ピッチ走法とストライド走法の違いは「足の接地位置」です。踏み出した一歩が近ければピッチ走法、遠くに慣ればストライド走法です。どちらも大切な走り方ですが、マラソン初心者にとっては、ストライド走法は様々な故障のリスクも高く、ピッチ走法をしっかり意識できる事が大切でしょう。
ピッチ走法とストライド走法とは?両者の違いとは?
よくランニングの雑誌にピッチ走法とか、ストライド走法とか書かれていますが、あればどうゆう走法を言うでしょう?
藤井隆太監修トレーナーからのアドバイス
理学療法士、認定ランニング指導員、TOGUインストラクター、SpineDynamics療上級認定セラピスト、mysole®︎ベーシックマイスター
ランニングの専門用語は色々ありますが、ピッチとストライドは一般的によく使われますね。少し解説していきましょう。
ピッチ走法とストライド走法の違いとは
ピッチ走法とストライド走法の違いは「ランニングフォームの違い」です。
結論から簡単に言いますと、ピッチ走法は歩幅を狭くとって、一歩を近い位置に着地しながら走る方法を言います。
ストライド走法は、歩幅を広くとって、一歩を遠い位置に着地しながら走る方法を言います。つまり、足を着く位置で変わるという事ですね。
長距離マラソン初心者にはピッチ走法がおすすめ
理由はいくつかありますが、マラソンのように長く走る競技では、いかに効率よく走るかが重要になります。いわゆるランニングエコノミー(走の経済性)を高める必要があります。
そのためには、ストライドを大きくとって走るよりも、ピッチを多くとり、テンポよく上下左右動が少なく走ることができると効率性を高めることができます。
ある一定のペースで走る時に、よりきれいなランニングフォームで走ることができれば、無駄な労力を使わずに済むため、体への負担も少なくなります。それでは、きれいなランニングフォームとは、どういったものなのでしょうか?この記事では、きれいなランニングフォームについて詳しく解説していきます。
長距離マラソントップランナーは両方の選手がいる
でもトップランナーのマラソンのペースってご存知ですか?
1km3分を切ったペースで走ります。1km3分は普通の一般ランナーで言えば、ほぼダッシュと思ってください。
つまり、短距離走を走るようなペースでマラソンを走りきれるようになってきたら、ストライドを意識したランニングも有効になってくるということです。
多くの市民ランナーにとって、それは当てはまりにくく、マラソン初心者のうちは、基本はピッチ走法を意識していく方が良いでしょう。
走るスピードはピッチとストライドで変化する
ピッチ走法が先ずは大切という事はよくわかりました。でも練習をしていく中でストライドも意識しないといけないような気もするのですがどうなんでしょう?
藤井隆太監修トレーナーからのアドバイス
理学療法士、認定ランニング指導員、TOGUインストラクター、SpineDynamics療上級認定セラピスト、mysole®︎ベーシックマイスター
そうですね。先ずはピッチ走法をしっかり身につける。そして確かにストライド走法も考慮した練習も必要になってきます。次はこの2つのフォームの関係について、少し詳しく考えていきましょう。
ピッチとストライドの関係
「走のスピード=ストライドの長さ×ピッチ数」
そうなると、ピッチ走法だけを意識して走っていては限界がくるということが上の計算式でよくわかります。ピッチを上げて、足の回転回数を増やしたとしても、どこまでもそれが速くできるわけではないので、どこかでストライドを広げていかないといけません。
そうする方がスピードが早くなりやすく、ランニングエコノミーも高まるためです。
ピッチ走法が身についてきた時には、ストライド走法を意識し始めるタイミングがくるというイメージで良いと思います。
ピッチ走法とストライド走法を身につけるためのトレーニング方法
ピッチ走法のトレーニング方法
息が上がらない程度のゆっくりとしたペースを意識して走り込んでください。
最初は5km、慣れてきたらその距離を伸ばしていきます。
10kmぐらいまで距離を伸ばしてもしんどくないようであれば、徐々にペースも速くしていきます。
でも息が弾むようなペースにはしない事が重要です。
息が弾むペースというのは、ランニングフォームも上下左右へブレやすくなってきます。身体のブレの修正には多くの筋活動を要しますので、酸素を多く必要とします。結果的に呼吸が乱れやすくなりますので、呼吸の乱れはフォームの乱れと似てきます。
ペースを少し上げても呼吸が落ち着いていれば、さらに一回に走る距離を伸ばしていきます。そのまま30km走まで走れるようになれば、かなり安定してピッチ走法ができるようになっているはずです。
ストライド走法のトレーニング
簡単なイメージで言えば、「短距離走」がストライド走法です。
一歩の歩幅を広くとる事が重要になります。しかし、無理な歩幅は、ランニング障害を引き起こす可能性も高めますので、かなり慎重に取り組まなければなりません。股関節や足関節といった関節周りの筋肉の柔軟性をしっかりと高め、身体の重心位置に近い体幹と呼ばれる部分の安定性をしっかり高める筋肉をつけた上で走らなければなりません。
ストライド走法はピッチ走法と比較して、一歩を前に大きく出します。
つまり、着地位置が自分の体よりも前につくことになります。これは、着いた足の床からの反力を身体で受けることにも繋がるため、注意が必要です。
そして、ストライド走法を行う場合は、1000m走や400m×10本などのようなインターバル走を取り入れるとよいでしょう。
短い距離を早く走る練習を行うことで、自然とピッチではなく、ストライドの幅を広くとりたくなります。短い距離を速く走る練習を行いながら、徐々にその足幅を意識して、広げていきます。
結果的にストライド走法が身につくため、そこから徐々に走る距離を伸ばしていくと良いでしょう。
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ピッチ走法もストライド走法に共通する注意点
身体のバランスを崩さない事が大切
ランニングというスポーツは、スタートからゴールまでの距離をできるだけ早くゴールする時間を争う競技です。
その中で重要視されているのは、ピッチ走法かストライド走法かという事ではなく、いかに効率よく自分の力を最小限に留めながら、スピードを上げていく事が求められます。
力を最小限に留めるためには、自分自身のバランス感覚がとても大切になります。
例えば、左右へ蛇行しながらランニングを行うよりも一直線を走る方が圧倒的に早くゴールへ辿り着けますよね。そのためには、ランニングをしている中で、いかに左右上下のバランスを整えながら走るかという事が重要になってきます。身体バランスが安定して入れば、着地の衝撃は吸収しやすく、無駄なエネルギー消費もなく、筋力を最後まで温存していくことも可能になります。
ピッチ、ストライドだけにとらわれることなく、長距離を走る場合は、自分自身が走っていて快適かどうかという視点も忘れずに、良いフォームで練習を積んでいく事が大切になってくるでしょう。
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ピッチ走法もストライド走法も大切に
それが自分の走る感覚にとってバランスを崩してしまう程度のものでなければ、そのストライドで走る距離を伸ばしていく、さらにペースも速くしていく。
そうすれば、両方の走法を意識して、自分らしいピッチとストライドが身についてくるでしょう。