ゴルフの飛距離アップには筋トレが効果的?自宅でできる筋トレメニュー

監修者

原田 直生

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

ゴルフの飛距離アップのためには3種類の筋トレが必要だった?!プロトレーナーの視点から飛距離アップのためのキーポイントを徹底解説。明日から取り入れてほしい5つのメニューをご提案!

平均的な飛距離とは?

ゴルフの飛距離を伸ばすにはどうすればいいですか?

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

ゴルフをする人なら誰でも1度は「もっと飛距離があれば…」と考えたことがありますよね。

飛距離があればゴルフが上達する…という訳でもありませんが、230ヤードを飛ばしたい時に250ヤード飛ばせる人と、全力で230ヤードしか飛ばない人とではコントロールに大きな差が生まれてくることでしょう。
余裕を持ったショットをするためにも飛距離は大事だと言えます。

そこで一般的にどのくらい飛べばいいのかと疑問になり調べてみた結果、以下の通りでした。

アマチュアゴルファーのドライバー平均飛距離
【男性】約220〜230ヤード
【女性】約170〜175ヤード

その飛距離アップに必要な要素としてよく言われるのが
・アームローテーション
・体重移動
・ミート率
・スイング速度
などなど…

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

私も何度かコースを回ったことがありますが…残念ながら飛距離は230ヤードも飛んでいません。ましてやスコアは決して人に言えるようなものではありません。。

アームローテーション…などの技術的な方法はゴルフコーチの専門分野ですのでここでは触れず…
今回はあくまでプロのトレーナーとしての視点から飛距離アップへとつなげる方法を解説していきたいと思います!

ゴルフの飛距離と筋トレの関係性とは

結論から言うと、ゴルフの飛距離アップの為に筋トレは必要不可欠です!!
例えば、下半身の筋肉を鍛えるためのスクワットを行えば下肢の基礎筋力が養われます。下肢の基礎筋力が高い人と低い人では当然ながら発揮できる力に大きな差が生まれてしまいます。すなわち飛距離アップのためには筋トレが大事だと言えます。

しかし、スクワットだけをやっていれば同時に飛距離も伸びるかと言うと…そういうわけにもいきません。もちろん基礎筋力が上がった分は飛距離にも影響するのは間違いありません。

ですがボディメイクなどの体型の変化やシルエット作りが目的ではなく、競技の「動作」を強化したい場合、スクワットなどのレジスタンストレーニングだけでは「特定の動作」の強化には十分に対応できないのです。(特異性の原理)

そこで大事になるのがアクティブダイナミックROM(自動的動的可動域)を確保するための「ファンクショナルトレーニング」や、特定の動作に近づけた「スペシフィックトレーニング」です。

「レジスタンストレーニング」「ファンクショナルトレーニング」「スペシフィックトレーニング」の3つの項目に分けてゴルフの飛距離アップのための筋トレをご紹介していきます!

飛距離アップの為の筋トレ|レジスタンストレーニング

レジスタンストレーニングとは、ターゲットとなる筋肉へ抵抗(resistance)をかける事で筋肥大や、出力、持久力の向上を目的としたトレーニングの総称です。
自身の体重を使ったボディウエイトトレーニングやダンベル・バーベルを使ったウエイトトレーニングなどのベーシックなものがこれに該当します。

レジスタンストレーニングで養う基礎筋力が高ければ高いほど発揮できるパフォーマンスの幅が広がります。特に、下半身の基礎筋力はゴルフの飛距離アップにも関係しています。
極端ですが、イスに座った状態でTショットを230ヤード飛ばせる人は…いないですよね。両足がしっかりと地面に接地し踏ん張る力が上半身へと伝わるのです。そこで今回は2種類のレジスタンストレーニングをご紹介します。

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

先ほども述べたようにレジスタンストレーニングのみでは技術の向上に限界があります。あくまでも土台作りのためのレジスタンストレーニングだということを忘れないでください!

スクワット

【目的】
下肢筋力の強化、体幹の安定力の向上

【基本姿勢】
・足幅を肩幅程度に開き、つま先を正面へ向ける
・お腹を凹ませ力を入れておく
・背筋を伸ばし胸を張っておく

【動作姿勢】
・足首–膝–股関節を同時に曲げなからしゃがむ
・床を踏みしめながら立ち上がる

【注意点】
・しゃがむ際、正面から見てつま先と膝の向きを揃えること
・しゃがんだ姿勢は横から見て体幹のラインとスネのラインを平行にすること
・踵が浮かず足裏全体で踏みしめること

スクワットの正しいやり方については以下の記事にさらに詳しく解説してあります。ぜひ参考にしてください。

ルーマニアンデッドリフト

【目的】
体幹の強化、下肢筋力の強化

【基本姿勢】
・足幅は拳1コ程度に開く
・お腹を凹ませ力を入れておく
・背筋を伸ばし胸を張っておく

【動作姿勢】
・軽く膝を曲げ骨盤を前傾させながらお辞儀を行う
・股関節を支点に上体を起こしてくる

【注意点】
・お辞儀の際に背中や腰が丸くならないこと
・大腿の裏面や膝裏に張り感が出るところまでお辞儀を行うこと
※ゴルフのアドレスと同じイメージです

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

基礎筋力を養うには相応の負荷が必要です。環境的に可能な方はバーベルなどの重りを使って行いましょう!

飛距離アップの為の筋トレ|ファンクショナルトレーニング

ファンクショナル(functional)とは、実用的・機能的な様子を意味し、身体の機能性の向上を図るトレーニングを総称してファンクショナルトレーニングと言います。
意味合いとしてはかなり大きなくくりですが、わかりやすく言えば「筋肉」へアプローチしているレジスタンスに対し、「動き」にアプローチをするのがファンクショナルトレーニングです。

動きの質を高めるということ、すなわちアクティブダイナミックROM(自動的動的可動域)を確保することが目的となります。

クノビーストレッチ

【目的】
下半身から上半身にかけて回旋のアクティブダイナミックROMを確保

【基本姿勢】
・足を伸ばし仰向けで寝る
・左足を上げ小指側を対側の右手で握る
・握った足の膝は出来るだけ伸ばしておく

【動作姿勢】
・握った足を左右に倒す
・逆側の腕は捻転についていかないように横へ開いておく

【注意点】
・しっかりと小指側を握っておくこと
・動作中は出来るだけ膝を伸ばしておくこと

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

体幹の腹斜筋を使うことで下半身から上半身にかけて捻れるように伸びます。ストレッチと言う名のエクササイズです!

四つばいでの体幹回旋エクササイズ

【目的】
胸椎回旋のアクティブダイナミックROMを確保

【基本姿勢】
・四つばいで右手は頭の後ろ

【動作姿勢】
・胸を張るように右肘を外へ開きながら回旋(右回旋)
・右肘を左の股関節へ近づけるように戻す(左回旋)

【注意点】
・前後へ体重移動が入らないこと

下半身の基礎筋力をどれだけ強化しても、回旋のアクティブダイナミックROMが少ないと下肢の力は上半身へと伝わりません。
レジスタンストレーニングの効果を最大限に活かすためにもファンクショナルトレーニングは必須となります。バックスイングの可動域も確保するため左右どちらも行いましょう!

飛距離アップの為の「スペシフィックトレーニング」

スペシフィック(specific)とは、明確な〜・特定の〜と言う意味で、その特定の動作の向上を図るトレーニングをスペシフィックトレーニングと言います。
目的としている動作により近いトレーニングをスペシフィックトレーニングだと定義しているので「イスから立ち上がる動作を楽にしたい」と言う目的ならスクワットもスペシフィックになると言うわけです。

今回で言えば「ゴルフの飛距離アップ」が特定の部分となり、「その為にヘッドスピードを上げる」などが動作に当たります。

ウッドチョッパー(ロートゥーハイ)

【目的】
下肢筋力を体幹の回旋–上半身の回旋へと繫げる

【基本姿勢】
・スクワットのボトムポジションから
・ダンベルを体幹の右斜め下で構える

【動作姿勢】
・立ち上がりながらダンベルを左斜め上へと振り上げる
※踏んだ力が体幹の回旋へと伝わり、その力がダンベルへと伝わるイメージを持って行いましょう

【注意点】
・体幹の回旋を入れるが膝が内側に入ったりお尻が横へ流れたりしないこと

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

ヘッドスピードを上げるトレーニングとなります!ウッドチョッパーの後にドライバーやその他のクラブでスイング練習を行うとヘッドが走る感覚が掴みやすいですよ!

原田 直生監修トレーナーからのアドバイス

JHCA-ホリスティックコンディショナー, aFT-アディダスファンクショナルトレーナー

いかがでしたか?
競技のパフォーマンス向上を目指す際は、ベースとなる基礎筋力だけ鍛えていても動作には繋がりません。
ですが動作の質だけを上げていても基礎筋力がなければ結果的にパフォーマンスは上がりません。
筋トレは筋トレでも「レジスタンストレーニング」「ファンクショナルトレーニング」「スペシフィックトレーニング」の3つの分野を理解し計画的にトレーニングを行っていきましょう!

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