部分痩せが『出来る』という指導者もいれば『出来ない』という指導者もいます。それは何故か。どうすれば部分痩せをすることが出来るのか。部位別に解説していきます。
部分痩せの定義が人によって違うことが問題
脚を細くするために足パカ運動をしていますが、なかなか効果を感じられません…
萩原智之監修トレーナーからのアドバイス
JATI-ATI 健康運動実践指導者
特定の部位を運動したからといって消費カロリーはあまり増えませんし、ましてや脂肪が減ることはほとんどありませんからね。
知りませんでした。ショックです。
萩原智之監修トレーナーからのアドバイス
JATI-ATI 健康運動実践指導者
足パカを行って効果を感じられる方もいるとは思いますが、それは体脂肪の減少以外の要因によるものだと思います。
今回は部分痩せの要因についてご説明致します。
そもそも部分痩せは出来るのか?
筋肉に一定の負荷をかけた際に分泌され、炎症を抑えたり体脂肪の分解を促進する働きがあると分かっています。
そのことから『痩せたい部位の筋トレをすることで部分痩せが出来るのではないか』と考えられていました。
しかし各研究により『エクササイズのみで脂肪厚が薄くなることはほとんどない』ことが分かっており、結局のところ
①カロリー収支をマイナスにする = 体脂肪の減少
②高たんぱくな食事と全身を使うような高重量のトレーニング = 筋肉量の維持
が大切になります。
『身体を太くする、細くする』は食事。『身体のラインや姿勢を整える』は運動によるものだと思って下さい。
つまり、部分痩せを『狙った部分ごとの体脂肪の減少』と考えるならそれはほぼ不可能ですし、そのための運動は非効率的です。
(どの部位から体脂肪が減少するかは、遺伝や体質なども関わります。)
しかし世の中には『部分痩せ』の情報が溢れています。
『部分的に体脂肪を減らす』との考えでの情報は現時点では疑うべきだと思いますが、それ以外の要因で『細く見せる』事は可能だからです。
そのための何をすべきかをご説明いたします。
脚痩せのためには、むくみを改善する
いくつか原因と解決法をご紹介しますので、心当たりのあるものを試して下さい。
塩分の摂り過ぎ
【プロトレーナー解説】お腹周りの脂肪が気になる方は多いと思いますが、ぽっこりお腹の原因は脂肪だけではありません。スッキリしたお腹を手に入れるために必要なこと。人それぞれ理由がありますので、筋トレやエクササイズも含め細かくお伝えします。
なるべく『精製塩』を避けましょう。
栄養成分表示や原材料、品質規格を確認すると分かりますが、99%以上『塩化ナトリウム』のみで構成されます。そしてそのナトリウムの摂り過ぎがむくみの原因になります。
精製塩を避ける代わりに『天然塩』を選ぶと良いでしょう。有名なもので言えば『ぬちまーす』が挙げられます。
糖分の摂り過ぎ
糖分を体内で保持するためには水分が必要となりますので、必要以上の糖分摂取は無駄な水分をため込むことにもつながります。糖質を減らすことも対策の一つではありますが、糖分をエネルギーとして代謝出来るようにすることも大切です。
例えばビタミンやミネラルの摂取。
糖質をエネルギーとして利用するためにはビタミンB1が必要なことは有名ですが、白米や白いパンなどの精製穀物やお菓子類(砂糖や果糖ブドウ糖液糖など)からでは摂取できません。しかし精白されていない穀物(玄米や雑穀米、十割蕎麦やオートミール)からは摂取する事が可能です。
体内で糖分を利用するためには、その他にビタミンAやCやナイアシン(ビタミンBの1つ)、クロムやマンガンなどのミネラルも必要となります。
つまりは『食事の改善』=『高栄養の食事』を行い、糖質の代謝を効率的に行えるようにしましょう。
また、糖質を摂りつつ高負荷の運動を行うことで糖質をエネルギーとして上手に利用出来るようになるでしょう。
つまり筋トレも大切です。
タンパク質不足
また、消化吸収機能の低下(胃腸の機能低下)、アルブミンの生成不足(肝臓の機能低下)、タンパク質の排出過剰(腎臓の機能低下)も可能性として挙げられます。
血液検査にて『血中アルブミン濃度』や『総タンパク』に異常が出るようであれば、必ず医師の診断を受けて下さい。
水分摂取の過不足
運動をする日にしっかりと水分摂取をする必要はありますが、運動を行わない日にがぶがぶ水分摂取を行う必要はありません。
pee-chartをもとに、尿が1~3の色でキープできるようにこまめに水分摂取を行ってください。水(出来れば常温)やノンカフェインのお茶、炭酸水がオススメです。
体液が濃くなると『再吸収の量を増やす』ことで体水分の量を調節しているのですが、それを続けていると『おしっこを出す』機能が低下します。その状態で水分摂取量を急激に増やせば…、言うまでもありませんね。
こまめに水分摂取を行い、少しづつ摂取量を増やしてみて下さい。
萩原智之監修トレーナーからのアドバイス
JATI-ATI 健康運動実践指導者
その他便秘がむくみにつながるとも言われますが、上記4つの点を食事の改善によって解消されれば自然と便秘も解消されると思います。
便秘を解消することでぽっこりお腹が解消することもありますよ
足パカやマッサージになぜ効果があると感じるのか
それは『重力によって下半身に溜まっていた体液を押し戻す』から。
ですから貧乏ゆすりでも効果は同じです。
マッサージによって脂肪が分解することはありませんし、もし仮に分解されたとしても『燃焼されなければ元通りに合成』されます。リラクゼーション効果まで否定するわけではありませんが、マッサージや足パカでは根本的な解決にはなりません。
足パカに筋トレの効果を望むのであれば、負荷が低すぎて効果はあまり望めないでしょう。内ももの引き締めを狙うなら、ワイドスクワットに変えるほうが効果的ですよ。
萩原智之監修トレーナーからのアドバイス
JATI-ATI 健康運動実践指導者
むくみを改善する=体脂肪が減少するということではありません。
ただし、食事を上記のように食事を改善すれば(摂取カロリーがコントロール出来ている前提ですが)自然と痩せやすくはなると思います。
部分痩せのためには姿勢や関節の位置、筋バランスを整える
顔痩せ
また姿勢も大切です。
以下の記事(背中痩せ、お腹痩せ)で多少触れましたが、姿勢の悪さは印象を悪くします。顔に限って言えば、『頭部が前方へせり出す』ことで顔を大きく見せてしまいますね。
【プロトレーナー解説】お腹周りの脂肪が気になる方は多いと思いますが、ぽっこりお腹の原因は脂肪だけではありません。スッキリしたお腹を手に入れるために必要なこと。人それぞれ理由がありますので、筋トレやエクササイズも含め細かくお伝えします。
姿勢の改善については別の記事を読んでいただければと思いますので、別のアプローチとして『あいうべ体操』をご紹介します。
萩原智之監修トレーナーからのアドバイス
JATI-ATI 健康運動実践指導者
体脂肪過多の場合には体脂肪減少の方が優先度が高いです。あいうべ体操を並行して行うと良いと思います。
視覚効果として間違ってはいませんが、それが嫌だと思ったら必ずトレーナーに相談しましょうね。
二の腕
姿勢の改善や全身の体脂肪も減少しつつ、さらに二の腕のエクササイズを行っている場合、それでも成果が表れない場合には負荷(重さや回数など)が足りていないかも知れません。
フォーム修正も考えてみましょう。
二の腕の筋肉(上腕三頭筋)に関しては文字通り3つの筋肉に分かれます。その内いわゆる『振袖』に関わるのは『長頭』といわれる部位です。
これを『手の甲を後ろ向き』に変えてみましょう。
振袖部分にしっかりと疲労感を得られると思います。
足首
中学の理科の授業や、高校数学で『ベクトル』の授業を受けたと思います。それを思い出してみて下さい。
※写真での足首部分の幅は同じです。
継続して行うことで、足首の見え方が変わります。
参考文献:アナトミートレイン
また前方から見た場合には、遠位脛腓関節の開き方によって足首が『太く見える』場合があります。
上記2つの部位の硬さが原因になりますが、その他にも多くの要因があります。
それをここでお伝えするのはとても難しいですので、気になる方は私のトレーニングを受けてください(笑)
前もも
膝の過伸展には様々な要因があり、先ほど書いた足首のベクトルもその一つです。
膝関節が過伸展することで、前もも(大腿四頭筋)が発達することが多く、結果として太ももを太く見せてしまいます。
大腿四頭筋のストレッチを毎日行うことは必須となりますね。
スクワットにおいて『膝をつま先よりも前に出すか出さないか』が論争になりますが、その方の姿勢や骨格、目的にもよってフォームは変わるでしょう。
前ももを細くすることが目的とした場合、膝を前へ出すことで前ももに力が入ってしまうなら、それは目的にあったフォームとは言えませんよね。
トレーニングのおいて『効かせる』ことを意識することがありますが、筋肉の発達によって脚が太くなっているのであれば、
前ももに『効かせない』ことを意識したフォームでスクワットを行うことが大切です。
外もも
大腿骨の形によっては変化させることは難しくなりますが、『股関節の動きを改善しつつそれを安定させる筋肉へ刺激を入れる』ことで、以下の写真(左脚のみ調整済み)のように外もものハリを軽減する事が可能です。
こちらも具体的に『これだけやれば変わる!』というものがありませんので、気になった方は是非ご来店ください。
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部分痩せを考えず、まず体組成を変えることを考える
【プロトレーナー解説】お腹周りの脂肪が気になる方は多いと思いますが、ぽっこりお腹の原因は脂肪だけではありません。スッキリしたお腹を手に入れるために必要なこと。人それぞれ理由がありますので、筋トレやエクササイズも含め細かくお伝えします。
部分痩せを狙うのであればまずその対策を行うこと。
そしてそれと並行しながら今回お伝えした各部位の対策を行ってください。
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