【プロトレーナー解説】筋トレは毎日やると逆効果にもなり得るということをご存知でしょうか?筋肉痛がなければ毎日やってもいい、というのは大きな間違いかもしれません。正しい筋トレの頻度、ジムや自宅でのメニューの組み方もあわせて解説します。
筋トレって毎日やってもいいの?
さらに、そんな状態で無理に筋トレをしても、ケガのリスクが上がるだけでなく、かえって逆効果になる可能性もあります。また、精神的にもキツく、長く続けるのは難しいでしょう。
それでは、筋トレはどのくらいの頻度で行えば良いのでしょうか?
筋トレをする間隔を開ける理由、筋肉の成長のメカニズム、そしてジムや自宅で行える筋トレメニューもあわせて解説します。
中島 健監修トレーナーからのアドバイス
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
「一日おき」や「二日おき」など様々な意見が巷では言われますが、一日おきも二日おきも根底にある考え方は同じです。
筋肉は休んでる間に大きくなる
実のところ、筋肉痛の原因はまだ解明されていない部分が多く、諸説あります。詳しくは以下の記事をご覧ください。しかし、分かっていることは、筋肉は筋トレ後の『超回復』により大きくなるということです。超回復のメカニズムを理解することで、筋トレの効果を効率よく得ることができます。
筋トレを始めた方が誰しも経験することが筋肉痛です。筋肉の痛みは心地いいと感じる人もいるかもしれませんが、あまりにひどい筋肉痛は苦痛でしょう。次の日の仕事にも悪影響を及ぼしかねません。そんな筋肉痛の原因を知り、痛みを軽減する方法を解説します。
部位や強度にもよりますが、筋トレ後から48〜72時間にもっとも効果が現れます。この超回復により、筋肉は筋トレ前よりも少しだけ大きくなるのです。それを繰り返すことによって、筋肉はどんどん大きくなります。
逆に、超回復を待たずに筋トレを続けてしまうと、筋肉がストレスを受け続けて、思ったように大きくはなりません。つまり、筋トレ後2〜3日の休息日を置いてトレーニングを続けることが重要なのです。
超回復を考慮した筋トレメニューの組み方「スプリット・ルーティン」
筋トレを毎日せずに間隔を2〜3日空けるというのは、もっとトレーニングをしたい人にとっては待ちきれないでしょう。
そんな人は日によって鍛える部位を変える「スプリット・ルーティン」という筋トレメニューの組み方を実践してください。
例えば上半身を鍛えたのであれば、上半身の鍛えた部位は2〜3日間を空けることが望ましいですが、下半身であれば翌日でも鍛えることが可能です。
このように超回復の期間を部位ごとに並列に管理することで、トレーニングをする間隔を短くするのです。これは初心者〜上級者まで良く使われる手法です。
実際のスプリット・ルーティンを使った筋トレメニューの組み方については、以下の記事をぜひ参考にしてください。
筋トレメニューを組み立てることは筋トレの効果を出すために非常に重要です。とは言ってもジムか自宅か、または男性か女性か、初心者か上級者かで組み方は変わります。それぞれの1週間の筋トレメニューの組み方を詳しく紹介します。
筋肉痛がなければ毎日筋トレをしていい、は間違い
「超回復は筋肉痛が治まるまで」と勘違いしている人が多くいます。しかし、筋肉が成長することと筋肉痛になることはイコールではありません。
筋肉痛になる原因は「筋肉が動きに慣れていない」、「筋肉が引き伸ばされる動きをする」の2点です。
つまり、筋トレに身体が慣れてくれば筋肉痛になる頻度や程度は小さくなっていくのです。
筋肉痛にならなくても超回復を経て、筋肉は成長しています。鍛えた部位が筋肉痛にならなくても同じ部位の筋トレは2〜3日の間隔を空けましょう。
【参考文献】
自宅でも行える筋トレメニュー3選
これから筋トレを始める人にありがちなのは、腹筋100回、腕立て伏せ100回など、回数による目標設定です。しかし、これは適切とは言えません。重要なのは『正しいやり方』と『適切な負荷』をかけておこなうことです。適切な負荷は、筋トレの目的によって変わってきます。
筋肥大(筋肉を大きく見せること)が目的の場合、トレーニング時に適切な負荷は、6〜12回で限界がくる重さが適切です。純粋な筋力アップ(パフォーマンスを出すこと)が目的であれば、トレーニング時に適切な負荷は、1〜4回で限界がくる重さです。
その他に、筋持久力アップ(マラソンなど筋肉を使い続けること)が目的の場合、トレーニング時に適切な負荷は、20〜30回で限界がくる重さが適切です。
では、それをふまえた上で、これから筋トレを始める人が、どんなトレーニングをどのくらいの頻度でおこなえばいいのかご紹介します。
①プッシュアップ
これを10回×3セットおこないます。
たくましいカラダを持つ男性が輝くのは、なにも真夏のビーチだけではありません。とくに胸板が厚い男性は、Tシャツやスーツを着てもよく似合います。そこで、今回は胸筋を大きく見せるために、大胸筋を鍛える『プッシュアップ(腕立て伏せ)』について解説します。
※プッシュアップの注意点
まずは、うつ伏せになって、手が胸の真横にくるところに置いてください。肘を曲げたときの角度が90度になるところが、適切な手の位置です。
次に、体を上げるときには肘を伸ばしきらず、体を下げるときには頭から足までを真っ直ぐにし、お尻が上がったり、腰をそらないようにおこないましょう。
②スクワット
10回×3セットおこないます。
筋トレと聞くと上半身ばかりを想像する人が多いですが、それは間違いです。上半身と下半身のバランスが取れていないと、いくら筋肉を大きくしてもモテる体は手に入りません。そこで今回は、下半身を重点的に鍛えるのに効果的な『スクワット』について詳しく解説していきます。
※スクワットの注意点
自重で行うスクワットに慣れてきたら、ジムでバーベルを背負って行ってみてください。高重量のバーベルを背負ってスクワットを行うと、不安定な体勢を常に保持する必要があるため、強烈に体幹や腹筋を鍛えることができます。
③プランク
30秒×3セットおこないます。
意外と知らないプランクの効果!正しく行うことで腹筋だけをするより効率的に体幹を鍛えて綺麗な腹筋を作ることが可能です。
スポーツをする方はパフォーマンスUPにも!間違えた方法で行って、姿勢が崩れていませんか?
一度、自分のやり方が正しいか見直してみましょう。
※プランクの注意点
筋トレは毎日やっていいか? まとめ
●日によって鍛える部位を変える「スプリット・ルーティン」を実践しよう
●筋肉痛なしでも筋肉は修復しているためしっかり休む
ここまでで、筋トレは毎日やればいいというものではないということが分かりました。筋肉を大きくしたければ、しっかりとトレーニングをおこなうことと同じように、しっかりと休息を入れることが重要です。
筋トレをこれから始める人は、まずは今回紹介した自宅でも行える筋トレメニューを部位ごとに、強度に応じて一日おき〜三日おき程度に行いましょう。
【あわせて読みたい】
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