【決定版】体幹トレーニングの筋トレメニュー3選!

監修者

千陽 ハーヴェイ

NSCA認定パーソナルトレーナー

サッカー日本代表選手の長友選手が火付け役となった体幹トレーニング。実際に体幹を鍛えることで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか?今回は体幹の働きや鍛えるメリット、そしてオススメの3種類のトレーニングを紹介します!

体幹とはどんな筋肉なのか

まずはじめに、体幹とは一体どのような筋肉なのかから説明します。

体幹とは読んで字のごとく、「体の幹」に当たる部分です。そしてこの体幹には、「広義の意味を持つ体幹」と「狭義の意味を持つ体幹」の2種類の意味を持っています。

広義の意味の体幹=胴体

広義の意味を持つ体幹とは、端的にいうと「頭と手足を除いた胴体の部分」です。そして、これは何も筋肉だけを指しているわけではありません。胴体にある筋肉はもちろん、骨などもこの体幹に含まれます。

狭義の意味の体幹=上半身と下半身を繋ぐ場所

それに対して、狭義の意味の体幹はもう少し場所が限定されます。こちらの体幹を「インナーユニット」と呼ぶ場合もあるのですが、具体的には5つの筋肉を指しています。それは横隔膜・腹横筋・多裂筋・骨盤底筋群・臀筋の5種類です。

千陽 ハーヴェイ監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー

臀筋も重要です!

これらの筋肉は、いずれも肋骨の下から骨盤にかけて存在しています。ちょうど上半身と下半身とを繋げる場所にあり、体を安定させるのに欠かせない役割を持っているのです。

今回は、この狭義の意味での体感=インナーユニットを中心に解説していきます。

体幹トレーニングはウエストのシェイプアップに最適

体幹を鍛えることはスポーツパフォーマンスを上げることにつながります。しかしそれだけではなく、姿勢が改善させれて、ウエストラインが締まって見えます。その理由をいくつかまとめてみました。

体の引き締め効果が抜群

狭義の体幹=インナーユニットのあるお腹周りというのは、実は背骨以外にほとんど骨がありません。そのため、インナーユニットの筋肉はコルセットのように胴回りを覆って、体を支えてくれるのです。
言い換えると、この筋肉を鍛えることでコルセットの締める力が増し、美しいウェストラインを作ることができるのです。

腸の働きを正常化させて代謝を上げる

お腹周りをコルセットのように覆っているインナーユニットの筋肉が衰えると、姿勢が悪くなるだけでなく内臓、特に腸が少し下気味になってしまいます。これがぽっこりお腹になってしまう1つの原因なのですが、腸の位置が下がると正常な消化活動が妨げられてしまうのです。

体幹トレーニングによってインナーユニットを鍛えると、腸を正常の位置に戻すことができます。それによって消火活動が活発になり、便秘が解消されるほか体の代謝を高めることができます。それによって、体が脂肪を燃焼しやすい状態になるのです。

体幹トレーニング=腹筋のトレーニングではない

体幹トレーニングと聞くと腹筋トレーニングをイメージしてしまう人がいます。確かに腹筋トレーニングの中にはインナーユニットの1つである腹横筋などを鍛える種目があります。しかし、体幹はお腹だけではなく、その反対にある背中にも存在します。例えば多裂筋などです。
筋肉は片方の側面ばかりを鍛えると、反対側の筋肉が衰えて体のバランスがかえって崩れてしまいます。それは体幹も同様です。もし体幹トレーニングをこれから行うという場合は、「腹横筋+多裂筋」のトレーニングを1セットで行うというイメージを持つ方がいいでしょう。

そのように全体的に体幹を安定させる筋肉を鍛える必要があります。

千陽 ハーヴェイ監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー

腹筋を鍛えるトレーニングも様々な種類があります。体幹の安定に特に重要な筋肉の腹横筋は、クランチなど腹部を屈曲させる筋肉(腹直筋)を鍛える運動では鍛えられません。加えて、背部にある多裂筋を鍛え、全体的に体幹を安定させる筋肉を鍛える必要があります。

体幹トレーニングは毎日行っていいの?

筋トレを行う上でよく耳にする「超回復」と言う理論があります。

超回復というのは筋トレでは不可欠な理論です。簡単に説明すると、トレーニングによって筋肉の繊維が傷つくと、修復に2、3日の時間がかかります。するとその修復の過程で、筋肉がトレーニング前よりも強い状態で回復=成長すると言う現象が起こるのです。これを超回復理論と呼んでいます。

しかし、腹筋などを含む体幹は基本的にウェイトなどを使ったハードなトレーニングを行う訳ではないので、この超回復はあまり意識せずに毎日行っても問題ありません。

ただ、トレーニングを始めたばかりの頃は、動きに慣れていないため疲れやすくフォームが崩れてしまう場合もあります。運動の時間を短くするなど、疲れすぎない範囲で行いましょう。日常生活の中で、体幹の筋肉を意識し、良い姿勢を保つよう心がけることもとても大切です。

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体幹トレーニングメニュー① プランク

「プランク」は、腰が反れないように体幹を安定させる筋肉を鍛えるのに適したトレーニングです。この時に使われる体幹の働きをアンチエクステンション(反伸展)と言います。トレーニング方法もシンプルなので、女性にも簡単に行えます。

プランクはうつぶせの体勢から、両肘と両足のつま先だけで体を支え、体を浮かせた姿勢をとります。この時、腰が落ちたりお尻を持ち上げたりせず、足のかかとから背中までを一直線にするように腹筋に力を入れて姿勢を保持してください。

千陽 ハーヴェイ監修トレーナーからのアドバイス

NSCA認定パーソナルトレーナー

腹筋と臀筋、足の筋肉に力を入れて、腹式の呼吸を大きく行います。運動中に呼吸を深く行うことで、横隔膜と骨盤底筋群の筋肉も働きます。

このトレーニングは30秒の3セットを目安に行いますが、はじめのうちは15秒でも20秒でもいいので、正しいフォームで継続できる分だけトレーニングするのでも構いません。

また、もしも負荷が強すぎると感じたら膝をついて同じような姿勢を取りましょう。逆に負荷を上げたいと言う場合は、片足・片手を上げたりベッドの上に足を乗せて行うなどで強度を上げることができます。

【プランクをもっと詳しく知りたい方はこちら】

体幹トレーニングメニュー② プランクレッグエクステンション

「プランクレッグエクステンション」は腹横筋、多裂筋を鍛えることができるトレーニングです。このメニューは腕立て伏せのように、両手と両足のつま先で体を支えた状態から始めます。スタートポジションでは、手足は肩幅よりやや広めにスタンスを取るようにするのがポイントです。

この姿勢になったら、片足を自分の体よりも高い位置へと持ち上げましょう。できるだけ高い位置まで持ち上げたら、ゆっくりと元のポジションへ戻ります。そして、足は床につけないまま動作を繰り返しましょう。

プランクレッグエクステンションは左右10回の3セットを目標に行います。

トレーニング中はプランクと同様に、姿勢が崩れないように腹筋と臀筋に力を入れ、しっかりと足を伸ばしたまま、腰が外れないように足を持ち上げます。この時に、骨盤が左右に傾いてしまわないように、しっかりと体幹全体の筋肉を使って姿勢を維持することが大切です。

もしもこの姿勢でのトレーニングが辛い場合は、肘をついて行う「エルボートゥーストレッチ」や膝をついて行う「エルボーニーストレッチ」などのトレーニングメニューに切り替えるといいでしょう。

【プランクレッグエクステンション(ハンドトゥーストレッチ)をもっと詳しく知りたい方はこちら】

体幹トレーニングメニュー③ ドローイン

最後に紹介するトレーニングは「ドローイン」です。このトレーニングでは腹横筋や骨盤底筋群だけでなく、横隔膜をフルに動かすのが特徴です。

このトレーニングは仰向けになり、膝を少し曲げた状態がスタートポジションになります。背中が反れないように助骨を下げ、骨盤を若干丸めるようにして、背中と床の間にある隙間をなくします。肩はリラックスして、助骨が360度広がるように、お腹に空気を入れていきます。

そして、その後は口から息を吐いていきます。この時にポイントとなるのが、息を吐くのに連動してお腹を凹ませてる点です。床にお腹をつけるくらいの気持ちで、できる限り大きくお腹を凹ませてください。

ドローインは10回3セットを目安に行いましょう。

この膨らませる→凹ませるの動きが大きいほど、体幹にある筋肉を刺激することが可能です。ただし、内臓も大きく圧迫するので食後すぐに行うのはやめたほうがいいでしょう。

横になって深呼吸をすることで、リラックス効果もあるトレーニングです。

【ドローインをもっと詳しく知りたい方はこちら】

体幹トレーニングを毎日やってかっこいい体を手に入れよう!

この記事では体幹の仕組みやトレーニング方法について解説しました。体幹は体の中心にあり、体のバランスや安定性を支えてくれる大事な場所です。また、体幹を鍛えることで美しい、あるいはたくましいボディラインを作ることもできます。

今回紹介したトレーニングは自宅でできるのもばかりです。ぜひ毎日体幹トレーニングを行って、理想の体を手に入れましょう。

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