筋トレと健康の関係|生活習慣病を予防できる!?

様々な病気の原因と言われている生活習慣病。そんな生活習慣病の予防に筋トレが有効であることをご存知ですか?生活習慣病は食生活と日常生活における運動と大きく関係しています。生活習慣病と筋トレの関係について解説していきます。

筋トレは大切!?筋肉の働きについて

人間の身体には、数多くの筋肉が存在しています。体の姿勢を保つ筋肉、生きるために必要な筋肉、運動するために必要な筋肉、その数はおよそ400個と言われています。

筋肉と聞くと体の表面だけの筋肉をイメージする人も多いかと思いますが、人間の筋肉は「骨格筋」「不随意筋」に分けられます。「骨格筋」は体を支え、運動に関係する筋肉であり鍛えることで大きくすることができます。

「不随意筋」は心臓や内臓、血管など身体の様々な働きに関与しており、自分の意思ではその動きを調整することはできず、鍛えることはできません。

「不随意筋」は「平滑筋」と「心筋」に分けられています。これらの筋肉の働きにより人間は生きていると言っても過言ではありません。

身体の筋肉量は一般的には20代で最大になり、その後徐々に低下していきます。加齢による基礎代謝の低下にも、この筋肉量の低下は関係しているといわれています。

筋トレするとどんなメリットがあるか?

筋肉を鍛えるということは一体どのようなメリットがあるのでしょうか?

筋肉は動くとエネルギーを使います。そのことから考えても多く筋肉が動けば動くほど、エネルギーは消費されることになります。

小さな筋肉よりは大きな筋肉のほうがエネルギーの消費は多くなるため、筋肉を大きく鍛えればエネルギー消費は上がるということです。

肥満やメタボリックシンドロームの原因は、消費されるエネルギーと摂取するエネルギーのバランスが、摂取するエネルギーに傾くことにあります。消費されず体内に残ったエネルギーが内臓脂肪として体内に貯留されてしまいます。その結果体重が増加し、生活習慣病の原因となってしまう、肥満やメタボリックシンドロームになってしまうのです。

筋肉を鍛えるということはこの消費エネルギーの増加につながります。さらに筋肉を鍛えエネルギー消費を増やし、食事を制限したり摂取エネルギーを減らすことができれば、自然と体内に貯留された内臓脂肪などが消費されて、体重が減少するという効果につながります。

筋トレで若返る!?って本当?

エネルギー消費の増加の他にも、筋トレには様々なメリットがあるといわれています。

筋肉を鍛えるということはエネルギーの消費アップにつながりますが、骨格筋が安定することにより、姿勢が正しくなり、綺麗なボディデザインへとつながります。

また、肩こりなどは肩周辺の筋肉の血流が低下することが原因であり、筋トレをおこなうことによりこの血流の改善ができます。

さらに若返り効果があるともいわれています。

筋トレをおこなうことにより、筋肉内には疲労に伴い乳酸が蓄積します。これを改善するために様々なホルモンの分泌が促されます。さらに基礎代謝が上がることにより細胞が活性化し、老廃物の排出も促され、結果的に「若返り」効果につながるといわれています。

これはランニングのような有酸素運動についても同様のことが言えます。
詳しくは、『ダイエットだけじゃない ランニングがもたらす美肌効果!!』をご覧ください。

筋トレと糖尿病は実は深い関わりがある?

生活習慣病の一つである「糖尿病」と筋トレについて、アメリカのハーバード大学の研究チームは、「週150分の筋トレが糖尿病発症のリスクを34%下げる」という報告をしています。

週に150分というと1日約21分の筋トレが必要になることになりますが、毎日20分の筋トレ実施で34%も糖尿病発症のリスクを下げることができるのではあれば、やってみる価値はあるのではないでしょうか。

生活習慣病予防のための運動といえばウォーキングやランニングをイメージしますが、これらの運動を毎日継続するのは難しい場合も多いかと思います。

また筋トレをおこなうことで、単にエネルギーの消費がアップするだけでなく、筋肉の収縮により血液中のブドウ糖(グルコース)の吸収が促進され、血糖値が下がるという報告もされています。

血糖値が高い状態が続けば、血糖値を下げるための「インスリン」の働きに抵抗ができてしまい、血糖値が下がりにくくなります。筋トレをすることにより、インスリン以外の働きで血糖値がさげれるということは、このインスリンに対しての抵抗の改善にもつながります。筋トレは糖尿病改善に非常に有効であると言えるのです。

血糖値とインスリンの関係について、以下の記事に詳しく解説してあります。ぜひ参考にしてください。

筋トレと有酸素運動の組み合わせがさらに効果アップ!

筋トレを週に150時間実施すれば、糖尿病発症のリスクが34%低下するという報告に加えて、さらに効果をアップさせたいのであれば、ウォーキング、ランニング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動を組み合わせることが有効です。

なんと週に150時間の筋トレと、150時間の有酸素運動で糖尿病の発症リスクは59%低下すると報告されています。

1日1時間程度の運動の中に、筋トレと有酸素運動を組み込むことで、糖尿病発症率を大きく下げることができるのです。これは糖尿病だけに効果があるわけではありません。高血圧や脂質代謝異常などの、その他の生活習慣病の予防や改善にも大きく効果をもたらします。

1日1時間の運動で将来の健康的な生活が送れる可能性が高まるのであれば、努力してみる価値はあるのではないでしょうか。

最初から大変な運動をする必要はありません。大切なのは無理なく、継続することです。30分のウォーキングをおこない、20分の腹筋、プッシュアップ(腕立て伏せ)、背筋、スクワットなどの簡単にできる筋トレからはじめてみてください。

以下に基本的な筋トレを紹介します。

プッシュアップ

クランチ

腹筋を鍛える『クランチ』です。

バックエクステンション

背筋を鍛える『バックエクステンション』です。
筋トレ種目のBIG3のひとつである『スクワット』です。

筋トレは生活習慣病の予防になる

●筋トレは生活習慣病の予防、改善に大きな効果がある。
●週150分の筋トレは糖尿病の発症リスクを34%下げる。
●筋トレと有酸素運動の組み合わせはさらに効果を上げる。

生活習慣病を予防、改善し、健康的な生活を送るためには、日々の生活の改善が大切になります。バランスの良い食事への改善、そして運動不足の解消が必要になります。その運動の中に、「筋トレ」を組み込むことは非常に効果的です。また運動は無理なく継続しなければいけません。忙しい日常の中で、運動を継続することは大変な場合もあるかもしれませんが、自分自身の将来のために、健康的な生活に向けてぜひチャレンジしてください。

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