体調を崩したり、あるいはちょっとモチベーションが上がらないのがきっかけで、筋トレを長期間しなかったという経験をしたことがある方はいますか?でも大丈夫!実は筋肉には「マッスルメモリー」という、特殊な能力が備わっているのです。そんなマッスルメモリーの仕組みを解説します。
マッスルメモリーは筋肉の「形状記憶」のようなもの
それではまずいと感じ、ある時から筋トレを再開させたとします。最初こそ以前と同じ負荷の重量を扱えずにヤキモキする日々を送っていたものの、そんな日々を続けていたら思っていた以上に早く、かつて扱っていた重量を持ち上げられるようになったという声は少なくありません。
ある程度トレーニングによって鍛えられた筋肉は、一定期間トレーニングを行わなくても以前の状態に戻りやすいというのがわかっています。いわば、筋肉の「形状記憶」のような働きがあるというわけです。そしてその働きのことを「マッスルメモリー」と読んでいます。
筋肉の作りについて
筋肉というのは、筋繊維(筋細胞とも呼びます)という1つ1つの細い糸のような細胞が束になってできています。そして、この筋繊維というのは「筋原繊維」と呼ばれる微小な繊維がびっしり詰まっていることで構成されています。
細胞というのは、1つの細胞に1つの核が存在する「単核細胞」と複数の核が存在する「多核細胞」とに分けられます。そして筋細胞というのは多核細胞に分類されるのですが、これがマッスルメモリーが起こる大きな要因とされているのです。
マッスルメモリーはなぜ起こるのか?
普段眠っていて細胞分裂の起きないサテライト細胞が、筋繊維の損傷等で一気に働き始めます。そうすると、筋繊維全体における「核の数」が増加するという現象が起こるのです。
そしてこの核の数というのは、運動をやめてもなかなか減少はしません。この核の数がいわゆるマッスルメモリーとして働いてくれ、長く中断した後にトレーニングを再開した時、すぐに筋力を取り戻してくれるというわけです。
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マッスルメモリーでは記憶できない筋肉の性質
「核の数=筋原繊維の数=筋力」を記憶してくれることで、しばらくトレーニングができなかったとしても筋力はすぐに取り戻せます。
しかし、そんなマッスルメモリーでも記憶できないことがあります。それが、筋肉の「柔軟性」です。筋肉の伸縮性や柔軟性というのは普段からの運動に支えられていて、筋原繊維や核ではコントロールできない領域なのです。
マッスルメモリーから考える筋トレのコツ
筋トレができない期間があっても挫折しない
そうした時も、筋トレを挫折せずにまた再開できる時まで目標を持っておくことが重要です。
筋トレをしていなくてもストレッチは欠かさず行う
マッスルメモリーでかつての筋肉を取り戻そう!
野島 賢監修トレーナーからのアドバイス
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
ISA-CSTP(日本ストレッチング協会認定ストレッチングトレーナーパートナー)
JCCAベーシックインストラクター(日本コアコンディショニング協会)
JBBF(ジャパンボディビルフィットネス連盟)公認指導員
日本スタビライゼーション協会スタビライゼーション・アドバンサー
国際救命救急協会 CPR+AED
トレーニングが計画的にずっと続けられる生活が望ましいのですが、現実問題そうは行かない時があります。その状況に強いストレスを感じてしまうと筋肉はさらに衰えやすくなってしまいます。マッスルメモリーはそんなトレーニング好きの為の一種の保険です。筋肉は努力する者を裏切りません。トレーニングが出来ない時は自分の筋肉を信じてメンタルをポジティブに保ちましょう!
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