開脚は誰でも簡単に短期間で出来るようになるの?

編集部

ベターッと開脚が出来るようになりたいです!4週間くらいの短期間で出来るようになるって本で読んだのですが本当ですか?

松永有紀 監修トレーナーからアドバイス

Body Control Pilates マットワークティーチャー、産前/産後インストラクター、シニアピラティスインストラクター

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開脚が出来るほど股関節が柔らかいのはいいことです。しかし、無理に開脚をすると怪我をする可能性もあります。

編集部

えっ、そうなんですか!?

松永有紀 監修トレーナーからアドバイス

Body Control Pilates マットワークティーチャー、産前/産後インストラクター、シニアピラティスインストラクター

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はい。なのでこの記事では開脚が出来るようになるまでのステップを1つずつ丁寧に紹介していきます。

脚が左右にきれいに開き、上半身がベターッと床につく開脚前屈、できるようになりたい!と憧れを持つ方も多いのでは?特にeikoさんの「どんなに体がかたい人でもベターッと開脚できるようになるすごい方法」という本がベストセラーになって以来、巷には類似の開脚本があふれ、テレビでも様々な特集が組まれるようになりました。


ベストセラー本は「4週間で達成できる」と謳っているため、「そんなに短期間でできるようになるんだ!」と期待した方も多いでしょう。ところが本のレビューなどを見ると本当に4週間でできるようになった人は少ないようです。さらには無理なストレッチで腿の筋肉や股関節を痛めてしまう人までいるようです。

立位体前屈マイナス12センチ(床上12センチ)の記録を持つ体の硬いトレーナーが断言します。残念ながら「本当に」体が硬い人はそんなに短期間で開脚ができるようにはなりません!
今現在開脚ができない人はある前提条件をクリアしていないことがほとんどです。この条件がクリアできないうちに様々なストレッチやトレーニングを行ってもあまり効果が出ないばかりか、体を痛める可能性もあります。まずはあせらず前提条件をクリアしましょう。

遠回りのようでいてそれが意外に近道です。ここでは「本当に」体が硬い人向けに、今まであまり解説されてこなかったある前提条件をクリアするための方法、そして安全に今より開脚ができるようになる方法を解説していきます。

開脚が出来るようになる練習をする前に|「本当」に体が硬いとは -開脚の前提条件

あぐらの状態、あるいは長座の状態で「骨盤が立つ」人は、股関節周りの柔軟性と、骨盤を立たせておける筋力がある程度ある人です。「骨盤が立つ」とは、床に対して骨盤が垂直になった状態のこと。骨盤の底のとがった骨、坐骨が垂直に床にささっている感じです。

骨盤が立っていれば背骨の状態も自然になり、腰の後ろには若干のカーブがあります。実はこの、腰の後ろのカーブをキープしたまま骨盤を立てて座れることこそが開脚のための前提条件なのです。

ここで言う「本当に」体が硬い人は、あぐらや長座になると腰が丸まってしまいます。座ると骨盤が後ろに傾いてしまうのです。この状態では、股関節は本来の可動域ですら動かすことができません。開脚はおろか、むりやり脚をひらくストレッチをすると怪我をしてしまう可能性もあります。

本やインターネットでは、開脚ができるようになるためのストレッチやエクササイズが色々紹介されていますが、多くは骨盤が立っていることを前提としているので、本当に体が硬い人にとっては、実はそれすら難しいのです。

あぐらや長座で骨盤を立てられないのは、お尻や腿裏の筋肉が硬くなってしまっているからです。ハムストリング(太もも裏の筋肉)は骨盤の底の坐骨から膝の裏側の下の方につながっていますが、骨盤が後ろに傾くと坐骨が膝の裏に近づくので、ハムストリングの筋肉がぐっと縮まって硬くなってしまいます。

また、骨盤が後ろに傾くとおなかの力が抜けやすくなり、お腹の力が抜けると骨盤の位置がキープできず、さらに後ろに傾く、という悪循環に陥ります。デスクワークで座っている時間が長い人は、おなかの力がなくこの悪循環にはまっている人が多いのです。

骨盤が後ろに傾くと、その分太ももの骨との境目である股関節が圧迫された形になり、動きが悪くなります。つまり、開脚などの股関節を使う必要のある動きがうまくできなくなってしまうのです。また、歩くときも股関節がうまく動かない分、必要以上にお尻の表面外側や腿の外側の筋肉をつかってしまい、骨盤ごと動かすような歩き方になり、お尻の形が悪くなるだけでなく腰痛などの原因にもなってしまいます。

股関節のボディイメージ

松永有紀 監修トレーナーからアドバイス

Body Control Pilates マットワークティーチャー、産前/産後インストラクター、シニアピラティスインストラクター

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さてこれまでの話で何度も股関節が出てきましたが、股関節とはどこのことでしょう?触って確かめることはできるでしょうか?

股関節はどこでしょうと尋ねると、かなりの数の方が体の前側の脚の付け根の部分(いわゆるコマネチのライン)と答えます。実はそこは鼠蹊部と呼ばれる場所で股関節ではありません。股「関節」というぐらいですから、骨と骨がつながっている場所です。股関節とは骨盤と太ももの骨(大腿骨)の境目です。骨盤の中にあるため残念ながら触って確認することができません。

大腿骨の上の方は球状になって骨盤にはまっています。この球状の部分を大腿骨頭と言います。この特殊な形のおかげで、足は前後に動くだけではなく横にも動きますし、腿を持ち上げることもできます。また股関節から脚を外側にも内側にもひねるように動かすことができます。

自分の体がどんな感じか認識することをボディイメージと言いますが、鼠蹊部を股関節と思うのと、骨盤の中に股関節があると思うのではずいぶんイメージが変わってきます。そのイメージが変わると動きの質が変わってくるのです。
立って、片脚を少し上げ、同じ側のお尻を手で触りながら脚をくるくると回してみましょう。

お尻の奥が動くのがわかります。このあたりが股関節です。立っているときは骨盤に対して下向きに大腿骨がはまっています。この状態が股関節にとっては一番負担のない状態です。一方、床に座って開脚する時はどうでしょう?まずは骨盤に対して大腿骨が垂直になり、そこから外側に開き、さらに足りない分は股関節から脚を外にひねるようにします。

文字にしてみるとわかる通り、様々な筋肉を使ってかなり複雑な動きをしているのです。股関節を作っている大腿骨頭が球状であるからこそできる動きと言えるでしょう。

正しく股関節のイメージができた上で長座をしてみましょう。鼠蹊部を股関節と勘違いしていると、体の表面、足の付け根からL字に折るように体を使ってしまいますが、床に垂直に立つ骨盤、股関節の位置、そして丸い大腿骨頭をイメージすると、お尻の奥から体を使え、若干座りやすくなるのではないでしょうか?
歩くときも大腿骨頭がなめらかに動く感じを想像してみてください。余計な力が抜け、お尻の奥から脚が動き、軽やかに歩けます。正しく股関節をイメージすれば脳からの指令がどんどん股関節周りの筋肉に届き、しっかりと使うことができるようになります。

開脚に必須! 骨盤を安定させる筋力

長座も開脚も、骨盤に対して大腿骨がどうなっているか、をイメージすることが大切です。つまり、股関節がどう動くか、です。動くのは股関節なので、骨盤は動かす必要がありません。後ろに倒れてしまったり、骨盤がよけいな動きをしてしまうと股関節が十分動かなくなってしまいます。

ここで大切になってくるのは体幹部を安定させ、骨盤に余計な動きをさせないコアの筋力です。コアの筋肉の鍛え方については以下の記事で詳しく解説しましたが、ここでは骨盤を底から支え、深部の腹筋に力を伝える「ウインドジップ」をご紹介しましょう。

ウインドジップ ウインド(wind)とは、イギリスの俗語でおならのこと。そのおならをチャックをしてがまんするように筋肉を使うのが「ウインドジップ」です。

1.あぐらで座ります
2.おならを我慢するようにやさしく肛門を閉じましょう。この時、ぎゅっと締めすぎないことがポイントです。2つのお尻を1つにまとめるようにぎゅっと締めてしまうと、ターゲットにしている骨盤底筋群ではなく、お尻の外側の大きい筋肉、大殿筋などを使うことになってしまいます。お尻はあくまで2つ。おならをがまんしていることがばれないようにさりげなく、ぐらいがちょうどよい力加減です。
3.息を吐きながら、やさしく肛門を閉じた力をチャックを引き上げるように恥骨、おへその方へつなげていきます。
4.息を吸っても、おへそまで引き上げたチャックをできるだけ緩めず、キープするようにしましょう。
5.次に息を吐くときに、また肛門→恥骨→おへそとチャックをやさしく引き上げます。
6.数回繰り返します。 一見開脚とは関係がなさそうな骨盤底筋群のトレーニングですが、隣接する深部の腹筋も鍛えるので続けるうちにあぐらや長座でも骨盤が安定し、立ちやすくなってきます。骨盤を立てた状態がキープできれば、開脚につながるストレッチやエクササイズもようやく効果が出てきます。

編集部

これならあぐらでなくても、電車に乗っているときやデスクワークの最中でもこっそりできますね!

松永有紀 監修トレーナーからアドバイス

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そうなんです。気付いたときにウインドジップをする習慣ができると、骨盤の状態にも敏感になってきます。おなかの力が抜けて骨盤が後ろに倒れていることに気付けるようになればしめたもの。自分で体勢を修正できます。これこそが狙いなのです。

開脚が出来るようになるために|股関節周りをゆるめるケアとストレッチ5選

骨盤を安定させる日々の筋トレのほかに、骨盤を立たせ、開脚に近づくために是非普段の生活に取り入れていただきたい股関節周りをゆるめるケアとストレッチを5つご紹介しましょう。

仙骨を温める

仙骨とは背骨の下の方、尾てい骨の上の部分です。股関節や下半身への血流をよくします。お風呂に入った時、少し熱めのシャワーを30秒程度当てましょう。また、下着の上からカイロを貼るのも効果的です。冬はもちろん、冷房のきつい夏場のオフィスなどで試してみましょう。

ラクロスボールでお尻をゆるめる

骨盤が立たない方はお尻の筋肉が硬くなっていると述べましたが、それを体感してみましょう。ラクロスボール(テニスボールやゴルフボールでも可)を1つ用意します。
床に座った状態で片尻を浮かせ、坐骨のきわにラクロスボールを入れます。
ボールを入れた側のひざを倒し、お尻を回して坐骨の周りを転がしましょう。しばらく回したら坐骨の後ろ(背中側)にボールを置き、骨盤を後ろに傾けます。痛気持ちいい程度でストップし、出来そうだったら倒している膝を立てたり、また倒したり、お尻の下にボールを入れたまま脚を動かしてみます。

数回動かしたらボールを抜いて、体育座りをしてみましょう。ボールでほぐした方のお尻が柔らかく、床との設置面積が大きくなっていることが感じられるでしょう。
反対側のお尻も同じようにしてほぐします。お尻をほぐした後にあぐらや長座の姿勢になってみると骨盤が立ちやすくなっていることが感じられると思います。椅子にも座ってみましょう。柔らかいお尻で骨盤を立たせることを意識して座った感覚はいかがですか?お尻が柔らかい状態で座るとどんな感じかを体に繰り返し覚えさせることができます。

編集部

ラクロスボールがよいのですか?

松永有紀 監修トレーナーからアドバイス

Body Control Pilates マットワークティーチャー、産前/産後インストラクター、シニアピラティスインストラクター

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テニスボールやゴルフボールでもよいのですが、ラクロスボールは表面がゴム素材なので毛羽立たずあたりが柔らかい、潰れない、硬さや大きさが絶妙、などの理由で一度使うとファンになる方が多いです。最近ではスポーツショップでバラ売りもしているようなので是非探してみてください。


お尻ストレッチ

1.仰向けになり、ひざを立てます。
2.片脚のかかとをもう片脚のひざの上あたりに乗せます。
3.そのまま両脚をまっすぐ胸の方に引き寄せます。
4.引き寄せた脚の腿裏を両手でサポートし、さらに引き寄せます。
5.ゆっくり呼吸をしながら30秒ほどキープします
6.反対側も同じように行います。

ハムストリングトレッチ

1.体育座りをして、胸とお腹を前腿にぴったりくっつけます。
2.かかとを段々体から離し、ひざを伸ばしていきます。
3.お尻が詰まるような感じがしたら、お尻歩きで後ろに行くように、お尻の位置を後ろにずらします。
4.ゆっくり呼吸をしながら30秒ほどキープします。
5.さらにかかとを遠くに離せそうなら離し、もう30秒ほどキープします。

このストレッチはハムストリングでも、お尻に近い上の方に効果があるので骨盤が立たない方には特に効果的です。

背骨のストレッチ

1.まず正座で座ったら膝をマット幅ぐらいに開きます。
2.両手を脚の間に置きます。エクササイズボールがあったらボールを脚の間に置き、その上に両手を乗せましょう。
3.お尻を少し持ち上げ、手を前に滑らせながら、腰を丸めないように、尾てい骨と頭のてっぺんを引っ張り合いっこして背骨を長く伸ばすようにします。
4.適度な所で止め、ゆっくり呼吸をしながら30秒ほどキープします。 背骨が長く伸びる感じがしたら大成功です。逆に腰が反るような感じがしたら、腰に余計な力が入って腰を痛めてしまいかねません。腰を反らせないよう、肋骨を閉じるようにイメージしながらすべての背骨を離すように長く伸ばしましょう。

正しい股関節のボディイメージを持ったうえで、骨盤を支える骨盤底筋群のトレーニング、日々のお尻ケアを継続的に行うと、早い人で1か月程度で骨盤が立つようになってきます。少なくとも3か月はあきらめずに続けてみましょう。

ようやくスタートライン! -開脚の練習

開脚の練習は骨盤が立つようになってから行いましょう。遠回りのようでいて、確実、かつ安全です。

1.長座の状態から少しづつ脚を股関節から左右に開いていきます。骨盤を立てたまま開けるところまで開きます。つま先が内に倒れる(股関節が内旋する)余裕があるところまでが目安です。それ以上開くと骨盤が後ろに倒れ、股関節は内旋できなくなります。それはつまり、体が前に倒れないということです。脚を開こうと、大腿骨を骨盤から離すように、お尻が二つにぱっくり割れるように開いてはいけません。股関節が動く余裕がなくなってしまいます。むしろ、大腿骨頭を骨盤により深くはめ込むようにイメージをしてみましょう。

2.両腕を上に挙げてみましょう。骨盤がしっかり立っていればできるはずです。骨盤が後ろに倒れてしまうと、バランスを取るように頭が前に行き、腕が上がりにくくなってしまいます。骨盤は重たく地面に垂直に沈め、腕につられて肋骨が引きあがり、背骨と背骨の隙間が広くなるようにイメージしてみましょう。

3.腕を伸ばしたまま、片脚側に体を倒します。骨盤が浮いてこないように、左右の坐骨をしっかり床に突き刺しておきます。膝は多少曲がっていてもよいので、太ももの骨を骨盤の中に押し入れるようにすると、上半身の力が抜け、股関節の位置を感じやすくなり、大腿骨頭が骨盤に深くはまった感じがします。左右両方行いましょう。

4.両脚の大腿骨頭がしっかり骨盤にはまったら、そこから脚を動かさないように、股関節から骨盤を倒します。この時、背骨ストレッチで行ったように、腰を丸めず、むしろ背骨を(特に腰のあたり)伸ばすようなイメージでウインドジップをしながら行うと股関節から体を倒しやすくなります。

いかがでしょうか?ぐいぐい脚を開いて、一生懸命体を前に倒すのとは一味違う感覚で開脚前屈ができたでしょうか?普段使えていないところを使えた気持ちよさがあれば大成功です!

開脚できる角度は一般的に120度と言われています。とはいえ、人によって股関節の可動域は違いますし、大腿骨頭のはまり具合でも開ける角度は変わってきます。180度を目指したいところですが、180度開脚するためには特殊要因がいくつか必要なので、無理はしないようにしましょう。

松永有紀 監修トレーナーからアドバイス

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日常生活では股関節は前後に使うことがほとんどで、開脚に必要な外に開いたりひねる動きをすることがほとんどありません。開脚は股関節の機能を最大限活用できる動きと言えるでしょう。いつまでも自分の脚で歩くためにはせっかくの股関節の機能を衰えさせないことが大切です。股関節のトレーニングに開脚はぴったり。目先のわかりやすい結果にこだわらず、長い目で将来を見据えて開脚に取り組んでみましょう。

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