外腹斜筋とは?鍛えると見た目と体の機能が変わる!作用や筋トレ方法を解説

監修者

宮城島大樹

NESTA PFT 食コンディショニングアドバイザー

脇腹にある筋肉に「腹斜筋」がありますが、この筋肉は大きく「外腹斜筋」と「内腹斜筋」の2つによって構成されています。外腹斜筋は非常に重要な働きを果たしているためその働き、外腹斜筋と内腹斜筋の違い、筋トレ方法を紹介します。

外腹斜筋の作用とは?内腹斜筋との違いは?

外腹斜筋は、脇腹の最も外側を走っている筋肉です。肋骨から腹直筋の横や骨盤方面へ「斜め下」に走っています。外腹斜筋の後部は背中の広背筋で覆われています。脇腹(身体側面)だけでなく、身体の後面から前面にかけて広がる大きい筋肉であることがわかります。

肋骨と骨盤に広く走っていることで、日常動作では以下のような動きで作用する筋肉です。

①上体を前後左右に倒す前屈・側屈作用
②内腹斜筋と連動して体をひねる作用
③胸郭の引き上げなど、正しい姿勢維持
④腹部の引き締め
⑤腹圧を高め、排便や排尿の補助

①、②については年配の方以外は特に普段の生活で恩恵を授かっていることは感じづらいでしょう。
③、④、⑤については、比較的年齢が若い方にとっても嬉しい効果があります。

まず、③は外腹斜筋が胸郭の動きを一部支配することから、正しい姿勢の維持に役立ちます。現代人はスマホの使用や長時間のデスクワークで猫背になり、胸郭が縮こまってしまいがちです。外腹斜筋を鍛えることで、そんな前傾体勢で縮こまった胸郭を上に引き上げ、胸郭を広げる作用を助けてくれます。これは肩こりの改善にもつながります。

また④、⑤は見た目の引き締めなどダイエット効果につながります。外腹斜筋を鍛えることで、脇腹をコルセットのように締めることができます。シックスパックの割れた腹筋を作るには腹直筋の役目が何より重要ですが、外腹斜筋を鍛えることでより引き締まったウェストラインを作ることができるというわけです。女性であれば美しいくびれを手に入れるために、ぜひ鍛えておきたい筋肉です。

⑤に関係しますが、外腹斜筋は骨盤の位置を調整する効果もあります。この効果とさきほどのウェストの引き締め効果とによって、胃腸など消化器系の内臓の位置を整えることができるのです。その結果、便秘や代謝悪化といった体の悩みを改善できます。

内腹斜筋との違い

外腹斜筋の内側にある内腹斜筋は外腹斜筋ほどサイズが大きくはなく、その全てが外腹斜筋に覆われています。骨盤方面から肋骨方面へと「斜め上」に走っている筋肉で、外腹斜筋とクロスするように全く違う向きをしているのが特徴です。

内腹斜筋の作用は外腹斜筋と同様、姿勢の維持や前屈・側屈作用など、体幹に働きます。ただし、外腹斜筋と内腹斜筋は前述したように筋繊維の向きが違うため、回旋運動では厳密には作用が違います。

外腹斜筋は体幹の反対側回旋に作用し、内腹斜筋は同側回旋に作用します。
反対側回旋とは、例えば右側の外腹斜筋が作用するときは体幹は反対の左側に回旋することを意味します。内腹斜筋の右側が作用すると、体幹は同じく右側に回旋します。

宮城島大樹監修トレーナーからのアドバイス

NESTA PFT
食コンディショニングアドバイザー

ちなみに腹斜筋が割れているととても見た目はカッコいいですが、腹斜筋を割るためには体脂肪率をかなり落とさないといけません。

外腹斜筋の筋トレ4選

① フロントブリッジ(プランク)

「フロントブリッジ」、通称プランクは腹直筋腹斜筋や、腹筋のインナーマッスルである腹横筋を複合的に鍛えられる便利なメニューです。

トレーニング方法もシンプルで、両肘と両足を支えに、体を浮かせるだけ。この時、体は腰が落ちたり上がったりしないよう、腹筋に力を入れて一直線の状態を保つようにしてください。腹筋に力を入れないと腰が落ちたりして、腹筋・腹斜筋を鍛えることができません。

動きが少ない分、トレーニング習慣の浅い初心者や女性にも取り組みやすいメニューです。床で行うやり方でも十分な強度がありますが、より体幹への負荷を上げたい方はバランスボールに上体を預けて行うというのがオススメです。バランスボールの上に肘を置くことで体勢が不安定になるため、それを維持しながら行わなければならないため、より腹筋や体幹に刺激が入るという理屈です。

まずはセット間のインターバルを60秒にして「60秒×3セット」行うことを目標にしましょう。翌日にひどい筋肉痛が来ない限りは毎日行っても問題ありません。

② サイドクランチ

「サイドクランチ」は通常のクランチと異なり、体を横向きにして、上体を斜め上へ持ち上げる筋トレです。

やり方は地面に横向きに寝て、動作を安定して行えるように、床についている腕は伸ばしておき、両膝を曲げておきます。これがスタートポジションとなります。

肋骨を腰に近づける感覚で上体を持ち上げます。脇腹を収縮させ、体が横に丸まって行くような動きを意識して行いましょう。

サイドクランチは床で行うと可動域が狭く、ついつい反動をつける人や、重力に負けて体を下ろす動作が早くなってしまう人がいます。ゆっくりと体を起こして一度静止し、ゆっくりと体を下ろすという基本動作を忘れずにトレーニングしましょう。常に重力に逆らうようなイメージでゆっくり行うとより効果が高くなります。

左右各10回×3セット行いましょう。(セット間インターバルは60秒)

③ サイドベンド(ダンベル)

サイドベンドはダンベルを使った外腹斜筋の筋トレメニューです。自重筋トレではないため、ダンベルの重さ次第でいくらでも負荷を大きくすることができます。

直立し、ダンベルを片手に持ちます。反対の手は顔の横か、後ろに添えておきましょう。

ダンベルを持っている手の方に上体を横にゆっくりと倒し、腹斜筋の力で上体を元の位置に戻します。この際、ダンベルと持っている腕の力に頼らず、腹斜筋の力でダンベルの負荷を持ち上げるように意識してください。

あまり高負荷(ダンベルが重すぎる)になると、フォームが崩れ、腰を痛める危険があります。初心者の男性であれば最初は10kg以内、女性であれば5kg以内から始めましょう。

左右各10回×3セット行いましょう。(セット間インターバルは60秒)

宮城島大樹監修トレーナーからのアドバイス

NESTA PFT
食コンディショニングアドバイザー

サイドベントはあまり高重量で行う、またおなかを膨らませた状態で行うとウエストが太くなる可能性があるので、息は吐ききって軽めの重量で行うようにしましょう!

④ ニートゥーエルボー

「ニートゥーエルボー」は立って行う腹斜筋の筋トレです。またこの筋トレでは、骨盤の位置などを調整してくれる大切な役割を持つ「腸腰筋」というインナーマッスルも鍛えられるので、姿勢改善をしたい人にもぜひオススメのメニューです。

腸腰筋は排便を促すための筋肉でもあります。女性で便秘に悩んでいる方はぜひ鍛えましょう。

この筋トレは、立ったまま両手を後頭部で組みます。そして片足を腰より高く上げるのと合わせて、体をひねって反対側の肘を膝につけるように動かしましょう。手足が大きく動くメニューですが、あくまで腹筋のひねりを意識してトレーニングするのがコツです。

腰を捻る際に息を吐き、元の位置に戻った際に大きく息を吸いましょう。左右各10回×3セット行います。(セット間インターバルは60秒)

外腹斜筋の痛みの原因は?

激しいスポーツや、急に腹斜筋の筋トレなどをすると稀に外腹斜筋が肉離れを起こし、腹斜筋に痛みが発生することがあります。野球でボールを投げる、テニスでボールを打つ、など上体のひねりを激しく行うスポーツをすることで見られます。

もし腹斜筋に痛みを感じた場合は、病院に行って診察してもらいましょう。肉離れを起こしてしまっている場合は無理にストレッチをせず、医師のアドバイスを聞いてください。

腹斜筋を痛めないために、外腹斜筋を使う運動の前後はストレッチをしましょう。
両手を上げ、上体のみを横にゆっくりひねります。これだけで腹斜筋のストレッチができますよ。

その他、フォームローラーなどを腹斜筋に当てながらゴロゴロ転がすと、腹斜筋の筋膜がほぐされ、痛める可能性を低くすることができます。

外腹斜筋の鍛え方は内腹斜筋とセットで考えるのが基本

外腹斜筋の位置や働き、そしてオススメの鍛え方を3種類紹介しました。

脇腹の外見的な印象に大きく関わっている外腹斜筋は、体をひねるなどの動作をする時、単独で動くというよりも内腹斜筋と連動して働くことがほとんどです。そのため、筋トレなどで鍛える時も、外腹斜筋と内腹斜筋をセットで鍛えるという考え方で行うのが基本かもしれません。

外腹斜筋が斜めにきれいに割れると見た目が非常に綺麗になります。男性であれば引き締まったウエスト、女性であればくびれを手に入ります。また、ヘルスケアの面でも姿勢の維持や、排便を促すなど大切な役割があります。普段なんとなくクランチで腹直筋ばかり鍛えている人は、今回紹介した鍛え方を参考に腹斜筋も刺激して見るのはいかがでしょうか?

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