大腿四頭筋を鍛える「シシースクワット」のやり方と効果!

監修者

鶴田 貴子

2017年ミス健康美21 163cm超級3位、2016年東京クラス別ボディフィットネス163cm超級4位

スクワットほどの知名度がないシシースクワット。シシースクワットとはどんなスクワットか?どの筋肉の部位、効果は?シシースクワットの正しいフォーム・やり方は?膝を痛めないためのコツなどを解説します!

究極の自重トレーニング「シシースクワット」

シシースクワットとは?

シシースクワットはスクワットという名前がついているとおり脚のトレーニングです。
あまりなじみのない名前ですので知らない方もいらっしゃるかと思いますが、これは自重のトレーニングです。
しかし自重だからといって簡単だと甘くみてはいけません!正しい方法で行うと強烈な刺激を与えることが出来るきついトレーニングなのです。

また、自重だけに便利な点もあります。
例えば、ジムでスクワットのラックがいっぱいで順番待ちしなければならない時があります。順番を待っている時間がない、でも脚をしっかり鍛えたい。そんなときにラックを使わずにできるのがシシースクワットです。
また、ジムに行きたいけど忙しくていけない時もあります。でも家でトレーニングすると負荷の小さい自重のスクワットしかできなくて高い効果は期待できない…そんなときにも是非試していただきたいと思います。

スクワットが「キング・オブ・トレーニング」ならシシースクワットは「隠れキング・オブ・トレーニング」といえるほど器具を使わない筋トレなのに効果絶大なのです。

脚のトレーニング愛好家にとっても、そしてそうでなくても取り組む価値のあるトレーニングです。

シシースクワットの語源

あまりなじみのない名前である「シシースクワット」。
この「シシー」とは英語で「弱々しい、女々しい」という意味です。ちょっと残念なネーミングですね。バーベルで高重量を扱わない自重のスクワットなのでそのような名前がついたといわれています。でも本当に弱々しいかどうか、このあと説明していきます。

どこの部位に効くのか?

これまで説明してきたシシースクワットの独特の動きが大臀筋(お尻)やハムストリング(裏もも)、脊柱起立筋の作用を抑え大腿四頭筋前面(前もも)を集中的に刺激します。

また、姿勢を安定させるために腹直筋腹斜筋を使います。

共動筋として大臀筋とハムストリングも使いますがあくまでも補助的なものです。通常のスクワットでは脊柱起立筋もしっかり使いますが、シシースクワットでは身体が前傾ではなく後傾なので身体の前面にある腹直筋が使われ、後面にある筋肉群である脊柱起立筋は大臀筋、ハムストリングと同様にあまり使われません。

大腿四頭筋前面への負担ですが、数あるトレーニングの中でも1、2を争うほどの強度の高さの自重トレーニングなので、最初は翌日うまく歩けなくなるほどの筋肉痛に見舞われるほどです。

シシースクワットの正しいやり方・フォーム

シシースクワットにトライ

シシースクワットのやり方を教えてください

鶴田 貴子監修トレーナーからのアドバイス

2017年ミス健康美21 163cm超級3位、2016年東京クラス別ボディフィットネス163cm超級4位

手すりにつかまりながら身体全体を後傾させ、股関節は伸びたまま腰を折らずに前にスライドさせながら膝を曲げ、曲げきったら膝を伸ばして立ち上がるスクワットがシシースクワットです。普通のスクワットでは股関節は大きく動きますが、シシースクワットでは股関節は屈曲しないのが大きな特徴です。見た目はスクワットの概念を覆すほどのインパクトがあります。

なんだか難しそうですね。ジムでやっている人を見かけませんし…

鶴田 貴子監修トレーナーからのアドバイス

2017年ミス健康美21 163cm超級3位、2016年東京クラス別ボディフィットネス163cm超級4位

正しいフォームを覚えれば難しいということはありませんが、器具を使わなくても十分な負荷をかけることが出来る分、十分に腰を下ろしていくためには大きな筋力が必要です。腰や股関節を曲げずに前にスライドさせるため、身体の背面の支える力がいるため身体の動かし方にはちょっとしたコツがいります。従って筋力的には筋トレ中級者以上に向いている種目といえますが、初級者の方はジムのトレーナにフォームチェックをしてもらうなどして取り組んでいくとよいかと思います。
ジムでは基本的にマシンやバーベル、ダンベルを利用してトレーニングする人がほとんどですから、自重で地味、かつあまり知られていない種目ですが、手軽に大腿四頭筋を刺激できるのが最大の利点です。

シシースクワットのやり方・フォーム

1. 足は肩幅に開いて立ちます。
2. 膝を45度程度曲げます
3. その状態のまま状態を後ろに倒します(そのとき手すりなどにつかまります)
4. 太ももと上半身は直線になるような状態にします
5. 太ももとふくらはぎが90度になるまで下げたらキープ(その時身体は常に直線の状態です)
6. ゆっくりと上体を上げていきます。

シシースクワットで大切なのは常に身体が一直線になっていることです。そうすることによって大腿四頭筋を鍛えられます。逆に言うとこの姿勢をキープすることが出来なければトレーニングの意味がありませんので注意が必要です。

シシースクワットのフォームのポイント

◯上半身は一直線に
スクワット系の種目は腰の位置を変えてはいけません。腰の位置がぶれるとバランスが崩れ、怪我の原因にもなるので危険です。また刺激したいところに力が集中せず、無意味なトレーニングになってしまいます。腰の位置を確保するためにも上半身は直線になるように心掛けましょう。

◯腹圧をかける
また、普通のスクワットの時と同様に腹圧をしっかりかけます。腹筋に力を入れるイメージです。シシースクワットで上半身を一直線にできない理由は腹筋がその姿勢に耐えられていないからです。そのためコツとしては腹圧をかけてトレーニングを行うことが重要です。

◯顔は上をむいた状態で
頸反射(首の位置)についてですが、上を向いた状態で行ってください。身体を起こすときに顔が下を向かないように気を付けましょう。

◯脚トレーニングの最後に行うと効果大!
更にシシースクワットの効果を上げるには、脚のトレーニングの最後にシシースクワットを行うことで限界まで大腿四頭筋を追い込むことが出来ます。

◯かかとを浮かせる
最後に最も重要な点ですが、かかとを浮かせた状態でトレーニングを行います。かかとを浮かせるとより強い刺激が大腿四頭筋に伝わります。

シシースクワットの注意点

①大腿四頭筋にストレッチが効いていることを確認
シシースクワットを行う際は、意識を集中させてゆっくりとできるだけ深く腰を下ろしていきましょう。その時、太ももの前面が強くストレッチされている感覚があります。それがうまくいっているサインです。大腿四頭筋を十分にストレッチさせることで本来シシースクワットがもつ効果が期待できます。

②バランスを取るのが難しい場合は手すりにつかまる
シシースクワットはバランスを取るのが難しいですので、無理をすると転倒など怪我のもとになります。手すりにつかまり、はじめは無理のない程度まで膝を曲げてトレーニングを行います。慣れてきたらだんだんと膝を深く曲げて腰も深くまで下ろしてゆくようにしてみましょう。少しでも浅く下ろせば負荷は軽減されることが分かると思います。ご自身の筋力がどれくらいあるのかを試しながら、無理のない程度に身体をならしていくことが怪我を防ぎ効果的なトレーニングを行うコツです。

③膝に違和感がある場合はすぐに中止!
シシースクワットはスクワットに比べるとバーベルを使わないため比較的故障が少ない種目です。しかし負担は強いため膝への負担は高まります。膝に痛みや違和感があったらすぐに中止してください。

シシースクワットがおすすめな人

どんな人にシシースクワットがおススメですか?

先ほど中級者以上向けのトレーニングとおっしゃっていましたが、具体的にはどのような人におススメのトレーニングなのですか?

鶴田 貴子監修トレーナーからのアドバイス

2017年ミス健康美21 163cm超級3位、2016年東京クラス別ボディフィットネス163cm超級4位

全くの筋トレ初級者の方にはハードルが高いと思います。

シシースクワットには身体を支える力が必要となってきますので、筋トレにある程度慣れて、ある程度筋力がついた方に適しています。

まずはフォームチェックをしてもらいながら正しい姿勢をマスターしてまずは低回数からチャレンジしてみましょう。

大体四頭筋は身体の中でも最大の体積がありますのでシシースクワットで大腿四頭筋を強化すると筋肉量を飛躍的に増やすことが出来ます。

筋肉量が増えると、下半身が強化され、基礎代謝増大、脂肪燃焼の効果が期待できるので、身体能力を伸ばしたい人、体脂肪を燃焼させたいダイエット中の方におススメです。女性の方は脚が太くなるのではないかと敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、本来、女性は筋肥大が起きにくく、運動的には引き締め効果が高いので、美しい脚線美、健康的なプロポーションを作るためには効果的です。

男らしくたくましい脚が欲しい男性、引き締まった健康的な脚に憧れる女性、どちらの方にも大変効果的なトレーニング種目といえますのでスクワットのバリエーションとして是非マスターしてほしいと思います。