筋トレをすれば腰痛も改善されるって本当?

監修者

千陽 ハーヴェイ

NSCA認定パーソナルトレーナー

みなさんは「腰痛予防のために筋トレをしている」や「腰痛のリハビリのために筋トレをしている」という話を聞いたことはありませんか?その話は本当なのでしょうか?ここでは、筋トレと腰痛の関係について詳しく解説します。

そもそも腰痛はなぜ起こるのか?

実は、意外なことに腰痛の原因の80%以上は、原因不明と言われています。しかし、その痛みの発生箇所の多くは骨ではなく、腰周辺の「筋肉」だということをご存知でしたか?また「腰痛」や「ぎっくり腰」と聞くと、お年寄りに起こるものだと思われがちですが、最近では若い人たちの中にも急増しています。
その原因は、パソコンの普及により、座っておこなう仕事が増えて猫背が急増したこと、日本人の平均筋力の低下による普段の姿勢の悪化、ベッド利用者が増えて体に合ってないベッドを使っている人が多い、などが考えられます。このように、私たちは常に腰痛のリスクと隣り合わせなのです。

なぜ筋トレをすると腰痛に良いと言われているのか?

腹筋と臀筋(お尻の筋肉)を鍛えることで姿勢が改善されます。デスクワークを長時間されている方に共通した姿勢が、「反り腰」姿勢です。

女性でもハイヒールを日常的にはいていたり、出産後に筋肉が弱くなると、骨盤が前傾した反り腰の姿勢になってしまいます。長時間椅子に座っていると、まず骨盤から腿の前の筋肉が硬くなり、股関節がうまく伸ばせなくなってしまいます。

腿の前の筋肉が硬くなると、逆側についている筋肉、つまり臀筋が伸びて弱くなります。そのため、骨盤が前傾し、反り腰の姿勢になってしまうのです。極度の反り腰は腰痛の主な原因となります。

また、デスクワークを長時間おこなっていると、肩が丸まり猫背の姿勢になります。猫背と、反り腰が合わさった姿勢がより腰へ負担をかける原因になってしまうのです。

骨盤の位置を安定させるための腹筋とその周りの臀筋など、体幹を主に鍛えることをお勧めします。腿の前の筋肉や、胸と肩の筋肉をストレッチを日常的に行い、猫背と反り腰を改善する筋トレを定期的におこなうことで腰痛の改善につながります。

プランク

腹筋、背筋と共に体幹を鍛えられる『プランク』を紹介します。

スパイン・ヒップリフト

『スパイン・ヒップリフト』は、腰痛防止には非常に効果的です。股関節も伸展する動きが加わり、臀部全体が効果的に鍛えられます。
しかし、これは腰痛を予防する場合であり、すでに腰痛を引き起こしている人は、トレーニングをしてはいけません。筋トレとは筋肉に負荷を与えることなので、すでに腰痛を引き起こしている人は、まずは整体や医師など専門家の意見を求めましょう。

筋トレをおこなう際の注意点

いきなりの筋トレをおこなうことは危険です。とくに一度、腰痛を経験してからリハビリとして筋トレをおこなう場合はなおさら注意が必要です。やり方を間違えると、逆に悪化させることにも繋がりかねません。ジムでおこなう場合には、専門のスタッフやトレーナーに一度相談してから、きちんとしたフォームや負荷で筋トレをおこなってください。

筋トレが腰痛にいい理由まとめ

●腰痛の原因の多くは、骨ではなく周辺の筋肉からくる痛み
●腰痛解消にはストレッチ、腰痛予防には筋トレ
●無理はしない
腰痛の主な原因や、解消のために必要なストレッチ方法、予防のための筋トレ方法について解説してきました。一度、正しいストレッチ、筋トレを覚えてしまえば、定期的に続けることで、腰痛を防止することができます。普段の私たちの生活が運動不足であることを認識して、これを機に筋トレをはじめてみてはいかがでしょうか?