです。
糖質を制限して、インスリンの分泌量を抑えられれば、インスリンによって脂肪分解がジャマされないので、脂肪燃焼が促されるというワケですね。

糖質制限ダイエットのメリット

糖質制限ダイエットのメリットは、次のようなものがあります。

メリット①|インスリンの大量が分泌するのを防ぐ
糖質制限をすると、インスリンが大量に分泌するのを防ぐことができます。
インスリンは、健康な身体を維持するのに必要なものの、多過ぎるのも良くありません。
インスリンは、つねに血液中に一定の濃度、分泌されており、食事のあと一時的に上昇した血糖値を下げるために追加で分泌されますが、これは糖質を摂取した時だけです。
タンパク質や脂質を摂ってもインスリンは分泌されませんから、糖質が少なければ食事のあと血糖が上がりにくく、追加で分泌される量も少ないというワケですね。

メリット②|糖新生によりカロリーを多く消費できる
糖質制限ダイエットをすると、「糖新生」によってカロリー消費量(基礎代謝)が増えます。
糖新生とは、肝臓でブドウ糖を作り出す働きのことで、飲食物から糖が入ってこなくなると、この働きが活発になります。
糖新生をするときは多量のエネルギーが必要となるので、糖新生が活発になるほど、よりもっとエネルギーを使う、やせやすい身体となるのです。

メリット③|脂肪を燃焼しやすい身体になる
エネルギーは、炭水化物が分解されたブドウ糖か、体脂肪が分解された脂肪酸(体脂肪→脂肪酸+グリセロール)から作られます。
人体は、ブドウ糖と脂肪酸、双方からエネルギーを作りますが、糖質の多い食事が多いとブドウ糖からエネルギーを得ます。
一方、低糖質な食事をしていると、ブドウ糖より脂肪酸からエネルギーを得ることに。
より多くの脂肪酸からエネルギーが作られれば、脂肪の燃焼効率が上がり、やせやすい体になるというワケですね。

メリット④|余分なカロリーを外に排出できるようになる
低糖質の食事を継続していくと、オーバーしたカロリーを身体の外に排出できるようになってきます。
脂肪に含まれる脂肪酸をエネルギーとして使うとき、脂肪酸の一部が「ケトン体」という物質に変わります。
ケトン体は増えてくると体外に排出されますが、それ自体にカロリーがあるので、排出されるほどオーバーしたカロリーを捨てられるというワケですね。

糖質制限ダイエットのデメリット

糖質制限ダイエットのデメリットとしては、
・ご飯ものやスイーツといった炭水化物(糖質)が大好きな人には向かない
・肉や魚などの摂取量が増えるので、結果的に食費がかさむ
・カロリー制限ダイエットに比べて歴史が浅いので、長期的にみて健康に影響しないかどうかの臨床データがない
などがあります。。
タンパク質や脂質を摂る量が増えることで、将来的に腎臓や大腸に負担がかかるのではないか、という意見もあります。

太らないためにはカロリーが低ければいいの?炭水化物(糖質)が低ければよいの?

カロリー制限ダイエットと糖質制限(低炭水化物)ダイエットの特長まとめ

ダイエット名:ダイエット効果:血糖値改善:続けやすさ
カロリー制限:◯:◯:×
糖質制限:◎:◎:△

減量に効果的なダイエット方法はどっち?

糖質制限ダイエットとカロリー制限ダイエット、どっちがより効果的かというのは、実践する人の食べ物の好みや行動パターンによって決まります。
いちいちカロリーを計算していくなんて、面倒なことはイヤという人なら、糖質制限向きともいえますが、炭水化物がないと生きていけない、食べられるものを制限されるのがイヤだ、という人には糖質制限はおススメできません。
それぞれのダイエットのメリット・デメリットを比較し、ご自身に合ったものを選びましょう。

「糖質制限ダイエット向きの人」「カロリー制限ダイエット向きの人」の特徴

メリットの多い糖質制限ダイエットも、誰でも容易に実践できるとは限りません。
糖質制限にチャレンジして挫折したという人は、「自分にはカロリー制限の方が合っている」と思うかもしれません。
糖質制限ダイエット向きの人と、カロリー制限ダイエット向きの人には、次のような傾向があります。

糖質制限ダイエット向きの人

・積極的に運動をしたいと思わない
・日常的に運動をする時間が取れない
・食べる量を減らすのはつらい、満腹感を得たい
・炭水化物が少なくても生きていける、それ以上に肉や野菜が好き

カロリー制限ダイエット向きの人

・運動するのが苦ではない
・運動をする時間があり、習慣的にできる
・食事量が減ってもさほど苦ではない
・炭水化物なしでは生きていけない

太らない炭水化物の食品ランキング

ここまで、それぞれのダイエットの理論を解説してきましたが、実際に太る炭水化物と太らない炭水化物はどういった食品があるのでしょうか?
そこで、太る炭水化物と太らない炭水化物のランキング一覧を部門別にまとめました。
ここでは、糖質制限(低炭水化物)ダイエットの考えを軸にしたランキングにしていますが、カロリーも表記しましたので、カロリー制限ダイエットも実践される方への参考にもなるかと思います。

太らない炭水化物ランキング(主食部門)

品名:エネルギー:糖質量(100gあたり)
1. おかゆ:71 kcal:15.6g
2. ゆでうどん:105 kcal:20.8g
3. ゆでそば:132 kcal:24.0g
4. 玄米ごはん:165 kcal:34.2g
5. 白米:168 kcal:36.8

太らない炭水化物ランキング(スイーツ部門)

品名:エネルギー:糖質量(100gあたり)
1. カスタードプリン:126 kcal:14.7g
2. オレンジゼリー:51 kcal:19.6g
3. ラクトアイス;224 kcal:22.2g
4. シュークリーム:228 kcal:25.3g
5. エクレア:243 kcal:25.3g

太らない炭水化物ランキング(外食部門)

品名:エネルギー:糖質量(1食分あたり)
1. チキンソテー:492 kcal:1.0g
2. ビーフステーキ:381 kcal:2.0g
3. 手羽先の甘辛揚げ:232 kcal:4.4g
4. ブリの照り焼き:254 kcal:6.3g
5. エビフライ:130 kcal:7.4g

太らない炭水化物ランキング(スナック・おつまみ部門)

品名:エネルギー:糖質量(100gあたり)
1. あたりめ:279 kcal:0.4g
2. くるみ:674 kcal:4.2g
3. ビーフジャーキー:315 kcal:6.4g
4. バターピーナッツ:592 kcal:11.3g
5. ピスタチオ:615 kcal:11.9g

太らない炭水化物ランキング(フルーツ部門)

品名:エネルギー:糖質量(100gあたり)
1. アボカド:187:0.9
2. いちご:34:7.1
3. パパイア:38:7.3
4. レモン:26:8.6
5. もも:40:8.9

太る炭水化物の食品ランキング

太る炭水化物ランキング(主食部門)

品名:エネルギー:糖質量(100gあたり)
1. 緑豆春雨;356kcal:83.4g
2. プレーンコーンフレーク:381kcal:81.2g
3. ビーフン:377kcal:79.0g
4. インスタントラーメン:458kcal:59.0g
5. フランスパン:279kcal:54.8g

太る炭水化物ランキング(スイーツ部門)

品名:エネルギー:糖質量(100gあたり)
1. あめ:328kcal:97.5g
2. マシュマロ:133kcal:79.3g
3. ようかん:130kcal:66.9g
4. カステラ:319 kcal:62.6g
5. どら焼き:271 kcal:55.6g

太る炭水化物ランキング(外食部門)

品名:エネルギー:糖質量(1食分あたり)
1. カレーライス:818 kcal:105.7g
2. 牛丼:524 kcal:84.5g
3. 親子丼:508 kcal:82.5g
4. 寿司盛り合わせ:458 kcal:62.9g
5. ソース焼きそば:456 kcal:62.7g

太る炭水化物ランキング(スナック・おつまみ部門)

品名:エネルギー:糖質量(100gあたり)
1. 塩せんべい:190 kcal:82.3g
2. 揚げせんべい:283 kcal:70.6g
3. あられ:292 kcal:66.5g
4. コーンスナック:526 kcal:64.3g
5. オイルスプレークラッカー:492 kcal:61.8g

太る炭水化物ランキング(フルーツ部門)

品名:エネルギー:糖質量(100gあたり)
1. バナナ:86 kcal:21.4g
2. マンゴー:64 kcal:15.6g
3. ぶどう:59 kcal:15.2g
4. かき:60 kcal:14.3g
5. りんご:57 kcal:14.1g

ダイエット中はカロリーや糖質のみに目が行きがちですが、食塩(塩化ナトリウム)の量もチェックしましょう。
むくみ予防になり、シルエットが断然違ってきます。