股関節は人間にとって重要な場所です!今回はその股関節の可動域をしっかりと確保するストレッチ方法を様々な場所別でお伝えしていきます!
股関節が硬くなるのはどうしてか。股関節が硬くなるとどうなるか。どんな問題が起こるか。その改善方法はどんなものがあるかをお伝えしていきます。
股関節ってどんなもの?|股関節を知る
今回は「股関節」について教えてください。
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
人にとって重要な場所の1つですね。
「股関節」とは
「股関節」が正しい状態にないと、上半身と下半身がうまく動かない状態になります。
「股関節」は骨盤の骨の1つである「寛骨(かんこつ)」にあるくぼみ(寛骨臼)に、太ももの骨である大腿骨がはまるような形で作られています。
骨盤にはまる部分の太ももの骨は丸い頭の形をしていて、この形によって太ももの骨は様々な角度に動くようになります。
これを股関節の「可動域」と言いますが、この股関節の可動域が広いかどうかで、柔らかいかどうかを判断している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
開脚ができる=股関節が柔らかいではない
そのすべてで柔らかいとは限りません。1か所だけ柔らかくなっても良いことはありませんが、最近の風潮としては「開脚」だけ柔らかくなるという考えが広まっているようにも感じます。これは実は危険なのです。
股関節は骨盤と大腿骨でできているといいましたが、その他にもいくつもの筋肉があり、靭帯があります。
それらが様々な角度や動きによって複雑に関わりながら股関節として成り立っています。
筋肉の柔軟性が股関節の柔軟性に直結しているように思われますが、それだけでは股関節は柔らかくなりません。
お尻の筋肉や腰周りの筋肉などストレッチをする場所や筋トレをする場所、ピラティスなどのコレクティブエクササイズをすることも大切になります。
【専門家解説】股関節の筋肉の作用とは?腰痛などの痛み予防のためになぜ股関節が重要なのか?解説します。さらにストレッチやトレーニング方法についても解説します。股関節周りの筋肉をほぐす。ほぐした後は正しく刺激する。重心、軸を意識して扱うことで股関節の痛みは勿論、膝の痛み、腰の痛み、間接的には肩こりの改善にも繋がります。
股関節が硬いとどうなる?|股関節におきる問題
股関節が「硬い」とどんな問題が起こるのでしょうか?
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
股関節はいろいろな方向へと動かせるので、問題が起こると日常生活における様々な動きにおいて痛いと感じたり、動きが制限されることでいろいろな症状が出てきます。
「股関節」が硬くて起こる問題点
股関節が硬くなるということはこれらの動きが制限されるため、日常生活においては様々な問題が出てしまいます。
歩きはじめや立ち上がるとき、股関節を開閉するときなどに痛みが起こることがあります。
さらには股関節の動きが硬くなることで、片足立ちするとふらついたりすることもあります。
これらは筋肉が硬くなっていることで起こる問題です。
カラダには「前と後ろ」がありますが、股関節で考えると「お腹側」と「背中側」に筋肉があり、内側と外側に動かす場合に使う場所が変わります。筋肉の硬さによっては股関節の硬さは内側と外側では変わってきますので、しっかりとチェックする必要があります。
股関節で重要なことは「内もも」と「お尻」に筋肉の柔軟性をチェックすることです。これらの筋肉が硬くなっていると問題が起こりやすくなります。
股関節の痛みだけではなく、腰痛や膝痛などの痛みも起こりやすくなりますので、しっかりとしたケアが大切です。
さらには、太ももやお尻がスタイル的に崩れてしまうこともあります。硬くなってしまったせいで太くなってしまったということもよくあることですので、ダイエットなどをしている方はこういったことで細くならないのかもしれないということを知っておくといいですね。
【専門家解説】腰痛の原因は股関節にある場合もあります。腰痛と股関節の関係、あなたの腰痛が股関節性かチェックし、その対処法をお伝えしたいと思います。
股関節チェックをしてみよう|内側タイプ・外側タイプ
股関節の状態はどのようにチェックすればよいのでしょうか?
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
股関節では「内側」と「外側」の2つのタイプで分けられます。まずは簡単なチェックをしてみましょう。
自分の股関節タイプをチェックしてみよう!
《チェック方法》
【1】仰向けで寝る
【2】片方の膝を立てる
【3】曲げた膝を内側へ倒す
【4】曲げた膝を外側へ倒す
◯【内側が硬いタイプの方】
「腸骨筋」や「股関節内転筋群」に問題が起こっているということになります。
◯【外側が硬いタイプの方】
「中殿筋・小殿筋・梨状筋」や「大殿筋」に問題が起こっていることになります。
内側タイプの方は太ももの骨を内側に倒すことで痛みやつまりを感じます。このタイプの方は膝を持ち上げたときにもつまりを感じやすい方が多いです。骨盤がスムーズに丸まらないため下腹部がぽっこりお腹になっている方が多いのが特徴です。反対に外側タイプの方はお尻周りの筋肉が硬くなっている方が多く、O脚気味の方が多くなっています。太ももの裏の柔軟性が著しく低下しやすいもの特徴です。
股関節のタイプ別ストレッチ|内側が硬いタイプ向け
まずは内側タイプのストレッチを教えてください。
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
内側タイプの方は「腸骨筋」や「大腰筋」、「股関節内転筋群」をしっかりとストレッチする必要があります。
①腸腰筋ストレッチ
<やり方>
【1】マットとクッションを準備します
【2】うつ伏せに寝て、膝の下にクッションを置きます
【3】そのままクッションにのせた膝を曲げてつま先をつかみます
【4】つま先をお尻に近づけてストレッチします
【5】30秒キープして反対も行います
②股関節内転筋群ストレッチ
<やり方>
【1】足の裏と裏を合わせた状態で座ります
【2】膝の上に軽く手を置きます
【3】そのまま骨盤をしっかりと立てます
【4】呼吸を止めないように気をつけて手で膝を床の方へと押していきます
内側タイプの方はまずはこの2つのストレッチをしっかりとおこなうことで、股関節のつまりが無くなるようにすると動きが良くなります。さらにお尻周りの筋肉のエクササイズを併用して行うことで、よりストレッチの効果が高くなります。
股関節のタイプ別ストレッチ|外側が硬いタイプ向け
次は外側タイプのストレッチを教えてください!
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
外側タイプの方は「大殿筋・中殿筋・小殿筋・梨状筋」といったお尻周りの筋肉をストレッチしましょう!
①大殿筋ストレッチ
<やり方>
【1】床にあおむけに寝ます
【2】片方の膝を両手でしっかりと持ちます
【3】持った膝を同じ側の胸へと引き寄せるように持ち上げます
【4】30秒キープして反対側も行います
②中殿筋ストレッチ
<やり方>
【1】仰向けで寝ます
【2】両肩をしっかりと床につけます
【3】片足を持ち上げて反対の床を触るように腰からひねります
【4】30秒キープして反対も行います
③大腿筋膜張筋ストレッチ
<やり方>
【1】床にあおむけで寝ます
【2】タオルを準備して片足を持ち上げます
【3】真っ直ぐに持ち上げた足の裏にタオルを引っ掛けて持ちます
【4】骨盤が浮かないように反対側へと倒していきます
【5】30秒キープして反対も行います
外側タイプの方は、内もものエクササイズを取り入れるといいでしょう。また、下半身全体の筋肉バランスをしっかりと整えることが大切です。
柔らかいことは重要ではない⁉
小松裕幸監修トレーナーからのアドバイス
加圧スペシャルインストラクター/ファンクショナルローラーピラティス/整体師/小顔美容矯正士/スタビライゼーショントレーニングアドバンサー/ドラウタビリティアドバンサー
ここまでストレッチを説明してきましたが、実は柔らかすぎても問題になります。
えっ!それはどうしてでしょうか?
柔らかいことは重要ではない
ただ単に関節が柔らかい(可動域が広い)ということは、カラダの機能としては役には立ちません。今回説明したストレッチもただ柔らかくするためのものではありません。ストレッチ本来の意味をしっかりと知ったうえでおこなうべきです。
カラダが柔らかいということは、「安定性が低い」とも言えます。
分かりにくいかもしれませんが、柔らかいだけだとケガをするリスクが高くなるのです。例えば開脚をしたとして開ける角度が大きくなったとしても、それは動きの中での可動域とは違います。動いていないときの柔軟性です。
つまり、動いているときにその角度で開けるのかどうか、そして、動いているときにそこまで開いてもキープできるだけの筋力があるかどうかが問題になります。
どういうことかというと、開ける範囲が広くて筋力が低い状態だと、反動で開くことができるのですがその分反動によって自分でキープできない範囲まで開くことになります。つまりは、反動によって開きすぎてしまい股関節を痛めてしまうのです。自分ではコントロールできないカラダだということですね。これではストレッチの意味がなくなってしまいます。
柔軟性と筋力
ぜひストレッチと筋トレで股関節の動きを良くしてみてください。腰痛などを持っている方には特にお勧めいたします。