ウォーキングで腰痛予防・改善!腰痛が悪化しない正しいウォーキング!

監修者

染谷 清行

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

ウォーキングは腰痛予防になるとは本当でしょうか?歩き方次第で腰痛は改善も悪化してしまいます。今回は、腰痛を改善・予防するための歩き方をレクチャーします。

胸を張る姿勢の、落とし穴

さあ天気も良いし!今日も胸を張って!腕を振って!!たくさん歩くぞー!!!

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

気合いが入って良いで・・・ちょ、ちょっと!腰を反って肩が力んで歩いてますよ!!

皆さんは「正しいウォーキング」、「正しい歩き方」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
冒頭のような「胸を張る」「手を大きく振る」というようなことを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
「目線をまっすぐ」「おなかに力を入れて」「踵からつま先に重心が抜けるように」などもでしょうか。

それはもちろん良いことで正しいことでもあるのですが、単語として理解が出来ていることと、動作として上手に出来ていることは必ずしもイコールではないこともあります。

特にウォーキングなどの運動で、腰などに違和感を覚える方は、歩き方やその姿勢に原因があることがあり、胸を張る姿勢をしているつもりが腰を反っている(腰椎が過度に伸展)、というケースは多くあります。

また、「骨盤を前傾にして歩く」という言葉も良く聞かれるひとつかもしれませんが、これも骨盤を前傾にしているつもりが、腰を反っている場合があります。

猫背の状態で歩いている場合も、地面からの衝撃を背骨がうまく分散できないために、特に腰部に過度なストレスがかかっていることも考えられ、こういった歩き方は残念ながら健康のためにしているつもりが、腰痛の温床や悪化の原因となることもあります。

しかし正しく歩ければ腰痛の予防や運動不足の解消に効果が期待できます。

ちゃんとやっているつもりが、まるで空回り…涙

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

やろうとする気持が一番大切ですよ!これから一緒に腰に負担のかからない正しい歩き方に改善していきましょう!

正しく歩き方には正しい姿勢が大事!

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

では最初に椅子に座ってみましょう!

歩くのに座るんですか!?

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

歩きのためなんですがまず座りましょう!

座骨という場所をご存知でしょうか?
座骨は寛骨の下の方にある出っ張った部分です。

まず一度、自分の左右の座骨に手で触れてみましょう。

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

分かりにくい方もいるかもしれませんが、触りやすい骨だと思います。写真を見ながら探してみましょう!思ったよりも内側にあるかもしれませんよ!

座骨が見つかったら、次に座骨の場所を確認しながら椅子に腰かけてみましょう。
ソファなどの柔らかい椅子よりも、木の椅子やパイプ椅子などがオススメです。
意識をしづらい方は、まず座骨に触っている手ごと座ってみてから手を抜いてみると分かりやすいかもしれません。

座骨で座ろうとすると背筋を伸ばさないと座れない気がします。

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

ご名答です!背筋を丸めると重心が後ろにかかりすぎて座骨で座れなくなってしまいますので、座骨で座るには背筋を伸ばす必要があるんですね!

人間の頭は5㎏~7㎏ほどと言われていて、重量があります。この頭をうまく使うことがコツの一つです。

座骨で座れたら、次にこの重たい頭が背骨の延長線上(耳孔のさらに上)で天から吊るされるようなイメージを持ち背筋を伸ばし、この頭の重みが座骨に乗る位置を探しましょう。

この時、横から見て、耳孔、肩峰、大転子がおおよそまっすぐの線で結べる姿勢になっていればOKです。
しっかりと背筋を伸ばして座れているはずです。

ちゃんと座れてますか!?

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

良い感じです!あとは少し肩の力を抜いて胸を開いて、吊るされた頭の重さが座骨に伝わる意識が出ればもっと良い感じになりますよ!

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

人それぞれ骨格は違うので、こういったポイントも大事ですが「姿勢よく座れてるのになんだか楽だなぁ」という主観も大事にしてくださいね。

正しく脚を使った歩き方!

正しい立ち方

皆さんも良い感じに座れてきましたか?

では今までの座り方のイメージと同じように頭の重みを座骨に伝えるように、耳孔、肩峰、大転子がまっすぐのラインにくるように意識しながら立ち上がってみましょう!

座骨の場所がイメージできないようなら立位の時も両手で左右の座骨を触ってみてください。

立位ではさらに頭の重みが左右の座骨を抜けて、足の裏全体に乗るように意識し、特に、足の裏では、踵、小指球、母指球をつなげた三角形のあいだで小さく揺れながらバランスを取るイメージを持ちましょう。

座り方ができていればそんなには難しくないはずですよ!

脚を使った歩き方

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

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シューズってどこに履きますか?

?足、ですよね??

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

では次は膝に履いてみましょう!

(ちょっと意味が分かりません・・・)

正しく歩くとき、姿勢ともう一つ意識をしてもらいたいのは足先(末梢)ではなく、股関節(中枢)です。末梢を意識しすぎてしまうとどうしても体幹の筋肉に力みが出やすくなってしまします。
上記の会話はもちろんイメージではありますが、裸足であればまずは足にシューズを履いているイメージで歩きましょう。実際に履く場所なのでそんなには難しくないと思います。

次に膝にシューズを履くイメージで歩いてみましょう。重心の、特に上下前後の変化が分かる方もいるかもしれません。
では最後にシューズを股関節に履くイメージで歩いてみましょう。
股関節の前後の振りが出て、膝の時よりもずっと重心が安定して歩くことができるはずです。
これは股関節の真下、自分の重心軸で足が地面を捉え、蹴ることができるため、「腰」でも「足」でもなく、「脚」を使った歩き方が出来ているからです。

慣れてきたら座って作った姿勢とミックスして行ってみましょう。

なんだか自然に胸が張れて姿勢よく歩けている気がします!

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

目線がまっすぐで、踵からつま先に体重が抜けて歩けていますよ!

!そういえば!!

自然と良い姿勢で歩けるようになってきましたか?
きちんと出来ていればあまり意識をしなくても、「胸が張れて」「お腹に力が入り」「踵からつま先に重心が抜けるように」歩けてきているはずです。
足りないと感じるものがあれば、それを意識してみましょう。

腕の振り方と歩き方!

腕の振り方のポイント

ここまで出来てくれば手の振りも自然と振れているはずですが、ポイントとしては、

・左右の肩を水平に保ちながら腕を振ること
・腰に違和感をお持ちの方で、反り腰気味の方は後ろめに腕を振ると腰部の伸展を助長して、腰に負担が掛かってしまう場合がありますので、やや前めに腕を振ってみる
・猫背気味の方は、後ろめに腕を振ると胸と腰が立つので、後ろめに振ること

を意識すると良いかもしれません。

この時もできるだけ肩に力が入らないように、肩甲骨から腕が振れるように楽に手を振ってみましょう。
どうしても肩に力が入ってしまう方や、姿勢がうまく作れない方は上位交差性症候群の可能性も考えられます。
以前の肩こりの記事も同時に参考にしてください。

腕の振り方で微調整する感じですね。

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

はい。腕振りも腰痛予防の歩き方では、とても大事なことですよ。

どのくらいの時間を歩けばいいの?

今回はできるだけ自然に歩き、腰痛を改善・予防することを目的としているため、「どこの筋肉を使う」という歩き方ではなく、「身体の軸」にポイントを置いた歩き方を中心に説明をしてきました。

今回の姿勢や歩き方がなかなかうまくできないという方は、猫背や反り腰が強い傾向があるかもしれませんので注意をしてください。

どんな方でも、もちろん歩き出す前の準備運動やストレッチは重要ですが、とくにその傾向がある方はしっかりと胸、肩、背中、や股関節、足関節のストレッチを行い今回のウォーキングを試していきましょう。

腰痛改善のためには自分自身で自分の全身の筋肉を無理なく使い、筋温を上げ循環を促し、筋の機能を上げることが重要です。
ですので無理のない範囲で、20分~30分ほど軽く汗ばむ程度に歩くことを目標に行いましょう!

腰痛が大丈夫なようであれば、今回のこの歩き方の姿勢軸を意識して、少しずつ肩甲骨から手を大きく振って、股関節から歩幅を広くして、坂道や階段を見つけたらラッキー!と思って率先して昇るようにしていきましょう!

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

注意してほしいことで間欠性跛行というものがあります。これは一定の距離を歩くことにより、腰部や下肢にしびれや不快感が生じ、歩き続けることができなくなってしまうものです。脊柱管狭窄症や閉塞性動脈硬化症などが隠れているケースもありますので、医療機関への受診なども考慮に入れながら取り入れて行ってください。

いくらやっても効果がでなければ、なにか隠れていることもあるのかもしれませんね。

染谷 清行監修トレーナーからのアドバイス

MRO(J) (Member of Registered Osteopaths (Japan). Personal Trainer. BESJマットピラティストレーナー

はい。今回の歩き方でも不快感が出る方は専門家への相談や猫背や反り腰などへのストレッチ、体幹のトレーニングなども並行して行ってくださいね。