プリーチャーカールの効果とやり方!手首の角度、ダンベルを使った方法を解説

監修者

島津 鉄平

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

上腕二頭筋を鍛える筋トレ種目「プリーチャーカール」。プリーチャーカールとは、専用の台を使って肘を身体の前に固定して行うアームカールです。今回は、プリーチャーカールの効果、鍛えられる部位、やり方とフォーム、効果を上げるポイントについて詳しく解説していきます。

プリーチャーカールとは何か?プリチャーカールで鍛えられる部位

プリーチャーカールとは?

僕も逞しい腕が欲しくてアームカールとかやっているのですが、他にいいトレーニングはありますか?

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

ありますよ。プリーチャーカールという種目をご存知ですか?

初めて聞きました。なんだか可愛い名前ですね。

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

実際にやってみると全然可愛くないんですけどね。プリーチャーという言葉の意味は牧師なのですが、牧師さんが聖書を読む時に使った台の形がプリーチャーカールを行う台に形が似ていることからプリーチャーカールという名前がつきました。

プリーチャーカールとは簡単に言うと、肘を身体の前に固定して行うアームカールで、肘の曲げ伸ばしをするため上腕二頭筋と上腕筋を鍛える種目となります。

プリーチャーカールで鍛えれる部位

ではもう少し詳しく機能解剖学的に説明します。

◯上腕二頭筋
 上腕二頭筋(長頭)上腕二頭筋(短頭)に分かれています。長頭は外側、短頭は内側にあります。二つとも同じ肩関節の動きと、肘関節の動きに関与します。
 
 使用する動作:腕を前に出す(肩関節屈曲)肘を曲げる(肘関節屈曲)前腕を外側に捻る(前腕外旋)

◯上腕筋
 肘関節の動きにのみ関与します。
 
 使用する動作:肘を曲げる(肘関節屈曲)

プリーチャーカールの基本的なフォーム

プリーチャーカールのやり方・フォーム

バーはEZバーという、ジグザグしたバーベルを使用します。

1、バーを持ちプリチャーベンチに座ります。
2、胸を台につけるようにしましょう。
3、肘の位置が変わらないように曲げ伸ばしをします。
4、曲げる時に胸が台から離れるように後ろに仰け反らないよいにします。
5、伸ばす時は前腕が台につくギリギリまで下ろしましょう。

プリーチャーカールのフォームのポイント

①重すぎるウエイトは避ける
特に難しい種目ではないのですが重すぎるウエイトを扱うとフォームが崩れたり、目標回数に達しにくいので気をつけてください。

②肘を曲げた時に手首を巻かない
肘を曲げながら手首巻く方が多いですが、正しくは、手の甲が前腕と水平にして固定するようにしましょう。
手首を動かすということは上腕二頭筋でも上腕筋でもなく、前腕を使っています。
効かせたい部位への意識が散漫になってしまうので、手首は固定しましょう。

プリーチャーカールの効果を最大限出す方法

最大限に効果をだすプリーチャーカールをしようとしたら、以下2点に注意してください。

・素早く曲げてゆっくり伸ばす。
・曲げるのは肘の真上にバーが来る手前までにすること。

肘を曲げる時は素早く、肘を伸ばす時はゆっくり

プリーチャーカールの最大の特徴といえばウエイトが身体から遠く離れていることが挙げられます。

同じ上腕二頭筋と上腕筋を鍛えるアームカールは身体に近いところで肘の曲げ伸ばしをするのと異なり、プリーチャーカールは腕を前に大きく出したところから曲げ伸ばしをするので、肘を伸ばしたところでの負荷が他のアームカールの種目に比べて断然大きくなります。

つまり、肘近くにある上腕筋と肘近くの上腕二頭筋の発達に効果的なのです。

では具体的にどのようにしたらいいのかというと、エキセントリック収縮(ネガティブトレーニング)を意識しましょう。
肘を曲げる時は多少勢いを使ってもいいので素早く曲げます。そして肘を伸ばしながら下ろすところを、ゆっくり行います。
前述にあったように、身体からバーが離れていくのが特徴だと言いました。
つまり、離れていく時にどれだけ耐えられるかがポイントになります。

この一生懸命重さに耐えながら下ろしていく。ということが大切で、それを行うことが筋繊維を破壊し、筋肥大に導いてくれます。

肘を曲げる時の角度は肘の真上にバーが来る手前まで

また逆のことも言えるのですが、プリーチャーカールで完全に曲げきったとき、肘の真上をバーが通り、肩の近くにバーがきます。
実際にやってみると分かるのですが、肘の真上をバーが通過した時点で上腕二頭筋と上腕筋への負荷はほぼ0になります。

なぜかというと、肘の真上にバーがある時は上腕二頭筋の努力を必要としないポジションになり、そのあとはバーの重さで肘が曲げられているだけなのです。
つまり、負荷を逃がさないためには、肘を曲げる時の角度は肘の真上にバーが来る手前までにしましょう。

プリーチャーカールのバリエーションを知りたい。

ではここでいくつかプリーチャーカールのバリエーションをご紹介します。

①ワンハンドダンベルプリーチャーカール

バーの代わりにダンベルを使用します。両腕一緒に行うより、片手ずつ行った方がバランスも取りやすく、集中しやすいため片手ずつ行いましょう。
また、バーの時と違って前腕の外旋・内旋が出来ます。

記事のはじめの方で触れましたが、上腕二頭筋は前腕の外旋にも関与します。
なので、肘を曲げる時に小指を内側に捻るようにしていくと、より一層上腕二頭筋の収縮が可能になり効果的に効かせられます。

島津 鉄平監修トレーナーからのアドバイス

健康運動実践指導者 ZUMBA®︎インストラクター 

ここでワンポイントアドバイスです。
肘を曲げてくる時に肩を前に突っ込むようにスライドさせます。こうすると、肘を完全に曲げた時に肘の真上に来るのが肩になるので、最後まで上腕二頭筋と上腕筋を使うことが出来ます。
反対に、肘を伸ばす時は肩を後ろに引いてダンベルとの距離を離せばより負荷をかけることも可能です。
是非、試して見てください。

②ケーブルプリーチャーカール

バーの代わりにケーブルを使用します。
ジムで行う際は、周りの方々に気をつけてください。
ケーブルは基本的にどの位置に引っ張っても引っ張り返して来るので、負荷が逃げません。つまり、プリーチャーカールの弱点である。肘の完全屈曲時に負荷が逃げる。ということをカバーしてくれます。

③プリーチャーカール(マシン)

ジムによってはプリーチャーカールができるマシンが置いてあることもあります。
マシンも基本的にはどのポジションでも負荷がかかるようにセッティングされていますが、重量が軽すぎると、肘の最大屈曲ポジションで負荷が逃げることもあるので、16キロ以上は使ったほうがいいといいうのが筆者の感覚です。

④バーベルカール

プリーチャーカールとポジションが違いますが、上腕二頭筋と上腕筋を鍛える筋トレという意味では同じなのでご紹介します。

基本的に肘は体側にくっつけます。そのまま状態を反らしたり肘の位置が変わらないように肘を曲げていきます。
ダンベルでもEZバーでも使用する器具は自由ですがそれぞれの特徴は捉えた上で選択してみてください。

ダンベルは前腕の外旋・内旋が可能。
EZバーは前腕をやや内旋で保ったまま行えるので手首はの負担減。
ストレートバーは手首への負担がかかるため、前腕も一緒に少し強化したい、EZバーがないけど、両手一緒に使いたい時に使用しましょう。

⑤インクラインダンベルカール

インクラインベンチを使用して行うダンベルカールです。こちらもプリーチャーカールとは少しポジションが異なるのですが、ご紹介します。
インクラインベンチを45°くらいにセッティングして座ります。ダンベルを持った腕をだらん、と下ろし。肘の位置が変わらないように肘を曲げていきます。
この時、ダンベルを下ろした時前腕は内旋(親指が上)曲げながら前腕を外旋(小指をやや上)とすると、上腕二頭筋がしっかり伸び縮みして聞かせることができます。

プリーチャーカールを用いたトレーニング法

先ほど紹介した。
・バーベルカール
・インクラインダンベルカール
・プリーチャーカール
この三種類を使ってPOF法(Position Of Flexion)というトレーニングができます。

簡単に説明しますと、
・筋肉が縮んだ状態から更に縮める(コントラクト種目)
・筋肉が伸びた状態から縮める(ストレッチ種目)
・上記の筋肉の状態の中間位から縮める(ミッドレンジ)

つまり、一回のトレーニングで筋肉の縮みはじめのポジションを変えることで、筋繊維を満遍なく破壊し、強くしていこうということになるのです。

・プリーチャーカール(コントラクト種目)
・インクラインダンベルカール(ストレッチ種目)
・バーベルカール(ミッドレンジ)

というようになりますので、トレーニングに慣れてきて新しい刺激が欲しいな。となっている方は是非、トライしてみてください。

自宅でもプリーチャーカールは出来る?専用の台がない場合は?

自宅でプリーチャーカールをしたい場合、椅子にクッションなどを敷いて、その上に腕を置けば同じようなことができます。
またはソファーの背もたれに腕を乗せてもいいですね。要は…

・肘を身体から斜め前に出したところで固定できる。
・立つと腰に負担がきやすく、反りやすいので座ったポジションを作る。

上記二点がクリアできれば自宅でもできます。

また、プリーチャーベンチがない場合はインクラインベンチを使用して、斜め45°くらいにセッティングした上に腕を置けばできます。
しかしこの場合、両腕を乗せられる幅がないので、片手で行うダンベルプリーチャーカールとなります。