縫工筋とは?働きから鍛え方まで

監修者

宮城島大樹

NESTA PFT 食コンディショニングアドバイザー

太ももにある筋肉と聞いて思い浮かべるのは、大腿四頭筋やハムストリングスなどが多いと思います。しかし、それ以外にも太ももには体の動きに関わる大切な筋肉があります。その1つが、今回紹介する「縫工筋(ほうこうきん)」です。あまり聞き馴染みのないこの筋肉の役割や鍛え方を徹底解説します。

縫工筋の場所と働きについて

縫工筋(ほうこうきん)というのは、主に太ももの表側にある筋肉です。帯のように細長い筋肉で、骨盤の外側から膝の内側を斜めに走っています。あまり聞き馴染みのない筋肉ですが、実は「人体の中で最も長い筋肉」として有名な部位なのです。
この筋肉は、股関節と膝関節の2関節の働きに関わっています。
股関節であれば「脚を前へ出す動き」や「脚を外側へ回す動き」、膝関節であれば「脚を後ろへ曲げる動き」といった具合です。サッカーではインサイドキック、水泳では平泳ぎのキックなどで活躍してくれます。

縫工筋は他の筋肉と連動して鍛える

縫工筋は「単独で鍛える」という筋肉ではありません。というのも、先ほど紹介した縫工筋の働きは、腰や太もも、そしてふくらはぎなど他の筋肉と一緒に動くのが一般的だからです。

またこの筋肉は、その細長さからパワーのある筋肉ではありませんが、柔軟性が要求される筋肉だったりします。

そのため、縫工筋は次に紹介するストレッチで伸ばしてあげつつ、そのあとに解説するトレーニングメニューで複合的に刺激するといった鍛え方がオススメです。

縫工筋のストレッチ方法

縫工筋のストレッチは、主にももの表側を伸ばすストレッチと同じような動きをします。

床に仰向けになった状態から、伸ばした脚を曲げていきます。この時、正座のように体の下に脚を曲げるのではなく、やや外側に開いて太ももを伸ばすようにしましょう。

寝そべってできるストレッチなので、誰でも気軽にチャレンジできます。しかし、太ももの表側が硬い人は、寝たまま行うのが辛いかもしれません。そんな方は正座のような姿勢から、体を後ろに倒して太ももを伸ばすといった方法を行ってみてください。

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縫工筋の鍛え方① 台座を使った昇降運動

縫工筋の鍛え方は、先ほど話した動きを参考しています。膝を後ろに曲げる動き、脚を前へと出す動き、そして脚を外に開く動きです。はじめに紹介する「台座を使った昇降運動」というのは、前者の2つの動きを使ったトレーニング方法です。

用意するのは段差やイスです。ちょうど膝くらいの高さで乗っても大丈夫な安定した台座を使いましょう。そして台座に鍛える方の足を乗せ、昇降運動を繰り返します。

この時、左右交互にではなく片足で連続して行うことでより負荷をかけられます。また、背筋は伸ばしたまま行うようにしましょう。階段の上り下りに似ているこのメニューは有酸素運動に近いなので、脂肪燃焼効果も期待できます。

縫工筋の鍛え方② アブダクション


「アブダクション」は主にお尻の筋肉である「大臀筋」や「中臀筋」が鍛えられるトレーニングメニューですが、その動きから縫工筋への負荷にも期待できます。

鍛え方もシンプルで、横向けに寝た状態で、上になっている足を高く持ち上げます。この時可動域を広く取るため、動かす方の足は体よりやや前方にしてトレーニングをするといいでしょう。お尻の外側が使われているのを意識して、ゆっくりと足を動かしてください。

下になっている足を両手で体を支えながら行います。より高強度で行いたい場合は、両足をチューブなどで縛って行うといいでしょう。

縫工筋は股関節、膝関節の動きの連動に欠かせない筋肉

普段はあまり目立つことのない縫工筋ですが、人体の中で最も長い筋肉であったり、股関節と膝関節の2つの動きに深く関与していたりと、下半身の連動に欠かせない役割を果たす筋肉です。

大腿四頭筋やハムストリングスにとっては、なくてはならない縁の下の力持ちといった立ち位置の筋肉とも言えそうです。

今よりも下半身の連動性を上げ、競技成績をアップさせたいという方は、この縫工筋のケア、トレーニングを加えてみるのはいかがでしょうか?

宮城島大樹監修トレーナーからのアドバイス

NESTA PFT
食コンディショニングアドバイザー

縫工筋が固いと開脚のストレッチの際に脚が開かないなどの問題が発生してくるため、
定期的にストレッチしてあげることが大切です!

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