インクラインカールで上腕二頭筋を鍛える!正しいやり方を知り効果抜群!

監修者

石井 利幸

加圧インストラクター

トレーニングを始めてまず鍛えるのは、大胸筋と上腕二頭筋ではないでしょうか?
インクラインカールは上腕二頭筋を鍛える筋トレ種目の中でも最重要とも種目です。今回はインクラインカールのやり方、フォームのコツなどを解説していきます。

インクラインカールとは?鍛えられる筋肉部位

インクラインカールとは?

インクラインカールとは、上腕二頭筋を鍛える筋トレ種目の1つです。インクラインベンチを30〜60度の範囲で調整し、ベンチに背中を付けて座り、体を斜めに倒した状態からダンベルカールのように肘を曲げて、ダンベルを持ち上げるトレーニングです。

インクラインカールで鍛えられる筋肉の部位

インクラインカールで鍛えられる筋肉はどこの部位でしょうか?

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

インクラインカールでは、上腕二頭筋と呼ばれる腕の力こぶの部分を鍛えることができます。上腕二頭筋について詳しく説明していきましょう。

トレーニングを始めてしばらくすると、力こぶにグッと力を込めて発達具合を確認してみたり、腕を触られたりするなどトレーニングをしている人(特に男性)の象徴的部位になるのが上腕二頭筋ではないでしょうか?

上腕二頭筋は文字通り、筋頭が2つある多頭筋の1つです。
多頭筋の仲間には上腕三頭筋や大腿四頭筋、大腿二頭筋、下腿三頭筋などがあります。

2つの筋頭はそれぞれ長頭と短頭に分けられます。
上腕二頭筋の起始と停止は以下の通りです。

長頭:肩甲骨の関節上結節
短頭:烏口突起(うこうとっき)
停止:橈骨粗面と上腕二頭筋腱膜

上腕二頭筋の機能は以下の通りです。

①肘関節の屈曲:肘を曲げていく動き
②前腕の回外:肘を90度に曲げた時に親指を外側に向けていく動き
③肩関節屈曲の補助

上記の通り上腕二頭筋は肩関節と肘関節を結ぶ二関節筋となっており、その為機能の1つに肩関節の屈曲補助が入ってきます。
筋肉の形状は筋繊維が直線的な配列をしている紡錘状筋です。
紡錘状筋はスピーディーな動きに向いていることと、収縮・伸展がしやすくなっていることが特徴です。
またトレーニングにおいてはストレッチ系の種目に反応しやすいという特徴もあります。
その為上腕二頭筋の発達の為にインクラインカールは最重要種目の1つと言えそうです。

インクラインカールのやり方、フォーム、効果

上腕二頭筋の特徴は良くわかりました!では、インクラインカールの具体的なやり方はどのようにすればよいですか?

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

ではインクラインカールのやり方、フォーム、効果などをこれから解説していきましょう!

インクラインカールのやり方

1.アジャスタブルベンチを45度くらいにセットする(30~60度くらいの範囲で)
2.両手にダンベルを持ち、背中をつけて座る
3.スタートの時は腕を床に対して垂直に下ろし、親指が正面を向くようにする
4.前腕を回外させながらカールの動作を行う
5.トップでは小指がやや上にくるようにする
6.同じ軌道でスタートの位置まで戻る

◯スタート時は上腕二頭筋がストレッチされた状態
インクラインカールでは上腕二頭筋がストレッチされた状態がスタートとなります。
先ほども説明したとおり、上腕二頭筋は紡錘状筋でストレッチ種目への反応がいいので、手を内側に向けて十分なストレッチをかけていくようにします。

◯スタート時は手を内側に向けた状態
ストレッチさせる目的以外にも上腕二頭筋には【回外】という機能があるので、スタート時には手を内側に向けた回内位から始めて回外させながらカールしていくことは重要なポイントになります。

◯回外させながら動作を行うの時のコツ
回外させながら動作を行うの時のコツとして、ダンベルのグリップ部分を親指側を狭く、小指側を広くして握ってやってみましょう!そうすることで回外させるときの負荷を大きくすることが出来るようになります。

◯ベンチに背中をつけて反動は使わない
ベンチに背中をつけた状態で行うことで反動を使った動作を避けることも出来ます。
ストレッチ種目全般に言えることですが、安全面を考慮して反動は使わず丁寧に動作を行うことが基本となります。
上腕二頭筋の筋トレと言えばバーベルカールやダンベルカールが代表的な種目ですが、ストレッチ種目であるインクラインカールは筋肉の特徴を活かし、効果を出す為にはマストな種目です。
カール系のエクササイズはしっかりやっていても中々発達しないという方は是非メニューに入れてみてください。

次にインクラインカールを行う際の注意点について説明していきます。

インクラインカールの注意点

インクラインカールのやり方はわかりました!自分のトレーニングでも取り入れてみます。ちなみに注意すべき点等はありますか?

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

先ほども軽く触れましたが、より細かく注意すべき点を解説していきます!

①反動を使わない

先ほども少し触れましたが、ストレッチ系の種目は特に反動を使わないように注意していきましょう。
筋肉は自然な長さより少し伸ばされたほうが力を出しやすくなりますが、その分負担も大きくなります。
またストレッチ種目はその名前の通り、筋肉が伸張した時に大きなストレスがかかるようにしますので、反動を使うことで十分な範囲で動作を行えないことも考えられます。
背中をつけて実施することを利用して反動は使わず、丁寧な動作を心がけていきましょう。

②肩関節の屈曲が入らないようにする

『反動を使わない』というところとやや重複しますが、肘関節を屈曲(肘を曲げていく)するときに肘が前に出てしまうと肩関節の屈曲が入ってしまいます。

肩関節の屈曲が入ることで、収縮したときの上腕二頭筋のストレスがやや少なくなり、三角筋の前部に負荷が逃げてしまいます。

ストレッチ種目であっても、収縮・伸展の繰り返しになりますので、肘関節屈曲時に肘を動かさないことも必要です。

反動を使わないほうがいいもう1つの理由はこれです。

③オーバーワークに注意する

インクラインカールに限定した話ではないのですが、上腕二頭筋は背中のトレーニングなどでも非常によく使います。

また脚のトレーニングのように心肺機能にも大きな負担のかかることも少なく、多くのセットをこなすことが出来ます。

その為、オーバーワークに陥りやすく、発達の妨げにもなります。

上腕二頭筋をトレーニングしていても中々発達しないという方は頻度、セット数共に少なくすることをおススメします。

私自身も時間のない時等はインクラインカールを2セットのみで終了することもありますが、それだけでサイズがダウンすることもありませんでした。
思い切って減らすことも取り入れてみる価値はありそうです。

上腕二頭筋を鍛える他の筋トレメニュー

反動を使わずにやり過ぎない!これは押さえておきます!ちなみに他の上腕二頭筋のトレーニング種目と何が違うのでしょうか?

石井 利幸監修トレーナーからのアドバイス

加圧インストラクター

丁寧な動作で、適度な頻度を見つけたいですね!では最後に他種目との違いを解説していきます。

インクラインカールの有効性や注意点を解説して来ましたが、最後に上腕二頭筋の代表的な種目との違いを簡単に解説していきます。

様々は種目がありますが、今回はジムなどでも見かけることの多い、バーベルカール、ケーブルカール、プリーチャーカールと比べてみたいと思います。

先ほどからお話している通り、インクラインカールの最大の利点はストレッチ種目であることです。

他の3種目はいずれも、ストレッチはかかりにくくなっており最大の違いはその点となる事は覚えておきましょう。

バーベルカールとの違い

バーベルカールは何と言っても重量を扱えることが最大の違いとなります。

またワイドグリップで行うことで、回外を協調することができ、短頭への負荷を大きくすることが出来ます。

基本はあまり振り回さずに丁寧な動作を心がけていくようにしてみてください。

ケーブルカールとの違い

ケーブルカールの特徴は常に一定のテンションがかかることです。

上腕二頭筋はストレッチに反応がいいほか、比較的高回数に反応がいいという特徴があります。

筋肉を付ける為の重要な要素の1つにタイム・アンダー・テンション(1セットの筋肉の緊張時間。以下TUT)という考え方があります。

ケーブルの特徴を考慮してTUTを意識したトレーニングも上腕二頭筋のトレーニングには有効です。

プリーチャーカールとの違い

プリーチャーカールは以前ハンマーカールの記事を監修のした際に記載したのですが、肩関節の屈曲方向の負荷がなくなるため、上腕筋の働きが強いことが特徴です。

EZバーで行うことで更に上腕二頭筋へのストレスは少なくなります。(働かないわけではありません)

その為、上腕筋や前腕部分を強化したいのか?上腕二頭筋を最も強化したいのかによって使い分けをするとよいと思います。