筋トレのオールアウトは必要?不要?回数、感覚などの正しい方法を解説!

監修者

守屋 直樹

健康運動実践指導者 NESTA-PFT

オールアウトとは筋肉の限界。果たしてあなたのトレーニングはそこまで追い込む必要があるのか?そうでないのか?またどんな時オールアウトまで追い込むべきか?その方法を紹介していきます。

筋トレにおけるオールアウトとは?どんな効果があるの?

オールアウトまで筋トレをするってどういう意味ですか?

守屋 直樹監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 NESTA-PFT

オールアウトとは筋肉を限界まで追い込むことを言います

筋トレをしている方なら一度は聞いたことのある「オールアウト」。オールアウトとは筋肉を限界まで追い込んだ状態のことで、スクワットで例えるとこれ以上立ち上がれないくらいまで行うことを言います。
オールアウトには以下の効果が期待できます。

・成長ホルモンの促進
・筋持久力の向上
・停滞期を抜け出す

オールアウトの状態まで筋トレを行うと成長ホルモンの分泌が通常の筋トレよりも増加することが証明されています。

成長ホルモンは筋肥大、筋肉を大きくするためにはかかせないホルモンです。また、成長ホルモンの分泌は脂肪分解を促進する効果もあり、運動によるエネルギーに脂肪が使われやすい状態になります。他にも免疫力を高めたり、気持ちを前向きにしてくれたり、気持ちを前向きにしてくれる効果もあります。

筋持久力のトレーニングとして筋肉を限界まで追い込むことを繰り返し行うことで限界と感じる回数が徐々に増やしていく方法もあります。
筋持久力を鍛える方法については以下の記事に詳しく解説してあります。参考にしてください。

そして、筋トレをしばらく続けているとぶつかる壁である停滞期。これを抜け出すことにも効果的と言われています。
停滞期の原因は筋肉が筋トレに対して慣れてしまうことにあります。同じ重さ、同じ回数で行っていると筋トレの効果が低くなってきます。そんなときにオールアウトまで追い込み筋肉が慣れていない限界状態まで刺激を入れてあげることで停滞期を打破しましょう。

オールアウトが必要なときとはどんなとき?

限界までトレーニングって大変そう…。ここまでやらないと効果が出ないんですか?

守屋 直樹監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 NESTA-PFT

そんなことないですよ!必要なときだけ追い込めば良いんです。

オールアウトまで追い込まないと筋肉が大きくならない、なんてことはありません。通常の筋トレでも正しい重さと回数を行うことで成長ホルモン分泌、筋肥大は起こります。
ただし、いつも同じメニューやセットで行っていると停滞期に入りやすくなってしまうのでたまに筋トレにメリハリを持たせるような感覚でオールアウトまで追い込んでみましょう。
筋肥大を目的としたトレーニング以外では筋持久力を高めたい方やメンタル面の強化を狙っている方もオールアウトまで追い込むことをオススメします。

例えばスクワットでオールアウトを狙ったとき50回目で限界を感じ、51回まで上げることができれば次のトレーニングでは52回上げられるでしょう。
その1回を上げることが筋肉だけでなくメンタル面へのトレーニング効果へつながります。競技スポーツを行っている方にとっては試合の最後の最後までパフォーマンスを発揮するために必要な部分ですね。

逆にそこまで筋肥大を求めていない方や、動作の習得や機能改善を目的に筋トレを行っている方はオールアウトまで追い込む必要はありません。無理に追い込まずに最後まで正しいフォームを維持することを意識して筋トレをしましょう。

また、筋肉を大きくしたい方も筋トレを始めたての方にはオススメできません。
ある程度種目に慣れてきて正しいフォームで10×3セットを継続的に行ってからオールアウトする日を取り入れましょう。具体的にはオールアウトまで追い込みたい部位、種目のトレーニングを3ヵ月は行ってから取り入れてください。

オールアウトまで追い込むコツ

そろそろ実際にオールアウトまで追い込む場合は、どうすれば追い込めるのでしょうか?

守屋 直樹監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 NESTA-PFT

初めてのオールアウトは誰かに手伝ってもらうことをオススメします

何度も言いますが、オールアウトとは筋肉を限界まで追い込むことです。筋トレに慣れていてもオールアウトに慣れていない場合、1人で限界まで追い込むのは危険なのと、そもそも難しい部分があります。

ベンチプレスを例にあげてみましょう。
1人で行う場合、セーフティラックがあれば安全ですが万が一無かった場合や高さの設定を誤ってしまうと持ち上げらなかったとき胸を潰され大きな事故につながります。
オールアウトまで行いたい種目の最終セットは必ず仲間やジムスタッフに補助に入ってもらいましょう。

補助に入ってもらうときは前半持ち上げられるところは自分で持ち上げ、後半1人で持ち上がらなくなったら上げる局面だけ手伝ってもらいましょう。下ろす局面は自分で出来るだけゆっくりと下ろし、補助を受けるのは後半の上げる局面だけにしましょう。
重さの設定は追い込むからと言って重たくし過ぎないで普段10×3セットで扱っている重さと同じか、少し軽いくらいで行いましょう。

オールアウトまで追い込む場合一番分かりやすい方法は上がらなくなるまで上げるということです。
ただしこのやり方を各種目3セット行うとして3セットとも行うと流石にキツすぎます。なのでいつもの10×3セットの3セット目だけこのやり方を行いましょう。
このやり方なら補助をしてもらうのも3セット目だけど大丈夫なので頼みやすいですね。

上がらなくなるまでやってみたけど、感覚的にオールアウトしているか分からないです…。

守屋 直樹監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 NESTA-PFT

限界の感じ方、感覚には個人差がありますからね。次のことを目安にチェックしてみましょう。

オールアウトの感覚と目安

自分のトレーニングがオールアウトまで追い込めているか分からないという方は次のチェックをしてみましょう。

・胸…胸の前で肘と肘をつけられない
・背中…気を付けが辛い、肘が身体より後ろに引けない
・腕…肘が曲がりきらない、伸びきらない
・脚…歩くだけでキツイ、歩幅がいつもより狭い

部位別に私がオールアウト出来ているかチェックする方法を紹介しました。
限界の感じ方には個人差がありますが、上記のチェックが当てはまればその部位はオールアウトまで追い込めているでしょう。オールアウトまで追い込まない日もトレーニング中や終わった後の疲労度チェックとして活用してみてください。

オールアウトの注意点

筋肥大や停滞期の突破など、目的のためにオールアウトまで追い込むことはとても効果的です。しかし、やみくもに追い込んでしまっては身体を痛めてしまう原因にもなります。

オールアウトまで追い込むということは筋トレの最終局面では限界に近い状態でその種目を行っています。
この状態では正しいフォームで筋トレを行うことが難しくなっています。そのため、オールアウトまで追い込む種目は必ず正しいフォーム、テクニックを覚え限界に近い状態でも行えるレベルまでにしておきましょう。

同じ部位を鍛えるトレーニングの中でもフォームがシンプルな種目を選択してオールアウトを狙いましょう。
クリーンなどの高いテクニックを必要とする種目はオールアウトには向きません。

また、オールアウトまで追い込む日は週1~2回、連続して同じ部位は行わないようにしましょう。
追い込み過ぎはオーバートレーニングの引き金になります。オーバートレーニングになってしまうと筋肉や関節への負担が積み重なりケガのリスクが高くなるだけでなく、かえって筋肉を弱くしてしまう恐れもあります。

また、週1回だけでも繰り返し過ぎてしまうとやり過ぎにつながります。今月、週1回オールアウトまで追い込む日を設定しトレーニングを行ったら翌月からはオールアウトする日は抜き、しばらくしたらまたオールアウトする日を組みましょう。

守屋 直樹監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 NESTA-PFT

追い込むときはしっかり追い込み、休むときはしっかり休む。メリハリをつけてトレーニングを行いましょう!

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