「タバコをやめると太る」は本当か?その原因とは?

監修者

田中哲

加圧トレーニングインストラクター

【プロトレーナー解説】タバコを吸っているが禁煙すると太るのか?タバコが原因で太る・痩せるのは本当か?食事の見直し方やタバコと上手く付き合いながらダイエット成功に向けて書いていきます。

タバコはダイエットの敵・味方!?

タバコをやめると太るって本当ですか?

田中哲監修トレーナーからのアドバイス

加圧トレーニングインストラクター

タバコが理由で太る・痩せるというのは個人差があります。禁煙・喫煙したからといって太る・痩せると断定は出来ません。
実際、タバコを吸っている方で太っている方・痩せている方は何人にもお会いしてきました。

タバコとは

まずタバコについてですが、ナス科の植物で葉の成分にニコチンといわれる中毒性のある成分が含まれています。これはアルカロイドの一種で油状の液体です。精神刺激薬に分けられており、血管の収縮をし血圧を高める作用もあります。
ニコチンは毒性があり、誤飲してしまうと下痢や嘔吐などの症状を起こしてしまいます。また筋肉の痙攣や麻痺といった症状もあらわれる場合があります。

WHO(世界保健機関)でもニコチンはヘロイン・コカインと並び、高い依存性があると判断しています。

ニコチン自体には発がん性はないですが、代謝物であるニトロソアミンに発がん性が確認されています。身体には良い事がないので「百害あって一利なし」といわれる程です。タバコがやめられない方はタバコというよりはニコチン中毒とされ、ニコチンに依存している状態になります。

ニコチンの使用者(喫煙者)は身体依存にある為、最後の一服から数時間吸わないでいると離脱症状といわれるニコチンへの渇望や他の離脱症状が生じます。
症状としては、不快感・抑うつ気分・不眠・易怒性・不安・集中力低下・心拍数減少・食欲増加などが挙げられます。

この上記のものはニコチンが欠乏する事で起こり、紙巻きタバコ(一般的なたばこ)は身体依存が強く使用回数も増える為、依存度が高くなります。

タバコとダイエット

喫煙者の方でもダイエットを始めようとする方も多いかと思います。
タバコ自体には身体に良い影響がないので、吸わないという選択が出来るのであればそれがベストですが、ダイエットにおいては無理に禁煙する必要もないかと思います。あくまでタバコは嗜好品です。ニコチンを摂取する事でドーパミンという物質が放出されるのですが、これは快感であったりやる気ホルモンを作り出すものになります。

このドーパミンですが、運動する事で自然に出るので、禁煙したい方は運動を始めると良いですよ。

話がそれましたが、タバコを止めたとしても吸わないでいると離脱症状が出始めます。
そこで何かストレスを発散出来る事・物があればよいのですが、食欲に走ってしまうと体重が増加してしまいます。離脱症状の中にも食欲増加があり、これが太る原因となっています。

またタバコをやめると味覚が変わり、食事がおいしくなるという言葉を聞きます。
味には「甘味・旨味・塩味・酸味・苦味」があるのですが、ある研究結果では甘味や酸味などは認知できていたのが、カフェインの苦味だけは認知能力が低下したそうです。おそらくですが味覚が変わるというのも多少変わる程度だと思います。

劇的に食事が美味しくなるといって食べる事に走るということはなさそうです。

喫煙者であっても非喫煙者であっても食事量が多く、消費カロリー<摂取カロリーの状態であれば誰でも体重は増えます。

なるほど。タバコの成分自体に痩せる成分があるわけではなく、離脱症状で副次的に太ってしまう可能性があるということですね。

田中哲監修トレーナーからのアドバイス

加圧トレーニングインストラクター

その通りです。しかしこれはもちろん防ぐことができます。

禁煙もしたい・ダイエットも成功させたい方

まずは、タバコに変わる嗜好品なりストレス発散方法を探してみて下さい。

定期的な運動がベストです。できれば筋肉トレーニングがダイエット効果も高いのでオススメです。

食事に関しては、運動をされる方もしない方も優先して摂取して頂きたいのがタンパク質になります。このタンパク質を合成するにはビタミンCが重要になります。

喫煙をすると有害物質を体内で感知して活性酸素が働きます。この活性酸素が体内で多くなると活性酸素は身体を攻撃してしまいます。これを抑える為に、ビタミンCが通常よりも多く必要になります。

成人男性の喫煙者の方で125mg/1日、成人女性の喫煙者の方で110mg/1日、ビタミンC摂取が推奨量とされています。ただビタミンCは水溶性の性質を持っていて身体に蓄えておく事が出来ないので、常時摂って頂いて問題ありません。(過剰摂取はおそらく無理だと思うので)

主なビタミンCを含む食品としては、赤・黄ピーマンやアセロラなど野菜が多く、柑橘系の果物、レモンなどにも多く含まれています。

上記の食材が苦手であればマルチビタミンといわれるさまざまなビタミンが含まれているサプリメントも売られているので摂取してみて下さい。

結局タバコは太る痩せる原因とは関係ない

タバコをやめても結局太らないんですね。

田中哲監修トレーナーからのアドバイス

加圧トレーニングインストラクター

そうですね、直接的な原因ではないかと思います。

肥満・喫煙している方は今後のことも考える

喫煙する事で様々な弊害がありますが、体力低下もその一つです。禁煙したから体力が向上するわけではないので、定期的な運動も視野にいれて下さいね。

先程お話しした、活性酸素が大量に出る事で免疫機能が正常に機能しなくなったり、細胞を酸化させ老化を促進してしまいます。
喫煙者と非喫煙者の双子の顔のデータを取ったところ、喫煙者の顔はハリがなくなりシワが多くなったが、非喫煙者の顔は比べると若々しく保たれていました。

もし女性の方で美容面(肌など)が気になるのであれば禁煙をしてビタミン類を摂る事をおすすめします。肌の代謝はタバコは勿論、加齢によっても落ちていきます。また、心肺機能も低下することで酸素を取り入れる機能も低下します。これは血液を循環に流す機能も下がってしまうので、軽い運動で息切れを起こしやすくなります。

禁煙が出来たとしても、体力低下により運動が億劫になってしまっては筋肉も落ちていき、代謝が下がり痩せにくい身体、最悪高齢になった時、寝たきりなんてことも十分に考えられます。

有酸素運動を始めるのであれば、最初は最寄駅の隣駅から歩いて帰るなど少しでも多く歩く習慣化が必要です。

そして、食事内容を見つめなおすことも重要です。

今まで好きなものを食べて肥えた体型を細くするにはまず、炭水化物の摂取量を少なくしその分タンパク質に摂取量を変えることから始めてみましょう。炭水化物(糖質)がダイエットの天敵だからといって全カットするだけでは、痩せにくいリバウンドしやすい身体になってしまいます。
糖質の摂りすぎもお肌にもよくはありませんが、運動を行わないのであれば一定量は必要になってきます。

田中哲監修トレーナーからのアドバイス

加圧トレーニングインストラクター

タバコの吸う・吸わない関係なく、食べるものや量によって身体は変化していきます。
禁煙をして太っていく方は、ニコチンという物質を体内に取り入れる事でドーパミンを得ていました。これが好きなものを食べる(甘い物など)事でそれを補っていき体重や体脂肪が増えていくのかと思います。

いままでニコチン依存だった方は、糖質依存に変わったにすぎません。バランスの良い食事の見直しを考えてみましょう。

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