筋膜リリースを理解するための知識|筋膜とは?

編集部

最近、筋膜リリースという言葉をよく見かけるんですが、、

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

G.tail代表/BLDA代表理事/千葉大学スポーツ科学過程卒/BLDAマスターボディデザイナー,NSCA-CSCS,鍼灸マッサージ師,EBFA,NKT,PS2AD-A,JM7,ファイトライフ協会認定トレーナー,骨格スタイル協会認定ファッションアドバイザーなど

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そうですね、色々なメディアで紹介されていますね。

編集部

興味はあるんですけど、よくわからないので教えてください!

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

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了解しました。ではまずは筋膜とは何なのか解説していきますね。

ここ最近、一般の人でも使うようになるほど世に浸透したワード、“筋膜リリース”

漠然と筋肉周辺を覆った膜みたいなものを、ベリベリと剥がしていくようなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?散歩中に誤って踏んでしまい、靴底についたガムを剥がすかのごとく。

確かにこの解釈は、非常にわかりやすくてイメージしやすいのですが、厳密に言えばかなりの誤解が含まれていると認識することは価値あることでしょう。
ここでは、筋膜リリースについての理解をより一層深めていきたいと思います。

筋膜の構造と役割

その為にまずは、そもそも筋膜とは何なのかという疑問にお答えしなくてはいけません。少々込み入った話しになるかもしれませんが、なるべくわかりやすく解説していきますね。

筋膜とは読んで字のごとく、全身の筋肉を覆ている膜ということで、大方間違っていません。
ただし膜と言うよりかは、筋肉と筋肉の間、もしくは筋肉と皮膚の間の空間を満たしている全ての組織の集合体のことと解釈しておく方がより正確でしょう。

さらに膜自体の構造も、サランラップのような一層の膜が筋肉をぐるっと巻いているという単純なイメージではありません。
伸び縮みするゴムのような性質を持った線維(コラーゲン線維など)が、格子状のフラクタル構造を成して、筋肉(筋線維)一本一本の間をつないでいるようなものを思い浮かべてみてください。
これがいわゆる狭義の筋膜と言えるのです。実際に顕微鏡でこの構造の映像を見ると、人体の美しさに魅了されますよ。

また筋膜同士の間や、筋膜と筋肉の間、さらに筋肉と皮膚の間には空間があり、そこを満たしているモノにも注目しましょう。
その細胞外マトリクスと呼ばれる空間には、タンパク質(コラーゲン、ヒアルロン酸、グルコサミン)や線維芽細胞、脂肪組織、感覚受容体、水分などが含まれています。

なぜこの空間に注目する必要があるのかは、後ほどお話しいたします。

そして、格子状の構造と線維の伸縮性、その他の潤滑油によって、隣り合う筋肉(筋線維)や筋膜同士が摩擦を起こすことなくスムーズに滑走できるのです。
その結果、筋肉に足場を与えて安定させたり、一本一本の筋肉を束ねたりしながらも、円滑な筋肉の伸び縮みをサポートしてくれているのです。

筋膜の誤解

またこのような膜組織は、筋肉のみに限ったものではなく、骨や内臓、関節、靭帯、腱にも存在しています。もちろんそれぞれ全く同じ構造(コラーゲン線維の配合率)をしているわけではありませんが、膜自体とその周辺組織の間の空間を埋めている集合体全体を専門用語で“ファッシア”と言います。

こいったこのようなことから、ファッシアは全身を繋ぐ一つのボディスーツのようなもので、張力を介して全体のバランスをとる構造(=テンセグリティ構造)に大きな役割を演じていると考えられているのです。

しかしこの先で明らかにしていきますが、筋膜の機能をこれだけだと考えていては、筋膜リリースを理解することはできません。冒頭にもお伝えしましたが、ガムのように筋肉にへばりついた筋膜をベリベリとローラーで剥がしていくのが、筋膜リリースではないのです。

余談ですが、実はファッシアを日本語に翻訳したときに、筋膜と表記したのが最大のミスといわれていて、「マイオ(=筋肉の)・ファッシア(=筋膜)」を「筋筋膜」という不可解な表記をする羽目になっいるのが現状だそう。

とにもかくにも、この先私が筋膜と言った場合は、筋肉の周辺を満たしている組織全体のことを指していると思ってください。
そして、筋膜をただ筋肉を包んでいるだけの膜という安易な認識ではなく、より複雑でかつ入り組んだ組織であると理解しておくのは重要なことでしょう。

筋膜リリースを理解するための知識|筋膜の異常

編集部

ふむふむ。。実は筋膜って凄く複雑だったんですね。

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

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はい。一つの大きな臓器と言ってもおかしくないくらいなんですよ!

編集部

ところでリリースしなければいけないほど異常な状態に陥っている筋膜とは、いったいどのような状態のことを言うのでしょうか?
筋肉のように、凝ったり硬くなったりするのですか?

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

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もちろん今からその疑問にお答えしていきます。

当たり前ですが、筋肉の異常と筋膜の異常は違います

筋膜がの異常といった場合には、よく「癒着」という言葉が使われるのを耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
ここではまず筋膜の異常として、「高密度化」「線維化」という二つの融着をご紹介したいと思います。

筋膜の異常① 高密度化

先ほど筋膜は、コラーゲンなどの線維に加え、ヒアルロン酸やグルコサミンなど様々な内容物と水分が含まれた集合体であるという話しをしたのを思い出してください。

高密度化とは、これらの内容物が異常に増加した状態、もしくは、水分量が減少した状態のことを指します。

簡単に言えば、ぐちゃぐちゃに絡みあっているイメージでしょうか。
その結果、筋肉が潤滑にスライドするのを妨げてしまうわけですね。

また筋膜には、感覚や神経活動を司るセンサーの数が、筋肉の約10倍あると言われています。

筋肉の適切な張力バランスや脳での感覚統合は、このセンサーの活動に依存するので、筋膜の高密度化はそれを阻害するでしょう。
結果として、筋肉の協調的な動きができなくなり、アンバランスな癖として定着することが予想されます。

さらに高密度化は筋膜の硬さや厚さを増加させるのに加え、pHの値も異常に変化させます。これは痛みを司る感覚センサーを刺激するので、凝りや疼痛の原因となるはずです。

筋膜の異常② 線維化

続いて線維化について。こちらで主役となるのはコラーゲン線維
結論からお伝えすると、線維化とはコラーゲン線維の配合率と方向が異常に形成された状態のことを言います。

筋肉の伸長率と筋膜の伸長率は相互に関係し合うので、筋膜の伸長要素であるコラーゲン線維の配合率と方向の異常は、筋肉の活動や関節の可動性にも変化をもたらすのです。
筋肉や関節の活動が制限されると、それをかばうような動き(=代償動作)が出現するため、身体の色々な部位に余計な負担をかけることになってしまうわけですね。

高密度化も線維化も、原因は使い過ぎ(過活動)か動かな過ぎ(不活動)です。

ですが線維化の場合は、長期間の繰り返しの結果として現れることが多いので、改善するのも同じく時間がかかるでしょう。
またその他にも、過去の怪我などの影響も考慮する必要があるかもしれません。

筋肉の異常 損傷と過緊張

最後にお伝えしておきたいのは、筋膜ではなく筋肉の異常について。

こちらはあなたもよく口にしたり耳にしたりしているはず。「肩が凝った!」や「背中が張ってる!」や「ふくらはぎが攣った!(痙攣)」や「もも裏が筋肉痛!」などなどですね。

そもそも筋肉とは、筋線維という細い線維が寄り集まってできた構造物です。

この線維が傷ついたり、切れたりすればどうなるのかは想像に難しくないでしょう。
これがいわゆる損傷です。原因は筋力トレーニングや怪我などが考えられ、結果的に炎症反応が引き起こされます。

もう一つ考えられるのが過緊張

こちらは、筋肉の収縮と弛緩をコントロールしている神経系のバランスが乱れた結果(原因は不良姿勢や歪みなど様々)、特定の筋肉が慢性的に過剰に収縮している状態です。

それによって血流が滞るため、筋肉へ栄養が供給できなくなるのと同時に、老廃物も除去できないといった悪循環に陥ってしまいます。

損傷からくる炎症反応も、過緊張からくる血流不足も、どちらも痛みを引き起こすので、私たちは何か筋肉がおかしいぞと気が付くわけです。

さて、これで筋膜の異常と筋肉の異常を区別して理解することはできましたね。

筋膜リリースとマッサージの違い

編集部

なるほど。最初は曖昧だった筋膜について、少しわかった気がします。じゃ、そろそろ筋膜リリースについて聞きたいです。マッサージとは何が違うんですか?

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はい、ここからがメイントピックですね。筋膜リリースとマッサージの違いについて説明していきましょう!

マッサージの概念上の定義

では便宜上、最初にマッサージとは何を目的にしているのかを検討していきます。

マッサージという用語自体は、おそらく筋膜という概念があまり浸透していなかった時代から広く使われていたので、ターゲットは筋肉ということでほぼ納得できるはずです。
そこでマッサージのような圧刺激が、体内でどういった反応を引き起こすのかを見ていきます。

強い痛みを感じない程度の心地よい圧刺激は、迷走神経といってリラックスを司る神経系を活性化して、血管を拡張させます。

その結果、局所的に血流が改善するので炎症物質や老廃物の除去を促します。
また、その刺激は脳にも伝わり、筋肉を過剰に収縮するよう命令していた信号を抑制するので、筋肉がほぐれた感じを実感できるのです。
さらにリラックス作用は、脳の痛みをコントロールする領域に影響を与えるので、凝りや痛みの程度を軽減させるのにも役立つでしょう。

したがってマッサージは、過剰に緊張した筋肉をリラックスさせるために行っている圧刺激を介した治療法と定義しておきます。

筋膜リリースの概念上の定義

次に、ここ最近で注目度が急上昇した筋膜リリースを検討していきます。

マッサージが筋肉の異常の改善なら、筋膜リリースの目的は、高密度化あるいは線維化した筋膜の改善です。

ターゲットにしてるのは、感覚センサー(神経受容体)コラーゲンなどを生成する線維芽細胞

では具体的にその中身を見ていきましょう。

まず感覚センサーには、押されている感覚や振動、さらに張力を感じる感覚などの情報を脳に伝達したり、筋肉の収縮と弛緩のバランスをコントロールするのに多大な影響力を持っています。そしてこれらの多くは、筋膜に存在していることは先ほどお伝えしました通りです(筋肉の約10倍)。
したがって、これらの感覚センサーに刺激を与えることで神経系への変化を促すことは、筋膜リリースが狙っている一つの目的なのです。

もう一つのターゲットはコラーゲンなどを生成する線維芽細胞
怪我をした後や、変な動きの癖を繰り返したことが原因で、筋膜内のコラーゲン線維は異常に配列されます。その結果、筋膜の伸長具合や方向性に悪影響を与えるところまでは説明済みですよね。
こういった状況を改善させるために、筋膜リリースでは線維芽細胞とコラーゲンの方向付けにも狙いを定めるべきなのです。

筋膜と筋肉の相互依存関係

さてこれで、筋膜リリースとマッサージの違いを理解していただけたでしょうか?

簡単に言えば、マッサージは筋肉の異常を、筋膜リリースは(当たり前ですが)筋膜の異常を改善することを目的に行われる治療法と、概念上は区別するとわかりやすいかもしれませんね。

しかし、すでにお気づきの方も多いと思いますが、筋肉の過緊張や血流不足を引き起こす原因に、筋膜の異常が関わっているのに疑いの余地はないでしょう。
さらに、筋肉と筋膜は構造上互いに接続しているので、その機能は相互に依存する関係性にあります。

もう一つ付け加えれば、筋肉の活動をコントロールする脳-神経-感覚系と、筋膜内に存在するセンサー(受容体)は密接に関連し合うので、筋膜リリースは脳-神経-感覚系へアプローチしているとも言えます。というか、こういった考えで筋膜リリースを捉えなければ、根本的な改善は見込めないでしょう。

つまり筋肉にきちんと働いてもらうためには、筋膜を理想的な状態を維持する必要があるということです。

だから筋膜リリースという用語がここまで浸透し、重要性を増しているのではないでしょうか。

オススメの筋膜リリースの方法と効果

編集部

筋膜リリースとマッサージの違いは、やり方や手法が違うだけで、最終的な目的は同じなんですね。

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その通りです。では最後に筋膜をリリースするのにオススメの方法とその効果を教えていきますね。

筋膜リリース① 圧刺激+ストレッチ

初めにご紹介したいのはテニスボールやゴルフボールを使用する方法です。
凝りや張りを感じやすい部位や、押してみて痛みを感じる部位をまずは特定します。
部位が特定できたら、テニスボールやゴルフボールなどで圧迫します。その後、圧迫したままその部位にストレッチテンションをかけてください。

そして圧刺激にストレッチを加えた状態を60秒~120秒程度持続します。

狙った部位に正しく圧刺激とストレッチテンションが加わっていれば、筋膜の伸長性が変化し、新しいコラーゲン線維の生成も促せるはずです。

筋膜リリース② 圧刺激+振動刺激

筋膜リリースというと、凸凹がついたローラーや振動するローラーでゴリゴリするイメージが強い方も多いのではないでしょうか。

これらは圧刺激と同時に振動刺激を与えることで、感覚センサーに変化を加えることが目的の一つです。
また線維芽細胞にもその刺激は伝わるので、こちらもコラーゲン線維の生成や配合率に影響を及ぼせるかもしれません。
さらに、筋膜内の水分代謝を促すので、高密度化した筋膜には有効でしょう。

その結果直後には、スムーズな身体の動きを実感できるでしょうし、自身の身体に対する感覚にも鋭くなる効果が見込めます。

筋膜リリース ③皮膚への刺激

皮膚と筋肉の間の浅い筋膜には、特に感覚センサーが豊富に存在しています。ここへの刺激は、自分の身体の感覚に鋭くなる為には非常に重要です。
専用の器具を取り扱っている治療院などもありますが、セルフで行う場合は「カッサ」がオススメです。

[ターゲットにオススメの部位]

・頭と首の付け根
・首の後ろ側から肩にかけて
・肩甲骨の間
・胸の上の方(小胸筋)
・股関節周辺
・ふくらはぎ
・足の裏

神尾健太 監修トレーナーからアドバイス

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これらを参考にお家でセルフケアしていきましょう!あ、、あと理想的な筋膜を維持するのに、適度な運動習慣とバランスの取れた質の高い食習慣への配慮もお忘れなく!!

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