腹筋を割りたい。そんな目標を立てた人はトレーニングや食事制限など、様々な努力をすることでしょう。そんな方にプラスして取り組んで欲しいのが「呼吸」です。そこで今回は、ダイエットにもトレーニングにも活用できる、腹筋を割るのに便利な呼吸の基本を伝授します。
毎日の呼吸が浅くなる原因
口呼吸になっている
普段から鼻炎や花粉症に悩まされている人の多くは、鼻呼吸がしづらいという悩みを抱えています。そうすると、自然と口呼吸の割合が多くなっていきます。そして口呼吸が多くなると、呼吸が浅くなりがちになるのです。
鼻よりも口の方が大きい分、大きく息を吸い込めると思いがちです。しかし2つの呼吸をしてみると、鼻呼吸の方が自然と深呼吸が出来るのがわかります。
姿勢が悪くなっている
猫背に代表される、体が前傾姿勢になっている状態は、自然と肺を圧迫しているような状態になります。そうすると、呼吸で欠かせない横隔膜の動かせる量が減ってしまうため、肺に取り込める酸素の量が大きく減ってしまうというわけです。
ストレスによる呼吸量の低下
仕事や人間関係でトラブルを抱えていることによって蓄積されるストレスは、呼吸にも悪影響を与えます。ストレスによって脳への負担が増すと、呼吸が浅くなりがちになるのです。
これ以外にも、病気など様々な要因があります。
呼吸が浅くなるとこんなにデメリットがある!
実は、浅い呼吸には下に紹介するような数々のデメリットが存在するのです。
体の活力が失われがちになる
呼吸によって取り込まれる酸素は、私たちの体内に無数に存在する細胞のエネルギー源となります。特に脳は、体内の酸素の実に25%前後もの量を消費するのです。そんな酸素が体内で不足してくると、全身がエネルギー不足になり、スポーツで思うように動けなくなるだけでなく、臓器などの活動も弱まってしまいます。
自律神経のバランスが崩れて、イライラしやすくなる
呼吸は単純に酸素を取り込むだけでなく、交感神経と副交感神経という、2つの自律神経のバランスを取るという大切な役目があります。呼吸が浅くなると交感神経の活動に偏りがちになり、気持ちが興奮している状態が多くなっていくのです。
そうすると、なんとなく落ち着かない、集中力がすぐ途切れる、イライラしやすくなるといった状態が多くなります。ストレスを溜め込んでいる状態にこうなると、マイナス思考など心の問題が悪化しやすくなってしまうのです。
深い呼吸のメリット① 集中力アップやリラックス、健康効果
自律神経のバランスが整う&体の活力を取り戻せる
腹式呼吸による深い呼吸を行うと、バランスの崩れていた自律神経のうち、リラックスした状態を作る副交感神経の働きが正常化していきいます。これによって、イライラしていたり集中力が切れていた状態を改善することができるのです。
もしも自宅にいるときであれば、寝る前のリラクゼーションとして取り組むのもいいですし、運動や仕事などで腹式呼吸を意識することで集中力のアップを期待できます。
また、エネルギー不足になりがちだった体に酸素を送り込むことができることで、全身のエネルギーを確保できるようになります。それにより、免疫アップや体調改善といった健康効果もあるのです。
深い呼吸のメリット② 腹筋を意識する事でダイエット効果も高い
有酸素運動などを長時間続けると、体内で使われるエネルギー源は糖質から脂質にチェンジします。実は、この脂質を使ってエネルギーを生み出す時には、酸素の存在が必要不可欠なのです。運動中にしっかり呼吸を意識できれば、脂肪燃焼を効率よく行えるようになります。
それだけではありません。腹式呼吸で行う深呼吸では、血流が改善されたりお腹にあるインナーマッスルをフルに使うことで、結果として代謝を高めることができます。これにより、体が脂肪を燃焼しやすい状態に変化していくのです。
筋トレ時に無意識に呼吸が止まってしまう・呼吸のタイミングがわからない・そもそもなぜ呼吸を意識するのかという疑問に対して詳しく理由や方法、効果を解説していきます。
腹筋を意識した腹式呼吸のやり方
最初に説明したいのが、腹筋を意識した腹式呼吸のやり方です。これを知るのにはピッタリなトレーニングがあります。それが「ドローイン」です。
ドローインでは床に仰向けになった状態で行います。この状態で、鼻から息を吸って、口から吐くという動作を10回ほど繰り返し行いましょう。
ポイントとなるのは、息を吸う時にはお腹を限界まで膨らませて、息を吐く時はおへそが床にくっつくくらいの意識で、大きく凹ませるという2つの点です。特に、息を吐き切るという事を意識するといいでしょう。
お腹を大きく動かす事で、呼吸筋である横隔膜をはじめ、お腹にあるインナーマッスルを鍛えることができます。
ドローインは、インナーマッスルである腹横筋を鍛える呼吸法エクササイズです。腹横筋が鍛えられることで腹部が安定し腰痛の予防改善やお腹の引き締めに効果があり、腹部の筋肉が弱く、負荷の高い腹筋を鍛える筋トレが難しい方にオススメです。
筋トレをする時に知っておきたい「正しい呼吸方法」
まず1つ目はトレーニング中にエネルギー不足を起こさないためです。そして2つ目は、トレーニング中の「急激な血圧上昇を避ける」という理由があります。
ウェイトトレーニングなどで高重量を扱うと、ついつい力んで息を止めてしまう人がいるのですが、そうすると体内の血圧が急上昇します。それが原因で、めまいや体調不良などに陥る場合があるのです。
トレーニングの基本として、「筋肉の収縮動作では息を吐き、筋肉の伸張動作では息を吸う」というのを意識しましょう。例えば、ベンチプレスではバーベルを持ち上げる時に息を吐き、胸の前に下ろす時に息を吸うという具合です。また、スクワットでは腰を落とす時に息を吸い、体を起こす時に息を吐きましょう。
呼吸を意識した腹筋トレーニングの正しいやり方
クランチ
腹筋を収縮させて体を起こす時に息を吐き、元の姿勢に戻す時に息を吸う。
レッグレイズ
足を天井の方へ持ち上げる時に息を吐き、足を下ろす時に息を吸う。
プランク
プランクのようなアイソメトリック種目は、動作がなく同じ姿勢を保つことで腹筋を鍛えます。そうすると力むあまりに息を止めてしまいがちなので、常に一定の呼吸をするよう意識しましょう。
正しい呼吸で腹筋ダイエットを成功させよう!
そのダイエット効果は、腹筋にも発揮されます。引き締まったウェストを手にいれるため、ぜひ呼吸を意識したトレーニングに取り組んでみてください。
田口純平監修トレーナーからのアドバイス
ベストボディ・ジャパン2015男子総合グランプリ
トレーニングを始めた頃は、体が力み、無呼吸の状態で行いがちです。正しい呼吸法を理解して、効率の良いトレーニングを心がけましょう。
ダンベルは場所を取らずコンパクトな形であり、ジムはもちろん自宅で活用している人も多いです。ダンベルは使い勝手が良く、様々なトレーニングに組み合わせることができるのが大きな魅力ですが、それはもちろん腹筋のトレーニングにも当てはまります。憧れのシックスパックを手に入れられる、おすすめのトレーニングをご紹介します。